プレディクティブコールとは?
架電効率を向上させる仕組みを解説

プレディクティブコールは、架電を自動化し、オペレーターの生産性を大幅に向上させる技術です。

 

コールセンター業務の効率化を図るシステムとして注目されていますが、その仕組みや導入のメリット・デメリットについては、まだ十分に理解されていない部分も多いのが現状です。

 

そこで本記事では、プレディクティブコールの基本概念から仕組み、メリット・デメリット、さらには類似システムとの比較まで、詳しく解説していきます。

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1.プレディクティブコールの基本概念

プレディクティブコールとは、架電リストに自動的に電話をかけ、応答があった場合にのみオペレーターに接続する仕組み・システムのことです。

オペレーターは実際に会話が必要な状況に集中することができるため、待機時間や手動でのダイヤル作業が大幅に削減されます。

2.プレディクティブコールの仕組み

次に、プレディクティブコールの仕組みについて詳しく見ていきましょう。

自動発信の仕組み

プレディクティブコールの核心となるのが、自動発信の仕組みです。複数の電話番号に同時に発信を行うことで、オペレーターの待機時間を最小限に抑えます。

オペレーター接続の流れ

顧客が電話に応答した際、以下の流れでオペレーターとの接続を行います。

  1. 応答検知:
    システムが顧客の応答を検知します。
  2. オペレーター選択:
    受付可能な(つまり空いている)オペレーターに、順次通話を割り当てます。
    あるいは、IVR(自動音声応答システム)を併用している場合は、音声ガイダンスで提示したメニューの選択内容に応じて、適切なオペレーターへ通話が割り当てられます。
  3. 即時接続:
    選択されたオペレーターに通話を転送し、スムーズな会話の開始を実現します。

この一連の流れにより、顧客を長時間待たせることなく、適切なオペレーターとの会話を実現します。

発信(架電)倍率の設定と目的

プレディクティブコールの効率を左右する重要な要素が、発信(架電)倍率です。

発信(架電)倍率とは、オペレーター1人あたりに対して同時に発信する件数のことを指します。例えば、発信倍率が3の場合、受付可にしているオペレーターの3倍の顧客に自動発信をします。

発信(架電)倍率を設定する目的は、以下の通りです。

  • 効率を最適化するため:
    単に倍率を上げるのではなく、バランスの取れた倍率を設定することで、オペレーターの待機時間を最小限に抑えつつ、放棄呼(顧客が応答したのにオペレーターが対応できない状況)を防ぐことができます。
  • 業務特性に適応するため:
    商品の複雑さ、顧客層、時間帯などの要因に応じて発信倍率を調整することで、さまざまな業務特性に対応できます。

発信倍率の最適な設定値は、通話成功率、平均通話時間、オペレーターのスキルレベルなどの要因によって変動します。そのため、常にデータを分析し、最適な値に近づけるための継続的な改善が必要です。

3.プレディクティブコールのメリット

プレディクティブコールの導入は、コールセンター業務に多くのメリットをもたらします。ここでは、主要なメリットについて詳しく見ていきましょう。

業務効率が大幅に向上する

プレディクティブコールを活用する最も大きなメリットは、コールセンターの業務効率が向上する点です。具体的には、以下のような事柄が実現します。

自動発信で時間を節約できる

オペレーターが手動で電話番号を入力する必要がなくなるため、発信にかかる時間が大幅に短縮されます。これにより、オペレーターは本来の業務である顧客対応により長い時間を充てることができます。

待機時間を削減できる

応答があった場合は空いているオペレーターに順次通話が割り当てられるため、オペレーターの待機時間が最小限に抑えられます。これにより、人的リソースの無駄を削減できます。

