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コールセンターのAHT改善:
効率と顧客満足度を両立する方法

オートコール

UPDATE :

コールセンターの効率化と顧客満足度の向上は、多くの企業が直面する重要な課題です。その中で、AHT(Average Handling Time:平均処理時間)の改善は、両者のバランスを取る上で鍵となる指標です。

 

本記事では、AHTの基本概念から具体的な改善方法、システム活用まで幅広く解説。さらに、AHT短縮と顧客満足度のバランスを保つコツもお伝えします。

目次

1. AHT(平均処理時間)とは?

コールセンターの効率を測る上で、AHT(Average Handling Time:平均処理時間)は非常に重要な指標です。まずはAHTの基本的な概念、その計算方法、業界標準、関連する要素を詳しく見ていきましょう。

AHTの定義:1件の顧客対応にかかる平均処理時間

AHTとは、1件の顧客対応にかかる平均的な時間を指します。この時間には、実際の通話時間だけでなく、通話後の処理時間も含まれます。つまり、オペレーターが1件の問い合わせを受けてから、次の問い合わせに対応できる状態になるまでの全時間を平均化したものがAHTです。この指標は、コールセンターの生産性や効率性を直接的に表すため、管理者にとって重要な判断材料となります。

AHTの計算方法:ATT(平均通話時間)+ACW(平均後処理時間)

AHTを正確に算出するためには、以下の2つの要素を考慮する必要があります。

ATT(Average Talk Time:平均通話時間):
実際に顧客と会話している時間の平均です。これには保留時間も含まれます。

ACW(After Call Work:平均後処理時間):
通話終了後、次の通話に備えるまでの作業時間の平均です。例えば、通話内容の記録や関連部署への連絡などが含まれます。

AHTの計算式は以下の通りです。

AHT(平均処理時間) = ATT(平均通話時間)+ACW(平均後処理時間)

例えば、ATTが5分、ACWが2分の場合、AHTは7分となります。

AHT(平均処理時間)の内訳を表した図

業界標準のAHT:一般的に6〜7分程度?

AHTの適正値は業界や企業によって異なりますが、6〜7分程度が目安とされることがあります。

ただし、これはあくまで目安であり、取り扱う製品やサービスの複雑さ、顧客の期待値、企業の方針などによって大きく変動する可能性があります。例えば、技術サポートなど専門性の高い対応が必要な場合は、より長いAHTが許容されるでしょう。

重要なのは、自社の状況に合わせて適切な目標値を設定することです。

ATTに含まれる「平均保留時間」の影響

AHTを構成するATT(平均通話時間)には実際の会話時間だけでなく、保留時間も含まれます。保留時間が長くなると、必然的にAHTも長くなります。保留は時に必要ですが、長すぎる保留は顧客満足度の低下につながる可能性があります。そのため、保留時間の管理も重要な課題となります。

