ビジネスシーンの電話転送:
複数の転送方法を網羅的に解説!

IVR

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電話対応はビジネスにおける顧客満足度や業務効率に直結する重要な要素です。本記事では、固定電話からスマートフォンまで、様々な電話転送の基本概念から活用シーン、各転送方法の特徴までを解説します。

 

内線・外線転送の違い、自動転送と手動転送の使い分け、クラウドPBXや電話代行サービスの概要など、ビジネスの規模や用途に合わせた最適な転送方法を見つける一助となる情報を提供します。

1. 電話転送とは?

電話転送とは、かかってきた電話を別の電話番号や担当者に取り次ぐアクション、またはその機能のことです。転送には、大きく分けて「内線転送」と「外線転送」の2種類があります。

内線電話と外線電話を対比させたイメージ図

内線転送

内線転送は、社内の電話システム内で電話を別の内線番号に転送する機能です。例えば、受付に入った電話を営業部門や技術部門の担当者に転送するといった使い方が一般的です。社内の通信網を使用するため、通話料はかかりません。内線転送はビジネスフォンに標準的に備わっている機能で、「保留」ボタンと「転送」ボタン、または内線番号を使って簡単に転送できます。

以下の記事では内線転送の具体的な手順を紹介していますので、詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。

内線転送ができない人必見!基本から応用まで解説

外線転送

外線転送は、社外の電話番号へ転送する機能です。固定電話から携帯電話へ、支店や店舗から本社へといったように、異なる回線や場所への転送が可能です。

外線転送の主なメリットは、離れた場所にいる担当者でも電話対応ができる点です。例えば、営業担当が外出中でも、オフィスにかかってきた電話を担当者の携帯電話に転送することで顧客対応を滞りなく行えます。

外線転送を行う方法や設定手順については、以下の記事でより詳しく解説しています。

外線転送の方法:外出先でもオフィスの電話を受けるには

なお、ビジネスフォンを利用した外線転送と内線転送の方法を網羅的に知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

オフィスでの電話転送のやり方:会社のビジネスフォンの転送を内線・外線別に解説!

2. 電話転送の種類

電話転送には、大きく分けて「手動転送」と「自動転送」の2種類があります。用途や状況に応じて使い分けることで、顧客対応の質を維持しながら業務の効率化を図ることができます。

手動転送と自動転送を対比させたイメージ図

手動転送

手動転送は、電話を受けた担当者が会話の内容を確認した後に、適切な部署や担当者へ手動で転送する方法です。「応答後転送」や「保留転送」とも呼ばれています。

この転送方法の特徴は、電話を受けた担当者が一度内容を確認できるため、適切な転送先を判断できる点です。例えば、「○○の件で△△さんをお願いします」という電話が来た場合、電話を受けた担当者は内容を確認してから△△さんに転送することができます。

自動転送

自動転送は、あらかじめ設定した条件に基づいて自動的に電話を転送する方法です。主に「無条件転送」「無応答転送」「話中転送」の3種類に分けられます。

無条件転送

無条件転送は、かかってきた電話をすべて指定した転送先に転送する方法です。電話がかかってくると、一切の条件なく自動的に転送されます。例えば、以下のような用途で活用できます。

・オフィス移転の際に旧番号にかかってきた電話を新番号に転送する
・部署の直通番号にかかってきた電話を当番制で担当者の社用携帯に転送する
・オフィスが無人となるタイミングで携帯電話に転送する

この方式のメリットは確実に転送されることですが、すべての電話が転送されるため、転送先の負荷や転送料金に注意が必要です。

無応答転送

無応答転送は、電話が一定時間(通常は10〜30秒程度)応答されなかった場合に限り、指定した転送先に転送する方法です。この方法は、通常は電話に出られる状況にあるものの一時的に席を外している場合や、複数の電話に対応中で電話に出られない場合などに有効です。例えば、以下のような使い方ができます。

・営業担当者が一時的に不在の場合に同僚に転送する
・夜間の代表電話への着信を当直者の携帯電話に転送する

無応答転送の大きなメリットは、まず本来の着信先で対応できる可能性を残しつつ、対応できない場合のバックアップとして機能する点です。

話中転送

話中転送は、電話番号が通話中の場合に指定した転送先に電話を転送する方法です。この転送方法は、重要な電話を取りこぼしたくない場合や、顧客を待たせたくない場合に特に役立ちます。例えば、以下のような活用シーンが挙げられます。

・カスタマーサポートが顧客対応中に新たな問い合わせがあった場合、別のサポート担当に自動転送する
・営業担当や経営層への直通電話が通話中の場合に、アシスタントや秘書に自動転送する

