電話の取り次ぎで失敗しない!
ビジネスマナーと実践テクニック
UPDATE :
電話の取り次ぎに不安を感じていませんか? 実は多くのビジネスパーソンが苦手としているこのスキル、適切に身につければ仕事の印象が大きく変わります。
本記事では、基本手順から状況別対応、言い回し、ミス防止のコツまで、実践的なテクニックを幅広く解説します。
目次
1. 電話の取り次ぎの基本手順
ビジネスの世界で、電話の取り次ぎは重要なスキルの一つ。適切な対応は会社の印象を左右する大切な要素です。まずは、電話の取り次ぎの基本的な手順を紹介します。
手順1:3コール以内に電話に出る
電話が鳴ったら、できるだけ早く応答することが大切です。理想的には3コール以内に出ることを心がけましょう。素早い対応は、相手に誠実さと効率の良さを印象づけます。ただし、焦って息を切らしたまま電話に出るのは避けましょう。落ち着いて、明るい声で応対することが重要です。
手順2:会社名と自分の名前を名乗る
電話に出たら、まず会社名と自分の名前を名乗ります。例えば、「はい、◯株式会社の△△でございます」といった具合です。これにより、相手に安心感を与え、スムーズなコミュニケーションの土台を作ります。声のトーンや話すスピードにも気を配り、聞き取りやすく、親しみやすい印象を与えるよう心がけましょう。
手順3:相手の情報を確認する
次に、会社名や名前など、相手の情報を丁寧に確認します。「失礼ですが、お客様のお名前とご用件をお伺いしてもよろしいでしょうか?」などと尋ね、相手の名前と会社名を正確に聞き取り、メモを取ります。聞き間違いを防ぐため、確認の意味で復唱するのも良いでしょう。この段階で相手の情報を正確に把握することで、その後のスムーズな対応につながります。
手順4:用件を簡単に聞く
相手の情報を確認したら、用件を簡潔に伺います。「◯◯様でいらっしゃいますね。ご用件は△△に関してでしょうか?」などと確認します。ただし、この段階で詳細な内容を聞く必要はありません。取り次ぐ担当者に伝える程度の情報で十分です。相手の時間を無駄にせず、スムーズに次のステップに進むことが大切です。
手順5:担当者に取り次ぐ
最後に、適切な担当者に電話を取り次ぎます。「かしこまりました。それでは担当の□□におつなぎいたします。少々お待ちくださいませ」と伝え、相手を待たせている間も丁寧な対応を心がけましょう。スムーズで配慮のある取り次ぎは、ビジネスの効率を高め、相手との良好な関係構築に役立ちます。
なお、IVR(自動音声応答システム)を導入することで上記5つの手順をすべて自動化できます。IVRについては本記事の下部でもご紹介しますが、このツールを活用すれば電話の受付から取次ぎまでを自動化できるため、電話業務の大幅な効率化が実現します。
2. 状況に応じた電話の取り次ぎ方
電話の取り次ぎでは、さまざまな状況に遭遇することがあります。ここでは、代表的なケースとその対応方法について説明します。
担当者不在時の取り次ぎ方
担当者が不在の場合は、丁寧かつ効率的な対応を心がけましょう。ポイントは以下のとおりです。
丁寧に不在理由を説明する
担当者が不在の場合、まずはその理由を丁寧に説明します。例えば、「申し訳ございません。担当の〇〇は現在外出しております」や「担当の〇〇はただいま会議中でございます」といった具合です。ただし、プライベートな休暇を取得していて不在の場合は、プライバシーに配慮し、詳細な理由は伝えないよう注意しましょう。
なお、担当者が不在の場合は相手に戻り時間を伝えることも基本的なマナーです。しかし、「担当者の戻り時間がわからない」というケースも珍しくありません。以下の記事では、そうした場合の対応について解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
折り返しの連絡を提案する
不在の場合は、折り返しの連絡を提案します。「お戻り次第、こちらからお電話させていただいてもよろしいでしょうか?」と尋ね、相手の連絡先や都合の良い時間帯を確認します。この際、相手の希望をしっかりと聞き取り、メモを取ることが大切です。
緊急の場合は他の担当者へ引き継ぐ
緊急を要する案件の場合は、他の担当者への引き継ぎを提案します。「急ぎの案件でしょうか? もしよろしければ、同じ部署の△△が対応させていただきますが、いかがでしょうか?」などと伝えます。相手の了承を得てから、適切な担当者に引き継ぐようにしましょう。
不在時の電話メモを取る
最後に、電話メモを正確に取ります。相手の名前、会社名、連絡先、用件の概要、緊急度などを漏れなく記録します。このメモは担当者に確実に届くよう、決められた場所に保管するか、直接メールやチャットで送信するなどの対応をとりましょう。