保留時間を短縮するためには、以下のような取り組みが効果的です。

・必要な情報へのアクセスを改善する
・社内の連携体制を強化する
・オペレーターのスキルアップを図る

これらの取り組みにより、保留時間を短縮し、AHTの改善につなげることができます。

2. AHT改善のための具体的な方法

AHTの改善は、コールセンターの効率を上げるだけでなく、顧客満足度の向上にもつながる重要な取り組みです。具体的な方法を見ていきましょう。

AHTを改善する4つの方法を示した図

オペレーター教育を強化する

オペレーターのスキルアップはAHT改善の基本です。効果的な教育プログラムを実施することで、以下のような成果が期待できます。

商品知識の向上:
質問に迅速かつ正確に答えられるようになる

コミュニケーションスキルの改善:
無駄な会話が減り、的確な情報収集ができるようになる

システム操作の習熟:
必要な情報へのアクセスが速くなり、作業効率が上がる

定期的なトレーニングやロールプレイング、ベストプラクティスの共有などを通じて、継続的なスキル向上を図ることが重要です。

マニュアルやFAQを整備する

充実したマニュアルやFAQは、オペレーターの強力な味方となります。以下のポイントに注意して整備を進めましょう。

・頻出する質問や問題に対する標準的な回答を用意する
・検索性を高め、必要な情報にすぐにアクセスできるようにする
・定期的に内容を更新し、最新の情報を反映させる

これにより、オペレーターは迅速かつ正確な対応が可能になり、AHTの短縮につながります。

業務フローを見直し最適化する

効率的な業務フローを整えることは、無駄な時間を削減し、AHTの改善に大きく貢献します。以下のような取り組みが効果的です。

・複雑な承認プロセスを簡素化する
・部門間の連携強化で情報共有を迅速化する
・反復的な作業を自動化する

定期的に業務フローを見直し、常に最適化を図ることで、継続的な改善が可能になります。

自己解決を促す仕組みを充実させる

顧客が自ら問題を解決できる仕組みを充実させることで、コールセンターへの問い合わせ自体を減らすことができます。以下のような取り組みが有効です。

・Webサイト上のFAQを充実させる
・チャットボットを導入する
・ヘルプコンテンツを公開する

これらの施策により、簡単な問い合わせは顧客自身で解決できるようになり、コールセンターは複雑な問題に集中できるようになります。結果として、全体的なAHTの改善につながります。

以上の方法を組み合わせて実施することで、AHTの効果的な改善が期待できます。ただし、どの方法を採用する場合も、顧客満足度を維持・向上させることを忘れてはいけません。AHTの短縮が目的化してしまうと、かえって顧客離れを招く可能性があるため、常にバランスを意識することが重要です。バランスの取り方についてはセクション4で後述します。

3. システム導入によるAHT改善策

コールセンターの効率を大幅に向上させるには、適切なシステムの導入が不可欠です。最新のテクノロジーを活用することでオペレーターの作業負担を軽減し、AHTを短縮することができます。

ここでは、AHT改善に効果的なシステムとその活用方法について詳しく見ていきましょう。

CTIシステムを活用する

CTI(Computer Telephony Integration)システムは、電話とコンピューターを連携させる技術で、コールセンターの効率化に大きく貢献します。CTIシステムを活用することで、以下のような効果が期待できます。

顧客情報の自動表示:
着信と同時に顧客情報が画面に表示されるため、対応時間が短縮される

コール転送の効率化:
適切な部署や担当者への転送がスムーズになり、保留時間が減少する

通話履歴の自動記録:
後処理時間が短縮され、ACWの改善につながる

CTIシステムの導入により、オペレーターは顧客対応に集中でき、結果としてAHTの短縮と顧客満足度の向上を同時に達成できます。

CRMを活用する

CRM(顧客管理システム)は、顧客情報を一元管理し、効率的な顧客対応を可能にするツールです。CRMツールを活用することで、以下のようなメリットがあります。

顧客情報の即時アクセス:
過去の対応履歴や購入履歴などを瞬時に確認できる

問題解決の迅速化:
類似案件の対応方法を参照し、迅速な解決が可能になる

データ分析による改善:
蓄積されたデータを分析し、継続的な業務改善につなげられる

CRMを効果的に活用することで、オペレーターの対応品質が向上し、AHTの短縮にもつながります。

IVRを活用する

IVR(Interactive Voice Response:自動音声応答システム)を導入することで、オペレーターの負担を軽減し、AHTを改善することができます。IVRは以下のような方法で活用できます。

用件の事前振り分け:
顧客の用件を事前に把握し、適切なオペレーターに転送することで対応時間を短縮する

簡単な問い合わせの自動化:
口座残高の確認や営業時間の案内など、単純な問い合わせをIVRで完結させる

必要情報の事前収集:
顧客番号や生年月日などの基本情報をIVRで収集し、オペレーターの対応時間を削減する

IVRを効果的に活用することで、オペレーターは複雑な問い合わせや高付加価値の業務に集中でき、全体的なAHTの改善と顧客満足度の向上につながります。ただし、IVRの設計には顧客の使いやすさを十分に考慮し、必要以上に複雑にならないよう注意が必要です。

