IVR認証とは?
仕組みと特徴、他の認証方法との違いを徹底解説

IVR

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セキュリティリスクが増す現代、企業には情報漏洩を防ぐための高度な対策が求められています。その中でも、IVR(自動音声応答システム)を使った「IVR認証」は、高いセキュリティと確実な本人確認を提供し、導入のしやすさと利用の簡便さから注目されています。

 

この記事では、IVR認証の基本やメリット・デメリット、他の認証方法との違いを詳しく解説します。

1.IVR認証の基本

IVR認証は、電話を使った安全な本人確認の方法です。IVR(Interactive Voice Response)という自動音声応答システムを使って本人確認を行います。

IVR(自動音声応答システム)の定義

IVRは、電話をかけてきた人と自動的にやり取りをする仕組みです。例えば、「1を押すとサービス案内、2を押すとオペレーターにつながります」といった音声ガイダンスを流すシステムがIVRの一種です。

IVRの仕組みや機能について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

IVR(電話自動音声応答システム)とは?メリット・デメリットと導入ポイント

セキュリティが重要な場面での活用例

IVR認証は、特に高いセキュリティが求められる以下のような場面で活用されています。

  • 銀行(オンラインバンキング)の取引確認
  • クレジットカードの利用確認
  • 医療機関での患者情報の確認
  • 会員サイトログイン時の本人確認

このように、IVR認証は電話という身近なツールを使いながら、高度なセキュリティを実現する技術です。

2.IVR認証の種類:アウトバウンド型とインバウンド型の比較

IVR認証には主に「アウトバウンド型」と「インバウンド型」の2つのタイプがあります。それぞれの仕組みを見ていきましょう。

アウトバウンド型の仕組み

まずは、アウトバウンド型のIVR認証について説明します。アウトバウンド型は、サービス提供者からユーザーに電話をかけるタイプのIVR認証です。

アウトバウンド型IVR認証の仕組み:

  1. ユーザーが認証を要求(例:Webサイトでログインを試みる)
  2. システムがユーザーの登録電話番号に自動で電話をかける
  3. ユーザーが電話に出て、音声ガイダンスに従ってパスワードなどを入力
  4. 入力情報が正しければ、認証完了

インバウンド型の仕組み

次に、インバウンド型のIVR認証について説明します。インバウンド型は、ユーザーからサービス提供者に電話をかけるタイプのIVR認証です。

インバウンド型IVR認証の仕組み:

  1. ユーザーが認証を要求すると、システムが認証用の電話番号を表示
  2. ユーザーがその番号に電話をかける
  3. 自動音声システムがユーザーを誘導し、必要な情報を入力させる
  4. 入力情報と発信元の電話番号が正しければ、認証完了

各タイプの長所と短所

アウトバウンド型とインバウンド型の長所と短所は、以下のとおりです。

アウトバウンド型:

  • 長所:ユーザーの手間が少ない/なりすまし防止に効果的
  • 短所:システムからの発信コストがかかる/ユーザーが電話に出られない可能性がある

インバウンド型:

  • 長所:システムの発信コストが不要/ユーザーが都合の良いタイミングで認証可能
  • 短所:ユーザーの手間が若干多い/電話料金がユーザー負担

上記のように、アウトバウンド型とインバウンド型は両タイプとも高いセキュリティを提供しつつ、さまざまな場面で活用できる柔軟性を持っています。

なお、アウトバウンド型はサービス提供者からユーザーに電話を発信する必要がありますが、IVRの「オートコール」という機能を利用することで、架電を自動化することが可能です。

オートコールの活用事例や導入メリットについては、以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はそちらもご覧ください。

オートコールシステムとは?活用事例や導入メリットを紹介

3.IVR認証のメリット・デメリット

IVR認証システムを導入する際は、そのメリットとデメリットを十分に理解することが重要です。ここでは、主なメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット

