【保存版】ホテルスタッフのための
電話対応基礎マニュアル
UPDATE :
ホテルの顔となるフロントスタッフの電話対応。その品質と効率を高めるためには、適切なマニュアルと実践的なスキルが不可欠です。
本記事では、ホテルスタッフが押さえるべき電話対応の基本から、トラブル対処法、効率化のコツまでを詳しく解説します。
目次
1. ホテルの電話対応における基本マナー
ホテルの電話対応は、お客様との最初の接点となる重要な業務です。適切な対応はホテルの印象を左右し、顧客満足度に大きな影響を与えます。以下に、ホテルスタッフが心得るべき基本的な電話対応マナーをご紹介します。
3コール以内に応答する
お客様をお待たせしないことが、良好な関係構築の第一歩です。電話が鳴ったら、できるだけ早く、遅くとも3コール以内に応答するよう心がけましょう。これにより、お客様に誠実で迅速な対応を印象づけることができます。
施設名と自分の名前を名乗る
電話に出たら、まず施設名と自分の名前を明確に伝えます。例えば、「〇〇ホテル、フロントの△△でございます」のように名乗ります。これにより、お客様に安心感を与え、スムーズなコミュニケーションの土台を作ることができます。
明るく聞き取りやすい口調で対応する
電話では相手の表情が見えないため、声のトーンや話し方が特に重要です。明るく、はっきりとした口調で話すことで、お客様に好印象を与えられます。また、適度にゆっくりと話すことで、聞き取りやすさも向上します。
内容を復唱し確認する
お客様の要件や予約内容などを正確に把握するために、重要な情報は必ず復唱して確認しましょう。例えば、「ご予約の日程は〇月〇日で間違いございませんでしょうか?」のように確認することで、誤解や聞き間違いを防ぐことができます。
重要事項をメモする
通話中は、お客様の名前や予約内容、特別なリクエストなど、重要な情報をメモに取りましょう。これにより、後で確認が必要になった際にすぐに対応できます。また、メモを取ることで、お客様との会話に集中し、より正確な情報収集が可能になります。
なお本記事の下部でもご紹介していますが、IVR(自動音声応答システム)を活用すると通話内容が自動で録音・文字起こしされるので、メモを取る手間がなくなり便利です。
2. ホテルの予約電話における適切な対応のポイント
ホテルの予約電話は、お客様との重要な接点です。適切な対応はスムーズな予約プロセスを確保し、お客様の満足度を高めるだけでなく、ホテルの収益にも直結します。以下に、予約電話における重要なポイントをご紹介します。
予約可否を確認する
お客様からの予約リクエストを受けたら、まず空室状況を確認します。このとき、以下の点に注意しましょう。
・システムをすぐに確認し、正確な情報を提供する
・希望の日程や部屋タイプが満室の場合は、代替案を提案する
・繁忙期や特別なイベント時は、予約状況が刻々と変化する可能性があるため、最新の情報を確認する
必要な情報を聞き取る
予約を進める際は、以下の情報を漏れなく聞き取ることが重要です。
・宿泊日程(チェックイン日とチェックアウト日)
・宿泊人数と年齢構成(大人、子供の別)
・希望の部屋タイプ
・お客様の氏名、住所、連絡先(電話番号、メールアドレス)
・特別なリクエストや追加サービスの希望
キャンセルや変更の対応方法を説明する
予約確定後、キャンセルや変更が発生する可能性もあります。そのため、以下の点を明確に説明しておくことが大切です。
・キャンセルポリシー(無料キャンセル期限、キャンセル料金の発生条件)
・変更手続きの方法(電話での変更可否、オンライン変更の手順)
・緊急時の連絡先や対応窓口
予約確認メールを送信する
電話での予約が完了したら、速やかに予約確認メールを送信します。メールには以下の情報を含めましょう。
・予約内容の詳細(日程、部屋タイプ、人数、料金)
・チェックイン・チェックアウト時間
・ホテルの位置情報やアクセス方法
・キャンセル・変更ポリシーの再確認
・追加サービスや特別リクエストの確認
3. ホテルでの電話対応マニュアルの作成ステップ
効果的な電話対応マニュアルは、ホテルスタッフの業務効率を向上させ、一貫した高品質なサービスを提供するための重要なツールです。以下に、マニュアル作成の具体的なステップをご紹介します。
ステップ1:マニュアルに盛り込むべき基本項目を決定する
まず、マニュアルの骨格となる基本項目を決定します。一般的に含めるべき項目は以下の通りです。
・電話応対の基本マナー(挨拶、言葉遣い、声のトーンなど)
