IVR導入でよくある失敗例とは?
成功のポイントも解説!
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IVR(自動音声応答システム)は、企業の電話対応業務の効率化や顧客満足度向上を実現する重要なツールです。コールセンターはもちろん、企業の代表電話対応においても導入が進んでいます。
しかし、導入時の検討不足や設計ミスにより、期待した効果が得られないケースも少なくありません。本記事では、よくある失敗例とその対策を詳しく解説し、IVR導入を成功に導くポイントをご紹介します。
目次

1. IVR導入でよくある失敗
まずはIVR導入でよくある失敗パターンを以下の2つのシーンに分けて解説します。
- サービス選定時
- 設計・運用シーン
それぞれの失敗例について、詳しく見ていきましょう。
サービス選定時の失敗例
IVR導入の成否は適切なサービス選定から始まります。しかし、選定段階での判断ミスが後々の運用に大きな影響を及ぼすケースも少なくありません。
自社に必要な機能を洗い出せていない
よくある失敗として、機能要件を十分に検討せずにIVRサービスを選定してしまうことが挙げられます。具体的には、問い合わせの内容や件数、時間帯による変動を考慮しないまま導入を進めた結果、「必要のない高機能なシステムを導入してコストが過大になってしまった」といったケースです。
反対に、必要最低限の機能しか備わっていない安価なプランを契約して失敗するケースもあります。よくあるのが、料金プランに含まれている件数よりも実態としては多くの入電が発生していたため、結果的に「超過料金が発生して割高になってしまった」といった状況です。
導入コストのみで判断してしまう
初期費用の安さだけでIVRサービスを選択することも、よくある失敗パターンです。コストを抑えること自体は重要ですが、安価なプランは必要な機能が制限されていたり、将来的な拡張性に制約があったりする場合があります。そうしたサービスを選んだ結果、「想定していた使い方ができなかった」「別サービスへのリプレイスがひつようになった」といったことが起こり得ます。
また、初期費用は安くても月額利用料や転送通話料、その他オプション費用などが加算された結果、当初想定していたより運用コストが高額になるケースも少なくありません。
ベンダーのサポート体制を確認していない
ベンダーのサポート体制を十分に確認せずに契約してしまう失敗も頻繁に見られます。よくあるのが、運用開始前の初期設定や開始後の設定変更など、IVRの設定に関するサポートを得られなかったという状況です。
特に初期費用がかからないサービスを利用する場合、導入企業自身で初期設定を行うことになりますが、「まったくサポートを受けられないサービス」と「自社で設定するためにサポートしてくれるサービス」があります。同じ「初期費用0円」でもサービスによってサポートの充実度が異なる点に注意が必要です。
設計・運用シーンの失敗例
適切なサービスを選定できても、システムの設計や運用段階での失敗により、IVRが効果的に機能しない場合があります。
メニュー構成が複雑で顧客が離脱する
選択肢が複雑になりすぎて、ユーザビリティが低下するケースも多く見られます。選択肢が多すぎたり、メニュー階層が深すぎたりすると、顧客が目的の選択肢にたどり着けずにストレスを感じて電話を切ってしまうのです。
特によくある失敗は、詳細に用件を特定しようとするあまり、細かい分類を設けすぎることです。質問の種類が多すぎると、顧客がどの選択肢を押していいのかわからなくなります。また、よく利用される選択肢が後回しになっている設計も、顧客の利便性を大きく損ないます。
人間につながる経路を用意していない
顧客の問い合わせ内容にもよりますが、特に緊急性が高く、なおかつIVRでは解決できない用件に対応する場合は、オペレーターや担当者へエスカレーションする転送機能が必須です。
しかし、この機能を設置していなかったり、操作手順が複雑で見つけにくい設計になっていたりするケースがよく見られます。顧客がIVRで問題を解決できない場合の「適切な逃げ道」をわかりやすく用意しないと、顧客満足度の大幅な低下につながる恐れがあります。
最新の情報を反映していない
IVRに登録されている情報が古いまま放置されていることも、よくある失敗例です。営業時間の変更、サービス内容の更新、季節的なキャンペーン情報などが反映されていないと、顧客に誤った情報を提供してしまいます。
特に問題となるのは、定期的な情報更新の責任者や手順が明確化されていないケースです。これは担当者が不在の際に情報更新が滞ったり、更新作業そのものが忘れられたりする事態を招きます。それによって誤情報が提供されてしまえば、企業の信頼性低下につながってしまいます。
2. IVRの導入を成功させるためのポイント
失敗例を踏まえて、IVR導入を成功に導くための重要なポイントを解説します。これらのポイントを事前に検討し、適切に対応することで、期待した効果を得られるIVRシステムを構築できるでしょう。
自社に必要な機能を洗い出す
IVRの導入を成功させるためには、まず現状の課題を洗い出し、導入の目的と要件を明確にすることが不可欠です。以下に示すような「電話対応に関して自社が抱えている課題」を特定し、IVRで何を改善したいか具体的な目標を設定しましょう。これによって、必要な機能や連携すべきシステムが整理しやすくなります。
▼特定すべき電話対応の課題(例)
- 電話の受付・取次ぎにかかる負担が大きい
- 不要な営業電話対応が多い
- 顧客がたらい回しになることが多い
- 営業時間外に機会損失が発生している
また、「有人による電話対応件数を◯%削減する」のような明確な数値目標を定めることで、効果測定と改善に役立てることができるでしょう。
