電話で相手の名前を聞く4つの基本テクニック:
ビジネスマナーを押さえた対応術
UPDATE :
ビジネスの場で電話を使うとき、相手の名前を適切に聞き取ることは非常に重要です。しかし、「どうやって聞けばいいの?」「失礼にならない方法は?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、電話で相手の名前を聞く際の基本的なマナーから、聞き取れなかった場合の対処法、そして特別な状況での対応まで、実践的なテクニックをご紹介します。
なお、以下の記事では電話対応全般に関わるマナーやコツ、例文を解説しています。網羅的に学びたい方は、ぜひそちらもご覧ください。
目次
1.電話で相手の名前を聞く基本的なフレーズとマナー
まずは、相手の名前を聞く際の基本的なフレーズとマナーについてお話しします。重要なのは、丁寧さと簡潔さのバランスです。相手に失礼にならないよう配慮しつつ、明確に名前を聞き取ることが目的となります。
基本フレーズ
以下に、相手の名前を聞くときに使用できる、基本的なフレーズをいくつかご紹介します。
「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
「お手数ですが、お名前をお聞かせいただけますか?」
これらのフレーズを使用することで、相手に不快感を与えずに名前を聞くことができます。状況や相手に応じて、最適なフレーズを選択するとよいでしょう。例えば、初めての取引先であれば「恐れ入りますが…」というやや改まったフレーズを用いると、丁寧な印象を与えられます。
電話応対の基本的な流れ
次に、電話応対の基本的な流れを説明します。
1.まず挨拶から:
「お電話ありがとうございます」
2.自社名と自分の名前を名乗る:
「◯◯商事の山田と申します」
3.用件の概要を伝える:
「△△についてお問い合わせさせていただきたいのですが」
4.相手の名前を聞く:
「恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
この流れを意識することで、唐突に名前を聞くことを避け、自然な会話の中で相手の名前を確認することができます。
例えば、次のように話を進めるとよいでしょう。
▼例文
「お電話ありがとうございます。◯◯商事の山田と申します。△△についてお問い合わせさせていただきたいのですが、恐れ入りますが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
敬称の使い方
相手の名前を呼ぶときは基本的に「様」を使用しますが、相手との関係性や会社の方針によっては「さん」を使用する場合もあります。
例えば、取引先や顧客には「様」、社内の方には「さん」を使うといった具合です。ただし、初対面の場合は「様」を使用するのが無難でしょう。
2.聞き取れない場合の対処法と確認の仕方
名前を聞き取れなかった場合や、確認が必要な場合の対処法を把握しておくことも重要です。落ち着いて丁寧に対応することがポイントとなります。
聞き直しのフレーズ
相手の名前が聞き取れなかったり、聞き逃してしまったりした場合は、以下のフレーズが使えます。
「申し訳ございません、お名前をもう一度お伺いしてもよろしいでしょうか?」
「申し訳ございません。お名前の最初の部分をもう一度お聞かせいただけますでしょうか?」
大切なのは、率直に聞き直すことです。変に言い訳をせず、シンプルに聞き直しましょう。また、部分的に聞き取れた場合は、その部分を明確にして聞き直すとよいでしょう。
例えば、次のように対応します。
▼例文
「申し訳ございません。『田中』様とおっしゃいましたでしょうか。お名前の最初の部分をもう一度お聞かせいただけますでしょうか?」
なお、本記事の下部でもご紹介していますが、代表電話にIVR(自動音声応答システム)を導入すると通話内容が自動で録音・テキスト化されるため、聞き逃しの心配がなくなって便利です。
漢字や読み方の確認
相手の名前が聞き取れなかった場合、以下のように漢字の表記や読み方を確認する方法もあります。
「恐れ入りますが、お名前の漢字をお教えいただけますでしょうか?」
「失礼ですが、お名前の読み方を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
特に珍しい名前や、同音異義語がある名前の場合は、漢字や読み方の確認が重要です。これにより、後々の書類作成や住所録への記入時のミスを防ぐことができます。
例えば、以下のように確認します。
▼例文
「田中様でございますね。大変恐れ入りますが、『田中』の『田』の字は、『田んぼ』の『田』でお間違いないでしょうか?」
なお、以下の記事では「相手に失礼な印象を与えずに聞き返すコツ」を詳しく解説しています。興味のある方は、あわせてご覧ください。
3.名前を聞いた後の対応とメモの活用
