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PBXとはどんなシステム?機能や選び方のポイント、導入事例を紹介

PBXは企業内で使用される電話交換システムのことで、外部の電話回線と内部の内線電話機を接続し、通話の制御や転送、内線通話、外線発着信などを可能にします。この記事では、PBXの基本的な機能や種類、PBXを選ぶポイントを紹介します。

目次

Withコロナにおけるコールセンターの理想系「システム選定のポイントと構築ガイド」

PBXは企業内での電話通信を効率的に行うためのシステムであり、ビジネスにおいて重要な役割を果たします。しかし、「それ以上のことはよく知らない」という方は意外に多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、PBXの基本的な機能や種類に加え、PBXを選ぶ際のポイントも解説します。実際にPBXを導入した事例も紹介しているため、導入のメリットや効果を具体的に理解できるでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

PBX(Private Branch EXchange)とはどんなシステム?

受話器を取る人 

主にコールセンターやカスタマーサポートで導入されるPBXですが、どのようなシステムなのか、深く知らない方もいるでしょう。ここでは、PBXについて紹介しつつ、混同されやすいビジネスフォンとの違いについても解説します。

PBXとは企業内の電話交換機のこと

PBX(Private Branch Exchange)は、企業内で使用される電話交換システムのことです。PBXは複数の電話回線を集約し、内線通話や外部との通話を効率的に行うための仕組みを提供します。

例えば着信した電話を他の電話に転送できたり、応答中に別の着信を通知して切り替えができたりします。PBXは企業内外のコミュニケーションの効率化はもとより、顧客サービスの向上にも役立ちます。

ビジネスフォンとの違いと共通点

ビジネスフォンとは、企業がビジネスコミュニケーションに使用する電話機のことを指します。ビジネスフォンという名称だけあり、ビジネス環境に特化した機能があります。 PBXのように従業員同士で内線通話を行う機能や、線通話機能を備えています。

PBXとビジネスフォンの主な違いは「規模の大きさ」でしょう。PBXは大規模かつ複数の拠点・部署を統合して通信できますが、ビジネスフォンは単一拠点や小規模な社内での通信に使用されます。

また、PBXはパソコンに接続して使用するため、拡張性に富んでいます。一方、ビジネスフォンは主に電話回線に接続され、あくまで外部との通話に特化しています。

PBXがあれば何ができるのか?備えている機能

ヘッドセットを着けたスーツの男性 

ここでは、PBXに備わっている基本的な機能をいくつか紹介します。自社のニーズに合っているか、導入を検討する参考にしてみてください。

外線からの発着信の制御機能

外線との発信の制御とは、PBX内のユーザーが特定の番号への利用制限をかけられる機能のことです。通信コストの管理やセキュリティの強化に役立ちます。

外線との着信の制御とは、外部からPBX内のユーザーへの電話着信を管理する機能です。顧客の問い合わせ内容に応じて、適切な部署やスキルを持つ担当者に自動的に転送することで、迅速かつ正確な対応を行えます。

内線同士による通話機能

同一企業内の異なる拠点や部署の電話機同士で通話を行えます。内線同士による通話機能により、従業員は効率的にコミュニケーションを取れる他、同じ回線を使用するためコストがかかりません。

コールセンターで活用する場合、問い合わせ内容に応じて適切なオペレーターへの転送が求められます。内線通話を活用することで、特定のスキルを持つオペレーターに瞬時に転送できます。

代表番号の着信機能

PBXの代表番号着信機能は、あらかじめ設定した代表電話番号にかかってきた着信を、適切な内線にルーティングする機能です。顧客はひとつの代表番号にかけるだけで、適切な部署や担当者につながります。

この機能がないと、顧客から電話がかかってきた際に「通話中」になってしまい、別の顧客から電話が受けられません。かといって、顧客に複数の電話番号を通知すると困惑してしまうでしょう。代表番号着信機能を活用することで、顧客の手間を軽減しつつ、一元的な受付体制を提供できます。

転送機能

転送機能は、着信した電話を自動的に別の内線や外部の電話番号に転送する機能です。特定の担当者が不在の際に役立つ他、問い合わせ内容に応じて適切な担当者に転送できます。スマートフォンに内線化できる機能を持っているPBXもあります。

転送機能を活用することで、問い合わせにスムーズに対応するとともに、応対漏れを防ぐことも可能です。

パーク保留機能

パーク保留機能は、着信した電話を一時的に保留し、他の内線へ引き継ぐ機能です。本来、通話を保留すると同じ電話からしか通話の再開ができませんが、パーク保留機能があれば他の電話でも通話を再開できます。

役立つシーンはさまざまですが、代表的なのは「誰に転送すればよいか分からない」ケースでしょう。例えば、顧客からの問い合わせ内容に答えられる人を探す場合、一度保留して社内で確認し、適切な人に電話をつなげます。

