電話対応メモの書き方のコツは?
7つのテクニックを解説
UPDATE :

ビジネスの電話対応では、一瞬の会話を確実に記録し、後の対応に活かす効果的なメモ取りが求められます。一方で、「どんな情報を書けばいいかわからない」「会話が速くてメモが追いつかない」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、効率的で正確なメモの取り方を解説します。基本的な項目から、時短テクニック、整理術まで、すぐに使える実践的なノウハウをご紹介します。
目次

1. 電話対応で効率的にメモを取るテクニック
電話対応中のメモ取りは、会話に集中しながら同時に重要な情報を書き留めなければらなりません。
まずは効率的にメモを取るコツとして、7つのテクニックをご紹介します。
テクニック1:メモを取りやすい環境を整える
効率的なメモ取りの第一歩は事前準備から始まります。突然の電話でも慌てることなく対応できるよう、以下のような環境づくりを心がけましょう。
・メモ用紙とペンはいつでも手の届く場所に配置する
・電話機は利き手と反対側に置き、メモを取る手が遮られないようにする
・頻繁に電話対応をする場合は、両手が自由に使えるヘッドセットの使用を検討する
テクニック2:頻繁に電話をかけてくる相手をリスト化しておく
頻繁にやり取りする取引先や顧客の情報をリストとして一覧にしておくことで、毎回の電話でメモを取る量を減らすことができます。一覧には以下のような情報を記載しておきましょう。
・取引先の会社名・部署名
・相手方の氏名と役職
・電話番号やメールアドレス
・社内の担当者名
・よくある用件や注意点
このリストを手元に置いておけば、電話を受けたときに基本情報をメモする手間が省け、会話の内容そのものに集中できます。
テクニック3:メモの位置を使い分ける
メモ用紙のスペースを意識して使い分けることで、情報の整理と後からの確認をより効率的に行うことができます。例えば、以下のように使い分けるとよいでしょう。
・左側には基本情報(相手の名前、会社名、連絡先など)を記入する
・右側には詳細情報や補足事項を書き込む
・上部には緊急度の高い項目や重要な用件を記録する
・下部には参考情報や追加の連絡事項を書く
・余白を適度に設けて、後からの追記に備える
位置を意識してメモを取ることで情報の整理が容易になり、後で見返した時にも必要な情報をすぐに見つけることができます。特に複数の案件について会話する場合など、情報量が多いときに役立ちます。
テクニック4:聞きながら先回りしてメモを取る
電話対応の多くは、ある程度パターン化された会話の流れがあります。この特徴を活かして、相手の話の展開を予測しながらメモを取ることで、より効率的な記録が可能になります。
例えば、受注の電話であれば商品名、数量、納期が必ず話題になりますし、問い合わせの電話では具体的な質問内容の後に回答期限が伝えられるはずです。
このように経験から得られる会話の流れを意識し、次に来る情報を予測してメモの項目や枠を先に用意しておきましょう。
テクニック5:会話の要点を把握し簡潔に記録する
電話対応中に全ての内容を書き取ろうとするのは現実的ではありません。相手の話を注意深く聞き、主要な情報を識別して簡潔に記録することが重要です。
特に「誰が」「何を」「いつまでに」「どのように」という基本的な情報に焦点を当て、会話の核心部分を短いフレーズで記録します。例えば、「新製品のカタログ送付依頼、〇〇様、金曜日午前中必着」といった具合です。
細かい説明や経緯よりも、アクションが必要な事項を優先的に書き留めましょう。
テクニック6:記号・略語を活用する
記号や略語を活用することで、短時間でより多くの情報を書き留めることができます。以下のような基本的な記号を活用するとよいでしょう。
・→(矢印):「〜について」「〜の結果」を表す
・◎:重要事項を示す
・☆:優先事項を示す
・?:要確認事項を示す
・〆:締め切りを示す
また、以下のような略語を使うことで記入時間を短縮できます。
・一般的な略語:「株式会社」→「(株)」、「担当」→「担」
・子音のみを使った略記:「会議」→「KG」、「確認」→「KN」
・社内で共通認識のある略語:部署名、商品名、専門用語など
