コールセンターにIVRを導入するメリットとは?
役立つ機能や導入事例も紹介
UPDATE :
人手不足が深刻化しているコールセンターにおいて、業務効率化・顧客満足度の向上に貢献するIVR(自動音声応答システム)の導入は、今や欠かせない取り組みと言えます。
本記事では、IVRの仕組みや機能といった基本情報のほか、コールセンターにIVRを導入するメリット・デメリット、導入のポイント、コールセンターにおける導入事例などをご紹介します。
目次
1.IVR(自動音声応答システム)とは
IVR(自動音声応答システム)とは、顧客からの電話に対し、あらかじめ用意した音声ガイダンスを流すことで自動応答する機能のことです。「Interactive Voice Response」の頭文字を取って、IVRと呼ばれています。
IVRで再生される音声ガイダンスに沿って顧客がプッシュボタン入力を行うことで、顧客を問い合わせ内容の解決に導いたり、電話をオペレーターへ取り次いだりします。顧客がボタン操作を行うことで、コールセンター側はオペレーターを介すことなく顧客の用件を把握することが可能です。
IVRを導入すれば364日24時間の電話受付が可能になるほか、電話の一次対応を省人化できるため、コールセンターは応答率改善や顧客満足度向上、業務効率化など、さまざまなメリットを得られます。
なお以下の記事では、企業の電話業務を効率化するIVRの仕組みや機能、活用シーンについて解説しています。コールセンター以外の活用法にご興味のある方は、あわせてご覧ください。
IVRの仕組み
IVRは顧客からの入電に対して作動する仕組みです。以下のような流れでIVRが機能し、電話受付業務が自動化されます。
1.顧客がコールセンターに電話をかける
2.IVRが自動音声ガイダンスの案内を開始する
3.顧客が自動音声ガイダンスに従い、プッシュボタン入力を行う
4.入力内容に応じ、IVRが下記のようなアクションを行う
・オペレーターへの取次ぎ
・問い合わせ内容に対する自動回答
・コールバック予約の受付
・SMSへの情報送信 など
IVRの種類と費用相場
IVRには主に「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種の導入形態に分類でき、それぞれ特徴や導入費用が異なります。
オンプレミス型は、コールセンターに専用機器を設置してIVRを実現する形態です。機器の購入や工事のための費用が発生することから、クラウド型より初期費用が多くかかります。
一方クラウド型は、クラウド上でIVRを実現する形態です。専用機器が不要なため、オンプレミス型よりも初期費用を抑えられます。
なお、それぞれの費用相場は以下の通りです。
IVRの費用については以下の記事で解説しています。具体的な製品の特徴や費用を比較してご紹介していますので、詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
コールセンターにおけるIVRの必要性
現在、多くの企業では人手不足が深刻化しています。また、業務効率化を推進する時代の流れもあることから、特に従来から慢性的な人手不足が叫ばれてきたコールセンター業界では、人員確保以外の対策を講じる重要性が増しています。
コールセンターがIVRを導入することで、数少ないオペレーターでも稼働できる業務効率化が実現するとともに、すでに確保しているオペレーターの業務負担も軽減できることから、人材の定着率向上にもつながります。
電話の自動応答を可能にするIVRを導入することは、コールセンターを安定的かつ効果的に稼働させるうえで欠かせない取り組みと言えます。
2.IVR(自動音声応答システム)の機能
IVR(自動音声応答システム)の代表的な機能としては、以下の6つが挙げられます。
・電話への自動応答
・着信の自動振り分け
・自動的なコールバック予約(あふれ呼対策)
・休日・営業時間外の電話受付
・音声のテキスト化・ファイル化
・電話の自動発信(オートコール)
電話への自動応答
IVRは電話の受付業務を自動化するだけでなく、簡単な問い合わせ内容であれば、オペレーターを介さずに回答することができます。例えば、顧客から頻繁に寄せられる「よくある質問」への回答を自動化することで、同じような問い合わせへの対応を繰り返す必要がなくなります。
さらにSMS送信サービスを併用すれば、音声だけでは伝達できない情報(例:WebサイトのURLなど)を、顧客の携帯電話などに別途送信することも可能です。
着信の自動振り分け
IVRを導入することで、顧客からの問い合わせ内容に応じて、適切なオペレーターへの振り分けが可能になります。顧客がプッシュボタン入力で選ぶメニューと特定の部署やオペレーターをあらかじめ紐づけておくことで、自動的に着信の振り分けが最適化される仕組みです。