話中転送の特徴は、通話中の状態を検知して転送するため、応対可能な担当者に効率よく電話を振り分けられる点です。特に問い合わせが多い部署や、複数の担当者で対応するチーム体制で効果を発揮します。

なお、電話転送を自動化することのメリットや、ビジネスフォン以外のサービスやツールで自動転送を行う方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

自動電話転送の方法:固定電話&スマホの設定方法とおすすめサービスを紹介

3. ビジネスにおける電話転送の活用シーン

電話転送を適切に活用することで、顧客対応の質を向上させつつ業務効率を高めることができます。ここでは、具体的なビジネスシーンでの電話転送の活用例をご紹介します。

営業担当不在時の顧客対応

営業担当者が外出や会議などで不在の場合、電話転送を活用することで営業機会の損失を防ぎ、顧客満足度を維持することができます。

例えば、ある営業担当者が外出中で、その担当者の固定電話への着信があったものの一定時間応答がない場合、同じチームの別の営業担当に転送できます。また、部門全体で外出している場合は部門の直通番号に無条件転送を設定し、スマートフォンや別部署の番号に転送することも可能です。

リモートワーク環境での電話対応

オフィスの固定電話からスタッフの社用携帯電話などへ転送設定を行うことで、在宅勤務中でも通常通りの電話対応が可能になります。また、クラウドPBXを導入すればインターネット経由でオフィスの内線電話と同様の機能をPCやスマホで利用できるため、場所を問わず一貫した電話対応が実現します。

特にカスタマーサポート部門のような電話コミュニケーションが重要な役割を果たす部署やスタッフの場合は、リモートワーク中でも「会社の電話番号」という統一された窓口を維持することで、顧客に余計な混乱を与えることなくサービスを提供できます。

複数拠点間での電話連携

特に本社・支社・店舗など複数の拠点がある企業の場合、電話転送を活用することで、拠点間の電話連携が効率化します。

例えば、複数の店舗がある小売業では、各店舗の繁忙状況に応じて電話対応をフレキシブルに振り分けることができます。混雑している店舗の電話を一時的に本部や別店舗に転送したり、専門的な問い合わせを本社の担当部署に転送したりすることで、人員配置の最適化が図れます。

繁忙期におけるあふれ呼対策

季節性のある業種やキャンペーン実施時など、特定の時期に問い合わせが集中する場合の「あふれ呼」対策としても電話転送は効果的です。

例えば、中小規模の小売店やサービス業では、季節の繁忙期やキャンペーン時に電話が集中することがあります。店舗の電話回線数には限りがあるため、話中になった場合に本部や別店舗に転送する設定にしておくことで、顧客からの電話を取りこぼすことなく対応できます。また、専門部署への問い合わせが増加する時期には、部署の直通番号が話中の場合にバックアップ担当チームへ転送する、といった使い方もできます。

繁忙期のあふれ呼対策としては、通常の転送設定に加えて、IVRシステム(自動音声応答システム)と組み合わせることで、「簡単な問い合わせは自動応答、複雑な問い合わせのみオペレーターに転送」といった振り分けも可能になります。

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適切な担当者や部署への取次ぎ

企業への電話は、問い合わせ内容に応じて適切な担当者や部署に電話を取り次ぐ必要がありますが、電話転送を効果的に活用することで、顧客の問い合わせを最適な対応者につなげることができます。

例えば、代表番号に一次受付担当者を配置し、問い合わせ内容に応じて担当部署に取り次ぐ場合、内線転送を行うことで「○○についてのお問い合わせですね、担当部署におつなぎします」といった対応が可能になります。

また、IVR(自動音声応答システム)を導入することも効果的です。「技術的なお問い合わせは1を、ご注文に関するお問い合わせは2を押してください」といったガイダンスにより、顧客自身が適切な問い合わせ先を選択でき、転送の効率化が図れます。

以下の記事では、IVRがどういったツールなのか、仕組みや機能について解説しています。詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

IVR(電話自動音声応答システム)とは?メリット・デメリットと導入ポイント

4. 固定電話から転送する方法

固定電話からの転送設定はビジネスにおける電話対応の基本です。オフィスの代表番号や部門の直通番号への着信を適切に転送することで、顧客対応の質を向上させることができます。ここでは、固定電話からの主な転送方法を5つご紹介します。

固定電話機の転送機能を利用する

多くのビジネスフォンには標準で転送機能が搭載されています。この固定電話機に備わった転送機能を使うことで、追加のサービス契約なしで基本的な転送が可能です。

ビジネスフォンの場合、「転送」ボタンを押してから転送先番号をダイヤルする方法が一般的です。また、事前に短縮ダイヤルに転送先を登録しておくことで、よく使う転送先への手続きを簡略化できます。ただし、電話機単体の機能では、転送できる範囲やルールに制限がある場合があります。

