固定電話をスマホに転送する方法:
転送サービスの問題点も解説
UPDATE :
固定電話からスマホへの転送には、複数の方法が存在します。本記事では、電話会社が提供する電話転送サービスの設定手順から、ビジネスフォンの転送機能、クラウドPBXまで、主要な転送方法を解説します。
また、電話転送サービスの利用に関する問題点や料金面の注意点、さらにIVRを活用した解決策まで、企業の「電話転送」を取り巻く課題解決に役立つ情報をお届けします。
目次
1. 固定電話からスマホに転送する方法
固定電話をスマホに転送する主な方法は、以下の3つです。
・電話転送サービスを利用する
・固定電話機の転送機能を利用する
・クラウドPBXを利用する
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
電話転送サービスを利用する
固定電話からスマホへ転送する方法として一般的なのが、電話会社が提供する転送サービスの利用です。代表的なのがNTTの「ボイスワープ」で、回線の種類(アナログ回線、ISDN回線、ひかり電話)によって設定方法が異なります。
以下で、ボイスワープで転送を行う場合の基本的な設定手順をご紹介します。
ボイスワープの設定手順:加入電話(アナログ回線)の場合
1. 転送先番号を登録する
・142→2→転送先電話番号
・複数の転送先を登録する場合は…
2件目以降:142→4→0→リスト番号→転送先電話番号→9
2. 転送先番号を指定する
・142→4→1→リスト番号→9
3. 転送を開始/停止する
・開始:142→1
・停止:142→0
ボイスワープの設定手順:INSネット(ISDN回線)の場合
1. 転送先番号を登録する
・1422→転送先電話番号を入力
・複数の転送先を登録する場合は…
2件目以降:1424→0→リスト番号→転送先電話番号→9
2. 転送先番号を指定する
・1424→0→リスト番号→転送先電話番号→9
3. 転送条件を設定する
・無条件転送:14211
・無応答時転送:14212
・話中時転送:14213
・無応答時と話中時転送:14214
・転送停止:1420
ボイスワープの設定手順:ひかり電話の場合
1. 転送先番号を登録する
・142→2→転送先電話番号+#→1
・複数の転送先を登録する場合は…
2件目以降:142→4→0→リスト番号→転送先電話番号+#→1
2. 転送先番号を指定する
・142→4→1→リスト番号→1
3. 転送条件を設定する
・無条件転送:142→1→1
・無応答時転送:142→1→2
・話中時転送:142→1→3
・無応答時と話中時転送:142→1→4
・転送停止:142→0
また、外出先からでも設定を変更できる「リモートコントロール」機能や、ひかり電話の場合はWebからの設定も可能です。
ただし、固定電話の回線をNTT東日本・西日本で契約していない場合はボイスワープを利用できないため、注意してください。
固定電話機の転送機能を利用する
ビジネスフォンやオフィス用の固定電話機には、転送機能が標準で搭載されているものもあり、それを利用する方法もひとつです。
転送の設定方法は機種によって異なりますが、一般的には電話機本体の機能ボタンから「転送設定」や「外線転送」などの項目を選択し、転送先の電話番号を登録します。
ただし、この方法には制限があります。例えば、電話機の設定を変更するには現場で操作する必要があり、リモートでの設定変更はできません。また、時間帯による転送先の切り替えなども困難です。
転送時の通話料金は、固定電話機から転送先までの通話料金が発生します。これは電話会社の転送サービスにも同様のことが言えますが、長時間の転送には注意が必要です。
クラウドPBXを利用する
クラウドPBXは、従来の構内交換機(PBX)の機能をクラウド上で提供するサービスです。インターネット経由で利用できるため、場所を問わず柔軟な転送設定が可能です。
特徴的なのは、自動音声で着信を振り分けられるIVR(自動音声応答システム)との連携です。例えば「1を押すと営業部、2を押すと技術部」といった振り分けが可能で、そこからさらに担当者のスマホに転送するといった複雑な設定もできます。また、時間帯や曜日による転送先の切り替えなど、高度な転送ルールも設定可能です。
リモートワーク環境で活用できる点もクラウドPBXやIVRの魅力です。社員がどこにいてもオフィスの固定電話から転送できるため、お客様との連絡を円滑に保てます。