自動的なコールバック予約(あふれ呼対策)
コールセンターではピークタイムなどで電話回線が混雑し、オペレーターに電話がつながらない/つながりづらいという状況が起こり得ます。このような「あふれ呼」が発生する状況でIVRのコールバック予約機能を活用すれば、電話がつながらない場合でも顧客に折り返し連絡の予約を案内することができます。
休日・営業時間外の電話受付
IVRは電話の一次対応を省人化するシステムであるため、コールセンターが稼働していない休日や営業時間外だとしても、顧客からの電話に対応することができます。
音声のテキスト化・ファイル化
IVRによって顧客の音声メッセージをテキスト化、または音声ファイル化することが可能です。取得した音声データはオペレーターの聞き漏らしを補うための資料や、折り返し連絡する必要があるかを判断するための情報などとして活用できます。
電話の自動発信(オートコール)
IVRは受電業務だけでなく、架電業務を自動化する「オートコール」という機能もあります。例えば、大量の顧客リストに対して一斉に架電することが可能なため、特にアウトバウンド型コールセンターの業務効率化に貢献する機能と言えるでしょう。
なお、オートコールの費用や選定ポイントについては、下記の記事で詳しく解説しています。
3.コールセンターがIVR(自動音声応答システム)を導入するメリット
IVR(自動音声応答システム)を導入することで、コールセンターは以下のようなメリットを得られます。
・応答率が向上する
・一次解決率が向上する
・休日・営業時間外でも対応できる
・スムーズに折り返せる
・オペレーター不足解消・負担軽減・生産性向上につながる
・顧客満足度が向上する
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
応答率が向上する
IVRを導入することで電話の一次対応が自動化・省人化されるため、入電の多いピークタイムなどであっても取りこぼしがなくなり、必然的に応答率が向上します。
一次解決率が向上する
IVRは問い合わせ内容によって着信を適切なオペレーターに振り分けるため、問い合わせに対応できるオペレーターと顧客を直接接続することができます。その結果、問い合わせに対応できる別のオペレーターに転送したり、回答を確認して折り返したりする手間がなくなります。
休日・営業時間外でも対応できる
IVRを導入すれば365日24時間の電話受付が実現します。電話の一次対応が省人化され、簡単な問い合わせであればオペレーターを介さずに回答できるため、コールセンターの営業時間内に問い合わせられない顧客への対応も可能になり、機会損失を防ぐことができます。
スムーズに折り返せる
IVRのコールバック予約機能を活用することで、電話がつながらない場合でも折り返し連絡の予約を案内できます。事前に問い合わせ内容を把握した状態で折り返せるため、オペレーターもスムーズに電話応対することが可能です。
オペレーター不足解消・負担軽減・生産性向上につながる
電話の一次対応を自動化できるIVRを導入することは、当然ながらオペレーターの業務負担軽減や人手不足の解消にもつながります。また、着信が適切なオペレーターへ振り分けられることで各人員が専門とする電話応対に注力できるようになるため、オペレーターの生産性も向上します。
顧客満足度が向上する
IVRの導入によって顧客はたらい回しされることがなくなり、問い合わせに対する回答をスムーズに手に入れることができます。一次対応を自動化することで電話がつながらないことによるストレスも低減できることから、IVRの導入は顧客満足度の向上にも貢献する取り組みと言えます。
4.コールセンターがIVR(自動音声応答システム)を導入するデメリット
IVRには上述のようにさまざまなメリットがある一方、デメリットになる側面もあるため、導入に際してあらかじめ留意しておく必要があります。具体的には、以下の2点です。
・人と話したい顧客にはストレスになる可能性がある
・メニュー(選択肢)が多すぎると顧客の負担になる
人と話したい顧客にはストレスになる可能性がある
自動音声ガイダンスの案内はIVRによるコールセンター業務の効率化を図るうえで欠かせない機能ですが、顧客の中には「オペレーターと直接会話することで問題を解決したい」と考えている方もいます。そうした顧客にとっては、音声ガイダンスがストレスになる可能性もあります。
メニュー(選択肢)が多すぎると顧客の負担になる
IVRは顧客にメニュー(選択肢)を音声で提示し、それをプッシュボタン入力で選択してもらうことで問い合わせ内容を把握し、取次ぎなどを実現する仕組みです。コールセンターにとっては問い合わせ内容をできるだけ詳細に絞り込みたいところですが、選択肢を細かく分けすぎたり、必要以上に多くしたりすると、顧客の負担になるため注意が必要です。
