復唱確認の重要性と効果的なやり方:
電話対応で使える例文付き
UPDATE :
ビジネスの電話対応では正確な情報の把握・伝達が求められます。「復唱確認」は、聞き間違いなどのミスを防ぎつつ、顧客との信頼関係を築く重要なスキルです。
本記事では、復唱確認の基本から実践的なテクニック、具体的な例文まで、すぐに業務に活かせる形でご紹介します。
目次
1. 復唱確認とは?
ビジネスシーンでは常に正確な情報伝達が求められますが、特に効果的な方法として知られているのが「復唱確認」です。これは相手の発言内容を繰り返して確認するテクニックで、ビジネスシーンにおける基本的なコミュニケーションスキルとして広く認識されています。
電話対応で復唱確認を行う重要性
電話対応では、表情やジェスチャーといった非言語コミュニケーションが使えないため、言葉だけで正確な情報伝達を行う必要があります。そのため、復唱確認は特に重要な役割を果たします。
例えば、お客様から注文を受ける際や、重要な日時を確認する場合など、些細な聞き間違いが大きなトラブルにつながる可能性があります。復唱確認を行うことで、このようなリスクを大幅に低減することができます。
また、復唱確認には相手の話をしっかりと聴いているという姿勢を示す効果もあります。これにより、お客様との信頼関係を構築することにもつながります。
確認会話との違い
復唱確認と似ているテクニックに「確認会話」があります。両者は同じようで、実は大きな違いがあります。
復唱確認は、相手の発言内容を繰り返して確認する方法です。一方、確認会話は相手の発言内容を別の表現で言い換えたり、補完したりして確認する方法です。例えば、お客様から「来週水曜日の午後3時に打ち合わせの予約を入れたいのですが」という依頼があった場合、復唱確認と確認会話では以下のような違いが生まれます。
復唱確認:
「来週水曜日の午後3時の打ち合わせのご予約ですね」
確認会話:
「◯月◯日、水曜日、15時からの打ち合わせのご予約ですね」
このように、確認会話では日付や時刻を具体的な表現に言い換えるなど、より明確な形での確認が行われます。復唱確認が正確な情報の繰り返しであるのに対し、確認会話は情報を補完しながら理解を確認します。これらのテクニックを状況に応じて使い分けることで、より確実なコミュニケーションが実現できるでしょう。
2. 電話対応における復唱確認のメリット
電話応対における復唱確認は「単なる確認作業」と思われがちですが、実は組織全体のパフォーマンスに影響する重要なスキルです。具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
聞き間違いや認識間違いを防止する
電話では、たびたび聞き取りにくい状況が発生します。特に重要な数字や固有名詞を扱う際は、一字一句の誤りが大きなトラブルやクレームにつながる可能性があります。復唱確認を行うことでその場で誤りを修正でき、後々の問題やクレームの発生を未然に防ぐことができます。
特に注意が必要なのは以下のような情報です。
・日時や金額などの数値情報
・お客様の名前や住所
・商品名や型番
・注文数量や配送先情報
業務の正確性と効率性が向上する
一見、復唱確認は時間がかかるように思えますが、実は業務全体の効率を高めます。なぜなら、初期段階での確認により、後工程での手戻りや修正作業が大幅に減少するためです。これにより、以下のような効果が得られます。
・作業の手戻りが減少し、処理時間の短縮につながる
・確認漏れによる再連絡の必要性が減る
・チーム内での情報共有がスムーズになる
・業務の質が安定する
なお、詳しくは本記事の下部でもご紹介していますが、IVR(自動音声応答システム)を活用することで電話対応そのものが自動化されるほか、情報共有も人を介す必要がなくなるので、大幅な効率化が実現できます。
相手との信頼関係を構築する
復唱確認には、コミュニケーションの質を高める副次的な効果もあります。相手の話を丁寧に聞き、確認する姿勢は、次のような形で信頼関係の構築に役立ちます。
・相手の発言を重視する姿勢を示せる
・慎重で丁寧な対応であることが伝わる
・お客様に安心感を提供できる
・継続的な取引やリピート率の向上につながる
このように、復唱確認は単なる確認作業ではなく、ビジネスの質を全体的に向上させる重要なスキルといえます。
3. 電話対応での効果的な復唱確認のやり方
電話でのコミュニケーションを円滑に進めるには、状況に応じた適切な復唱確認の技術が必要です。ここでは、すぐに実践できる基本的なテクニックから、経験を積んだ後に活用できる上級テクニックまでを段階的に解説します。
基本テクニック
