営業時間外の電話にどう対応する?
負担のない対応策を解説
UPDATE :
営業時間外の電話対応は企業に多くのメリットをもたらす一方、「業務効率の低下」や「「残業時間の増加」」の原因にもなるため、社員の負担となっている側面もあります。
そこで本記事では、「社員への負担を抑えつつ、営業時間外の電話にどう対応すべきか」について、具体的な対応策とともに解説します。
目次
1. 営業時間外の電話には対応すべき?
企業では、営業時間外でも顧客や取引先から問い合わせの電話がかかってくることがよくあります。以下では、営業時間外の電話に対応すべきかどうかについてご紹介します。
業務上対応しなくても問題はない
営業時間外の電話は基本的に対応しなくても問題ありません。電話や問い合わせなどの対応は営業時間内に実施するものであり、業務時間外も対応しなければならない義務や法律はないのです。
また、営業時間外の電話対応は以下のような悪影響をもたらします。
・残業による人件費の増加
・社員の業務負担やストレスの増加
そのため、緊急の要件でない限りは対応する必要はありません。
対応することによるメリットは多くある
原則として営業時間外の電話に対応する必要はありませんが、対応したほうがよいケースや、対応することで得られるメリットが多くあります。
営業時間外にかかってくる電話は顧客にとって急を要する場合が多いため、迅速な対応が必要とされます。対応までのスピードが早ければ、自社に対する好感度や信頼度、顧客満足度の向上が期待できます。
また、新規顧客からの問い合わせの可能性もあるため、営業時間外も漏れなく対応することで、より多くの新規顧客の獲得につなげることも期待できます。
2. 営業時間外の電話に対応しないことのリスク
上述したメリットの裏返しとして、営業時間外の着信に対応しないことは企業にとってさまざまなリスクをもたらす可能性があります。以下では、具体的にどのようなリスクが存在するのかを解説します。
顧客離れの可能性がある
営業時間外であっても、顧客は緊急性の高い用件で電話をかけてくる可能性があります。そうした連絡に対応しない場合、顧客との関係性を損ないかねません。特に長年の取引先や重要顧客からの連絡を逃すことは、信頼関係を揺るがすリスクとなります。
機会損失につながる
時間外の問い合わせに対応できない場合、顧客は代替となる取引先を探し、機会損失につながる可能性があります。新規顧客からの問い合わせを取りこぼした結果、競合他社に流れてしまうこともあるでしょう。
クレームに発展することがある
営業時間外への電話に対応しない場合、新たなクレームを生む可能性があります。例えば、製品の不具合や緊急のトラブルに関する連絡を受け付けられなかったことで、問題が拡大するケースもあります。
3. 営業時間外の電話対応による社員への負担
リスクを回避しメリットを享受するには営業時間外の電話に対応することが重要ですが、実際に現場で対応する社員には大きな負担がかかります。ここでは具体的に「社員にどのような負担がかかるのか」を見ていきましょう。
業務効率が低下する
営業時間外は社員の集中力が落ち、業務効率が低下しやすいタイミングです。そのため、平常時よりも対応に時間がかかったり、ストレスを感じやすかったりします。例えば、「一次対応や取次ぎに時間がかかってしまう」「不要な営業電話に苛立ってしまう」といったことが起こりやすいです。
また多くの場合、営業時間外には電話対応だけでなく通常業務も持ち越します。むしろ、「通常業務の残業の合間に電話対応を行う」というケースのほうが多いのではないでしょうか。そうした状況で電話対応が繰り返し発生すれば業務がストップしてしまうため、本来行うべき仕事への集中力が奪われてしまいます。
残業時間が増加する
時間外の対応を専任的に行う部署や役割を設けていない場合、営業時間外の電話は残業で対応しなければなりません。その状況で電話対応が頻発すれば、残業時間が増えてしまうことは明らかです。
また、先述したように営業時間外は社員の集中力が低下していることも多いため、さらに余計な時間がかかる懸念もあります。当然ながら人件費も増えますから、社員だけでなく企業にとっても負担になります。
ストレスが増加する
営業時間外の対応が重なるとストレスが増え、精神的にも体力的にも悪影響を与えてしまいます。特にサービス残業で対応しているような場合は、社員のモチベーション低下につながる可能性が高いです。
また、ストレスの増加から疾病のリスクが高まるため、最悪の場合は離職してしまうケースも考えられます。
プライベートと仕事の区別が曖昧になる
営業時間外の電話対応が続くと、プライベートと仕事の区別が曖昧になってしまう可能性があります。営業時間外や休日であっても仕事に意識が向いてしまい、社員は十分な休息が取れません。プライベートの時間も無くなってしまいます。
なお、詳しくは後述しますが、IVR(自動音声応答システム)を導入することで24時間365日の自動応答が可能になります。そのため、人の手を煩わせることなく、営業時間外の電話対応が実現できます。
4. 営業時間外の電話への3つの対応策
