営業電話の上手な断り方とは?
明日から使える例文集もご紹介!
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「せっかく集中して作業していたのに、不要な営業電話のせいで中断させられてしまった」という経験がある方は少なくないでしょう。もちろん、取引先からの連絡や問い合わせに対応する必要はありますが、営業電話への対応による無駄を削減しなければ、従業員の生産性は低下してしまいます。
そこで本記事では、かかってきた電話が営業電話かどうかを判断するポイントや、営業電話対応のコツ、断るときの例文などをご紹介します。
なお、以下の記事では電話対応全般に関わるマナーやコツ、例文を解説しています。網羅的に学びたい方は、ぜひそちらもご覧ください。
目次
1.「営業電話」か「必要な電話」かを判断する6つのポイント
勤務中にかかってきた電話が営業電話なのか、営業電話以外の必要な電話なのか、すぐに判断できないことはよくあります。営業電話と見極められず長々と話を聞いてしまうと、自分の時間が奪われ業務に支障を来す可能性があるほか、営業電話を取り次いだ先の社員にも迷惑をかける可能性があります。そのため、電話の相手が営業を目的としているかどうかは、できるだけ早いタイミングで営業電話と判断したいところです。
「営業電話」か「必要な電話」かを判断するポイントは、以下の6つです。
・担当者を名乗らない
・社長宛てに電話をかけてくる
・具体的な要件を話さない
・電話の向こうが騒がしい
・社名を名乗らない
・発言する隙を与えない
それぞれ、具体的に見ていきましょう。
担当者の名前を知らない
営業電話を見極めるためには、担当者名を知っているかで判断することが重要です。取引先からの必要な電話であれば、普段からやり取りしているため、担当者の名前は知っているはずです。
一方で、営業電話はたいてい担当者名が記載されていない法人企業リストを使用しているため、担当者の名前ではなく「○○の担当の方はいらっしゃいますか?」と聞いてくるパターンが多いです。また、社長や部長などの役職名で電話を取り次いでもらおうとするケースもよく見られます。
そのほかにも、正式な部署名を知らず、一般的にありがちな部署名の担当者がいるか聞いてくることもあります。例えば、自社には総務部がないにもかかわらず「総務部の方はいらっしゃいますか?」のように聞いてくるケースです。
社長宛に電話をかけてくる
電話に出てすぐに「社長さんはいらっしゃいますか?」などと社長へつないでもらおうとする場合は、営業電話である可能性が高いです。企業のWebサイトなどから社長の名前を入手して、具体的に「◯◯社長」と名指ししてくるケースも考えられますが、単に「社長さん」などと呼ぶ場合は営業電話と判断してよいでしょう。
中小企業においては社長個人の判断で意思決定することも少なくないため、営業電話をかけてくる相手は「最短ルートで決裁権者とつながりたい」と考えています。
具体的な用件を話さない
営業電話は気付かれてしまうとすぐに断られてしまうため、向こうから用件を言わず、こちらから問いただしても答えてくれない、もしくは曖昧な答え方しかしてくれないことがほとんどです。そのため、用件を聞いても曖昧な反応しかせず、担当者へつないでもらうことを優先しようとする場合、営業電話である可能性が高いです。
必要な電話は、用件があるからこそ電話してくるため、用件を話さない電話は営業電話と判断してまず間違いないでしょう。
電話の向こうが騒がしい
営業電話をかけてくる会社は、テレアポに専念する営業部やコールセンターが同じ場所から電話をかけていることが珍しくありません。その場合、電話してきた相手の周囲でも多くの人が同じように営業電話をかけているため、電話の向こう側が騒がしいケースが多いです。騒がしい様子や多くの人が電話している様子がうかがえたときは、営業電話の可能性が高いと言えます。
社名を名乗らない
電話に出たあと、いつまでたっても会社名を名乗らない場合は営業電話である可能性が高いです。こちらが会社名を聞いても濁される場合は、ほぼ確実に営業電話と考えてよいでしょう。
もちろん、会社名を名乗らない場合は一般消費者や従業員の家族といった可能性もありますが、その場合は用件が明確なはずなので、具体的な用件を確認してから判断しましょう。
発言する隙を与えない
「電話の主は誰なのか」「用件は何なのか」といったことを聞きたいのに、こちらに話す隙を与えず、一方的に話を進めようとする場合は営業電話である可能性が高いです。
中には「こんなことでお困りですよね?」「◯◯しないと危ないですよ」などと不安を煽ってくるケースもあるため、自分だけで判断できない場合は上長や責任者に相談し、判断を仰ぐようにしましょう。
なお、詳しくは後述しますが、代表電話にIVR(自動音声応答システム)を導入すると営業電話を自動的にシャットアウトできるため、非常に便利です。
2.強く断れない人は知っておきたい!営業電話相手の心理や状況とは?