相手の名前を聞いた後の対応も重要です。名前を正確に理解し、記録することで、その後のコミュニケーションがよりスムーズになります。
名前の復唱
相手の名前を聞いた後は、以下のように復唱しましょう。
▼例文
「佐藤様でいらっしゃいますね。承知いたしました」
名前を復唱することで、正確に聞き取れたかを相手に確認できます。また、相手に「きちんと名前を覚えてもらえた」という印象を与え、好感度の向上にもつながります。
メモの活用
ビジネスにおける電話対応では、相手の情報をメモすることが重要です。以下のポイントを押さえましょう。
・名前、部署、役職などを記録する
・メモを取る際は「少々お待ちください」と一言添える
名前だけでなく、部署や役職なども併せてメモしておくと、後々の対応がスムーズになります。例えば、「佐藤様 営業部 課長」といった具合です。メモを取る際は、相手に「少々お待ちください」と一言添えるのがマナーです。
例えば、次のように対応します。
▼例文
「佐藤様、営業部の課長でいらっしゃいますね。少々お待ちください。メモを取らせていただきます」
また、メモは後で見返してもわかるように、丁寧に記録することが大切です。特に、同音異義語がある名前の場合は、漢字も正確に記録しましょう。
以下の記事では、電話対応でメモを取るべき項目や、効率的にメモを取るコツをご紹介しています。詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
4.特別な状況での名前の聞き方とその注意点
状況によっては、標準的な方法では名前を聞きづらい場合があります。この章では、そのような特別な状況での対応方法をご紹介します。
電話の最後に名前を確認する場合の対応
電話の途中で名前を聞くタイミングを逃してしまった場合や、最後にもう一度確認したい場合は、以下のようなフレーズを使用します。
▼例文
「大変申し訳ございませんが、最後にお名前を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
ただし、この方法は最終手段として考え、できるだけ電話の早い段階で名前を確認するよう心がけましょう。
プライバシーに配慮が必要な場合の対応
個人情報の取り扱いに敏感な方もいらっしゃいます。そのような場合は以下のように、名前を聞く理由を明確に伝え、相手の理解を得ることが大切です。
▼例文
「お客様対応の品質向上のため、お名前を伺っております。よろしければ、お教えいただけますでしょうか?」
また、必要に応じて、個人情報の取り扱い方針について簡単に説明することも有効です。
相手が外国人の場合の対応
グローバル化が進む現代のビジネスでは、外国人の方と電話で話す機会も増えています。英語での対応が必要な場合、以下のようなフレーズが役立ちます。
“May I have your name, please?”
(お名前をお聞かせいただけますか?)
“Could you spell your name for me, please?”
(お名前のスペルをお教えいただけますか?)
“I’m sorry, could you repeat your name?”
(申し訳ありません、お名前をもう一度おっしゃっていただけますか?)
外国人の名前は日本人にとって聞き取りづらい場合があるため、スペリングを確認することが特に重要です。また、相手の文化に応じた適切な敬称(Mr., Ms., Dr.など)を使用するよう心がけましょう。
以下の記事では、ビジネスの電話対応で使える「英語の定番フレーズ」をご紹介しています。詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
業種や状況に応じた対応
電話相手の名前を確認する際は、業種や状況に応じて特別な配慮が求められる場合もあります。
例えば、医療機関での電話対応では、患者のプライバシーへの配慮が必要です。「診察券番号をお持ちでしたら、そちらをお伺いしてもよろしいでしょうか」のような方法で、直接名前を聞かずに本人確認を行う場合もあります。
また、金融機関などでは、セキュリティの観点から、名前以外の情報(生年月日や住所の一部など)で本人確認を行うこともあります。
以上はあくまで例ですが、ご自身の業種や状況に応じて、適切な対応を心がけましょう。
5.名前を聞き返す手間を削減するなら「DXでんわ」
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電話相手とのやり取りは自動で音声ファイル化・テキスト化されるため、電話相手の名前や会社名を「聞き間違えた」「メモするのを忘れた」といった場合も、相手に聞き返さずに確認することができます。
また、システムが電話の受付や取次ぎを自動化するIVR製品であるため、電話対応にかかる従業員の負担を大幅に軽減することができます。
電話対応に関するマナーの向上だけでなく、電話対応そのものの省人化を行いたい方は、ぜひ「DXでんわ」をご検討ください。