・予約受付プロセス
・よくある質問とその回答例
・クレーム対応のガイドライン
・緊急時の対応手順
これらの項目を基に、ホテルの特性や方針に合わせてカスタマイズしていきます。
ステップ2:部署別の対応フローを作成する
ホテル内の各部署(フロント、レストラン、ハウスキーピングなど)ごとに、電話対応のフローチャートを作成します。これにより、部署特有の問い合わせやリクエストに適切に対応できるようになります。
フロント対応フローの例
以下は、フロントにおける電話対応フローの例です。
1. 電話応対の開始(挨拶、名乗り)
2. 用件の確認
3. 予約関連の場合は予約システムを確認
4. 質問への回答または適切な部署への転送
5. 通話の終了(お礼の言葉、締めの挨拶)
ステップ3:頻出質問とその回答例を整理する
お客様からよくある質問とその適切な回答例をリストアップします。これにより、スタッフが迅速かつ一貫性のある対応を行えるようになります。以下は、よくある質問と回答の一例です。
質問:チェックイン時間は何時からですか?
回答:通常のチェックイン時間は午後3時からとなっております。早めのチェックインをご希望の場合は、可能な限り対応させていただきますので、事前にご連絡ください。
ステップ4:マニュアルの定期的な見直し計画を立てる
ホテル業界は常に変化しているため、マニュアルも定期的に更新する必要があります。見直し計画を立てる際は、以下のように更新の「タイミング」と「程度」を定めておくとよいでしょう。
・四半期ごとの軽微な更新(新しい FAQの追加など)
・年1回の大規模な見直し(全体的な内容の再評価、新しいサービスや方針の反映)
・スタッフからのフィードバックを随時収集し、必要に応じて即時更新
定期的な見直しにより、マニュアルを常に最新かつ実用的な状態に保つことができます。
4. ホテルでよくある電話での問い合わせとその対応例
ホテルスタッフは日々さまざまな問い合わせに対応しています。適切な回答を準備しておくことで迅速かつ正確な対応が可能となり、顧客満足度の向上につながります。以下に、よくある問い合わせとその対応例をご紹介します。
チェックイン・チェックアウト時間に関する問い合わせ
チェックイン・チェックアウト時間は、多くのお客様が気にする重要な情報です。以下のような対応が効果的です。
・標準的な時間を明確に伝える(例:「チェックインは15時から、チェックアウトは11時までとなっております」)
・早めのチェックインや遅めのチェックアウトの可能性について説明する
・追加料金が発生する場合は、その旨を丁寧に説明する
部屋タイプや設備に関する問い合わせ
お客様の快適な滞在のために、部屋の詳細情報を正確に伝えることが重要です。
・各部屋タイプの特徴を簡潔に説明する(広さ、ベッドサイズ、眺望など)
・アメニティや設備の有無を明確に伝える(Wi-Fi、冷蔵庫、バスタブなど)
・特殊な要望への対応可否を伝える(バリアフリールームやコネクティングルームなど)
周辺施設や観光情報に関する問い合わせ
ホテルの立地や周辺情報は、お客様の滞在計画に大きく影響します。以下のような情報提供を行うとよいでしょう。
・最寄りの駅やバス停、主要観光地までの距離や所要時間を伝える
・レストランや商業施設などの周辺情報を提供する
・地域の名所や季節のイベントについて簡単に紹介する
料金プランや特典に関する問い合わせ
料金や特典は、お客様の予約決定に直接影響する重要な情報です。
・各種料金プランの詳細を説明する(朝食付き、素泊まりなど)
・季節限定プランや特別キャンペーンがあれば紹介する
・ポイントプログラムや会員特典について説明する
これらの問い合わせに対し、正確かつ丁寧な回答を心がけることで、お客様の信頼を得ることができます。また、必要に応じて追加情報を提供したり、ホテルの魅力を伝えることで、予約につながる可能性も高まります。
5. ホテルでの外国人に対する英語を用いた電話対応のコツ
グローバル化が進む中、ホテルでは外国人ゲストへの対応がますます重要になっています。言語や文化の違いを乗り越え、快適なサービスを提供するためのコツをご紹介します。
基本的な英語フレーズを習得する
外国人ゲストとのコミュニケーションにおいて、基本的な英語フレーズの習得は不可欠です。以下のようなフレーズを身につけましょう。
挨拶:
Good morning/afternoon/evening. This is [Hotel Name]. How may I assist you?