IVR認証を導入するメリットは以下の4点です。

  1. セキュリティの向上:
    • 多要素認証の実現:電話番号とパスワードを組み合わせることで、セキュリティが大幅に向上します。
    • なりすまし防止:登録された電話番号にのみ発信するため、第三者によるなりすましのリスクが低減されます。
  2. 幅広い端末での利用可能性:
    • スマートフォンだけでなく、固定電話やフィーチャーフォン、格安スマホなど、あらゆる電話で利用可能です。
    • 特別なアプリのインストールが不要なため、導入の障壁が低くなります。
  3. 業務効率化とコスト削減:
    • 自動化による人的リソースの削減:オペレーターを介さない自動認証により、人件費を抑えられます。
    • パスワードリセット業務の軽減:電話を使った認証により、パスワード忘れの問い合わせの減少が期待できます。
  4. ユーザビリティ:
    • 直感的な操作:電話という馴染みのあるデバイスを使用するため、高齢者を含む幅広い層に受け入れられやすいです。
    • 24時間365日の利用可能性:自動システムのため、時間を問わずに利用可能です。

デメリット

IVR認証を導入するデメリットは以下の3点です。

  1. 通信環境への依存:
    • 電話回線やインターネット接続が必要:通信障害時にサービスが利用できなくなる可能性があります。
    • 海外での利用に制限:国際電話の利用が必要になる場合があり、コストや利便性に影響が出る可能性があります。
  2. 導入・運用コスト:
    • 初期導入コスト:IVRシステムの導入には一定の投資が必要です。
    • 通信コスト:特にアウトバウンド型の場合、電話をかけるコストが発生します。
  3. ユーザーの心理的負担:
    • 認証プロセスの長さ:ユーザーがIVR認証に慣れていない場合、完了までの時間が長くなる可能性があります。
    • IVR認証システムは、高いセキュリティと幅広い利用可能性というメリットがある一方で、上記のように導入コストや運用面での課題もあります。

4.IVR認証と他の認証方法の比較

IVR認証の特徴をより深く理解するために、他の一般的な認証方法と比較してみましょう。ここでは、SMS認証、パスワード認証、生体認証との違いを見ていきます。

IVR認証とSMS認証の違い

SMS認証は、スマートフォンや携帯電話にSMSでパスワードなどを送信し、それを受け取ったユーザーがパスワードを入力することで認証を行う方法です。IVR認証と比較すると、以下のような違いがあります。

セキュリティレベル:

  • IVR認証:電話番号とパスワードの組み合わせで、多要素認証を実現
  • SMS認証:電話番号とSMSで受け取ったコードを使用。SIMスワップ攻撃のリスクあり。

利用者の使いやすさ:

  • IVR認証:電話に出て音声ガイダンスに従うだけ。高齢者も比較的受け入れやすい。
  • SMS認証:SMSを受信し、コードを入力する必要がある。スマートフォンや携帯電話の操作に慣れていない人には難しい場合も。

適した使用シーン:

  • IVR認証:高セキュリティが要求される金融取引、機密情報へのアクセスなど。
  • SMS認証:一般的なウェブサービスのログイン、簡易な本人確認など。

IVR認証とパスワード認証の違い

パスワード認証は、ユーザーがIDやパスワードを入力することで本人確認を行う認証方法です。IVR認証と比較すると、以下のような違いがあります。

セキュリティレベル:

  • IVR認証:多要素認証を実現し、フィッシング攻撃に強い。
  • パスワード認証:単一要素のため、パスワード漏洩のリスクが高い。

利用者の使いやすさ:

  • IVR認証:パスワードを覚える必要がなく、電話で音声ガイダンスに従うだけ。
  • パスワード認証:パスワードを覚える必要があり、定期的な変更も求められることが多い。

導入・運用コスト:

  • IVR認証:システム導入と通信コストがかかる。
  • パスワード認証:比較的低コストで導入可能。

IVR認証と生体認証の違い

生体認証は、指紋や顔などユーザーの体の一部を使って本人確認を行う認証方法です。IVR認証と比較すると、以下のような違いがあります。

セキュリティレベル:

  • IVR認証:多要素認証を実現。なりすましが困難。
  • 生体認証:高度なセキュリティを提供するが、生体情報の複製リスクがある。

利用者の使いやすさ:

  • IVR認証:電話さえあれば利用可能。特別なデバイスは不要。
  • 生体認証:専用のハードウェア(指紋センサー、カメラなど)が必要。

プライバシーへの配慮:

  • IVR認証:生体情報を使用しないため、プライバシー懸念が比較的少ない。
  • 生体認証:生体情報の管理に関するプライバシー懸念がある。

適した使用シーン:

  • IVR認証:リモートでの認証が必要な場面(オンラインバンキング、電話でのカスタマーサポートなど)。
  • 生体認証:物理的なアクセス制御(入退室管理など)やモバイルデバイスのロック解除など。

各認証方法には、それぞれ長所と短所があります。IVR認証は高いセキュリティレベルと幅広い利用可能性を兼ね備えていますが、導入コストや運用面での考慮が必要です。

5.自社に合う認証方法の選び方

適切な認証方法を選ぶことは、セキュリティと利便性のバランスを取る上で非常に重要です。ここでは、自社に最適な認証方法を選ぶために考慮すべき主要なポイントを紹介します。

セキュリティの必要性を見極める

以下のポイントを踏まえ、自社のサービスに必要なセキュリティレベルを考慮しましょう。

保護すべき情報の重要度を評価する:

  • 金融情報や個人情報など、高度なセキュリティが必要な場合はIVR認証や生体認証が適している。
  • 一般的なウェブサービスならSMS認証やパスワード認証で十分な場合も。

法的要件や業界標準を確認する:

  • 金融業界のような厳格な規制がある分野では、多要素認証が求められることが多い。

ユーザーの特徴と使用機器を調べる

以下の視点で、ユーザーにとっての使い勝手を考慮することも重要です。

ユーザーの年齢層やITリテラシーを考慮する:

  • 高齢者や技術に不慣れな層が多い場合、IVR認証は馴染みのある電話を使用するため適している。
  • 若年層やIT機器に詳しいユーザーが多い場合、生体認証やSMS認証も選択肢に。

利用される端末の種類を把握する:

  • スマートフォンが主な場合、IVR認証や生体認証、SMS認証が使いやすい。
  • 固定電話やフィーチャーフォンの利用者が多い場合、IVR認証が適している。

既存システムとの相性を確認する

すでに利用しているシステムを活用したい場合は、連携のスムーズさや手間を確認しましょう。

現行のシステムとの統合可能性を検討する:

  • 既存のシステムとスムーズに連携できるかどうかを確認
  • API連携の容易さや必要な開発工数を評価する

必要なシステム改修の範囲を見積もる:

  • 大規模な改修が必要な場合、コストと時間を慎重に検討する

費用と手間を見積もる

新たにシステムを導入する場合は、導入にかかる初期費用だけでなく、運用開始後のランニングコストも見据えましょう。

初期導入コストを算出する:

  • ハードウェア、ソフトウェア、システム統合にかかる費用を見積もる。
  • 従業員のトレーニングコストも考慮する。

ランニングコストを予測する:

  • IVR認証の場合、通話料金やシステム保守費用を考慮する。
  • SMS認証ならメッセージ送信コストを、生体認証ならハードウェアの更新費用を検討する。

6.IVR認証システムを導入するなら「MediaVoice」がおすすめ

自社に最適な認証方法を選ぶには、セキュリティ要件、ユーザー特性、既存システムとの親和性、コスト、導入の容易さなど、多角的な視点で検討する必要があります。

また、IVRは認証機能だけでなく、電話に関するさまざまな課題解決に貢献する機能を備えたシステムです。本人認証以外の機能も把握したうえでサービスを検討・選定することで、より広範な課題の解決に役立つツールとして機能します。

弊社メディアリンクが提供する「MediaVoice」も、さまざまな機能を備えたIVRです。IVR認証のほか、以下のような機能を搭載しています。

  • 365日24時間の自動応答を可能にする「自動受付IVR」
  • あふれ呼発生時のコールバック予約を自動で受け付ける「あふれ呼IVR」
  • 大量のリスト先への自動発信を可能にする「オートコール」
  • 顧客の満足度や意見を調査できる「CSアンケートIVR」

なお、これらはサービスメニュー化されているため、必要な機能を選んで導入することも可能です。

費用を抑えつつ、自社にマッチしたIVRをお探しの方は、ぜひ「MediaVoice」をご検討ください。

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