固定電話をスマホで受けるには?
転送方法選びのポイントも解説
UPDATE :

オフィスの固定電話をスマホで受けられるようにしたい方は多いのではないでしょうか。外出先での電話対応やリモートワークへの対応など、ビジネスの効率化に役立つ仕組みとして注目されています。
本記事では、固定電話をスマホで受けるための方法やメリット、サービス選びのポイントを解説します。
目次
1. 固定電話をスマホで受けるメリット
固定電話をスマホで受けられるようにすることで、ビジネスの効率性や柔軟性が大きく向上します。特に近年のワークスタイルの変化に合わせて、多くの企業がこのサービスを活用し始めています。以下に、固定電話をスマホで受けることのメリットをご紹介します。

外出先でも対応できる
営業や打ち合わせで外出することの多いビジネスパーソンにとって、固定電話の着信をスマホで受けられることは大きなメリットです。取引先からの重要な電話も外出先で応対できるため、スピーディーなコミュニケーションが可能になります。また、不在時の折り返し作業も削減でき、業務効率の向上にもつながります。
リモートワークが可能になる
在宅勤務やサテライトオフィスでの業務が一般的になる中、固定電話の着信をスマホで受けられる仕組みはリモートワークの実現に大きく貢献します。オフィスに固定電話を置いたままで、場所を問わず通常通りの電話対応が可能です。これにより、柔軟な働き方を実現しながら、従来通りの顧客サービスを維持できます。
伝達ミスを防げる
従来の電話応対では、担当者不在時のメモ書きや口頭での伝言により、情報の漏れや誤認が発生するリスクがありました。固定電話をスマホで受けることで担当者が直接対応できるため、こうした伝達ミスを防ぐことができます。また、急ぎの用件でも確実に本人に届けることができ、コミュニケーションの質が向上します。
機会損失を防げる
不在時の着信は、ビジネスにおいて重大な機会損失につながる可能性があります。特に営業や顧客対応が重要な業務では、一度の取り逃しが商談の失敗や顧客満足度の低下を招くことがあります。固定電話をスマホで受けることで、このような機会損失を最小限に抑えることができます。
BCP対策になる
災害やパンデミックなどの緊急事態発生時でも、固定電話をスマホで受けられる体制があれば事業継続が可能です。オフィスへの出社が困難な状況でも通常の電話番号での連絡体制を維持できるため、取引先や顧客との関係を途切れさせることなく、事業を継続することができます。
上記のようなメリットのほか、そもそも固定電話の受電・取次ぎ対応には負担がかかることから、近年は固定電話そのものの廃止を検討する企業も増えています。一方で、特に代表電話番号のビジネスにおける重要性は依然として高いため、廃止には慎重になるべきでしょう。以下の記事では代表電話のメリット・デメリットについて解説していますので、興味のある方はあわせてご覧ください。
2. 固定電話をスマホで受ける方法
固定電話をスマホで受けるには、主に3つの方法があります。
- 方法1:電話転送サービス
- 方法2:クラウドPBX
- 方法3:IVR(自動音声応答システム)
ここでは、それぞれの特徴や費用について見ていきましょう。
方法1:電話転送サービス

固定電話をスマホで受ける最もシンプルな方法が、キャリアが提供する電話転送サービスを利用する方法です。固定電話にかかってきた電話を、あらかじめ設定した携帯電話番号に転送することができます。代表的なサービスとしては、NTTが提供する「ボイスワープ」が挙げられます。
メリット・デメリット
このサービスを利用するメリットは導入の手軽さです。既存の固定電話回線を活かしたまま、転送設定を追加するだけで利用を開始できます。工事が必要な場合もありますが、導入後に操作するのは基本的に電話機本体のみで、特別な機器やシステムは不要です。
一方で、転送通話料が発生することや、転送先の変更に手間がかかるといったデメリットもあります。また、同時に複数の転送先を指定できないため、着信が集中する時間帯がある場合は注意が必要です。
以下の記事ではボイスワープを例に挙げ、具体的な転送設定の手順を解説しています。また、電話転送サービスを利用することの問題点にも言及していますので、詳細を知りたい方はあわせてご覧ください。
サービスの利用コスト
電話転送サービスの利用には、基本料金と転送時の通話料がかかります。例えば、NTTのボイスワープの場合、月額基本料金として880円がかかります。さらに、固定電話からスマホへ転送する場合は通話料が発生し、これはサービスを利用している企業の負担となります。
なお、ボイスワープについては以下の記事で解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
方法2:クラウドPBX

