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放棄呼とは?コールセンターの放棄呼率を削減する対策を解説

IVR

UPDATE :

放棄呼は、コールセンターの「つながりやすさ」に関わる重要な要素です。放置すれば機会損失や顧客満足度の低下を招く恐れがあるため、増加している場合は適切な対策を講じる必要があります。

 

本記事では、「放棄呼とは何か?」を説明しつつ、放棄呼の発生原因や、削減するための対策をご紹介します。

目次

1.放棄呼とは

放棄呼とは、顧客がコールセンターに電話をかけたものの、オペレーターにつながる前に切れてしまったコールのことです。読み方は「ほうきこ」で、英語では「Abandoned Calls(アバンダンコール)」と言います。

放棄呼に該当する(コールが切れてしまう)主なケースは、以下の2通りです。

・保留時間が長く、顧客が待ち切れずに電話を切断する
・コールの集中を理由に、システムが電話を切断する

放棄呼率とは

放棄呼率は、オペレーターにつながる前に切れてしまったコールの割合を指す指標です。英語では「Abandon Rate(アバンダンレート)」と言います。

放棄呼率の計算方法は、以下の通りです。

放棄呼率(%)=放棄呼数÷着信件数×100

例えば、あるコールセンターの着信件数が200件で、そのうち15件が放棄呼だったとします。この場合、計算式は「15÷200×100」となり、放棄呼率は「7.5%」と導き出せます。

コールセンターの規模や業界、サービス内容などによっても異なりますが、一般的に放棄呼率の平均は約8%とされています。

放棄呼率はコールセンターの「つながりやすさ」を表す指標であるため、顧客満足度の改善・向上を図るうえでの重要な目安であると言えます。

あふれ呼・待ち呼との違い

放棄呼と似た用語に「あふれ呼」「待ち呼」があります。これらはいずれもオペレーターに電話がつながらないコールのことです。「着信件数が回線数を上回る」もしくは「着信件数に対してオペレーターが不足している」ことで発生します。

放棄呼もあふれ呼(待ち呼)もオペレーターに電話がつながらない点は同じですが、「つながらない状態にあるコールがあふれ呼(待ち呼)」で、「つながらなかったために切れたコールが放棄呼」という違いがあります。つまり、あふれ呼の先に放棄呼があるという関係性です。

2.放棄呼が発生する原因

放棄呼が発生する主な原因は、以下の3つです。

・オペレーターが不足している
・電話対応件数が少ない
・顧客の自己解決率が低い

オペレーター数が不足している

オペレーター不足は放棄呼の発生原因になり得ます。着信件数に対して対応できるオペレーターが少ないと「あふれ呼」が発生しますが、それによって顧客の待機時間が長くなれば、自然と放棄呼につながってしまうためです。

コールセンターで雇用しているオペレーターの絶対数が不足している場合だけでなく、「時期や時間帯を考慮せず一定のオペレーターを配置している」という場合も、放棄呼を増加させる恐れがあります。

電話対応件数が少ない

電話対応件数の少なさも、放棄呼の発生原因のひとつと言えます。仮にオペレーター数が充分だったとしても、1人あたりの対応件数が少なければ、オペレーターが不足している状態と変わりません

こうした状況を招く主な原因としては、以下の2点が挙げられます。

・オペレーターのスキル不足
・不適切な業務フローや人員配置

オペレーターのスキルが不足していると、顧客との通話時間が必要以上に長くなることがあります。そうするとAHT(平均処理時間)が増え、結果的に対応できる件数が減ってしまいます。

また、「問い合わせ内容によって(対応できるオペレーターに)着信を振り分けていない」など、業務フローや人員配置が不適切な場合も、1人あたりのAHTを増加させ、対応件数を減少させる可能性があります。

顧客の自己解決率が低い

顧客の自己解決率の低さも、結果的に放棄呼を招く原因になる場合があります。コールセンターに電話をかける顧客の多くは、何らかの問題・疑問の解消を目的にしています。これは顧客自身で解決できなかった結果として起こるアクションです。そのため、自己解決率が低ければ自ずとコールセンターへの問い合わせ件数は増加します。増加したコール数がコールセンターで対応できる件数を超えた結果、放棄呼につながってしまうのです。

3.放棄呼がもたらす問題

放棄呼を改善せずにいると、以下のような問題が生じます。

・顧客満足度が低下する
・機会損失が起こる
・オペレーターの負担が増加する

顧客満足度が低下する

「解消したいことがあって問い合わせたのに電話がつながらない」という状態は、ただでさえストレスになります。加えて、放棄呼が発生したという事実は「オペレーターへの接続を待てずにコールを切断した」ことを意味します。しかもその場合、顧客は再度かけ直さなければならないため、募る不満は決して小さくありません。

このように放棄呼の発生は顧客の時間を奪い、手間を増やしてしまうため、製品・サービスや企業そのものに対するイメージの悪化を招く恐れがあります

機会損失が起こる

製品・サービスの購入や資料請求のサポートなど、顧客の購買行動に関わるコールセンターの場合、放棄呼は機会損失につながるという問題があります。仮に、同種のコールセンターで常時一定の放棄呼が発生しているとすれば、非常に大きな損失と言えます。

電話がつながらなかった場合、すべての顧客(見込み顧客)が再度電話をかけてくれるわけではありません。顧客が複数の製品・サービスを比較していたとすれば、競合他社より優先度やマインドシェアが下がってしまうことも考えられます。

オペレーターの負担が増加する

放棄呼が発生している状況は、既存のオペレーターで対応可能な着信件数を超えていることを意味します。そのため、オペレーターには常にキャパシティを超えた対応件数・業務スピードが求められ、業務負担が増加します

