【法人向け】電話回線の種類と選び方:
アナログ回線・光回線・IP回線を比較

IVR

UPDATE :

法人向けの電話回線には、従来型のアナログ回線から光回線、IP回線まで、複数の選択肢があります。新規で固定電話を契約する際は、コストや通話品質、工事の有無など、複数の要素を比較検討することが重要です。

 

この記事では、各回線の特徴や料金、契約時のポイントを解説し、自社に最適な回線選びをサポートします。

1. 法人向け電話回線の種類

法人向けの電話回線は、従来型のアナログ回線から光回線、IP回線まで、時代とともに選択肢が広がってきました。新規で電話回線を契約する際は、それぞれの回線の特徴や導入方法を理解し、自社のニーズに合った回線を選択することが重要です。

法人向け電話回線の種類をまとめた図

以下で、主な回線の種類とその特徴を詳しく解説します。なお、各回線に該当する特定サービスのコスト面にも言及していますが、任意に情報をピックアップしている点と、本記事執筆時点の情報である点にご留意いただき、最新・正確な情報は必ず公式情報でご確認ください。

アナログ回線

従来からある標準的な固定電話回線で、安定した通話品質が特徴です。アナログ回線は黒電話のようにダイヤルを回す「ダイヤル回線」と、数字のボタンを押す「プッシュ回線」に分けられ、現在は後者が主流になっています。新規導入時のコストは比較的高めです。

該当サービス

NTT東日本・西日本が提供する「加入電話」が代表的です。長年の実績があり、ビジネスシーンでの信頼性が高いサービスとして知られています。

導入手順

加入電話の導入は以下の流れで行われます。

  • 申込書の記入と必要書類の提出
  • 登記簿謄本や社印などの準備
  • 工事日程の調整
  • 技術者による開通工事

コスト

加入電話の料金は以下のとおりです。

  • 施設設置負担金:39,600円
  • 契約料:880円
  • 工事費:0円
  • 回線使用料(月額):2,530〜2,750円

なお、「加入電話・ライトプラン」というプランは施設設置負担金が0円ですが、工事費3,300円がかかるほか、月々の回線使用料も2,805〜3,025円と割高になります。

光回線

高速インターネット回線を利用した電話サービスで、通話品質が安定しているうえ、通話料金も比較的リーズナブルです。

該当サービス

主なサービスには以下があります。

  • NTT東日本・西日本「ひかり電話」
  • ソフトバンク「おとくライン」
  • KDDI「KDDI光ダイレクト」

導入手順

一般的な導入の流れは下記の通りです。

  • プロバイダーの選定と申込み
  • 工事日程の調整
  • 光回線工事の実施
  • 電話機器の設定

コスト

NTTの「ひかり電話(フレッツ光を利用)」の場合、以下のような費用構成となります。

  • 基本工事費:8,250円/1工事(他、交換機等工事費、同番移行工事費、機器工事費が発生)
  • インターネット接続サービス初期費用:初期工事費22,000円、契約料880円
  • 月額利用料(3チャンネル・1番号):1,430円
  • インターネット接続サービス月額利用料:8,140円〜(他、プロバイダサービス月額利用料が発生)

上記のほか、ボイスワープや追加番号などの「付加サービス利用料」が加算されます。

IP回線

インターネット回線を使用して音声を伝送する技術を利用した電話サービスです。初期費用を抑えられ、柔軟な利用が可能です。

該当サービス

主なサービスには以下があります。

  • 050番号を使用したIP電話サービス
  • クラウドPBX(インターネット回線を利用した内線システムとIP電話を組み合わせたサービス)

導入手順

IP回線の導入は比較的シンプルです。

  • オンラインでの申込み
  • 本人確認書類の提出
  • 接続機器の受け取り・設定
  • 即日から数日程度で利用開始

コスト

IP回線は初期費用も月額費用も抑えられるのが特徴です。

  • 初期費用:0円~数千円程度
  • 月額利用料:数百円〜

ISDN回線(デジタル回線)

デジタル方式の電話回線として長年利用されてきましたが、光回線の普及に伴い、2024年にサービスの新規販売が終了しました。

廃止となったのはパソコンやデータ通信端末で利用される「ディジタル通信モード」という機能で、電話機で利用する「通話モード」は引き続き利用できます。ISDNを利用していた方は、電話機の交換や契約変更の必要はありません。

なお、そもそも「会社に固定電話番号が必要なのか?」については、以下の記事で詳しく解説しています。これから会社を設立される方は、ぜひそちらもご覧ください。

法人電話番号は必要?取得方法やコストを詳しく解説

2. 固定電話を契約するときのポイント

法人向けの固定電話を契約する際は、初期費用や通話料だけでなく、業務における電話の重要性や将来的な拡張性なども考慮する必要があります。以下のポイントを確認しながら、自社に最適な回線とサービスを選択しましょう。