クラウドPBXは、インターネットを利用して通話機能をクラウド上で実現するサービスです。スマートフォンやPCを固定電話のように利用できるようになります。
メリット・デメリット
メリットは高度な電話機能を利用できることです。着信の自動振り分けや通話録音、通話履歴の管理など、さまざまな機能が使えます。また、インターネット経由で利用するため、場所を問わず固定電話番号での発着信が可能になります。加えて、転送通話料がかからないのも特徴です。
デメリットとしては、安定したインターネット環境が必須となることや、初期設定にある程度の技術的知識が必要な点が挙げられます。
サービスの利用コスト
クラウドPBXの料金は、基本料金と利用ライセンス数に応じた従量料金で構成されます。料金はサービスによりますが、数千円/1アカウント程度を見ておくとよいでしょう。機能を追加する場合は、これにオプション利用料が加算されます。
初期費用にも幅がありますが、一般的には1〜5万円程度で、中には無料のプランもあります。物理的な交換機をクラウド上で提供できるため、比較的安価に導入できます。
方法3:IVR(自動音声応答システム)

IVR(自動音声応答システム)は、会社にかかってきた電話に自動音声で応答し、用件に応じて適切な担当者のスマホに転送する仕組みです。上述したクラウドPBXのいち機能として搭載されているケースも多いです。
メリット・デメリット
IVRの導入により、電話応対の効率化と顧客満足度の向上を同時に実現できます。営業時間外の自動応答や、問い合わせ内容に応じた適切な部署・担当者への転送が可能になり、応対品質が向上します。
ただし、フローの設定が複雑だったり、音声ガイダンスの作成に手間取ったりすることもあるため、操作しやすいサービスを選ぶようにしましょう。
サービスの利用コスト
IVRサービスの料金は、基本的に初期費用・月額費用・オプション利用料で構成されます。クラウドPBXと同様、料金はサービスによって幅がありますが、最も安価なものだと月額数千円で利用できます。ただし、オプション機能の追加で思わぬ費用がかかることもあるため注意が必要です。
3. 固定電話をスマホで受けられるサービス7選
固定電話をスマホで受けるための具体的なサービスを「電話転送サービス」「クラウドPBX」「IVR」の3つのカテゴリに分けて紹介します。自社の規模や予算、必要な機能に合わせて最適なサービスを選びましょう。
電話転送サービス3選
まずは「電話転送サービス」から、代表的な以下の3つのサービスをご紹介します。
- ボイスワープ(NTT東日本・西日本)
- 多機能転送サービス(ソフトバンク)
- 着信転送(au)
ボイスワープ(NTT東日本・西日本)

「ボイスワープ」は、NTT東日本・西日本が提供する電話転送サービスです。加入電話、ISDN回線、ひかり電話のいずれでも利用でき、無条件転送や無応答時転送など幅広い転送方法に対応しています。最も一般的な電話転送サービスとして広く利用されており、設定方法もシンプルで導入しやすいのが特徴です。
▼主な特徴
- 無条件転送、無応答時転送、話中時転送、応答後転送に対応
- 電話機から「142」にダイヤルして設定可能
- ひかり電話ではWebブラウザからも操作できる
- リモートコントロール機能で外出先からも設定変更が可能
▼料金
- 初期費用:ひかり電話の場合2,200円(他の付加サービスと同時申し込みで減額される場合あり)
- 月額料金:加入電話(事務用)880円、ひかり電話550円
ボイスワープについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
多機能転送サービス(ソフトバンク)