また、こうした状況では電話がつながらないことに対するクレームも発生しやすいです。クレーム対応の時間が増える分、本来の問い合わせ対応の時間が減り、さらにクレームのリスクが増える悪循環が起こります

加えて、限られたオペレーターで多くのコールに対応しなければならない状況では、優秀なオペレーターに負担が偏りがちです。それによって不満が蓄積され、スキルの高い人材こそ離職しやすくなるという事態を招く恐れもあります。

4.放棄呼を削減するための対策

コールセンターの放棄呼を削減する方法としては、以下5点の対策が考えられます。

・オペレーターの教育
・WFMの導入
・FAQページの設置
・チャットボットの導入
・IVRの導入

オペレーターの教育

オペレーターの教育を実施することで、スキル不足による1件あたりの対応時間の長さ(対応件数の少なさ)が改善され、結果的に放棄呼の削減が期待できます

具体的な教育内容は企業が扱う商材やコールセンターの業務内容によってさまざまですが、例えば以下のように特定のタイミングやシーンを想定し、スキル平準化につながる取り組みを実施するとよいでしょう。

・新人オペレーターへの研修の実施
・日々の業務マニュアル・FAQの整備
・KPI(重要業績評価指標)の意識付け

上記のうち、KPIは各コールセンターで追っている指標が異なりますが、本記事でご紹介した「放棄呼率」のほか、例えば「稼働率」「応答率」「ASA(平均応答速度)」「ATT(平均通話時間)」「ACW(平均後処理時間)」「CPH(1時間あたりの応答件数)」などが挙げられます。

これらの数値向上・改善を目的としたスキルアップの教育も大事ですが、SV(スーパーバイザー)などの管理者がそうであるように、現場のオペレーターにも「追うべき指標」として意識付けすることも大切です。

WFMの導入

WFM(ワークフォース・マネジメント)とは、コールセンターへの着信件数に対し、人員配置を最適化するためのマネジメント手法です。より簡単に表現すれば、コール数とオペレーター数のバランスを取る取り組みと言えます。

WFMは、コール数を曜日・時間帯・繁閑期などのタイミングごとに分析し、それに対応できるオペレーター数を予測することで、適切な人員配置を導き出す仕組みです。そのため「何人採用すべきか?」を検討するシーンや、限られた人数で最大のコール数に対応できるシフトを組むシーンで活用できます。

放棄呼の発生・増加の原因として「時間帯や曜日を考慮せずに人員を配置している」ことが明らかに疑われるコールセンターでは、特に大きな削減効果が期待できるでしょう。

FAQページの設置

FAQ(よくある質問)ページのような顧客による自己解決を促すコンテンツを用意することで、特定の問題・疑問の解決を目的とした顧客からのコール数の削減が期待できます

コール数を抑制できればオペレーターの応答率も高まるため、結果としてあふれ呼や放棄呼の削減につながります

チャットボットの導入

チャットボットとは、顧客からの問い合わせに対する返答を、ロボットが自動的に行なってくれる仕組みです。顧客からの問い合わせとそれに対する返信は、テキストベースで行います。

上述したFAQページの設置と同じく、チャットボットも顧客の自己解決を促す仕組みであるため、コール数や放棄呼の削減が期待できます

IVRの導入

IVR(自動音声応答システム)とは、顧客からの電話に自動音声で応答するシステムのことです。あらかじめ設定した音声ガイダンスを流し、顧客にプッシュボタン操作を行ってもらうことで、問い合わせ内容に対する自動回答や、オペレーターへの電話の取次ぎの自動化が可能になります。

IVRを導入すれば電話の受付(一次対応)が完全に省人化されるほか、よくある質問などの簡単な問い合わせであれば回答まで自動化できるため、オペレーターの大幅な業務効率化が期待できます。

IVRはベンダーからさまざまなサービスが提供されており、それぞれ詳細は異なりますが、下記のような機能を備えているとさらなる業務効率化が実現でき、放棄呼を最小限に抑えることができます

・オペレーターが対応できない場合、電話を切らずに折り返し連絡の予約受付ができる「コールバック予約機能」
・自動音声だけで説明が難しい情報(製品操作マニュアルや購入ページのURLなど)を携帯電話に送れる「SMS送信機能」

ただし、音声ガイダンスが「わかりづらい」「長い」などの理由で放棄呼につながるケースもあるため、IVRを導入することでかえって顧客の負担が増してしまわないよう、設定には注意が必要です。

IVRの仕組みや機能、活用シーンについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

なお、IVRの導入・利用に関する費用については、以下の記事で解説しています。

5.放棄呼を限りなくゼロに近づけるIVR「MediaVoice」とは?

自動音声を用いた電話対応を実現するIVRの導入によって、コールセンターにおける「電話がつながらない」という状況がなくなります。当然オペレーターによる個別具体的な対応が必要なケースもありますが、IVRを導入することで大幅に業務が効率化されるため、放棄呼をほとんど発生させないコールセンター運営が可能になります。

弊社メディアリンクが提供する「MediaVoice」も、コールセンターの業務効率化に貢献するIVR(自動音声応答システム)です。各種受付業務の自動化はもちろん、用件に応じたオペレーターへの取次ぎや、あふれ呼が発生した際の折り返し予約の受付も自動化できます。

また、自社だけでは対応が難しい音声ガイダンスの作成もサポートしているため、IVRの利用が初めてでも安心して導入・運用いただくことが可能です。

放棄呼による機会損失や顧客満足度の低下を防止・改善したいと考えている方は、ぜひ下記ページより「MediaVoice」の詳細情報をご覧ください。