効率的に顧客にリーチできる

架電リストに対して一斉発信することで、より多くの顧客に短時間でアプローチできます。これは特に大規模なキャンペーンや調査を行う際に大きな利点となります。

オペレーターの生産性が上がる

プレディクティブコールは、個々のオペレーターの生産性向上にも貢献します。

状況やスキルに応じて通話を割り当てられる

IVRやコールセンターシステムを併用している場合に限りますが、オペレーターのスキルや経験に基づく適切な通話の振り分けが可能になるため、各オペレーターの強みを最大限に活かすことができます。

オペレーターの作業負担が減る

手動での発信作業がなくなることで、オペレーターの作業負担が軽減されます。

成約率の改善につながる

プレディクティブコールは、単に通話数を増やすだけのシステムではありません。以下のようなことが実現できるため、成約率の向上にも寄与します。

接触する母数を増やせる

過去のデータ分析に基づき、発信の時間帯を顧客が応答しやすいタイミングに設定することで、接触率が向上します。これにより、潜在的な成約機会を増やすことができます。

効率的に再架電できるため

再架電の設定をあらかじめ行っておくことで、リストにある特定の電話につながらなかった場合、次回のコールの対象として再架電が行われます。

業務改善を行いやすい

プレディクティブコールは、継続的な業務改善を行ううえでも有用なシステムです。

プレディクティブコールを活用することで、大量の発信情報をデータとして蓄積できます。例えば、「電話がつながった時間」や「電話がつながらなかった時間」などを特定できるため、それを分析・改善することで、架電タイミングの最適化を図りやすくなります。

4.プレディクティブコールのデメリット

プレディクティブコールには多くのメリットがありますが、同時にいくつかの課題や注意点も存在します。ここでは、主要なデメリットについて詳しく見ていきましょう。

放棄呼のリスクを増加させる

プレディクティブコールの最も顕著なデメリットの一つが、放棄呼のリスク増加です。

予測よりも多くの顧客が応答した場合、対応可能なオペレーターが不足します。応答した顧客に迅速に対応できなければ、当然電話を切られてしまう結果(放棄呼)につながりやすくなります。

そうした状況は顧客に不快な思いをさせるため、放棄呼が頻繁に発生すれば、企業の評判やブランドイメージを損なう可能性もあります。顧客は、応答しても誰も対応しない電話を「迷惑だ」と感じ、その企業に対して否定的な印象を持つかもしれません。

放棄呼のリスクを軽減するためには、適切な発信倍率の設定や、リアルタイムのモニタリングと調整が不可欠です。

オペレーターの心理的負担を高める

プレディクティブコールは、オペレーターの生産性を向上させる一方で、心理的な負担を増加させる可能性もあります。

システムにより、オペレーターは連続して通話を処理することになりますが、そのせいで精神的な疲労が蓄積しやすくなるのです。

また、1コールごとに自身の対応を振り返ったり、改善を検討する時間が取れない点も、オペレーターから心の余裕を奪う原因になり得ます。

プレディクティブコールを導入する場合は、オペレーターの心理的負担も考慮し、適切な休憩時間の確保や、ストレス管理のためのサポート体制の整備が重要です。

5.プレディクティブコールと類似システムの違い

プレディクティブコールの特徴をより深く理解するために、類似のシステムと比較してみましょう。ここでは、「プログレッシブコール」と「オートコール」という2つのシステムとの違いを詳しく見ていきます。

プレディクティブコールとオートコールの違い

プレディクティブコールとオートコールは、どちらも自動発信システムですが、その仕組みと用途には違いがあります。

自動発信の仕組みの違い

プレディクティブコール:

  • オペレーターの可用性や通話成功率を予測したうえでタイミングを設定し、自動で発信します。
  • 発信倍率を調整することで、効率を最大化します。

オートコール:

  • 事前に設定されたリストに基づいて、順番に自動発信を行います。
  • 通常、固定の発信ペースで動作し、オペレーターの状況に応じた動的な調整は行いません。

顧客応答の処理方法

プレディクティブコール:

  • 顧客が応答した場合、即座に利用可能なオペレーターに接続します。
  • オペレーターが不在の場合、放棄呼となるリスクがあります。

オートコール:

  • 多くの場合、顧客が応答すると自動音声を再生します。
  • オペレーターとの直接の会話を前提としていない場合も多いです。

効率性と顧客体験の比較

プレディクティブコール:

  • リアルタイムで顧客とオペレーターを接続するため、より人間味のある顧客体験を提供できます。
  • ただし、放棄呼のリスクがあるため、適切な管理が必要です。

オートコール:

  • オペレーターが関与しない場合は、大量の発信を低コストで行えます。
  • オペレーターと顧客との直接会話を前提としない場合、複雑な対応には適していません。
  • 自動音声による一方的な情報提供を行う場合は、顧客体験が低下しないよう注意が必要です。

オートコールの仕組みや活用事例、導入メリットについては以下の記事で解説しています。詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

オートコールシステムとは?活用事例や導入メリットを紹介

プレディクティブコールとプログレッシブコールの違い

プレディクティブコールとプログレッシブコールは、どちらもオペレーターを介した自動発信システムですが、その発信方法と特徴に違いがあります。

発信方式の違い

プレディクティブコール:

  • システムが自動的に複数の回線に同時に発信し、応答があった場合にオペレーターに接続します。
  • オペレーターの可用性を予測して発信を設定するため、待機時間を最小限に抑えられます。

プログレッシブコール:

  • オペレーターが通話可能な状態になった時点で、システムが自動的に次の番号に発信します。
  • 1人のオペレーターに対して1件のみ発信するため、放棄呼のリスクが低くなります。

適した業務タイプ

プレディクティブコール:

  • 大量の発信が必要な業務(テレマーケティング、債権回収など)に適しています。
  • オペレーターの生産性を最大化したい場合に効果的です。

プログレッシブコール:

  • 顧客との丁寧なやり取りが必要な業務(カスタマーサポート、アフターフォローなど)に適しています。
  • 放棄呼を極力避けたい場合に有効です。

効率性とコントロール性の比較

プレディクティブコール:

  • 高い効率性を実現できますが、放棄呼のリスクがあります。
  • オペレーターに次々接続するため、個々のオペレーターのコントロール感が低くなる可能性があります。

プログレッシブコール:

  • プレディクティブコールほどの高効率は望めませんが、安定した運用が可能です。
  • オペレーターが自身のペースで業務を進められるため、コントロール感が高くなります。

これらの比較から、プレディクティブコールは高い効率性を追求する一方で、適切な管理と運用が求められることがわかります。企業は自社の業務特性や目標などを考慮し、最適なシステムを選択することが重要です。

6.コールセンターの架電業務を効率化するなら「MediaVoice」がおすすめ

メディアリンクが提供する「MediaVoice」は、オートコール機能を備えたIVR(自動音声応答システム)です。「オートコール」という名前ですが、技術としてプレディクティブコールを採用しているため、架電対象への一斉発信が可能です。

また、IVRシステムをベースとしていることから、オペレーターの関与を前提としないコール業務や、情報収集を行うシーンでも活用できます。例えば、以下のような目的で活用可能です。

  • 目的1:情報伝達
    応答した顧客に対し、音声ガイダンスで特定の情報を伝達する
  • 目的2:情報収集
    応答した顧客に対し、音声ガイダンスで特定の情報を伝達したうえで、音声ガイダンスでプッシュボタン操作を促し、情報を収集する
  • 目的3:適切なオペレーターへの取次ぎ
    応答した顧客に対し、音声ガイダンスでプッシュボタン操作を促し、顧客が選択した内容に応じてオペレーターに転送する

このように、幅広く柔軟な使い方ができるのが、MediaVoiceの特長です。ご興味のある方は、ぜひ以下のページより製品の詳細情報をご確認ください。

架電業務を効率化するオートコールIVR
「MediaVoice」の詳細はこちら

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