「多機能転送サービス」は、ソフトバンクの固定電話サービス「おとくライン」の付加サービスとして提供されています。NTTのボイスワープと同等の機能を持ち、複数の転送方法から選択できます。ソフトバンクの固定電話サービスを利用している企業にとっては、工事費無料で導入できる点がメリットです。月額料金もNTTと同程度で、基本的な転送機能は網羅されています。
▼主な特徴
- 無条件転送、無応答時転送、話中時転送に対応
- 電話機から「142」にダイヤルして設定
- リモートコントロール機能あり
- アナログ回線とISDN回線で設定コードが異なる
▼料金
- 初期費用:無料
- 月額料金:1番号あたり800円
着信転送(au)

「着信転送」は、auひかり電話が提供する固定電話向けの転送サービスです。無条件転送、話中時転送、スケジュール転送の3つの機能が利用でき、用途に応じて選択できます。スケジュール転送機能が標準で利用できる点が特徴です。また、転送先がau携帯電話の場合は通話料が割安になるため、社員がauを利用している企業にとってはコストメリットがあります。
▼主な特徴
- 無条件転送、話中時転送、スケジュール転送に対応
- スケジュール転送では曜日・時間帯を指定して自動転送が可能
- 電話機から「142」にダイヤル、またはMy auから設定
- 外出先からも転送の開始・停止や転送先の変更が可能
▼料金
- 初期費用:無料
- 月額料金:550円
なお、以下の記事では電話転送サービスの選び方を詳しく解説しています。
クラウドPBX2選
次に、「クラウドPBX」から以下の2サービスをご紹介します。
- MediaOffice
- MOT/TEL(モッテル)
MediaOffice

「MediaOffice」は、メディアリンク株式会社が提供するクラウドPBXサービスです。スマートフォンやPCを会社の内線電話として利用でき、場所を問わず固定電話番号での発着信が可能になります。また、内線通話が無料なため、拠点間の通話コストを大幅に削減できます。さらに、IVRやCTI連携など、電話業務の効率化に役立つ機能が充実しているのも特徴です。
▼主な特徴
- スマホ・PC・IP電話機を内線化
- 会社の代表番号で発着信が可能
- 転送通話料がかからない
- 通話録音、IVR、CTI連携などの豊富な機能を搭載
▼料金
- 初期費用:電話機などの機器の購入費用、MediaOfficeクラウドサービス契約料
- 月額利用料:サーバライセンス40,000円、1ユーザライセンス1,000円
MOT/TEL(モッテル)

「MOT/TEL」は、株式会社バルテックが提供するクラウドPBXサービスです。累計30,000社以上の導入実績を持ち、幅広い業種・規模の企業に利用されています。音声品質の高さに定評があり、ビジネスに必要な機能が標準で揃っています。
▼主な特徴
- スマートフォンを内線化し、会社番号で発着信できる
- 通話品質が高く、音声が途切れにくい
- 通話録音、IVR、CTI連携などの機能を標準搭載
- 無料トライアルあり
▼料金
- 初期費用:29,800円〜
- 月額料金:5,980円〜
なお、PBXとIVRは併用することも可能です。両者を連携するメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
IVR(自動音声応答システム)2選
最後に、「IVR」から以下の2サービスをご紹介します。
- DXでんわ
- アイブリー
DXでんわ

「DXでんわ」は、メディアリンク株式会社が提供するIVR(自動音声応答システム)です。固定電話にかかってきた電話を自動音声で案内し、適切な担当者のスマホに転送することができます。管理画面が分かりやすく、電話システムの知識がない方でも簡単に設定できます。転送機能が標準搭載されているため、追加コストなしで固定電話をスマホで受けられる環境を構築できます。
▼主な特徴
- 初期費用0円
- 転送機能が標準搭載(オプションではない)
- AIによる自動応答機能を搭載
- 直感的に操作できる管理画面
- 無料トライアルあり
▼料金
- 初期費用:0円
- 月額料金:10,000円〜
- 転送機能は追加料金なしで利用可能
アイブリー