なお、IVRはクラウドPBXの一分機能として提供されているケースも多いですが、クラウドPBXを導入しなくても利用できます。本記事の下部でもご紹介しますが、オフィス向けIVRの「DXでんわ」は単体で利用可能です。
2. 電話転送サービスの問題点
固定電話を転送する方法として一般的なのはやはり「電話転送サービス」の利用ですが、これにはいくつかの課題が存在します。
転送先となる従業員の負担が増える
転送サービスを利用するということは、誰かが転送先になるということです。そのため特定の従業員に電話が集中し、一次対応や取り次ぎに追われる恐れがあります。
また、電話転送サービスを利用する場合、転送先の従業員のスマホからそのまま担当者に電話を取り次ぐことができません。そのため、特定の担当者宛の電話を受けた場合は、その担当者に伝言し、折り返し電話してもらう必要があります。転送先となっている従業員の手間が増えるだけでなく、電話相手と担当者間の円滑なコミュニケーションの妨げにもなります。
転送通話料が発生する
転送サービスを利用する際の大きな注意点として、転送通話料の発生があります。通常、電話の通話料は発信者側にかかるものですが、転送を行う場合、転送元から転送先の間でかかる転送通話料が発生します。
当然、企業にとって必要な電話だけでなく、営業電話や間違い電話といった電話も転送通話料の対象です。そうした不要な電話はコントロールできないため、頻度が高い場合は想像以上にコストが膨れ上がる可能性もあります。
1番号にしか転送できない
一般的な電話転送サービスでは、設定できる転送先は1箇所のみという制限があります。例えばNTTのボイスワープの場合、転送先として4件まで登録できますが、実際の転送先として指定できるのは1箇所だけです。
この制限は「電話の用件によって部署や担当者などの転送先を分けたい」といった場合に課題となります。
また、代表電話のような多様な問い合わせが混在する電話をスマホや社用携帯に転送する場合、特定の1人に電話が集中してしまうため、対応する従業員にとっては大きな負担になります。
3. 固定電話の自動転送ならIVRがおすすめ
電話転送サービスにはいくつかの課題がありますが、その解決策としてIVR(自動音声応答システム)の活用が挙げられます。
IVRにできること
IVR(自動音声応答システム)は、電話がかかってきた際に自動音声で応答し、プッシュボタン操作に応じて適切な転送先に振り分けるシステムです。
例えば、「〇〇のお問い合わせは1を、△△のお問い合わせは2を押してください」といった音声ガイダンスでメニューを案内し、電話相手がプッシュボタン操作を行うことで、それぞれの選択肢に対応した部署や担当者に電話が転送されます。もちろん、スマホへの転送も可能です。
IVRで電話転送サービスの課題を解決
IVRは用件に対応した転送先をあらかじめ設定できるため、電話転送サービスのように特定の従業員に電話が集中することがありません。そのため、電話の一次対応・取り次ぎ業務を大幅に削減することができます。
また、転送先となる部署や担当者も電話相手の問い合わせ内容を把握した状態で電話対応を開始できるため、コミュニケーションを円滑に進めることが可能です。
さらに、IVRを導入すれば営業電話などの電話をシャットアウトすることもできます。転送を必要としない問い合わせは自動音声案内で完結させられるため、不要な対応に時間を使わずに済むほか、転送通話料の発生も防止できます。
転送ルールを柔軟に設定できるIVRは、転送の開始/停止を手動で切り替えなくて済むのも大きな利点です。加えて、単に営業時間内外で対応を変えるだけでなく、例えば「営業時間外の電話に対して翌営業日の案内をする」「18時以降は特定のメニューのみ転送されるようにする」など、細かい条件設定を行うこともできます。
IVRを導入するなら「DXでんわ」
メディアリンクが提供する「DXでんわ」はシンプルな操作性を備えたオフィス向けのIVRです。コールセンターで求められるような複雑な機能が必要ない場合には特におすすめで、以下のような特長があります。
・新たにクラウドPBXを導入しなくても利用できる
・管理画面から簡単に転送フローを作成できる
・音声ガイダンスのカスタマイズが容易
・不要な電話はシャットアウトできる
・オプションが少なく必要機能がオールインワン
「DXでんわ」は固定電話の柔軟な転送設定を実現するだけでなく、企業にかかってくる電話の受付・取次ぎにかかる人的コストの削減に大きく貢献するシステムです。
「不要な電話対応をなくすことで生産性を高めたい」「本来集中すべき業務に注力できる環境を構築したい」といった場合は、ぜひDXでんわをご検討ください。