オフィス電話選びで押さえたい!
5つの選定ポイントとは?
UPDATE :
企業にとって、オフィス電話は社内外のコミュニケーションを行うための重要なツールです。起業して間もない会社やビジネスの拡大が見込まれている企業にお勤めで、今まさにオフィス電話の導入を検討しているという方もいるでしょう。
本記事では、ビジネスフォンやPBXをひっくるめた「オフィス電話全般」の基礎知識的な情報をご紹介しつつ、導入するメリットや選定時のポイントについて解説します。
また、電話の自動応答を可能にする「IVR」にも触れていますので、オフィス電話の導入とあわせて電話業務の効率化を推進したい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
1.オフィス電話とは?
オフィス電話とは、企業で用いられる電話機全般の総称です。規模を問わず多くの企業で導入されており、「代表電話番号を使った発着信を複数の電話機で行う」「内線・外線を使い分ける」といった目的で利用されています。
オフィス電話と一般電話の違い
一般的には、企業における電話業務を効率的に行う機能を備えた電話機を「オフィス電話」と呼び、それ以外の一般電話とは区別されます。
ただし、企業が業務で使用する電話機であれば「家庭用電話機」であっても「オフィス電話」と呼ぶこともあります。
実際に、小規模の会社では家庭用電話機で電話対応を行っているケースも見られますが、基本的には1台の電話機につき1つの電話番号しか使えないため、従業員が少人数で、なおかつ電話の使用頻度が低い場合にのみ利用できる手法と言えます。
なお、ひと口にオフィス電話と言ってもさまざまで、その種類は大きく「ビジネスフォン」と「PBX」に分けられます。
ビジネスフォンとPBXの違い
ビジネスフォンもPBXも「オフィス電話」の一種であり、いずれも外線と内線、または内線同士を接続するものです。
両者とも基本的に以下のような機能を備えており、例えば「外部の顧客からの着信を社内の担当部署に転送する」「顧客との通話をいったん保留にし、別の電話で通話を再開する」といった使い方ができるため、企業内外のコミュニケーションを円滑化するのに役立ちます。
上記のようにビジネスフォンとPBXは似たような機能を持っていますが、両者には違いがあります。
ビジネスフォンは「主装置」と「専用の電話機」で成り立っています。外線と内線、内線同士の接続を行うのは「主装置」の役割です。
一方、PBX(Private Branch Exchange)は電話交換機のことです。厳密には電話機そのものではなく、外線と内線、内線同士の通信を制御する装置を指します。
つまり、PBXはビジネスフォンにおける「主装置」と同じような役割を果たすシステムということになりますが、両者は別物です。
ビジネスフォンとPBXの代表的な違いとして挙げられるのが、利用できる範囲です。ビジネスフォンは基本的に同一拠点内でしか利用できませんが、PBXであれば物理的に離れた場所であっても電話を接続することができるため、複数の拠点で内線通話を行うことが可能です。
また、制御できる電話機の数にも違いがあります。ビジネスフォンは数百台であるのに対し、PBXが接続できる台数は数千台にのぼります。そのため、基本的にビジネスフォンは小〜中規模オフィス向け、PBXは大規模オフィス向けと言えます。
このほか、PBXにしかない特徴として、以下のような点が挙げられます。
・パソコンと接続できる
・スマートフォンを内線端末として利用できる
・内線でもISDN回線を使用できる
制御できる台数が多いPBXのほうが初期費用も高くなりますが、現在はクラウド型PBXのように安価に導入できるPBXも存在します。
2.PBXの種類
PBXにはいくつかの種類があり、主に「レガシーPBX」「IP-PBX」「クラウド型PBX」の3種類に分けることができます。
レガシーPBX
レガシーPBXとは、電話回線を用いるタイプのPBXです。企業のオフィスに専用機器を設置するため、工事費として数百〜数千万円の費用が発生し、設備を移動する場合も電話回線などの工事が必要になります。
一方、後述するIP-PBXやクラウド型PBXのようにインターネットに接続する必要がないため、インターネット環境や自社サーバーに不具合が生じた場合でも利用できる点はメリットと言えます。
IP-PBX
IP-PBXとは、IPネットワークを用いて実現するタイプのPBXです。よりシンプルに表現すると、「インターネット回線を利用したPBX」と言えます。
レガシーPBXとの大きな違いは、電話機だけでなくスマートフォンやパソコンでも内線通話や電話の転送を行える点です。外出中の従業員やテレワーク中の従業員のスマホやパソコンで内線通話ができるため、電話料金を抑えることができます。
また、電話回線網を工事する必要がないため、レガシーPBXと比べて初期費用が抑えられる点もメリットです。
