ボイスワープとは?
料金・設定方法・注意点を解説
UPDATE :
ビジネスフォンやオフィスの固定電話への着信を、携帯電話やスマートフォンに転送できる「ボイスワープ」。在宅勤務や外出時の電話対応を効率化できるサービスとして活用されています。
本記事では、ボイスワープの基本的な仕組みから料金、設定方法、具体的なメリット、注意点まで詳しく解説します。
目次
1. ボイスワープとは
ボイスワープとは、NTT東日本・西日本が提供する電話転送サービスです。オフィスの固定電話にかかってきた電話を携帯電話やスマートフォンなど、別の電話番号に転送することができます。在宅勤務や外出が増えた現代のビジネスシーンにおいて、大切な電話を逃さないためのサービスとして活用されています。
サービスの基本機能
ボイスワープの基本機能は着信転送です。ビジネスニーズに合わせて、主に以下の4種類から転送方法を選択することができます。
▼転送方法の種類
・無条件転送:着信があれば即座に設定した電話番号へ転送する
・無応答時転送:一定回数の呼び出し後に転送する(呼び出し回数指定が可能)
・話中時転送:通話中の着信を転送する
・無応答時転送と話中時転送の併用
なお、「ボイスワープセレクト」というサービスを利用することで、特定の電話番号から電話がかかってきたときだけ転送する(あるいは、特定の電話番号からかかってきた電話だけ着信する)ように設定することも可能です。
遠隔操作機能
ボイスワープには、外出先からでも転送設定を変更できる「リモートコントロール機能」も搭載されています。この機能を利用するには、セキュリティ確保のため事前に暗証番号の設定が必要です。急な予定変更があった場合や不在時でも外出先から設定を変更できるため、ビジネスの機動性を高めることができます。
なお、オフィスの固定電話から携帯電話やスマートフォンに転送する方法は、ボイスワープ以外にもいくつかあります。詳しくは以下の記事で紹介していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
また、以下の記事では携帯電話やスマートフォンから転送する方法を解説していますので、詳しく知りたい方はそちらもご覧ください。
2. ボイスワープの設定方法と手順
ボイスワープの設定は、電話機から簡単な操作で行うことができます。初めて利用する方でも迷わないようステップバイステップで設定を進めることが可能です。
以下では、ボイスワープでよく使用する設定の具体的な手順を解説します。なお、ここで紹介するのは加入電話のオプションサービスであるボイスワープの設定手順です(「ひかり電話サービス」の場合は操作方法が異なります)。
転送先電話番号の登録・指定
転送先の電話番号を登録するには、まず電話機で「142」をダイヤルします。ガイダンスが流れたら「2」を押し、その後、転送したい電話番号を入力します。
これは「転送先リスト」と呼ばれる場所に電話番号を登録する作業で、転送方法を選択する前の基本的な準備として必要となります。
▼転送先電話番号の登録手順
1. 電話機で「142」をダイヤル
2. ガイダンスが流れたら「2」を押す
3. 転送先の電話番号を入力
4. 設定完了のガイダンスを確認
転送先を複数登録する場合は以下の手順となります。
▼複数の転送先電話番号の登録手順
1. 電話機で「142」をダイヤル
2. ガイダンスが流れたら「4」を押す
3. さらにガイダンスが流れたら「0」を押す
4. 転送先リスト番号を指定する(「1」〜「4」のいずれか)
5. 転送先の電話番号を入力する
6. 続けて登録する場合は手順3〜5を繰り返す
7. 登録を終了する場合は「9」を押す
さらに、登録した電話番号を実際の転送先として指定する場合は、以下の手順で設定を行います。
▼転送先電話番号の指定手順
1. 電話機で「142」をダイヤル
2. ガイダンスが流れたら「4」を押す
3. さらにガイダンスが流れたら「1」を押す
4. 指定したい転送先リスト番号を押す(「1」〜「4」のいずれか)
5. ガイダンスが流れたら「9」を押す
なお、転送先リストに登録できる電話番号は4件までで、転送先として指定できる電話番号は1件のみです。
転送の開始と停止
転送を開始するには「142」をダイヤルし、ガイダンスに従って「1」を押します。一方、転送を停止する場合は同じく「142」をダイヤルした後、「0」を押します。これらの操作は、日常的に最も頻繁に使用する基本的な操作となります。