ダイヤルイン機能

ダイヤルイン機能とは、電話番号を増やせる機能のことです。一般的には電話番号の数だけ回線を契約する必要がありますが、ダイヤルイン機能はひとつの回線で複数の電話番号を使い分けられます。複数の電話番号を低コストで運用できる点がメリットです。

部署ごとに異なる番号を取得したり、特定の社員に電話番号を割り振ったりもできます。これによって問い合わせの内容に応じて電話をつなげられ、顧客・企業の双方にとって通話の効率化が図れます。

PBXの主な種類は3つ

机の上に置かれた黒いビジネスフォン 

ひとくちにPBXといっても、3つの種類があります。それぞれで特徴や使いやすさが異なるため、企業のニーズや予算に応じて選ぶことが大切です。3種類のPBXとは何なのか、それぞれの概要を紹介します。

IP・インターネット回線を使う「IP-PBX」

IP-PBXはインターネットプロトコル(IP)を使用して音声通信を行うPBXシステムの一種です。アナログ電話回線だけでなく、IPネットワークを介して音声通話を行う方式の「VoIP(Voice over Internet Protocol)」を使用して通話を行います。

アナログ電話回線よりも通信費を削減でき、特に国際電話や長距離通話での大幅なコスト削減が期待できます。

また、IP-PBXはスマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスとの連携が容易です。社外や移動中でもIP-PBXを利用して通話やメッセージングを行えます。

クラウド上で電話交換機能サービスを使う「クラウドPBX」

クラウドPBXは従来のオンプレミス型(自社でのシステム構築・運用する形態)PBXとは異なり、クラウド(インターネット上のサーバー)を介して提供されるPBXシステムです。企業は自社内にPBXのハードウェアを設置・運用する必要がなく、サードパーティのプロバイダーが管理するクラウド上のサーバーを利用します。

クラウドPBXの大きなメリットは、導入費用やメンテナンスに関する負担を軽減できる点です。サービス提供者がクラウド上のサーバーを管理し、システムのアップデートや機能追加も自動的にやってくれます。企業はサービスを利用するだけです。

電話回線を使う従来タイプの「レガシーPBX」

従来の電話回線を使用するタイプのPBXを「レガシーPBX」と呼びます。自社内にPBXのハードウェアを設置して運用する仕組みです。オフライン通信が可能で、クラウドPBXやIP-PBXよりも安定性があります。

ただし、拡張性に優れているとはいえず、新しい機能を追加するには相応のコストと時間が必要です。また、通信料はIP-PBXやクラウド型PBXよりも高く、国際電話や長距離通話では高額になることも少なくありません。このような観点から、現在はIP-PBXやクラウド型PBXのほうが主流です。

PBXを選ぶ5つのポイント

立ってパソコンのモニターに指を指す女性と座ってパソコンを操作する女性 

PBXは多くの会社が販売しており、それぞれ機能やコスト、サポート内容などが異なります。商品選びに悩んでしまう方は、次の5つのポイントに着目してみてください。

PBXの種類で選ぶ

PBXの種類(IP-PBX、クラウドPBX、レガシーPBX)によって特徴が異なるため、自社のニーズに合っているかどうかを考えましょう。

例えば、導入コストを抑え、ユーザー数や機能の追加などを容易にしたい場合はクラウドPBXが向いています。反対に、導入コストやメンテナンスの負担はかけてもよいのでオフライン通話がしたいのであれば、レガシーPBXが選択肢に入るでしょう。

コストを考慮して選ぶ

徹底的に「コスト」に注目して選ぶことも重要です。例えば、クラウドPBXなら導入にかかる費用・作業コストを削減できます。全てを自社でそろえ構築するレガシーPBXよりも、コスト面ではアドバンテージがあるといえます。

しかし、クラウドPBXは月額制または年額制の料金プランがほとんどで、ランニングコストがかかります。長期的な運用を考えると、オンプレミス型のIP-PBXのほうが安く済む可能性もあります。

自社の環境に合わせて選ぶ

自社の業務内容や従業員数、コミュニケーションニーズに目を向けてみましょう。「従業員数が多い」「複数の拠点がある」といった場合は、スケーラビリティの高いPBXが必要となるでしょう。クラウド型PBXやソフトウェア型のIP-PBXなら、ユーザーや拠点を容易に追加でき、自社の成長に合わせて柔軟に対応できます。

コールセンターやカスタマーサポートなど、特定の業務ニーズに合わせた機能が必要な場合は、それに特化したPBXを選ぶことが重要です。

コンタクトセンターとコールセンターの違いについて知りたい方は以下をご覧ください。

カスタマイズの有無で選ぶ

使いやすさの観点から、カスタマイズの有無は大事です。特定の業務に特化した機能や機能追加が必要な場合、カスタマイズが可能なPBXを選択することで、業務効率を向上させられます。