なお、IP-PBXにも種類があり、大きく「ハードウェアタイプ」と「ソフトウェアタイプ」の2種類に分けられます。
ハードウェアタイプは専用機器の設置が必要である一方、ソフトウェアタイプは自社のサーバーにソフトウェアをインストールすることで導入できます。ソフトウェアタイプはサーバーの保守管理の手間や費用は発生しますが、導入費用がハードウェアタイプより安く済むほか、アップデートや拡張機能の追加も容易に行えます。
クラウド型PBX
クラウド型PBXとは、IP-PBXのようにインターネット回線を利用するPBXです。電話機のほかにスマートフォンやパソコンを利用できる点もIP-PBXと変わりません。
クラウド型PBXとIP-PBXの違いは、物理的に装置を設置する必要があるかどうかです。IP-PBXの場合は自社に設置したサーバーを利用しますが、クラウド型PBXは物理的な装置が必要ありません。クラウドサービスとして提供されるIP-PBXを利用することになるため、インターネット回線さえあれば利用できます。
クラウド型PBXの場合、基本的にはサービスを利用するための月額料金を支払うことで継続利用できます。端末の台数やアカウント数に応じて料金が増減するのが一般的です。
3.オフィス電話を導入するメリット
これまでオフィス電話(電話業務を効率化するための機能を備えた電話機)を導入していなかった企業、または家庭用電話機などの一般電話を業務で利用していた企業は、オフィス電話を新たに導入することで、以下のようなメリットを享受できます。
・内線と外線の使い分けが可能になる
・プライベートの電話を使わずに済む
・FAXが使えるようになる
・社会的信用につながる
内線と外線の使い分けができるようになれば、社内外を問わずコミュニケーションを円滑化する効果が見込めます。外部からの電話を取り次ぐ場合は通話を切らずに別の電話に転送できるため、一台の電話機を複数人で使用する不便さや、対応できる従業員が別途電話をかけ直す手間がなくなります。
また、従業員の少ない会社では家庭用電話機やスマートフォンを利用しているケースもありますが、ビジネスフォンを導入することで必然的にプライベートと仕事の電話の棲み分けが実現します。
さらに、ビジネスフォンを導入することでFAXも使えるようになります。自社でペーパーレス化が浸透していたとしても、顧客がFAXを利用しているケースも考えられます。そうした相手と取引を行う場合でも、ビジネスフォンを導入していれば柔軟な対応が取れるでしょう。
加えて、固定電話番号の有無が顧客や金融機関からの信頼度を左右することがあるため、社会的な信用度を向上させる意味でも、ビジネスフォンの導入にはメリットがあると言えます。
なお、上記のメリットは「レガシーPBX」「IP-PBX」「クラウド型PBX」にも当てはまりますが、それ以外にも、3種のPBXにはそれぞれ下記のようなメリットがあります。
ここまでビジネスフォンやPBXの導入メリットについてご紹介してきましたが、共通しているのは、導入すると電話業務の効率が大きく向上するという点です。
また、「IP-PBX」と「クラウド型PBX」についてはいずれもインターネット回線を利用するため、スマートフォンやパソコンでも通話ができるようになります。代表電話番号を利用した複数の電話機による発着信と、内線・外線の使い分けだけでなく、テレワークやワーケーションといった多様な働き方を実現する目的でも、インターネット回線を利用したPBXを導入するメリットは大きいと言えるでしょう。
4.オフィス電話の選定時に踏まえるべき5つのポイント
オフィス電話を選定する際は、以下に示す5つのポイントを踏まえて検討しましょう。
1.電話台数とチャネル数
2.機能
3.コスト
4.働き方
5.サポート体制
これらのポイントを総合的に評価し、自社のニーズに最も適したオフィス電話(またはサービス)を選ぶことが重要です。
以下で、それぞれのポイントについて解説します。
1.電話台数とチャネル数
物理的な電話機を設置する場合は、まず必要な電話機の数を把握します。従業員に1台ずつ手配するなら「従業員数×電話台数」で計算したうえで、「会議室」や「受付」など、ほかに必要な台数を加算していくのが基本的な考え方です。もちろん複数人で1台の電話機を使用するケースもあるため、自社のスタイルに合わせて必要数を導き出すことが大切です。
例えば、以下の条件の場合を考えてみましょう。
・従業員は20人
・2人で1台の電話機を使用する
・会議室は2部屋あるが1部屋のみ必要
・受付のための電話機も置きたい
この場合、従業員が業務で使用する電話台数は10台、会議室用に1台、受付用で1台となるため、合計で12台の電話機が必要という計算になります。
次に把握すべきは必要なチャネル数です。チャネル数は「同時に接続できる最大通話数」のことですが、これが不足していたらいくら電話機の台数が充実していても意味がありません。日々の発着信数をしっかり把握し、必要なチャネル数を確保しましょう。