営業電話を断ることに気が引ける人もいるかもしれません。そうした場合は、営業電話相手の心理・状況を理解しておくと、断るハードルが低くなります。
以下では、「営業電話をきっぱり断れない」という人に知っていただきたい、営業電話相手の心理と状況をご紹介します。
営業電話相手の心理:断られて当然と思っている
テレアポがメインの営業会社や営業担当者は、1日に数百件もの電話をかけていることも珍しくありません。また基本的に、すべての電話でアポイントが取れるとは考えておらず、数百件の中で数件取ることができれば良い方だと考えているため、「質より量」の意識が強いと言えます。
この心理を理解したうえで、「自分が断ったところで相手は特に何とも思っていないはずだ」と営業電話に対して思うことが重要です。
営業電話相手の状況:ノルマがある
多くの営業電話をかけている会社では、ノルマが設定されているケースが一般的です。営業担当者にとってはノルマ達成が何よりも重要なため、少しでも感触が良いと思ったり、こちらが断れなさそうな雰囲気を出していると判断されたりした場合は、より積極的に勧誘してきます。
この状態に陥った場合、断っているのに長い時間拘束されてしまうこともあるため、お互いにとって時間の浪費になります。そのため、「最初からはっきりと断った方がお互いの時間を奪わずに済む」と考えると断りやすくなります。
3.営業電話対応の4つのコツ
営業電話を断ること自体に問題はありませんが、電話対応は会社のイメージに関わるため、どんな断り方をしてもよいわけではありません。また、対応次第で時間を無駄に使わずに済むこともあります。
電話相手に不快感を与えず、迅速に上手く断るためには、以下に示す4つのコツを押さえましょう。
・取り次ぐ前に具体的な用件を聞く
・名指しがあっても担当者に確認する
・早い段階で断る
・はっきり丁寧に断る
以下、それぞれのコツを詳しくご紹介します。
取り次ぐ前に具体的な用件を聞く
前述のように、営業電話では用件をなかなか言わず担当者に代わるようにお願いしてくることが多くあります。この場合、そのまま取り次いでしまうと担当者に迷惑をかけてしまうため、取り次ぐ前に用件を聞いたうえで、相手が電話してきた目的を把握することが重要です。
具体的な用件を聞くことで必要な電話か営業電話か判断でき、余計な時間や取り次ぎの手間をかけずに済みます。
名指しがあっても担当者に確認する
電話の相手が担当者を名指ししたとしても、取引先ではない会社からの電話であることが明らかであれば、社名や用件を確認しつつ、担当者本人に取り次いでよいか確認しましょう。そうすることで、担当者の時間を無駄に使わずに済みます。
早い段階で断る
電話相手に用件を尋ね、営業電話だと判断した場合は、早い段階で断ることがポイントです。断らずに話を聞き続けてしまうと余計に時間を取られてしまいます。また、向こうのペースで一方的に話を進められ、根負けしてアポイントの約束をしてしまうこともあり得ます。
対応が長引くほど断りづらくなり、営業側は何としても成約やアポにこぎつけようとするため、不要な営業電話だと判断した時点ですぐに断りましょう。
はっきりと丁寧に断る
商談の場では「検討します」「一度持ち帰ります」などと伝え、即断しないこともよくあります。ただし営業電話対応でこうしたフレーズを使うと、相手は「可能性あり」と判断します。そうすると、その後何度も営業電話がかかってきてしまいます。
また、断るときに「今忙しいので」「担当者が不在です」といったあいまいな伝え方もすべきではありません。このように答えると「ではいつなら都合がよろしいですか?」というように、再度営業してくる口実を相手に与えてしまうので、はっきりと「不要です」と断ることが重要です。
なお、ビジネスマナーを欠いた対応を取らないよう、断る際は丁寧な言葉づかいも意識しましょう。たとえ営業電話を不快に思っても、怒鳴って一方的に電話を切ったり、粗末な断り方をしてはいけません。こうした対応は企業のイメージを悪化させる恐れがありますし、電話をかけてきたその会社と将来的に付き合いが生じる可能性もあるため、はっきりと断りつつも、丁寧さを心がけることが大切です。
4.【ケース別】営業電話を上手に断る例文集
ここからはいくつかのケースに分けて、営業電話を断る際に使える例文(フレーズ)をご紹介します。ポイントは前章でも解説したように、丁寧かつはっきりと断ることです。
営業電話の可能性がある場合
営業電話や迷惑電話の可能性がある場合は、まずは詳細な用件を確認しましょう。
▼例文
・「具体的な用件を伺ってもよろしいでしょうか?」