オートコールを活用する

架電業務を行うコールセンターでは、オートコールシステムの導入がAHT改善に効果的です。主に以下のような場面で活用できます。

テレマーケティング、テレアポ:
大量の顧客リストに効率的にアプローチできる

督促業務:
支払い遅延顧客への自動連絡が可能になる

市場調査:
アンケート調査の自動化により、データ収集が効率化される

オートコールシステムを使用することで、人手による架電作業が削減され、オペレーターはより複雑で価値の高い業務に集中できるようになります。

これらのシステムを適切に組み合わせて導入することで、AHTの大幅な改善が期待できます。

ただし、システム導入にあたっては初期投資コストや運用コスト、さらには従業員のトレーニングなども考慮する必要があります。また、導入後も継続的な評価と改善を行い、常に最適な状態を維持することが重要です。

システムに頼りすぎず、人的スキルとのバランスを取りながら、効果的なAHT改善を目指しましょう。

4. AHT短縮と顧客満足度のバランスの取り方

AHTの短縮は重要な目標ですが、それと同時に顧客満足度を維持・向上させることも忘れてはいけません。ここでは、AHT短縮と顧客満足度のバランスを適切に取るための方法について詳しく見ていきましょう。

適切なAHT目標を設定する

AHT目標の設定は、コールセンターの効率化において重要な役割を果たします。しかし、目標設定には以下のような慎重なアプローチが必要です。

・業界標準や目安はあくまで参考にし、自社の特性を考慮する
・顧客の期待値や問い合わせの複雑さを反映させる
・段階的な目標設定により、急激な変化によるストレスを避ける

適切な目標設定により、オペレーターは無理なく効率的な対応を心がけることができ、結果として顧客満足度の維持にもつながります。

質の高い顧客対応を維持する

AHTの短縮を追求する一方で、対応の質を落とさないことが重要です。以下のような取り組みが効果的です。

共感力を高めるトレーニングの実施:
顧客の感情を理解し、適切に対応する能力を養う

スクリプトの柔軟な運用:
画一的な対応ではなく、状況に応じた臨機応変な対応を心がける

継続的なフィードバック:
通話モニタリングを通じて、改善点を適宜指摘し、スキル向上を図る

質の高い対応を維持することで、顧客満足度を高めつつ、結果的にコールバックの減少などAHT改善にもつながります。

パフォーマンス指標を多角的に評価する

AHTだけでなく、複数の指標を組み合わせて総合的に評価することが重要です。以下のような指標を併せて考慮しましょう。

・FCR(First Call Resolution):一度の通話で問題解決ができた割合
・CSAT(Customer Satisfaction):顧客満足度調査の結果
・NPS(Net Promoter Score):顧客ロイヤルティを示す指標

これらの指標を総合的に評価することで、AHT短縮が顧客満足度に与える影響を正確に把握し、適切なバランスを取ることができます。

AHT短縮と顧客満足度の両立は、一見相反する目標のように思えるかもしれません。しかし、適切なアプローチを取ることで、両者を同時に達成することは十分に可能です。例えば、効率的な対応により顧客の時間を節約することで、満足度向上につながるケースもあります。

重要なのは、常に顧客視点を忘れないことです。AHTの数値改善に固執するあまり、顧客のニーズや感情を無視してしまっては本末転倒です。オペレーターには、効率性と顧客満足度のバランスを意識した対応を心がけるよう指導し、定期的なフィードバックを通じて継続的な改善を図ることが大切です。

また、顧客からのフィードバックを積極的に収集し、AHT短縮施策が顧客満足度に与える影響を常にモニタリングすることも重要です。顧客の声を真摯に受け止め、必要に応じて戦略の見直しを行うことで、長期的な視点での成功につながります。

5. アウトバウンド型コールセンターのAHTを短縮するならオートコールの活用を!

今回はコールセンターの効率性を測るAHTの概要や短縮方法について解説しました。ぜひ顧客満足度とのバランスを考慮しながら、効率化の取り組みを実践してみてください。

なお、架電業務を主とするアウトバウンド型コールセンターのAHT短縮を目指し、業務効率化を図る場合は、オートコール機能を備えたIVR「MediaVoice」の導入がおすすめです。

大量のリストへの一斉架電、そして音声ガイダンスによるメッセージ伝達と情報収集が自動化されるため、テレアポや市場調査、督促といった架電業務を効率化・省人化することができます

コールセンターのアウトバウンド業務を効率化し、人的コストの削減、オペレーターの負担軽減を図りたい方は、ぜひMediaVoiceをご検討ください。

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