固定電話契約時に考慮したいポイントをまとめた図

会社の規模や従業員数に応じた回線数を検討する

電話回線の本数は、従業員数や1日あたりの通話量を基準に決定します。受付業務が多い企業では複数回線が必須となりますが、内勤中心のオフィスでは最小限の回線数で十分な場合もあります。また、今後の事業拡大も見据えて、増設のしやすさも考慮に入れましょう。

通話品質の要件を確認する

営業や顧客対応が多い業種では、通話品質の安定性が重要です。アナログ回線や光回線は通話品質が安定している一方、IP回線は接続環境によって品質が変動する可能性があります。自社の業務内容に応じて、許容できる品質レベルを見極めることが大切です。

災害時の対応力を考慮する

災害時の事業継続性を考えると、緊急時でも使用できる回線かどうかも重要なポイントです。アナログ回線は外部電源不要で災害に強い一方、IP回線は停電時に使用できない場合があります。業務の重要度に応じて、バックアップ手段の確保を検討しましょう。

内線機能の必要性を判断する

複数の部署やオフィスがある場合、内線機能の必要性を検討すべきです。IP回線やクラウドPBXサービスでは、追加コストを抑えながら高度な内線機能を利用できます。また、在宅勤務者との連携も視野に入れる場合は、スマートフォンとの連携機能も確認しましょう。

通話料金プランを比較検討する

通話料金は、通話先や通話時間帯によって大きく変わります。主な通話先(市内・市外・携帯電話など)の割合を把握し、それに適した料金プランを選択することで、通信コストを最適化できます。また、定額プランの有無や、割引サービスの適用条件なども確認しましょう。

保守サポート体制を確認する

電話は事業の重要なインフラです。故障や不具合が発生した際のサポート体制を事前に確認しておくことが重要です。24時間対応のサポートが必要か、オンサイト保守が必要か、代替機の手配はどうなるかなど、必要なサポートレベルを明確にしましょう。

3. 法人向け電話回線を低コストで利用する方法

固定電話の導入には一般的に相応のコストがかかりますが、いくつかの工夫で初期費用や月額料金を抑えることが可能です。ここでは、法人向け電話回線を導入する際のコスト削減方法について解説します。

中古の電話加入権を購入する

アナログ回線(加入電話)を導入する際、新規で電話加入権を取得するにはそれなりの費用(施設設置負担金:39,600円)が必要です。しかし、中古の電話加入権を購入することで、初期費用を数千円程度に抑えることができます。

セット価格で加入する

インターネットやスマートフォンとセットで契約することで、電話回線の料金を抑えることができます。特に光回線とセットで契約する「ひかり電話」は、以下のようなメリットがあります。

  • 基本料金の割引が適用される
  • 工事費が割引になる場合がある
  • 通話料金が全国一律
  • インターネットと電話の請求を一本化できる

また、複数回線をまとめて契約する場合も、割引が適用されるケースがあります。契約の際は、各事業者のセット割引プランを比較検討することをお勧めします。

工事が不要な方法を選ぶ

工事費用は初期費用の大きな部分を占めます。工事が不要、もしくは最小限で済む方法を選ぶことで、導入コストを抑えることができます。

工事費用を抑える主な方法として以下があります。

  • IP電話サービスを利用する(既存のインターネット回線を活用)
  • クラウドPBXを導入する(専用線の工事が不要)
  • 機器の設置作業を自社で行う(業者による工事を省略)

特にクラウドPBXは、以下のようなコストメリットがあります。

  • 初期費用を抑えられる
  • 機器の購入・保守費用が不要
  • 内線通話が無料
  • 拠点の増設も容易

4. ​​電話回線と合わせて導入したい!IVRのご紹介

新規で固定電話を契約する際、IVR(自動音声応答システム)もぜひ検討したいツールの一つです。IVRを導入することで、電話がかかってきた際に「お問い合わせの内容によって1から3の番号を押してください」といった自動音声を案内し、電話の振り分けが可能になります。また、24時間365日の自動応答が可能になるため、以下の事柄が実現します。

  • 電話の一次対応を無人化できる
  • 担当者への取り次ぎが自動化される
  • 休日や深夜など営業時間外の自動応答が可能になる
  • よくある問い合わせへの自動回答ができる
  • 電話受付の担当者(電話番)の業務負荷を軽減できる
  • 本来の業務に集中できる環境をつくれる

導入に際しては、クラウドPBXサービスやIP電話サービスを選択することで、追加の機器設置なしでIVR機能を利用できるケースも多くあります。当社メディアリンクが提供する「DXでんわ」なら、特別な機器やシステムを導入せず既存のビジネスフォンで利用可能です。自社の電話応対の状況に応じて、検討してみてはいかがでしょうか。

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