まずは、電話応対における復唱確認の基本的なテクニックをマスターしましょう。これらは、どのような場面でも活用できる汎用的なスキルです。
数字を区切って復唱する
電話番号や金額など、数字の復唱は特に正確さが求められます。例えば、電話番号であれば以下のように復唱します。
お客様:「0312345678です」
あなた:「03-1234-5678でございますね」
このように数字を区切って復唱することで、相手も聞き取りやすく、確認もしやすくなります。
適切なクッション言葉を活用する
突然の復唱は唐突な印象を与える場合もあります。そのため、以下のようなクッション言葉を使用することで、スムーズな復唱確認が可能になります。
「恐れ入りますが、確認させていただきます」
「念のため、もう一度確認させていただきますと〜」
「ただ今おっしゃった内容を確認させていただきます」
相手に聞き取りやすい速度で話す
復唱する際は、通常の会話よりもやや遅めのペースで、はっきりと発音することが重要です。特に以下の点に注意を払います。
・固有名詞は特にゆっくりと
・数字は一つひとつ明確に
・重要な情報は特に強調して
要点を簡潔に整理して復唱する
相手の発言内容から重要なポイントを抽出し、簡潔に復唱することで、効率的な確認が可能になります。例えば、お客様から商品の注文を受けた場合は、以下のような復唱をするとよいでしょう。
「承知いたしました。ご注文内容を確認させていただきます。商品Aを5個、商品Bを3個、納期は来週金曜日でお間違いないでしょうか?」
上級テクニック
基本テクニックを習得した後は、より高度な復唱確認の手法を身につけることで、さらに効果的なコミュニケーションが可能になります。
話の要点を素早く把握して復唱する
相手の話の中から重要なキーワードを瞬時に見出し、優先順位をつけて復唱します。これにより、効率的かつ的確な確認が可能になります。
複数の情報を構造化して確認する
関連する情報をグループ化し、論理的な順序で復唱することで、相手の理解を促進します。例えば、以下のようなグルーピングと順序が考えられるでしょう。
・まず、日時に関する情報
・次に、数量や金額
・最後に、付帯事項
状況に応じて確認の粒度を調整する
話の内容や重要度に応じて確認の詳細度を変えることで、効率的なコミュニケーションが可能になります。例えば、配送先の変更依頼を受けた場合、以下のように復唱の仕方を調整します。
重要度高(新規顧客の場合):
「お届け先を確認させていただきます。郵便番号は123-4567、東京都渋谷区〇〇町1-2-3、△△マンション505号室、お電話番号は03-1234-5678でよろしいでしょうか?」
重要度中(既存顧客で履歴がある場合):
「では、お届け先は渋谷区〇〇町の△△マンション505号室に変更とのことでよろしいでしょうか?」
相手の性格や状況に合わせた確認方法を選択する
相手の話し方やペース、状況などを察知し、それに合わせた確認方法を選択することで、よりスムーズなコミュニケーションを実現します。例えば、商品の注文を受けた場合、状況に応じて以下のような表現ができます。
せかせかと急いでいる様子の場合:
「ご注文内容を手短に確認させていただきます。商品A、5個、至急配送でよろしいでしょうか?」
じっくりと確認したい様子の場合:
「では、ご注文内容を一つずつ確認させていただきます。まず商品Aを5個とのことですが、カラーはブラックでよろしいでしょうか? 続いて、配送について確認させていただきます…」
4. 場面別・状況別の復唱確認例文
ここでは、電話対応のよくある場面ごとに、実際に使える復唱の例文をご紹介します。これらの例文を基本的な形式として参考にしながら、実際の状況に応じてアレンジしていただければと思います。
予約内容確認時の復唱
予約の確認では、日時や人数、オプションなど、複数の要素を正確に確認する必要があります。
例文:
「ご予約の内容を確認させていただきます。 来週の水曜日、6月1日の午後2時から、 会議室Aを4名様でのご利用、プロジェクター1台の手配、でよろしいでしょうか?」
このように、時系列や重要度に応じて情報を整理して復唱することで、漏れのない確認が可能になります。
配送先住所確認時の復唱
住所確認では、番地や建物名など、細かい情報まで正確に復唱することが重要です。
例文:
「お届け先のご住所を確認させていただきます。 郵便番号150-0001、東京都渋谷区神宮前1-2-3 ◯◯マンション405号室、山田様方、でよろしいでしょうか?」
郵便番号、都道府県、市区町村、番地、建物名、部屋番号の順に、区切りを明確にして復唱します。
注文内容確認時の復唱