以下の記事では「固定電話をスマートフォンに転送する方法」にフォーカスして解説していますので、詳しく知りたい方はそちらもご覧ください。

固定電話をスマホに転送する方法:転送サービスの問題点も解説

電話転送サービスを利用する

電話会社が提供する転送サービスを利用する方法も一般的です。代表的なものとして、NTT東西の「ボイスワープ」があります。

ボイスワープでは、固定電話にかかってきた電話を携帯電話や他の固定電話など、任意の電話番号に転送できます。無条件転送、無応答時転送、話中時転送など、状況に応じた転送条件も設定可能です。

注意したいのは、転送先を4件まで登録できるものの、実際の転送先としては1件しか指定できない点です。転送先を変更したい場合は、登録済み番号から都度指定する必要があります。

なお、ボイスワープの利用料金や詳細な転送設定手順、ボイスワープを活用した携帯電話への転送方法については、それぞれ以下の記事で解説しています。

ボイスワープとは?料金・設定方法・注意点を解説
ボイスワープで携帯に転送するには?外出先からの設定方法も解説

電話代行サービスを活用する

会社にかかってきた電話を転送する方法としては、専門のオペレーターが企業の代わりに電話応対を行う電話代行サービスの利用も挙げられます。電話の一次対応を委託できる点が大きな特徴です。

電話代行サービスを転送機能として活用したい場合は、「用件に応じて適切な部署に取り次ぐ」という対応がサービス範囲に含まれているものを選ぶとよいでしょう。サービスやプランによっては「一次対応(受付)のみ」だったり、「転送はオプション利用」となる場合もあるため注意が必要です。

電話代行サービスの仕組みや料金については、以下の記事でより詳しく解説しています。興味のある方は、あわせてご覧ください。

電話代行サービスの転送とは?仕組みと料金、その他の転送方法まで解説

クラウドPBXを利用する

クラウドPBXは、従来オフィス内に設置していた物理的な電話交換機をクラウド上に移行したサービスです。インターネット経由で利用できるため、場所を問わず同じ電話環境を構築できる点が大きな特徴です。また、転送通話料が発生しない点は企業にとっての大きなメリットと言えます。

クラウドPBXでの転送設定は、専用の管理画面から簡単に行えます。例えば、弊社のIP-PBX「MediaOffice」なら、内線番号の割り当てや転送ルールの設定、時間帯による自動転送切替など、さまざまな条件を視覚的に設定できるため、専門知識がなくても柔軟な転送環境を構築できます。

IVR(自動音声応答システム)を活用する

IVR(自動音声応答システム)は、電話相手に音声ガイダンスを案内し、それを選択してもらうことで、かかってきた電話を適切な部署や担当者に振り分けるシステムです。

例えば、「ご注文は1、お問い合わせは2、アフターサポートは3を押してください」といったガイダンスに従い、発信者自身が適切な番号を選択することで、専門の担当者や部署に直接転送されます。これにより、顧客は必要最小限の取次ぎで目的の担当者と話せるようになります。企業にとっても、適切な担当者に効率よく電話を振り分けられるのがメリットです。

IVRは上述したクラウドPBXの一部の機能として提供されている場合も多いですが、単体で導入することもできます。クラウドPBXほど豊富な機能は不要であるものの、「日々かかってくる電話の一次対応や取次ぎに追われている」といった課題を解消したい場合は、IVRを単体で導入したほうがコストメリットが大きくなるケースもあります。

5. スマートフォン・携帯電話から転送する方法

ここからは、スマートフォンや携帯電話から別の電話番号に転送する主な方法について解説していきます。

スマホの標準機能を利用する

スマートフォンからの代表的な転送方法としては、スマホに搭載された標準機能を利用する方法が挙げられます。この機能を活用すれば、追加のアプリやサービスなしで基本的な転送設定が可能です。

iPhoneの場合、「設定」アプリから「電話」→「自動転送設定」と進み、「自動電話転送」をオンにして転送先の電話番号を入力します(キャリアの契約内容によっては利用できない場合もあります)。Androidスマートフォンでは、電話アプリから「設定」→「通話」→「着信転送」を選択して転送条件を選ぶことで設定できますが、バージョンによって操作方法が異なる場合もあります。

キャリアの転送サービスを利用する

携帯電話各社(ドコモ、au、ソフトバンクなど)では、標準機能よりも高度な転送設定が可能な専用サービスを提供しています。こうしたキャリアの転送サービスを活用することで、携帯電話やスマートフォンからの柔軟な転送設定が可能になります。