導入・運用コストを総合的に判断する
IVRにかかるコストを検討する際は、初期費用だけでなく導入後のコストも見据えた総合的な判断が重要です。以下のような「導入後に継続的に発生するコスト」を必ず確認しましょう。
▼導入後に継続的に発生するコスト(例)
- 基本の月額利用料金
- オプション機能の利用料金
- 転送通話料金
- 運用にかかる人的・時間的コスト
また、初期費用とリスクを抑えるために、無料トライアル期間を設けているサービスを利用する手段も有効です。
ベンダーのサポート体制を確認する
IVRをスムーズに導入し、効果的に運用するためには、ベンダーのサポート体制を事前に確認することが不可欠です。具体的には、以下のポイントを確認しましょう。
▼確認すべきベンダーのサポート体制(例)
- IVRの初期設定・構築をどのように支援してくれるか
- IVR導入後の機能追加や改善の要望に応えてくれるか
- どのコミュニケーション手段(例:電話、メールなど)でサポートしてくれるか
IVRの導入に成功している企業の多くは、導入から運用まで手厚いサポートを受けています。自社の課題を理解し、それに合わせた提案・アドバイスができるベンダーを選択することが重要です。
シンプルなメニュー構成にする
顧客の離脱を防ぐためには、顧客視点に立ったシンプルでわかりやすいメニュー設計が重要です。以下のポイントを意識しましょう。
▼IVRのメニュー設計のポイント
- メニュー階層は3階層、多くても6階層までに抑える
- よく利用される選択肢を上位に配置し、顧客が最短ルートで目的にたどり着けるようにする
また、「専門用語を使わない」「短い文章で伝える」など、音声ガイダンスもシンプルでわかりやすい表現を心がけることが大切です。
顧客の用件を特定するうえで「どうしても深い階層や多くの選択肢が必要になってしまう」という場合は、AIが顧客の発話内容から用件を汲み取る機能を搭載したサービスを導入することも有効です。この機能があれば、顧客は番号を押す代わりに「料金について知りたい」「解約したい」など自然な言葉で用件を伝えることができ、複雑なメニュー構成によるストレスを与えずに済みます。
なお、本記事の下部でもご紹介しますが、メディアリンクが提供するIVR「DXでんわ」には、顧客の発話をもとにAIが転送や後続フローへの分岐を行う「AI自動案内機能」が搭載されています。従来のプッシュボタン操作とも併用できるので、組み合わせたり、使い分けたりすることが可能です。
必要に応じて人間につながるフローを設計する
IVRは電話対応を自動化するシステムですが、すべての問い合わせに適切な回答を返すのは困難です。必要に応じてオペレーターや担当者が対応できるよう、人間につながるフローを設計しましょう。例えば、以下のような設計が考えられます。
▼人間につながるフロー設計(例)
- 特定のメニューを選択した顧客を、特定の担当者に自動転送する
- 人と直接会話したい顧客のために、あらかじめ人につながる選択肢を案内する
- IVRで問い合わせ内容のヒアリングを行い、人が折り返す旨をアナウンスする
このようにフロー設計を工夫することで、顧客の「知りたい」「解決したい」というニーズに確実に応える電話窓口を実現できます。
情報が変更された場合はすぐに反映する
IVRは担当者や部署に電話を振り分けるだけでなく、「よくある問い合わせ」への回答を自動化する用途でも活用できます。ただし、回答の最新性は常に維持しなければなりません。
誤った情報を顧客に渡さないよう、回答に影響する情報が変更されたタイミングですぐIVRに反映できる仕組みを整えておくことが重要です。例えば、以下のようなルールを定めておくとよいでしょう。
▼IVRによる回答の最新性を担保するためのルール(例)
- 営業時間が変更される場合は、変更実施日と同時にIVRの音声案内を更新し、変更日以降は新しい情報を案内する
- 料金やサービス情報が変更される場合は、担当部署からIVR管理者への連絡を必須とする
- 月に1回、各部署の責任者がIVRで案内している情報に誤りがないか確認する
IVRを管理する方がすべての情報を把握・更新することは現実的ではありません。情報の最新性を無理なく保つためには、関係部署と連携することが非常に大切です。
3. IVR導入の失敗を避ける「DXでんわ」で電話対応を効率化!
今回はIVR導入の失敗例と成功のポイントを解説してきましたが、「自社でも失敗せずにIVRを導入できるだろうか」と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。そんな方におすすめしたいのが、メディアリンクが提供するIVR「DXでんわ」です。
「DXでんわ」は、本記事で解説した成功のポイントを押さえた、使いやすく高い効果を実現するIVRサービスです。AIによる音声認識機能を搭載しているため、複雑なメニュー構成によるストレスを軽減できます。また、シンプルで直感的な管理画面により、わずか3ステップでフローを作成可能。情報変更も管理画面から簡単に反映できます。
さらに「DXでんわ」では、専門チームが設計から実際の運用までを徹底サポート。「設定が難しそう」「うまく機能するか不安」といった心配は不要です。また、導入企業様の声をもとに継続的なアップデートを実施しており、IVRの効果・利便性を向上させ続けています。
全機能をご利用いただける無料トライアルも実施中ですので、「失敗しないIVR」を体験してみたい方は、ぜひ以下のページから「DXでんわ」の詳細をご確認ください。
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