商品の注文では、商品名、数量、オプションなどを漏れなく確認します。
例文:
「ご注文内容を確認させていただきます。 カラーコピー用紙・A4サイズ・3箱、モノクロ用紙・A4サイズ・5箱、ホッチキスの針・2個、納期は今週金曜日の午前中指定、でよろしいでしょうか?」
商品ごとにまとめ、最後に配送条件を付け加えることで、整理された形で確認できます。
金額・数量確認時の復唱
金額や数量の確認は、特に正確さが求められる場面です。
例文:
「ご注文金額を確認させていただきます。 商品代金 12,800円、送料 850円、消費税 1,365円、合計金額 15,015円 でございます」
内訳を明確にし、合計金額まで漏れなく確認することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
5. 復唱確認時の注意点とNG例
復唱確認は、正しく行えば業務効率と顧客満足度の向上につながる一方で、誤った方法で行うとかえってコミュニケーションを阻害する可能性があります。ここでは、復唱確認を行う際の具体的な注意点と、避けるべき行動について解説します。
一度に大量の情報を復唱しない
情報を詰め込みすぎると、相手は内容を正確に確認できません。たとえ自分の記憶力に自信があっても、一度に復唱する情報量は適切に調整する必要があります。
適切な例:
「まず、お届け先の郵便番号から確認させていただきます。123-4567でよろしいでしょうか? はい、ありがとうございます。続いて、ご住所を確認させていただきます…」
NG例:
「では、郵便番号が123-4567で、東京都渋谷区〇〇町1-2-3、△△マンション505号室、電話番号が03-1234-5678、配達希望時間が14時から16時の間で…」
相手の発言を遮って復唱しない
相手の話が完全に終わる前に復唱を始めることは、大きなマナー違反です。また、重要な情報を聞き逃す原因にもなります。以下のような点に気をつけましょう。
・相手の発言が完全に終わるまで待つ
・相手が話し終えた後、適切な間を置いてから復唱を始める
・急いでいる場合でも、相手の発言を最後まで聞く
曖昧な表現は使用しない
復唱の目的は正確な情報の確認です。あいまいな表現を使用することはその目的に反するため、以下のような表現は避けてください。
・「だいたい」「おおよそ」
・「~くらい」「~ほど」
・「~かもしれません」
・「たしか〜」
代わりに、以下のような表現を使用しましょう。
・具体的な数字
・明確な表現
・正確な固有名詞
復唱後は必ず相手の反応を確認する
「復唱したら終わり」ではなく、相手からの確認や訂正の機会を設ける必要があります。
正しい確認の流れ:
1. 復唱を行う
2. 「お間違いないでしょうか?」「よろしいでしょうか?」と確認を求める
3. 相手の反応を待ち、訂正があれば伺う
4. 必要に応じて修正しつつ、最終確認を行う
特に注意したい点:
・相手の反応を待つ際は、適切な間を設ける
・相手が考える時間を十分に確保する
・訂正があった場合は、再度復唱して確認する
このように、復唱確認は単に言葉を繰り返すだけでなく、正確な情報伝達のための重要なコミュニケーションスキルです。これらの注意点を意識することで、より効果的な復唱確認が可能になります。
6. より正確な情報収集・伝達を実現するIVRの活用
本記事では復唱確認の重要性とテクニックをご紹介してきました。日々の電話対応で実践することで正確な情報伝達が可能になりますが、人間である以上、聞き間違いや言い間違いのリスクは完全には排除できません。そこでおすすめなのが、IVR(自動音声応答システム)の活用です。
IVRは、かかってきた電話に自動音声ガイダンスで応答し、プッシュボタン操作を促すことで、用件の特定や情報収集を実現するツールです。これを導入することで、お客様自身に間違いがないかを確認いただきながら、重要な情報を収集することが可能になります。
以下は、IVRが音声ガイダンスによって行う情報収集の例です。
クレジットカード番号の確認:
「カード番号をテンキーで入力の上、シャープを押してください」
金額や数量の照合:
「ご注文数量をテンキーで入力の上、シャープを押してください」
住所などの重要情報の最終確認:
「ご住所を確認いたしました。よろしければ1を、変更される場合は2を押してください」
また、そもそもIVRは電話の一次対応・転送を自動化するシステムなので、上記のような個人情報を扱わない職場の電話対応においても、業務効率化の面で大きな効果を発揮します。
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