▼転送開始の手順
1. 電話機で「142」をダイヤル
2. ガイダンスが流れたら「1」を押す
3. 設定完了のガイダンスを確認
▼転送停止の手順
1. 電話機で「142」をダイヤル
2. ガイダンスが流れたら「0」を押す
3. 設定完了のガイダンスを確認
無応答時転送と呼び出し回数の設定
無応答転送を利用する場合は「何回コールが鳴ったら転送するか」を同時に設定できます。「142」をダイヤルした後、ガイダンスに従って「3」を押し、0〜9回の範囲で希望の呼び出し回数を設定します。この機能により、状況に応じて適切なタイミングで転送することが可能になります。
▼無条件時転送と呼び出し回数の設定手順
1. 電話機で「142」をダイヤル
2. ガイダンスが流れたら「3」を押す
3. 希望の呼び出し回数(「1」〜「9」のいずれか)を入力
4. 設定完了のガイダンスを確認
なお、上記の手順3で「0」を押すことで「無条件転送」となり、指定した転送先に直接転送される状態となります。
遠隔操作での設定方法
ボイスワープの「リモートコントロール機能」を利用することで、外出先からの設定変更も可能になります。別の電話機からでも転送設定を変更できるため、急な予定変更が発生した際に特に便利です。
遠隔操作を行うためには、事前にリモートコントロールの利用指定と暗証番号の登録を行う必要があります。
▼リモートコントロールの利用指定と暗証番号の登録手順
1. 電話機で「142」をダイヤル
2. 各ガイダンスに従い「4」→「3」→「1」を押す
3. 4桁の暗証番号を入力する
4. 設定完了のガイダンスを確認して「9」を押す
外出先から「一般の電話回線」を利用して転送を開始/停止する場合は、以下の手順で設定を行います。
▼外出先での転送開始/停止の手順
1. 外出先の電話機で「142」→「7」をダイヤル
2. 契約者電話番号を市外局番から入力
3. 暗証番号を入力
4.ガイダンスに従い下記いずれかを選択
・転送を開始する場合は「1」を押す
・転送を停止する場合は「0」を押す
5. 設定完了のガイダンスを確認
外出先から転送先の変更を行う場合は、以下の手順となります。
▼外出先での転送先の変更手順
1. 外出先の電話機で「142」→「7」をダイヤル
2. 契約者電話番号を市外局番から入力
3. 暗証番号を入力
4. ガイダンスに従い 「2」を押す
5. 転送先リスト番号を指定する(「1」〜「4」のいずれか)
6. 設定完了のガイダンスを確認
なお、「携帯電話」を利用して転送の開始/停止、転送先の変更を行う場合は、上記の手順1をそれぞれ「外出先の電話機でリモコン用アクセス番号をダイヤル」に差し替えることで対応できます(ただし通話料がかかります)。
リモコン用アクセス番号は地域ごとに複数の番号(例:東京は03-3740-6000、大阪は06-6344-4503など)が用意されていますが、全国どの番号からでも利用できます。
3. ボイスワープの料金体系
ボイスワープの料金は、大きく「工事費」「月額使用料」「通話料」の3つで構成されています。ここでは主に「加入電話」を契約している場合の料金体系について説明します。
工事費と月額使用料
事務用でボイスワープを利用する場合、880円の月額使用料が発生します(住宅用は550円)。加入電話の場合、導入時に工事費はかかりません。
なお、ひかり電話を契約している場合は月額が550円と加入電話よりも安価ですが、1番号ごとに1,100円の工事費が発生します。
ひかり電話には「ボイスワープ」「ナンバー・ディスプレイ」「キャッチホン」の3サービスを割引価格で利用できる「付加サービスセット割引」というプランがあります。3つの機能を月額880円で利用できるお得なプランですが、2025年3月末で提供終了が決まっています。
転送時の通話料金
転送元から転送先までの通話料金は、ボイスワープを利用している会社の負担となります。例えば、顧客から会社の固定電話に着信があり、それを携帯電話に転送する場合、固定電話から携帯電話への通話料金が加算されることになります。
通話料金は、以下のように転送先の電話種別によって異なります。
・転送先が固定電話:9.35円/3分
・転送先が携帯電話:17.6円/60秒
・転送先がIP電話(050番号):11.55円/3分
※2024年12月現在