なお、仮に将来的な拡大(従業員の増加やオフィスの拡大など)が見込まれている場合は、手軽に電話機や回線を増やせるオフィス電話を選ぶとよいでしょう。
2.機能
ビジネスフォンやPBXにはさまざまな製品がありますが、基本的に下記のような機能は網羅されていると考えて問題ありません。
・外線への発信制御
・外線からの着信制御
・内線同士の通話
・代表番号の着信
・転送
・パーク保留
・ダイヤルイン
ただし、PBXは製品によって機能に差があることがあります。特にオフィス電話による業務効率化を図りたい場合は、録音機能やIVR(自動音声応答システム)といった必要機能を洗い出したうえで、それらが搭載されているか確認することが重要です。
3.コスト
ビジネスフォンの導入費用は、主に「主装置」「電話機」「工事費」で構成されます。どのメーカーの電話機を導入するかでコストは変動するため、自社の予算に合った電話機を選ぶことが大切です。
なお、レガシーPBXを導入する場合はオフィス内に専用機器を設置するための費用、IP-PBXの場合は自社サーバーの設置費用がかかります。このほか、保守やメンテナンスにかかるランニングコストも考慮しましょう。
一方、クラウド型PBXであればサービスの導入費程度しか初期費用がかからないため、安価に導入したい場合は第一選択肢になるでしょう。ただし、サービスを利用するための月額費用が発生する点は念頭に置く必要があります。
4.働き方
導入するオフィス電話が「自社で推進している働き方にマッチするか」も重要なポイントです。例えば、「電話業務はオフィスでしか行わない」「テレワークで通話できるようにしたい」など、オフィス電話に求める要素は企業ごとの働き方に応じて異なります。
従業員がごくわずかで電話業務がほとんどないような企業であれば、そもそもオフィス電話を設置するかどうかを改めて検討するのも一案です。結果的に、携帯電話やスマートフォンで事足りるケースも考えられます。
このほか、オフィスでの電話業務の効率化と同時にテレワークを推進している場合は、物理的な電話機が必要なビジネスフォンではなく、スマートフォンやパソコンなどのデバイスを利用できるIP-PBXやクラウド型PBXの導入を検討すべきでしょう。
5.サポート体制
導入後のトラブルに備えて、メーカーやベンダーのサポート体制がどれだけ充実しているかを確認することは大切です。具体的には、サポートを受けられる「範囲」「日時」「手段」を確認しましょう。
一般的なビジネスフォンであればさほど問題ないかもしれませんが、多機能を搭載したPBXを導入する場合や導入後の機能拡張を視野に入れている場合は、どのようなプランやオプションが適切かを相談するところから支援してくれる、サポートの「範囲」が広いメーカーやベンダーを選ぶとよいでしょう。
また、電話がつながらなくなった場合も想定し、サポートを受けられる「日時」と、相談の「手段」を確認しておくことも重要です。電話がつながらなければ単に業務が滞るだけでなく、機会損失につながる可能性があるほか、最悪の場合は企業への信頼度を低下させかねません。
「サポートの時間は自社の営業時間に対応しているか」「メールだけでなく電話でも相談できるか」など、迅速にサポートを受けられるかどうかを確認しましょう。
5.電話対応を効率化するならIVR(自動音声応答システム)もおすすめ
オフィス電話は、企業の電話業務の効率化に貢献するツールです。繰り返しになりますが、オフィス電話を導入することで「外線・内線の使い分け」や「代表電話番号を利用した複数の電話機による発着信」が可能になります。
こうした業務効率化をさらに推進できる機能を備えているのが、IVR(自動音声応答システム)です。IVRとは、顧客からの入電に対し、事前に用意した自動音声ガイダンスを流すことで、電話に自動応答するシステムのこと。電話の一次対応を省人化でき、担当部署・担当者への取次ぎや、簡単な問い合わせへの回答を自動化することができます。
つまり、IVRを導入すれば「人手を介さない電話の受付業務」が実現できるということです。IVRはPBXと一体的に提供されているものを利用するケースや、既存のビジネスフォンを利用したままIVRを導入するケースがありますが、「電話対応に時間を取られたくない」という場合は、導入を強くおすすめします。
IVRの仕組みや機能、活用シーンについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
なお、IVRの導入・利用に関する費用については、以下の記事で解説しています。具体的な製品の特徴や費用を比較してご紹介していますので、詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
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