社員にとっては負担となる営業時間外での電話対応ですが、企業には多くのメリットがあります。ここからは、営業時間外の電話に対応する3つの対応策をご紹介します。
自動音声アナウンスに切り替える
1つ目の方法は、営業時間外は自動音声アナウンスによる対応に切り替える方法です。入電があった際、顧客に対して「営業時間外であること」と「営業時間にかけ直してほしい旨」を伝えることができます。
自動音声アナウンスへの切替は多くの企業が採用している方法ですが、問い合わせ内容を聞き出せない点はデメリットです。顧客からの電話に反応できてはいるものの、用件の受付はできない状態といえます。
この点、後述するIVRなら自動音声を流すだけではなく、相手に用件を吹き込んでもらうことが可能です。さらに音声を録音・テキスト化できるため、翌日すぐに確認できます。
電話転送サービスを活用する
2つ目の方法は、会社にかかってくる電話を社員の携帯電話やスマートフォンに転送するサービスを活用する方法です。営業時間外でも迅速に電話対応を行えるため、顧客満足度の向上が期待できるほか、テレワーク下での電話対応でも効果を発揮します。
しかし、「時間外にかけても電話に出てもらえる」と分かると、顧客が営業時間を意識しなくなる可能性もあり、常に時間を問わず電話がかかってくる環境になりかねません。そうなれば当然、社員の業務負担やストレスは増えてしまいます。
なお、電話を自動で転送する方法については以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
電話代行サービスを利用する
3つ目の方法は、電話対応の専門業者に依頼する方法です。電話代行サービスの専門業者が会社にかかってきた電話の一次対応を行うため、自社の社員にかかる負担を抑えつつ、営業時間外の電話に対応できるようになります。
一方、電話代行サービスも人による対応であるため、応対品質はオペレーターのスキルに依存します。また、営業時間外の対応を行っていない、あるいはオプション料金が必要となるサービスも多いため、業者選定時には注意が必要です。
加えて、一般的に電話代行サービスのスタッフは自社の社員とは異なり、商品・サービスの専門的な内容の問い合わせには対応しきれないというデメリットもあります。
なお、以下の記事では電話代行サービスと後述するIVRの違いについてご紹介していますので、両者を比較したい方はそちらもご覧ください。
5. 営業時間外の電話対応におけるポイント
ここからは、社員にかかる負担を最小限に抑えつつ、営業時間外でも顧客を取り逃さない電話対応のポイントをご紹介します。ポイントは大きく分けて以下の2つです。
企業体制や基準を見直す
まずは営業時間外における企業体制や基準を見直し、社員と顧客に周知することが重要です。
例えば、「知らない電話番号には出ない」「既存顧客の電話には出る」「営業時間外の電話対応は◯時まで」といった基準を定め、自社のルールとします。対応すべき電話の種類と時間帯をはっきりさせることで、従業員に過度の負担を強いたり、大幅な残業時間の増加を防ぐことができます。
IVR(自動音声応答システム)を活用する
社員に負担をかけず営業時間外の電話に対応するには、IVR(自動音声応答システム)の活用が大きなポイントとなります。
IVRは電話の一次対応や転送を自動化するシステムで、24時間365日の無人対応を可能にするツールです。会社にかかってきた電話に対して音声ガイダンスを案内し、プッシュボタン操作で相手から用件を聞き出すことができるため、営業時間外だけでなく、営業時間内の一次対応や取次ぎも効率化することができます。
IVRの仕組みや機能、活用シーンについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
また、IVRの導入・利用に関する費用については、以下の記事で解説しています。具体的な製品の特徴や費用を比較してご紹介していますので、詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
6. 営業時間外の電話の取りこぼしをゼロにするなら「DXでんわ」
営業時間外の電話対応を自動化できるサービスとしておすすめなのが「DXでんわ」です。
メディアリンクが提供するIVR「DXでんわ」は、電話の受付や問い合わせ内容の振り分けを自動化するツールです。電話相手に吹き込んでもらった音声をAIでテキスト化し、関係者に随時通知してくれるため、緊急の用件に迅速に対応することもできます。
また、音声だけでは伝えきれない情報をテキストで伝達できる「SMS送信機能」が標準搭載されている点も魅力です。この機能によって、例えば「自社WebサイトのFAQページに誘導する」「製品マニュアルページのURLを案内する」といった顧客の用件に応じた対応が可能になります。
「DXでんわ」は24時間365日の自動応答を実現することで有人対応を最小化し、社員に業務負担をかけることなく機会損失を防止できるツールです。詳細は以下でご紹介していますので、ご関心のある方はぜひご覧ください。