会議中の電話、取り次ぐ?取り次がない?
正しい対応方法を解説
UPDATE :
担当者が会議中のときに着信があった場合、取引先との関係性を損なわずに、かつ会議の進行も妨げないよう対応するにはどうすればよいのでしょうか?
本記事では、電話を取り次ぐべきケースの判断基準から、具体的な言い回し、伝言の取り方まで、シーンに応じた適切な対応方法を解説します。
目次
1. 会議中の電話対応の基本ルール
会議中の電話対応は、多くの企業で日常的に発生する課題です。特に、取引先との重要な電話を取り逃してしまうリスクと、会議の進行を妨げないようにするという2つの要請の間でジレンマを感じることも少なくありません。ここでは、会議中の電話対応における基本的な考え方を解説します。
「これが正解」というルールは存在しない
多くの方が「会議中の電話対応の正解」を求めていますが、実は絶対的な正解は存在しません。なぜなら、企業によって電話対応の優先度や会議の重要性、取引先との関係性が異なるためです。例えば、営業部門では取引先からの電話を優先する企業もあれば、製造部門では会議を最優先にする企業もあります。
あらかじめ「会社のルール」を定めておくことが重要
明確なルールが存在しない状況では、担当者による判断のばらつきや、重要な電話の取り逃し、会議の度重なる中断など、さまざまな問題が発生する可能性があります。そのため、以下のような項目について、あらかじめ社内で方針を決めておくことが重要です。
・会議中の電話対応の基本方針
・電話を取り次ぐべき緊急度の基準
・伝言の取り方と伝達方法
・部署や役職による対応の違い
なお、こうしたルールは複雑になりがちですが、IVR(自動音声応答システム)の導入によってシンプルにすることもできます。例えば、「会社にかかってきた電話の一次対応をすべてシステムに任せ、必要な電話にのみ折り返す」という運用体制に変更すれば、電話番の方が判断に迷わずに済むだけでなく、電話の受付業務そのものも必要なくなります。
実際にこの運用体制に変更したことで業務効率化に成功した事例もあるので、詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
すべての電話受付を自動化!業務進行を妨げない受電体制を実現
一般的なルールは?
具体的なルールは企業によって異なりますが、一般的な指針としては「基本的には電話を取り次がず、伝言を承ることを原則とし、緊急性の高い案件の場合のみ例外的に取り次ぐ」というアプローチが推奨されえています。
この基本的な考え方を軸に、次のセクションからは具体的な対応方法を詳しく解説していきます。
2. 会議中の担当者に電話を取り次がないときの言い方は?
電話を取り次がない場合、相手にどのように伝えるかが重要なポイントとなります。ただし、ビジネスの現場では相手との関係性や状況に応じて適切な言い回しを選択する必要があります。ここでは、実際によく使用される3つの表現方法とその使い分けについて解説します。
「会議中です」
取引先との信頼関係が構築されている場合や、社内の別部署からの電話の場合は、率直に「会議中です」と伝えることができます。具体的な例文としては以下のような言い方があります。
▼言い方の例
「申し訳ございません、◯◯はただいま会議中でございます」
「恐れ入りますが、ただいま部内会議を行っております」
このような直接的な表現は、正直さを重視する企業文化においては好ましく受け止められます。
「席を外しております」
新規取引先や、会議を優先していると受け取られたくない相手の場合は、「席を外しております」という表現を使うことがあります。これは、会議中という事実を直接的に伝えることを避けつつ、現時点で対応できない状況を説明する婉曲的な表現です。
▼言い方の例
「申し訳ございません、◯◯はただいま席を外しております」
「担当の◯◯は、ただいま別の用務で席を外しております」
「外出中です」
「席を外しております」以外の婉曲表現に「外出中です」があります。ただし、実際には社内にいるにも関わらず外出していると伝えることになるため、原則として推奨されません。なぜなら、この説明が虚偽であることが判明した場合、企業の信用を損なう可能性があるためです。
例えば、電話の相手が突然来社した場合や、別の用件で社内の担当者と話をした場合などに、嘘が露見するリスクがあります。そのような事態を避けるためにも、この表現の使用は控えるのが賢明です。
3. 担当者の不在を伝えるときの電話対応のポイント
会議中の担当者に取り次げないことを伝えた後の対応も、ビジネスマナーとして重要です。ここでは、相手に不快な思いをさせることなく、かつ用件を確実に担当者に伝えるための具体的なポイントを解説します。
戻り時間を伝える
会議の終了時刻が分かっている場合は、具体的な戻り時間を伝えることで、相手が次の行動を計画しやすくなります。
▼言い方の例
「◯◯は14時までの会議に出席しております」
「15時30分には戻る予定でございます」
会議が延長される可能性がある場合は、若干余裕を持たせた時間を伝えるなど、状況に応じた判断が必要です。
なお、戻り時間がわからない場合は相手に謝罪しつつ、「担当の〇〇はただいま席を外しており、戻り時間の予定が立っておりません」などと丁寧に伝えましょう。以下の記事では、そうしたケースの対応方法を解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