なお、転送元まで(例:顧客から会社の固定電話まで)の通話料金は発信者の負担となります。
4. ボイスワープを活用するメリット
ボイスワープはビジネスにおける電話対応の課題解決に役立つサービスです。以下では、企業がボイスワープを導入することで得られる具体的なメリットについて説明します。
外出時の電話対応が可能になる
営業活動や商談で社外に出ることの多いビジネスパーソンにとって、オフィスの固定電話への着信対応は大きな課題です。ボイスワープを利用することで、外出中でもオフィスにかかってきた電話に対応できるようになります。
テレワーク時の電話対応が可能になる
テレワークが一般化しつつある現在、自宅でも会社と同様の電話対応が求められています。ボイスワープを活用すれば、在宅勤務中でも会社の固定電話にかかってきた電話に応対できるようになります。これにより、場所を問わず一貫した顧客対応が可能になり、業務の質を維持することができます。
不在時の着信の取りこぼしを防げる
営業担当者が不在の際でも、携帯電話やバックアップの担当者を転送先として設定することで、重要な商談や問い合わせの機会を逃さずに済みます。特に商談の進行中や契約締結の時期にはタイムリーな対応が求められますが、ボイスワープによってそれが可能になります。
柔軟な時間外対応を実現できる
ボイスワープを活用することで、営業時間外の電話対応も柔軟に行えるようになります。例えば、夜間や休日の緊急連絡を担当者の携帯電話に転送したり、時間帯によって転送先を変更したりすることで、顧客に寄り添ったサービス提供体制を構築できます。
5. ボイスワープの注意点・制限事項
ボイスワープは便利なサービスですが、より効果的に活用するためにいくつかの重要な注意点があります。ここでは、サービス利用時に知っておくべき主要な注意事項と制限事項について説明します。
転送通話料が発生する
ボイスワープを利用した際の料金体系で特に注意が必要なのが、転送時の通話料金です。前述したように、転送元から転送先までの通話料金はサービス利用者の負担となります。例えば、固定電話から携帯電話に転送する場合、固定電話から携帯電話への通話料金が発生します。そのため、頻繁に利用する場合は月々の通信費の予算管理が重要になります。
契約サービスによって操作方法が異なる
ひかり電話などの光回線系のサービスでボイスワープを利用する場合は、本記事で主にご紹介してきた「加入電話」とは操作方法が異なることがある点に注意が必要です。サービスの申し込み時には、必要な手続きや設定方法を確認するようにしましょう。
自動で開始/停止を切り替えられない
ボイスワープの転送設定は手動での操作が必要です。例えば、「営業時間外は自動的に転送を開始する」「始業時間になったら自動的に転送を停止する」といった時間帯による自動切り替えはできません。そのため、日々の運用では担当者が確実に開始・停止の操作を行う必要があります。
転送先は1番号しか指定できない
ボイスワープでは転送先の電話番号を最大4件まで登録できますが、実際に転送先として指定できるのは1件のみという制限があります。例えば、複数の担当者の電話番号を事前に登録しておき、状況に応じて転送先を切り替えることは可能です。
ただし、「平日の日中は携帯電話Aに、夜間は携帯電話Bに転送する」といった使い方はできません。転送先を変更する場合は、その都度、登録済みの番号の中から転送先を指定し直す必要があります。
6. 柔軟な転送を実現するなら「DXでんわ」がおすすめ!
ボイスワープは便利なサービスですが、「転送のオン/オフ設定を手動で行わなければならない」「転送先を1件しか指定できない」といったデメリットがあります。
そこでおすすめなのが、メディアリンクが提供する「DXでんわ」です。このツールは会社にかかってきた電話の一次受付・転送を自動化するIVR(自動音声応答システム)で、導入することで、以下のような柔軟な転送が可能になります。
・電話相手の用件に応じて適切な部署・担当者に自動転送できる
・時間帯によって転送の条件を自動で切り替えられる
・複数の転送先を指定できる(順次転送)
また、着信があれば関係者に自動で通知されるほか、相手に吹き込んでもらったメッセージを録音・テキスト化する機能も標準搭載されているため、効率的な電話対応が可能になります。「DXでんわ」にご興味のある方は、ぜひ以下のページより製品の詳細をご確認ください。