なお、電話対応におけるメモ取りのコツについては、以下の記事でより詳細に解説しています。
特別な状況における取り次ぎ方
特別な状況下での電話対応には、より高度なスキルと配慮が求められます。以下のケースごとに、適切な対応方法を押さえておきましょう。
ケース1:上司や重要な取引先からの電話の場合
上司や重要な取引先からの電話は、特に丁寧な対応が求められます。「〇〇様、いつもお世話になっております」など、相手の立場に応じた挨拶を心がけましょう。担当者不在の場合は、代理の者が対応可能か確認するなど、柔軟な対応を心がけます。
ケース2:緊急性が高い電話の場合
緊急性の高い案件では、迅速な対応が重要です。「承知いたしました。ただいますぐに担当者を呼び出しますので、少々お待ちくださいませ」など、迅速に行動することを相手に伝えます。また、担当者が不在の場合は、上述したように、相手に了承を得てから別の適切な担当者に速やかに連絡を取りましょう。
ケース3:クレーム電話の場合
クレーム電話は冷静かつ慎重な対応が必要です。まずは相手の話をよく聞き、「お客様のお気持ちはよくわかります」など、共感の姿勢を示します。その上で、適切な担当者に素早く取り次ぐか、詳細な状況を聞き取ってメモを取り、後ほど担当者から連絡する旨を伝えます。
以下の記事では、クレームに対応する手順と、ケース別の対応方法やNGポイントをまとめています。詳しく知りたい方は、そちらもご覧ください。
ケース3:海外からの電話の場合
海外からの電話の場合、言語や時差への配慮が必要です。英語対応が可能な場合は「May I help you?」などの言い回しで応対します。言語の壁がある場合は、「One moment please」と伝え、適切な担当者や通訳を探すなどの対応をとりましょう。
なお、以下の記事では電話対応における定番の英語フレーズをご紹介しています。さまざまな状況別の例文を掲載していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
3. 電話の取り次ぎにおける適切・不適切な言い回し
電話の取り次ぎでは、適切な表現が非常に重要です。ここでは、ビジネスシーンで使用すべき言い回しと避けるべき表現、そして効果的なコミュニケーションのためのテクニックを紹介します。
適切な言い回し
ビジネスの場面では、丁寧で礼儀正しい言葉遣いが求められます。以下に、電話の取り次ぎで使用すべき適切な言い回し例をいくつか紹介します。
初めの挨拶:
感謝の意を表しつつ、会社名と自分の名前を名乗ります。
例:「お電話ありがとうございます。◯◯株式会社の△△でございます」
相手を待たせる際:
丁寧に許可を求める表現を使います。
例:「少々お待ちいただけますでしょうか」
取り次ぐ際:
「おつなぎいたします」という丁寧な表現を用います。
例:「ただいま、担当の□□におつなぎいたします」
担当者不在の場合:
まず謝罪の言葉を述べてから状況を説明します。
例:「申し訳ございません。担当の□□はただいま外出しておりまして……」
相手の要望を受け入れる際:
「わかりました」ではなく「かしこまりました」という表現が適切です。
例:「かしこまりました。それでは、担当からお電話させていただきます」
不適切な言い回し
一方で、ビジネスの場で避けるべき表現もあります。以下に、不適切な言い回しの例とその改善案を示します。
命令口調は避ける:
丁寧に依頼する表現を使いましょう。
例:「ちょっと待ってください」→ 「少々お待ちいただけますでしょうか?」
不明確な表現は避ける:
確認する旨を伝えます。
例:「わからないです」→ 「申し訳ございません。確認いたします」
カジュアルな表現は避ける:
ビジネスライクな言い方を心がけます。
例:「今いないです」→ 「ただいま席を外しております」
略語や俗語は避ける:
きちんとした日本語を使用します。
例:「じゃあ、伝えときます」→ 「承知しました。確実にお伝えいたします」
曖昧な表現は避ける:
具体的な対応を伝えます。
例:「すぐ戻ってくるはずです」→ 「戻り次第、すぐにご連絡させていただきます」
言い回しに関するその他の工夫
効果的な電話対応のために、以下のような工夫も取り入れると良いでしょう。
相手の名前の使用する:
「〇〇様」と相手の名前を適度に使用すると、親近感が生まれます。
クッション言葉を活用する:
「恐れ入りますが」「よろしければ」などのクッション言葉を適切に使用し、柔らかい印象を与えます。
終了時は感謝の言葉を述べる:
「お電話ありがとうございました」など、感謝の言葉で締めくくります。
なお、言い回しではありませんが、以下のような工夫によって、電話の取り次ぎをより好印象かつ正確に行えるようになります。
声のトーンとスピードを工夫する:
明るく、聞き取りやすい声で話すよう心がけます。スピードは相手に合わせて調整しましょう。
復唱して確認する:
重要な情報は復唱して確認します。「〇〇様でいらっしゃいますね」など、相手の情報を確認する習慣をつけましょう。
4. 電話の取り次ぎミスを防ぐための注意点
電話の取り次ぎミスは、ビジネスにおいて重大な問題を引き起こす可能性があります。ここでは、よくあるミスとその防止策について説明します。
注意点1:同姓社員がいる場合を考慮する
電話相手から取次ぎを依頼されたものの、同姓の社員がいる場合は取り次ぎミスが起こりやすくなります。このようなケースでは、以下の方法で確実に本人を特定しましょう。
フルネームを確認する:
例:「山田とおっしゃいましたが、山田太郎でお間違いございませんでしょうか?」
部署名を確認する:
例:「営業部の山田でしょうか?」
役職を確認する:
例:「課長の山田でよろしいでしょうか?」
これらの確認を丁寧に行うことで、取り次ぎミスを大幅に減らすことができます。
注意点2:相手の情報は正確に確認する
相手の情報を正確に把握することは、スムーズな取り次ぎの基本です。以下のポイントに注意しましょう。
聞き取りにくい場合は遠慮なく聞き返す:
例:「申し訳ございません。お名前をもう一度お聞かせいただけますでしょうか?」
漢字を確認する:
例:「お名前の漢字を教えていただけますでしょうか?」
部署名の正式名称を確認する:
例:「営業部営業企画課でお間違いございませんでしょうか?」
正確な情報を得ることで、取り次ぎ後のトラブルを未然に防ぐことができます。
注意点3:伝言メモは正確に作成する
電話の内容を正確に伝えるためには、適切なメモ取りが不可欠です。5W2H(Who, What, When, Where, Why, How, How much)の要素を意識しながら、以下のポイントに注意してメモを取りましょう。
・相手の名前と連絡先を最初に記録する
・用件の要点を簡潔に書き留める
・日時や場所など、具体的な情報を漏らさず記録する
・緊急度や重要度を明記する
・自分の名前と受電時間も記入する
これらの情報を漏れなく記録することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
5. 社内で電話を取り次ぐ際のポイント
社内での電話の取り次ぎは、外部からの電話対応とは少し異なる点があります。ここでは、社内特有の電話対応のポイントを簡単に説明します。
ポイント1:内線電話の取り次ぎ手順を理解する
内線電話の取り次ぎは、外線とは異なる手順で行います。以下のポイントを押さえましょう。
内線番号の把握する:
社内の内線番号表を常に最新のものに更新し、すぐに確認できるようにしておきます。
簡潔な応対を心がける:
社内の場合はスピードを重視し、「はい、〇〇です」など、簡潔な応対で構いません。
転送方法を確認する:
使用しているビジネスフォンや電話システムの転送方法を事前に確認しておきます。
内線電話は外線ほど形式的である必要はありませんが、基本的な礼儀は守りましょう。相手の時間を考慮し、効率的な対応を心がけることが大切です。
なお、以下の記事では電話転送の方法を解説しています。内線転送だけでなく、外線転送にも触れていますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
ポイント2:部署間の連携と情報共有を行う
社内での電話対応では、部署間の連携が重要になります。以下のポイントに注意しましょう。
他部署の業務内容を把握する:
基本的な業務内容を理解しておくことで、適切な取り次ぎが可能になります。
情報を正確に伝達する:
メモを取る際は、後で他の人が見ても分かるように明確に記録します。
緊急度を判断する:
案件の緊急度を適切に判断し、必要に応じて上司や他部署に速やかに連絡します。
部署間の壁を作らず、協力的な姿勢で対応することが、スムーズな社内コミュニケーションにつながります。
6. 代表電話の取り次ぎを自動化するなら「DXでんわ」
電話を問題なく取り次げることは、ビジネスパーソンにとっての基本です。しかし、自分宛てではない電話を担当者につなぐ行為は、「本来その人が注力すべき業務の対応時間を奪っている」とも言えます。
この課題の解決に役立つのが、IVR(自動音声応答システム)です。メディアリンクが提供するIVR「DXでんわ」は、以下の事柄を実現するツールです。
・365日24時間、かかってきた電話に自動応答するから、電話番がいらなくなる
・担当者に自動転送されるから、取り次ぎ業務がなくなる
・相手のメッセージは録音・テキスト化され、関係者に通知されるから、伝言やメモの作成が不要になる
代表電話の受付や取り次ぎ業務にお悩みの方は、ぜひDXでんわの導入をご検討ください。