5.IVR(自動音声応答システム)を導入・設定するときのポイント
IVRはベンダー各社からさまざまなサービスが提供されており、機能や費用が異なります。そのため複数のIVRを比較するうえでは、自社がIVRを導入する目的を明確化し、その達成に必要な機能を洗い出すことが重要です。
なお、IVRの運用を開始するためには、シナリオの設定や音声ガイダンスの登録などを行う必要があります。こうしたIVRの初期設定を行うシーンでポイントとなるのが以下の3点です。
・音声ガイダンスは簡潔でわかりやすい内容にする
・案内するメニュー(選択肢)を多くしすぎない
・従業員に取り次ぐ選択肢も用意する
前章ではIVRのデメリットとして「人と話したい顧客にはストレスになる可能性がある」「メニュー(選択肢)が多すぎると顧客の負担になる」ことをご紹介しましたが、これらのデメリットへの対策として、IVRの設定を行う際は上記3つのポイントを必ず押さえましょう。
こうした初期設定にはそれなりの手間がかかるため、「ベンダーからサポートを受けられるか」「従業員にとって操作しやすいシステムか」といった点もサービス選びの大切な基準です。
6.コールセンターにおけるIVR(自動音声応答システム)の導入事例
ここでは、弊社メディアリンクのIVR「MediaVoice」を導入することで課題を解決したコールセンターの事例を3つご紹介します。
事例1:人材派遣会社のコールセンター
全国にサービスを展開している人材派遣会社のコールセンターにおける導入事例です。
導入前の課題
IVRを導入していなかったため「紛れ呼」が頻発しており、オペレーターが本来対応すべきコールに集中できず、応答率も低い状況にありました。
導入後の効果
IVRを導入したことで、問い合わせ内容によって効率的に着信を振り分けることができるようになり、オペレーターの応答率と業務効率が向上したほか、顧客満足度の向上にもつながりました。
この導入事例について詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
事例2:督促業務を行うコールセンター
料金滞納者やレンタル未返却者への督促業務を行うコールセンターの導入事例です。
導入前の課題
督促業務の拡大によってコールセンターの人件費がかさみ、収益を圧迫化していました。
導入後の効果
「オートコール」機能によって滞納者への督促電話を自動化し、人件費を削減することができました。また、プッシュボタン入力による質疑応答を行うことで、返済・返却の可/不可、希望日、方法といった欲しい情報をオペレーターを介すことなく把握できるようになりました。
この導入事例について詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
事例3:携帯電話会社のコールセンター
代理店向けの総合サポート窓口として運営されているコールセンターの事例です。
導入前の課題
すでにIVRを導入していたものの問い合わせの種類が多く、200回線を使用する大規模コールセンターであったため、IVRの運用コストが増大していました。
導入後の効果
新たなIVR(MediaVoice)にリプレイスした結果、運用コストを従来から90%以上削減する効果が確認できました。また、問い合わせ内容に応じた転送先グループの制御が可能になったほか、社内システムと連携した多様な自動受付メニューを構築することで、業務効率化と顧客満足度の向上を実現しました。
この導入事例について詳しく知りたい方は、下記のページをご覧ください。
7.コールセンターへのIVR導入なら「MediaVoice」
メディアリンクが提供する「MediaVoice」は、コールセンターの業務効率化・顧客満足度の向上に貢献するIVR(自動音声応答システム)です。100%自社開発だからこそできる低価格でありながら、月間600万コール以上でも稼働できる安定性を実現しています。管理画面は直感的に操作できるため、誰でも簡単に操作できます。
MediaVoiceを導入することで、コールセンターで下記のようなことを実現できます。
・受注や解約など各種受付業務を自動化できる
・あふれ呼が発生した際の折り返し予約を自動受付できる
・未入金の督促やアンケートなどの大量発信(アウトバウンド)を自動化できる
・コールセンターの満足度調査を実施できる
これらのサービスはメニュー化されているため、自社に必要なものだけを選択することで、最小限の費用で導入することができます。サービスラインナップにはない機能を搭載したい場合は、独自のIVRをオーダーメイドで構築することも可能です。
費用を抑えつつ、必要な機能が装備されたIVRをお探しの方は、ぜひMediaVoiceをご検討ください。