ただし、他の人と共有する可能性のあるメモでは、一般的に理解されやすい略語を使うよう注意しましょう。また、重要な固有名詞は省略せずに記載することをお勧めします。
テクニック7:メモを取りながら会話を継続する
相づちや復唱を効果的に使うことで、会話を自然に中断させることなく、メモを取る時間を確保することができます。
適切なタイミングで「なるほど」「かしこまりました」などのフレーズを入れることで、自然にメモを取る間を作ることができます。
また、重要な情報を聞いたときは、「ただいまの○○について、確認させていただきますが……」と復唱することで、メモを取るための時間を確保できます。
2. 電話対応メモの基本項目
電話対応メモを効果的に活用するには、必要な情報を漏らさず記録することが重要です。基本的な要素を押さえることで、後で見返した時にも状況を正確に思い出すことができます。
具体的に、電話対応でメモしておくべき内容は以下の7点です。
1. 受電した日時
2. 電話相手の会社名・部署名・氏名
3. 電話の用件
4. 折り返しの必要性
5. 電話相手の連絡先
6. その他の連絡方法(メールなど)
7. 受電対応者の氏名
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
受電した日時
メモの最初に記録すべきは、電話を受けた日時です。これは一見些細なことに思えるかもしれませんが、後々の確認や対応の際に非常に重要な情報となります。例えば、「先日お電話した件について」と言われた時、具体的にいつのことかを即座に特定できます。
日付だけでなく、時間まで記録しておくとさらに有用です。特に緊急を要する案件や、時間帯によって対応が変わる場合には、受電時刻の情報が重要になることがあります。
電話相手の会社名・部署名・氏名
電話をかけてきた相手の情報は、メモの中で最も重要な項目の一つです。会社名、部署名、そして相手の氏名を正確に記録しましょう。これらの情報は、後のフォローアップや、社内での情報共有の際に不可欠です。
相手の名前は特に注意して聞き取り、意図的にカタカナでメモするとよいでしょう。同音異字の漢字名も多いため、カタカナで記録することで誤記を防ぐことができます。また、聞き取りづらい場合は、相手に確認することを恥ずかしがらないようにしましょう。
電話の用件
電話の主な目的や内容を簡潔にまとめることが重要です。長々と会話のすべてを書き起こす必要はありません。要点を押さえ、後で見返したときに会話の流れを思い出せる程度の情報を記録します。
特に重要なのは、アクションが必要な事項です。例えば、相手が求めている情報、締め切り、次のステップなどを明確に記録しておきましょう。これにより、電話終了後の対応漏れを防ぐことができます。
折り返しの必要性
電話が自分宛てではなく、さらに担当者が不在の場合、「相手への折り返しが必要かどうか」は必ず確認し記録しておくべき事項です。折り返しが必要な場合は、いつまでに、どのような方法で連絡すべきかも併せてメモしておきましょう。
例えば、「明日の午後3時までに電話で回答」といった具体的な情報があれば、担当者は適切なタイミングで確実に対応することができます。
自分宛ての電話を折り返すときの言い回しやマナーについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
電話相手の連絡先
相手の電話番号やメールアドレスなど、連絡先情報は必ず記録しておきましょう。特に、普段やり取りのない相手からの電話の場合、この情報は非常に重要です。
また、相手の都合(「午後3時以降なら確実に連絡が取れる」など)についても、わかる範囲で記録しておくと便利です。これにより、スムーズな連絡や不要な手間を省くことができます。
その他の連絡方法
電話以外の連絡手段について言及があった場合は、それも記録しておきましょう。例えば、「詳細は後ほどメールで送る」といった情報があれば、メモしておくことで後の対応がスムーズになります。
また、相手が希望する連絡方法(「できるだけメールでやり取りしたい」など)があれば、それも記録しておくと良いでしょう。顧客の要望に沿ったコミュニケーションを取ることで、良好な関係を築くことができます。
受電対応者の氏名