折り返しを提案する
戻り時間を伝えた後は、担当者からの折り返し電話を提案します。これにより、相手に「確実に用件が伝わる」という安心感を与えることができます。
▼言い方の例
「会議終了後、折り返しのお電話を差し上げてもよろしいでしょうか?」
「ご連絡先をお伺いできれば、担当の◯◯から改めてお電話させていただきます」
なお、以下の記事では「自分が折り返す場合」も含めた、電話の折り返し対応に関するマナーやポイントを解説しています。興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。
用件や伝言のメモを取る
折り返し電話の提案と併せて、用件を伺うことも重要です。以下の情報は必ず確認・メモし、担当者に伝達するようにしましょう。
・電話相手の情報(氏名・社名・部署名)
・連絡先
・用件の概要
・緊急度
・希望する連絡時間帯(指定がある場合)
以下の記事では電話対応時のメモの書き方のコツについて解説しています。詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
代理対応を提案する
自分や他の従業員で対応可能な用件であれば、代理対応を提案するのも一つの方法です。これによって相手の時間を無駄にせず、業務を前に進めることができます。
▼言い方の例
「もし私で対応可能な内容でございましたら、承らせていただきますが、いかがでしょうか?」
「◯◯の代理として、△△が対応させていただくことも可能でございます」
ただし、代理対応を提案する際は、自分の権限や対応可能な範囲を十分に把握したうえで行うことが重要です。
4. 会議中の担当者に電話を取り次ぐ場合の対応
基本的に会議中の電話は取り次がないのが原則ですが、例外的に取り次ぐべき場合も存在します。ここでは、電話を取り次ぐべきケースの判断基準と、実際の取次ぎ方について解説します。
どんなケースなら電話を取り次ぐべき?
すべての電話を会議終了まで待ってもらうことが必ずしも正しい判断とは限りません。状況を適切に判断し、必要に応じて電話を取り次ぐことも重要です。
緊急性が高い場合
以下のような緊急性の高い案件については、会議中であっても電話を取り次ぐことを検討する必要があります。
・システムトラブルの発生
・重大なクレームや事故の報告
・経営判断が必要な重要事項
・期限が迫った案件に関する確認事項
担当者にしか判断できない用件である場合
担当者の専門性や権限に関わる内容で、他の従業員では対応できない場合も、電話を取り次ぐ必要性が高くなります。例えば、以下のような用件に対して即時性が求められるケースが該当します。
・契約内容などの最終判断
・価格交渉に関する判断
・プロジェクト固有の相談
別の顧客との会議中は絶対に取り次がない
ただし、現在進行中の会議が別の顧客との商談や打ち合わせの場合は、どんなに緊急性が高い案件でも、電話を取り次ぐべきではありません。これは以下の理由によります。
・会議中の顧客に失礼にあたるため
・守秘義務の観点から問題となる可能性があるため
・商談の集中力が損なわれるため
担当者に電話の取次ぎを依頼する場合のポイント
電話を取り次ぐと判断した場合も、会議の進行への影響を最小限に抑えることが重要です。以下のようなポイントに注意して対応しましょう。
会議の進行を妨げないよう、メモを静かに手渡す
会議の流れを中断させないよう、できるだけ目立たない形で担当者に電話の存在を知らせます。発言中や重要な議論の最中は避け、間合いを見計らって対応することが重要です。
メールやチャットで電話の要件を伝える
社内のコミュニケーションツールが整備されている場合は、それらを活用して電話の内容を伝えることで、会議室内での物理的な移動や会話を避けることができます。
伝言メモには緊急度を明記する
メモ用紙でもコミュニケーションツールの文面でも、担当者が電話の重要性を即座に判断できるよう、緊急度を目立つように記載します。例えば「至急」「要即返」などの記載を太字や赤字、下線で強調するなどの工夫が効果的です。
5. 会議中の電話対応をさらに効率化するならIVRがおすすめ
会議の頻度が多い部署や、電話対応の負担が大きい職場では、IVR(自動音声応答システム)の導入も有効な選択肢です。担当者不在時の伝言の受付を自動化することで、以下のようなメリットが期待できます。
・電話を受ける側の業務負担を軽減できる
・24時間体制での伝言受付が可能になる
・伝言内容を自動的にメールやチャットで通知できる
・緊急度に応じた電話の振り分けが可能になる
なお、メディアリンクが提供するIVR「DXでんわ」は、電話の一次対応・転送を自動化できるほか、相手のメッセージを録音・テキスト化する機能も標準搭載されています。
例えば、会議中の着信に対して自動音声で不在の旨を伝えつつ、相手に用件を吹き込んでもらうことで、テキスト化された情報を会議中の担当者に届けることが可能です。
一連の電話対応に人が関わる必要がないため、情報共有の時間がかからず、伝言ミスのようなヒューマンエラーを防ぐこともできます。さらに、不要な営業電話などは通知をシャットアウトすることも可能です。
「電話の一次対応や取り次ぎに追われている」「本来の業務に集中できない」といった場合は「DXでんわ」がおすすめです。ご興味のある方は、ぜひ下記のページより製品の詳細をご覧ください。