「アイブリー」は、株式会社IVRyが提供するクラウド型IVRサービスです。転送機能を利用できるプランは月額6,480円から利用できます。飲食店向けの予約機能や、LINE連携など、業種に応じた機能が充実している点も特徴です。
▼主な特徴
- AIによる自動応答機能を搭載
- 飲食店向けの電話予約受付機能あり
- フリープランあり(転送機能はなし)
▼料金
- 初期費用:0円
- 月額料金:6,480円〜(転送機能を搭載する場合)
なお、以下の記事では複数のIVRサービスの料金や機能を比較しています。詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
4. サービス選びの4つのポイント
固定電話をスマホで受けられるようにするサービスは複数あり、最適な選択肢は企業の規模や業務内容によって異なります。導入を検討する際は以下の4つのポイントを確認し、自社に適したサービスを選択しましょう。

コストを比較検討する
コストはサービス選びの重要な判断材料となります。初期費用と月額費用だけでなく、実際の利用に応じて発生する通話料金まで、総合的に検討することが重要です。
例えば、電話転送サービスは月額費用が安価ですが、転送のたびに通話料金が発生します。一方、クラウドPBXの月額費用は電話転送サービスより高めですが、内線通話や転送時の追加料金がかからないケースが多いため、通話量が多い場合はトータルコストで有利になる可能性があります。
また、クラウドPBXのような多機能が必要ない場合は、IVRを単体で導入したほうがコストメリットが大きくなる場合もあります。
必要な機能と運用規模を確認する
企業の規模や業務内容に応じて、必要な機能は大きく異なります。例えば、数名規模の事業所であれば、シンプルな転送機能だけで十分かもしれません。一方、営業部門やカスタマーサポートを行う部署が独立している場合は、通話録音機能や通話履歴の管理機能が重要になるでしょう。
また、今後の事業拡大も考慮に入れ、柔軟にライセンス数を追加できるサービスや、機能を追加できるサービスを選ぶことも検討すべきです。
通信環境とセキュリティ対策を整備する
特にクラウドPBXやIVRを導入する場合は、安定したインターネット環境の確保が不可欠です。オフィスの通信環境を事前に確認し、必要に応じて増強を検討します。
また、インターネットを介した通話では情報セキュリティも重要な課題となります。通話の暗号化や、アクセス制御機能の有無なども、サービス選びの重要なポイントです。
契約期間と解約条件を確認する
サービスの契約期間や解約時の条件を確認することも重要です。最低利用期間が設定されているサービスも多く、期間内の解約に違約金が発生することもあります。そのため、本契約前に試用できる「無料トライアル期間」を設けているサービスを利用するとよいでしょう。
5. IVRを選択するなら「DXでんわ」がおすすめ!
上述したように、固定電話をスマホで受けるサービスはいくつかあるため、自社の状況やニーズに合ったものを選ぶことが大切です。
選択肢としてIVR(自動音声応答システム)を導入する場合は、ぜひメディアリンクの「DXでんわ」をご検討ください。同サービスには以下のような特徴があるほか、テクニカルチームが丁寧にサポートするため、初めてIVRを利用する方、電話システムの知識がない方でも安心して導入いただけます。
- 初期費用0円
- 転送機能がオプションではなく標準搭載
- 管理画面が分かりやすく直感的に操作できる
- 無料トライアルで試用できる
また、「DXでんわ」は固定電話をスマホで受けられる環境を実現するだけでなく、固定電話にかかってきた電話の一次対応・取次ぎを自動化できるため、企業における電話対応業務全体の効率化に貢献します。ご興味のある方は、ぜひ以下のページより製品の詳細をご確認ください。
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