(おはようございます/こんにちは/こんばんは。[ホテル名]でございます。どのようなご用件でしょうか?)
予約確認:
I’d like to confirm your reservation for [date] for [number] nights.
([日付]から[泊数]泊のご予約を確認させていただきます)
料金案内:
The room rate is [amount] per night, including/excluding tax.
(お部屋の料金は、税込み/税別で1泊[金額]円となっております)
施設案内:
Our hotel offers [amenities], such as a swimming pool, restaurant, and gym.
(当ホテルには、プール、レストラン、ジムなどの[施設名]がございます)
これらのフレーズを正確に発音し、自信を持って使用できるよう練習することが大切です。
以下の記事では、ビジネスシーンで使える英語フレーズをご紹介しています。ホテルでの電話対応に限らず、幅広い表現について知りたい方は、あわせてご覧ください。
文化の違いに配慮して対応する
外国人ゲストとのコミュニケーションでは、以下のような文化の違いに注意を払うことが重要です。
・名前の呼び方に注意する(苗字か名前か、敬称の使用など)
・電話をかける場合は時差を考慮し、時間帯に配慮する
・宗教や食事制限に関する特別なリクエストに柔軟に対応する
文化的な配慮を示すことで、外国人ゲストに快適さと安心感を提供できます。また、対面で接客を行う場合は、ジェスチャーや表現に文化的な違いがあることを理解し、誤解を避ける配慮も必要です。
通訳サービスや多言語対応ツールを活用する
言語の壁を越えるために、以下のようなツールやサービスを活用することも効果的です。
・電話通訳サービスを導入し、必要時に専門の通訳者を介して対応する
・多言語対応の音声翻訳アプリなどを活用し、リアルタイムでのコミュニケーションを補助する
・主要言語に対応した館内案内や規約を用意し、必要に応じて提供する
これらのツールを適切に使用することで、より円滑なコミュニケーションが可能になります。
なお、電話受付を自動化するIVR「DXでんわ」は英語をはじめ約40の言語に対応しているため、外国人ゲストにとってもストレスフリーなコミュニケーションを提供できます。
6. ホテルの電話対応におけるトラブル対処法
ホテル業務において、さまざまなトラブルや予期せぬ状況に遭遇することは避けられません。適切な対応は、顧客満足度の維持と向上に直結します。以下に、代表的なトラブル事例とその対処法をご紹介します。
クレームを受けた場合
クレーム対応は、ホテルの評判を左右する重要な場面です。以下の手順で対応しましょう。
1. まず、お客様の話を途中で遮らず、最後まで傾聴する
2. お客様の感情を理解し、共感の言葉をかける
例:「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございません」
3. 状況を正確に把握し、必要に応じて詳細を確認する
4. 具体的な解決策を提案し、お客様の同意を得る
5. 迅速に対応し、結果をお客様に報告する
予約ミスが発生した場合
予約ミスは、お客様に大きな不便を強いる可能性があります。以下の対応を心がけましょう。
1. まず、お詫びの言葉を述べる
2. ミスの内容を確認し、代替案を速やかに提案する
例:同等以上のグレードの部屋を同料金で提供
3. 必要に応じて、上司や他部署と連携して最善の解決策を見つける
4. お客様に丁寧に説明し、了承を得る
5. 再発防止に向けた内部での検討を行う
補足:トラブル対応全般で心がけるべきポイント
トラブルの種類はさまざまですが、どのような場合でも、以下のポイントに留意した対応を心がけることが大切です。