代表的なサービスとしては、ドコモの「転送でんわサービス」、auの「着信転送サービス」、ソフトバンクの「着信転送サービス」などが挙げられます。いずれも月額基本料金はかからず、無料で利用可能です。

以下の記事ではiPhoneとAndroid、それぞれの標準機能を利用した転送の設定手順を解説しています。また、ドコモの「転送でんわサービス」、auの「着信転送サービス」、ソフトバンクの「着信転送サービス」の利用方法もご紹介していますので、詳細を知りたい方は、あわせてご覧ください。

スマホ・携帯電話から転送するやり方!キャリア・機種別に解説

なお、上述したクラウドPBXやIVR(自動音声応答システム)でも、スマートフォンへの着信を別の電話に転送することが可能です。

6. 電話転送に関するFAQ

ここでは、電話転送を導入・活用する際のよくある疑問や懸念をまとめました。これから転送機能を有効活用されたい方は、ぜひ参考にしてください。

Q. 転送時の通話料金は誰が負担する?

電話転送を利用する際、「発信者(お客様など)から転送元(会社)まで」の通話料金は発信者(お客様など)が負担する仕組みです。ただし、「転送元(会社)から転送先まで」の通話料金は転送元(会社)の負担となります。

例えば、お客様が大阪の営業所に電話をかけ、そこから東京本社に転送された場合、お客様は東京-大阪間の通話料のみを負担し、企業側が大阪-東京間の転送通話料を負担します。

転送通話料が発生する仕組みや具体的な通話料金については、以下の記事で解説しています。

電話転送時の通話料金は誰の負担?通信キャリアのサービス費用も解説

Q. フリーダイヤルへの着信は転送できる?

電話転送サービスやクラウドPBXを活用することで、フリーダイヤル(0120など)への着信も転送することが可能です。ただし、フリーダイヤル契約者(企業)は「発信者からフリーダイヤルまでの通話料」と「フリーダイヤルから転送先までの転送通話料」の両方を負担するため、特に携帯電話への転送を頻繁に行う場合は料金が高額になる可能性があります。

以下の記事では、フリーダイヤルの転送にクラウドPBXが適している理由や、電話転送サービスを活用する場合の注意点などを解説しています。フリーダイヤルの転送方法を検討されている方は、ぜひご覧ください。

フリーダイヤルは転送できる!携帯・スマホで受信する2つの方法

Q. 固定電話の設定を解除できない場合は?

固定電話の転送設定を解除できない場合、まずは正しい解除方法を確認しましょう。詳細な手順は利用している機能やサービスによって異なりますが、例えばNTTのボイスワープを利用しており、固定電話から解除する場合は、「142」をダイヤルし、ガイダンスに従って「0」を押すことで完了します。

以下の記事ではボイスワープを固定電話機以外から解除する方法や、ボイスワープ以外の電話転送サービスの具体的な解除方法も解説しています。加えて、転送設定の解除忘れを防ぐ方法もご紹介していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。

固定電話の転送を解除できない!解除方法をサービス別に解説

7. 日々の電話受付・転送を自動化するなら「DXでんわ」

今回はビジネスシーンにおける電話転送の方法を網羅的に解説してきました。どの転送方法を利用するか(または併用するか)を検討している場合は、以下のような事柄を考慮し、目的に合った方法を選ぶことが大切です。

・転送したいのは固定電話か、スマホや携帯か、その両方か
・単に転送を行いたいのか、取次ぎ(転送)業務を効率化したいのか
・効率化したいのは取次ぎだけか、受付(一次対応)も含むのか
・転送設定や切り替えの手間はどの程度かかるのか

特に「日常的な電話対応の負担軽減・効率化を図りたい」という場合は、メディアリンクが提供するIVR「DXでんわ」がおすすめです。このツールは電話の一次対応・転送を自動化するほか、以下の機能をオールインワンで搭載しているため、大幅な効率化が図れます。

・通話内容を自動で録音・AIがテキスト要約する機能
・音声だけでは伝わらない情報をSMSで送信できる機能
・テキストを入力するだけで自動音声を作成できる機能
・着信があると関係者にメールやチャットで自動通知する機能
・着信履歴・内容をリアルタイムで閲覧できる機能

固定電話の柔軟な転送設定を実現するだけでなく、企業における電話対応全般の効率化・コスト削減に貢献するのが「DXでんわ」です。「不要な電話対応をなくして生産性を高めたい」「本来集中すべき業務に注力できる環境を構築したい」といった場合は、ぜひDXでんわをご検討ください。

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