最後に、電話を受けた人の名前を記録することも忘れないようにしましょう。これは、後で社内での情報共有や引き継ぎの際に重要になります。また、相手から「先日電話で話した◯◯さん」と指名されたときにも、すぐに対応できるようになります。
以上の基本項目を漏れなく記録することで、効果的な電話対応とフォローアップが可能になります。
なお、本記事の下部でもご紹介しますが、IVR(自動音声応答システム)を導入することで、上述の項目を自動で収集することが可能です。さらに、電話相手に吹き込んでもらったメッセージは録音・テキスト化され、担当者に自動で通知されるため、メモや伝言にかかる手間も大幅に削減できます。
3. 電話対応メモのテンプレートも活用しよう
効率的で正確な電話対応メモを作成するには、テンプレートの活用が非常に有効です。適切なテンプレートを使用することで必要な情報を漏れなく記録し、後で見返した際にも素早く情報を把握することができます。
また、書き留めるべき項目をあらかじめ明らかにしておくことで、「メモが追いつかない」といったことも防ぎやすくなります。
テンプレートの基本構成
効果的な電話対応メモのテンプレートとは、先に説明した基本項目を網羅しつつ、使いやすい形にまとめたものです。典型的なテンプレートには以下の項目が含まれます。
・受電日時
・相手の情報(会社名、部署名、氏名)
・電話の用件
・折り返しの必要性
・電話相手の連絡先
・その他の連絡方法
・受電対応者の氏名
・対応内容(詳細記入欄)
・フォローアップ事項
これらの項目を適切に配置し、記入しやすいレイアウトにすることが重要です。例えば、頻繁に使用する項目は上部に配置し、詳細な内容を記入するスペースは下部に設けるなどの工夫ができます。
テンプレートは必要に応じてカスタマイズしよう
基本的なテンプレートをベースに、自社の業務や個人のニーズに合わせてカスタマイズすることで、より使いやすいテンプレートを作成できます。以下に、追加でカスタマイズ可能な項目を紹介します。
優先度:
緊急度や重要度を示すチェックボックスや欄を設けることで、対応の優先順位を視覚的に把握できます。
関連部署:
社内の他部署との連携が必要な場合に備えて、関連部署を記入する欄を設けると便利です。
次回アクション:
フォローアップが必要な場合、次にとるべきアクションと期限を記入する欄があると、漏れのない対応ができます。
メモ欄:
自由に記入できるスペースを設けることで、テンプレートの枠に収まらない情報も記録できます。
これらの項目を必要に応じて追加したり、不要な項目を削除したりすることで、より効果的なテンプレートを作成できます。
なお、以下は「社内の担当者への共有を前提としたメモ」のテンプレート例です。こちらも参考に、ぜひオリジナルのテンプレートを作成してみてください。もちろん、下記の画像を印刷して活用いただいても構いません。
部署ごとにテンプレートをアレンジするのも効果的
部署によって必要な情報や対応方法が異なるため、それぞれにカスタマイズされたテンプレートを使用するのも有効です。以下に、いくつかの部署別テンプレートの特徴を紹介します。
営業部門:
商談の進捗状況や次回アポイントの日程を記入する欄を設けます。
カスタマーサポート:
問い合わせ内容の分類や解決状況を記録する項目を追加します。
人事部門:
応募者の情報や面接の評価を記入する欄を設けます。
経理部門:
請求や支払いに関する情報を詳細に記録できる項目を追加します。
これらは一例なので、自社の業務内容に合わせて適切にカスタマイズすることが重要です。
テンプレートの作成と改善の方法
効果的なテンプレートを作成し、継続的に改善していくためには、以下のステップを踏むとよいでしょう。
1.現状分析:
現在のメモ取りの方法や記録している情報を分析し、必要な項目を洗い出します。
2.ドラフト作成:
基本的な項目を含むドラフトを作成し、実際の業務で試用します。
3.フィードバック収集:
同僚や上司からフィードバックを収集し、改善点を把握します。
4.改善と調整:
フィードバックを基にテンプレートを改善し、再度試用します。
5.定期的な見直し:
業務の変化に合わせて定期的にテンプレートを見直し、必要に応じて更新します。
このプロセスを繰り返すことで、より使いやすいテンプレートを作成することができます。
4. 電話対応中にメモが追いつかない場合はどう対処する?