・「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか?」
はっきりと断りたい場合
特に強引なセールスを断りたい場合は、はっきり・きっぱりと断ることが大事です。
▼例文
・「恐れ入りますが、営業電話は全てお断わりするように言われています」
・「現在、新規のお取引はストップさせていただいております」
・「あいにくですが、今のところそのようなサービス(商品)は弊社には不要です」
・「失礼ですが、弊社では検討しておりません」
再架電を防ぎたい場合
一度断った営業電話が再びかかってくるのを防ぎたい場合は、こちらから連絡する旨を伝えるとよいでしょう。
▼例文
・「必要になりましたらこちらからご連絡しますので、そちらからのお電話は不要です」
・「こちらからお電話を差し上げるために、お名前とご連絡先をお教えいただけますでしょうか?」
5.営業電話に対応するデメリット
冒頭でご紹介したように、営業電話に対応することのデメリットとしては、社員の生産性を下げてしまうことが挙げられます。対応や取り次ぎに時間がかかることや、対応するためにそれまで行っていた業務を中断することで、集中力が低下してしまうことが要因です。
また、上手く営業電話を断れたとしても、少なからず時間が奪われてしまいます。営業電話が1日に何十件もあれば大きな時間ロスです。さらに、電話対応を常に気にかけている状態が集中力を奪ってしまうこともあり、社員1人ひとりの生産性を下げてしまいます。
6.企業が講ずべき、しつこい営業電話への対策とは?
営業電話に対応するデメリットを可能な限り抑えるためには、電話対応を行う従業員個人の工夫だけでなく、企業として対策を取ることが必要です。ここでは、以下の3点をご紹介します。
・社内マニュアルを整備する
・着信拒否設定をする
・IVR(自動音声応答)を導入する
社内マニュアルを整備する
営業電話への対応方法をマニュアル化し、受電対応を行う従業員の間で共有する方法です。社内マニュアルを整備することで、従業員個人のスキルに左右されない対応が可能となり、結果的に多くの時間の無駄を抑制することができます。
マニュアルを作成する際は、「営業電話かどうかの判断基準」「断り方の例文やフレーズ」を記載するとよいでしょう。そうすることで、実際に電話対応を行うシーンで活用しやすくなります。
着信拒否設定をする
不要な営業電話であることが明らかな場合は、その電話番号を着信拒否設定するのも有効です。これによって、以後同じ電話番号からの営業電話を受けずに済みます。
ただし、現時点では不要でも、将来的に必要になる可能性も考えられるため、着信拒否設定を行った電話番号が何の製品・サービスの営業電話だったのかを記録・管理し、定期的に見直しましょう。また、非通知の着信には対応せざるを得ないため、他の対策を併用するのがおすすめです。
IVR(自動音声応答システム)を導入する
会社の代表電話にIVR(自動音声応答システム)を導入し、電話受付や取り次ぎそのものを自動化する方法です。受電の一次対応にかかる人的リソースをゼロにできるため、大幅な時間の節約が期待できます。
また、IVRには電話相手の音声メッセージをテキスト化・音声ファイル化する機能もあります。そのため、例えば一次対応はIVRに任せ、音声データをあとから確認し、必要に応じて折り返しの電話をする、といった運用も可能です。
IVRの仕組みや機能、活用シーンについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
なお、IVRの導入・利用に関する費用については、以下の記事で解説しています。具体的な製品の特徴や費用を比較してご紹介していますので、詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
7.不要な電話対応をなくす‟自動受付“を実現する「DXでんわ」
メディアリンクが提供している「DXでんわ」は、電話に関するさまざまな課題をIVR(自動音声応答システム)の自動応対によって解決するサービスです。着信に対して音声ガイダンスが自動応答し、電話受付や取り次ぎを自動化するため、不要な営業電話の対応を解消し、必要な着信のみ担当者が応答する仕組みにできます。
また、「DXでんわ」はクラウドサービスであるため、電話番のためだけに従業員が出社する必要がなくなり、リモートワークの推進にも貢献します。
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