・常に冷静さを保ち、感情的にならない
・お客様の立場に立って考え、誠意ある対応を心がける
・問題の根本原因を特定し、再発防止に努める
・必要に応じて上司や関連部署と連携し、組織的に対応する
・対応後は必ず振り返りを行い、改善点を見出す
これらのポイントを押さえることで、トラブル時も適切に対応し、むしろお客様との信頼関係を強化するチャンスとすることができます。
7. ホテルの電話対応を効率化する方法
ホテルの電話対応を効率化することは、スタッフの業務負担を軽減し、同時にお客様満足度を向上させる重要な取り組みです。以下に、効率化のための具体的な方法をご紹介します。
FAQを整備し活用する
頻繁に寄せられる質問に対する回答を整理し、スタッフのFAQとして活用することで、対応時間の短縮と情報の正確性向上が図れます。
・よくある質問とその回答を文書化し、スタッフ間で共有する
・FAQを定期的に更新し、最新の情報を反映させる
・電話対応時に迅速にFAQを参照できるよう、検索しやすい形式で整理する
FAQの活用により、新人スタッフでも迅速かつ正確な回答が可能になります。
また、ホテルの公式ホームページなどに、お客様向けのFAQページを用意するのも効果的です。これによりお客様の自己解決が促され、電話での問い合わせ件数を抑えることができます。
対応時間短縮のためのスクリプトを作成する
定型的な問い合わせに対するスクリプトを用意することで、対応の標準化と時間短縮が図れます。ポイントは、以下のとおりです。
・挨拶や基本的な案内のスクリプトを作成する
・予約受付や変更手続きなど、頻繁に発生する業務のスクリプトを準備する
・スクリプトは自然な会話調になるよう工夫し、機械的にならないよう注意する
スクリプトを活用しつつ、お客様の個別ニーズにも柔軟に対応することが重要です。
複数業務を同時進行できるようにタスクを管理する
ホテルスタッフは電話対応以外にも多くの業務を抱えています。効率的なタスク管理を行うためには、以下のような工夫が欠かせません。
・優先順位を明確にし、緊急度の高い業務から対応する
・タスク管理ツールを活用し、業務の進捗状況を可視化する
・繁忙時には適切に業務を分担し、チームで効率的に対応する
適切なタスク管理により、電話対応と他の業務のバランスを取ることができます。
IVR(自動音声応答システム)を活用する
IVRシステムを導入することで、電話の一次受付や案内、振り分けを自動化し、スタッフの負担を軽減できます。
・よくある問い合わせ(営業時間、アクセス情報など)を自動音声で案内する
・お客様の用件に応じて適切な部署に転送する
・多言語対応のIVRを導入し、外国人ゲストへの対応も効率化する
IVRの設計する際は、複雑になりすぎないよう、シンプルで分かりやすくするのがポイントです。
8. ホテルの電話対応を効率化するなら「DXでんわ」
ホテルにおける電話対応業務の効率化を目指す場合は、IVRサービスである「DXでんわ」がおすすめです。導入することで、以下のようなことを実現できます。
・電話の受付・取次ぎを自動化できる
・24時間365日、自動音声ガイダンスが対応する
・不要な営業電話に出る必要がなくなる
・通話内容の録音・文字起こしが自動化される
・約40言語の音声ガイダンスを作成できる
加えて、DXでんわはお客様の問い合わせ内容に応じてショートメッセージを送信できる「SMS送信」機能も備えています。そのため、音声だけでは伝えづらい情報をテキスト情報で案内できます。例えば、「よくある問い合わせに対してFAQページのURLを送る」といった対応が可能です。
DXでんわは、フロント業務が忙しい時間帯や夜間の電話対応を自動化し、スタッフが本来の業務に集中できる環境をつくり出すツールです。ホテルの電話対応でお悩みの方は、ぜひ以下のページより「DXでんわ」の詳細をご確認ください。