上述した7つのテクニックを実践し、さらにテンプレートも活用しているのに「メモが追いつかない」「うまくいかない」という不安が残る場合は、以下の3点を実践しましょう。
1. ゆっくり話して相手にペースを合わせてもらう
2. 不安がある内容はストレートに質問する
3. 通話録音データを聞き返してメモを補完する
ゆっくり話して相手にペースを合わせてもらう
電話対応中にメモが追いつかないと感じたら、こちらがゆっくり話してみましょう。そうすると相手のペースを自然と抑えることができます。
また、相手にペースを調整してもらうようお願いするのも一つの方法です。「申し訳ございません。メモを取らせていただきたいので、少々お待ちください」などと丁寧に伝えることで、多くの場合は快く協力してくれるはずです。
むしろ、聞き漏らしてしまい、後で確認の電話をかけ直すことになるほうが相手の時間を無駄にしてしまいます。最初からきちんとコミュニケーションを取り、正確な情報共有を心がけましょう。
不安がある内容はストレートに質問する
曖昧なまま電話を切ってしまうと、後から「あの時の話は結局どういう意味だったのだろう」と悩むことになります。特に重要な内容については、その場で確認することが大切です。
「大変申し訳ございませんが、もう一度おっしゃっていただけますでしょうか?」のように丁寧さを意識してお願いすれば、相手もしっかり答えてくれるでしょう。
なお、自分なりに理解した内容はあるものの正確性に不安があり、齟齬がないか確認したい場合は、先述した「復唱」を行ってください。「ただいまの◯◯についてですが、私の理解が正しいかご確認させていただけますでしょうか」「△△という理解で間違いありませんでしょうか」といった言い回しをすることで、「話を聞いていない」という印象を持たれずに済みます。
通話録音データを聞き返してメモを補完する
事前に相手の同意を得ることが大前提ですが、通話を録音することで、メモの補完や確認が容易になります。特に複雑な内容や重要な会話の場合は、録音を活用するのも一つの方法です。
ただし、通話録音を行う場合は、以下の点に注意が必要です。
・通話開始時に録音の許可を得る
・録音データの取り扱いには十分な注意を払う
・対応が遅れないよう必要な箇所のみを聞き返す
5. そもそも、なぜ電話対応でメモを取るのか?
電話は今もビジネスの重要なコミュニケーションツールですが、会話は一過性であり情報を見逃すリスクがあります。そこで電話対応メモの重要性が浮かび上がってくるのです。
正確な情報伝達と共有
電話でのやり取りを正確に記録することは、ビジネスの成功に不可欠です。メモを取ることで、会話の内容を漏れなく捉え、後で確認することができます。これは特に複雑な情報や数字を扱う際に重要です。
また、メモは自分だけでなく、チームメンバーとの情報共有にも役立ちます。正確なメモがあれば、電話対応した内容を他の人に簡潔に伝えることができ、チーム全体の業務効率が向上します。
ミスとトラブルの防止
人間の記憶は完璧ではありません。重要な詳細を忘れたり、誤って解釈したりすることは往々にしてあります。しかし、適切なメモを取ることで、これらのリスクを大幅に軽減できます。
例えば、顧客との約束や締め切りをメモに記録しておけば、忘れずに対応することができます。また、メモを見直すことで、誤解や聞き間違いに気づき、早期に修正することも可能です。これにより、ビジネス上の大きなミスやトラブルを未然に防ぐことができるのです。
なお、以下の記事では電話を取り次ぐシーンでよく起こるミスとその防止策についても解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
個人と組織の業務品質向上
メモを取る習慣は、個人の業務品質を向上させるだけでなく、組織全体のパフォーマンスにも良い影響を与えます。個人レベルでは、メモを振り返ることで自身の対応を客観的に評価し、改善点を見つけることができます。
組織レベルでは、各メンバーが取ったメモを共有・分析することで、顧客対応の傾向や課題を把握し、サービス向上に活かすことができます。さらに、メモの内容を基に社内トレーニングを行うことで、組織全体の電話対応スキルを底上げすることも可能です。
このように、電話対応でメモを取ることは、単なる記録以上の価値があります。正確な情報伝達、ミス防止、業務品質向上など、多くのメリットをもたらすのです。
6.受電・取次ぎ・メモ作成を自動化するなら「DXでんわ」
今回ご紹介したテクニックを押さえることで、電話対応中のメモ取りは効率化します。ただし、電話対応を頻繁に行う方は受電のたびに通常業務を中断しなければならず、担当者不在時にはメモを作成する手間も発生するため、メモ取りが効率化したとしても、業務そのものの負担はなくなりません。
そこでおすすめなのが、メディアリンクが提供するIVR「DXでんわ」です。「DXでんわ」には下記のような特長があるため、電話相手とのやり取りや担当者への取次ぎ、伝言メモの作成や共有など、電話受付業務全般の省人化が実現できます。
▼DXでんわの特長
・システムによる自動音声案内で電話の受付業務を無人化できる
・担当者への電話の取次ぎも自動化される
・電話相手のメッセージが自動でテキスト化・音声ファイル化される
・テキスト化・音声ファイル化されたデータは関係者に自動で通知される
・人が介在しないため、伝言ミスなどのヒューマンエラーも防止できる
「DXでんわ」は人による電話対応メモの作成をゼロにするだけでなく、いわゆる電話番業務そのものの省人化・効率化に役立つツールです。ご興味をお持ちの方は、ぜひ以下のページから製品情報をご覧ください。
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