企業の成長に伴いシステムをカスタマイズしたい場合、ユーザーや機能が追加できるシステムが向いているでしょう。ただし、カスタマイズにはコストや時間がかかる場合があります。頻繁にカスタマイズする場合は、サービス提供者のサポートやコストも含めて検討してみてください。

セキュリティ対策を基準に選ぶ

企業の機密情報や顧客の個人情報などが流出しては大変です。セキュリティ対策のしやすさは重要なポイントになるでしょう。

IP-PBXのハードウェアタイプであれば自社内のネットワークに設置できるため、セキュリティ対策を自社で行えます。セキュリティポリシーやアクセス制御、ファイアウォールの設定などをより細かくカスタマイズするとよいでしょう。

また、レガシーPBXは電話回線を使って通話システムを構築するため、インターネット接続の必要がなく、セキュリティ面は優れています。

サポート体制で選ぶ

PBXを導入し、導入後も安心して運用するためにはサポート体制も重視しましょう。サービス提供者がユーザー向けのトレーニングやドキュメントを提供しているか確認してみてください。煩雑なPBXもスムーズに導入できる他、属人化を防ぎやすいため、PBXの運用を担当する人が退職した場合でも安心です。

サポートが24時間365日利用可能かどうかもチェックしましょう。トラブルはいつ起こるか分かりません。グローバルに展開している企業やシフト制での運用を行っている企業も、24時間365日であれば即座にコンタクトが取れます。

PBXを導入した3つの事例

パソコンのモニターを見ている警備員男性 

他社の導入事例からPBXの生かし方を知ることも大切です。業種や業態が似ている企業の成功事例があれば大いに参考になるでしょう。ここでは、PBXを導入した事例を3つ紹介します。

警備会社での導入事例

従業員数が100人ほどいる警備会社での事例です。従業員は電話応対業務のために24時間365日オフィスに常駐する必要があり、不満の声を上げていました。

しかしPBX導入後は、社用スマートフォンを活用することでオフィス外でも電話発着信ができるようになりました。オフィスでの常駐が不要となり、スタッフのシフト調整や休暇取得日数の向上にもつながりました。場所を選ばないコミュニケーション手段が増え、従業員も満足しています。

IT会社での導入事例

従業員が100〜200人程度いるIT会社ではそれまで、電話でも録音データを聞き直して書き起こす、という手間をかけていました。他の業務を圧迫するため、もっと効率の良い手段はないかと探しているところでした。

PBX導入後は、入力時間の削減や入力漏れを防止でき、業務の効率化が進みました。結果、収益は前年比を大きく上回りました。

医療業界での導入事例

総合病院を経営する会社で、PBX導入前に2つの問題を抱えていました。病院で配布されるPHSが部署ごとの配布のため、従業員が業務中にプライベート用の携帯電話を利用する必要があったことです。外線をかける場合にもPHSからはかけられないため、個人携帯での通話が必要でした。

もうひとつの問題は、チャット機能やグループチャットを利用できる端末がなく、簡単な連絡事項の伝達が困難であったことです。

PBX導入後は電話での外線連絡が可能になり、従業員が業務中に個人の携帯電話を使わずに済みました。また紙や口頭でしか連絡できなかった状況から、手軽に連絡する方法を確保できるようになりました。

まとめ

ヘッドセットを着けた笑顔の女性 

PBXは企業内での内線電話交換を行うシステムのことです。外部の電話回線と内部の内線電話機を接続し、通話の制御や転送、内線通話、外線発信などを行えます。PBXはコールセンターの効率と顧客満足度を向上させるために重要な役割を果たすため、ぜひ導入を検討してみてください。

コールセンターシステムの導入・見直しを検討している方であれば、メディアリンの「Media Calls」がお役に立てます。Media CallsはIP-PBXのオールインワン型コールセンターシステムで、「オンプレミス型」「ハーフクラウド型」「クラウド型」の3つの利用形態から選べます。

顧客満足度を第一に考え、導入後のサポート体制と帆走サービスも強化しています。末永く使いやすいコールセンターシステムをお探しの方は、お気軽にお問い合わせください。

コールセンターで活用されているCTIについて詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
音声テック事業部 営業部 コミュニケーションデザインチーム マネージャー
阿久根 工
経歴

1989年に株式会社CSK(現SCSK)入社。
エンジニア、営業支援、営業企画、コンサルティングやセンター認定監査など様々な業務に従事。
2011年に独立後、2015年当社入社。
音声テック事業のCTI/IVR等の営業を経て、現在は「CC Survey」やIVR関連サービスなどコールセンター向けサービスを管掌。

保有資格

HDI国際認定オーディタ(2003-2011)