【中小企業向け】IVRの導入ポイント:
メリット・注意点・おすすめサービスを解説
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中小企業では「特定の従業員に電話対応の負担が偏っている」「電話のせいで本来の業務に集中できない」といった悩みがよく見られます。そうした課題の解決策として注目されているのが、電話対応を自動化するIVR(自動音声応答システム)です。
本記事では、中小企業がIVRを導入する具体的なメリットと注意すべきポイント、そして導入実績が豊富なおすすめIVRサービスまで詳しく解説します。電話業務の効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次

1. 中小企業に見られる電話対応の課題
中小企業では限られた人員数で業務を行うため、電話対応に関してさまざまな悩みを抱えています。特によく見られるのが、次に示す4つの課題です。当てはまる方も多いのではないでしょうか?
電話対応の負担が特定の従業員に偏る
中小企業では、電話対応業務が特定の部署や従業員に集中しやすい傾向があります。具体的には、以下のような一連の電話対応業務が同じ担当者に偏ることで不公平な状況が生まれます。
- 電話の受付
- 用件のヒアリング
- 担当者確認
- 取次ぎ
- 不在の場合の伝言メモ作成と担当者への連携
特に受電件数が多かったり用件が複雑だったりすると業務が圧迫され、担当者は業務のスケジュールを立てづらくなります。また、電話対応のための出社が必要になることから、テレワークの推進を妨げる原因にもなっています。
同じような問い合わせに時間を取られる
多くの中小企業では、以下のような問い合わせに毎回人力で同じ説明を繰り返している状況が見られます。
- 営業時間や所在地などの基本情報
- サービス内容や料金に関する定型的な質問
- 手続きの流れや必要書類に関する問い合わせ
- 営業・勧誘電話(必要な電話との区別が困難)
こうした問い合わせは本来、WebサイトのFAQページなどを確認すれば顧客側で自己解決できる内容です。しかし、適切な情報提供の仕組みが整備されていなかったり、顧客側が見つける努力を惜しんだりするケースも多く、「同じような問い合わせ」の対応に業務時間が奪われてしまうのです。
本来の業務が中断される
電話対応をするためには、それまで行っていた作業を止めなければなりません。頻繁な電話対応により通常業務が細切れになってしまい、結果として業務効率が低下します。
また、見積書や請求書の作成など、集中力を要する業務の最中に電話対応をすると、大きなミスにつながる恐れもあります。
電話対応による頻繁な業務の中断は、従業員のストレス増加や生産性低下の大きな要因となります。
人手不足で機会損失が発生している
少人数で電話対応に当たっている中小企業の場合、以下のような機会損失が発生するリスクがあります。
- 新規顧客からの問い合わせや注文の取りこぼし
- 既存顧客からの追加依頼や相談の見逃し
- 営業時間外の緊急対応要請への未対応
- 重要な取引先からの急ぎの連絡への対応漏れ
電話を取りこぼした結果、顧客は代替となる取引先を探し、競合他社に流れてしまうこともあります。また、営業時間外であっても顧客は緊急性の高い用件で電話をかけてくる可能性があり、そうした連絡に対応できない場合、顧客との関係性を損ないかねません。
2. そもそもIVRとは?
IVR(自動音声応答システム)はその名の通り、電話対応を自動化するシステムです。顧客からの電話に対し、あらかじめ設定した音声ガイダンスを流すかたちで、システムが自動で対応します。
基本的な動作フローは、まず着信があると自動音声で「○○の場合は1を、△△の場合は2を押してください」といった案内が流れます。その後、顧客がプッシュボタンで該当する番号を入力することで、問い合わせ内容に応じて適切な担当部署へ自動転送される仕組みです。音声入力に対応したサービスなら、顧客が話した内容をAIが認識して振り分けることも可能です。
現在はクラウド型のIVRサービスが一般化したことで、月額1万円前後から利用できるサービスも多く登場しており、中小企業でも導入しやすくなりました。営業時間外や休日でも24時間365日の自動対応が可能で、人手不足に悩む中小企業の電話対応課題を解決する有効な手段として注目されています。
なお、IVRの基礎知識を網羅的に知りたい方は、以下の記事をご覧ください。IVRの仕組みや機能を網羅的に解説しています。
3. 中小企業がIVRを導入するメリット
IVRを導入することで、中小企業は主に3つのメリットを得ることができます。それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
電話対応業務を効率化できる
IVRは電話の受付から振り分けまでの一次対応を完全に自動化し、これまで人が行っていた業務を大幅に効率化します。具体的には、「電話を受ける→用件を聞く→担当者を確認する→取り次ぐ」という一連の作業が不要となります。
また、定型回答が可能な「よくある問い合わせ」についても音声ガイダンスだけで回答できるようになるため、電話対応にかかる人的コストの削減効果も期待できます。
従業員の負担が軽減する
IVRの導入により、従業員の電話対応に関する負担が大幅に軽減されます。特に営業や勧誘電話については、IVRの初期対応で適切にフィルタリングできるため、従業員が不要な電話に時間を取られることがなくなります。
また、電話対応による業務の中断が減ることで、集中力を維持しながら作業を進められるようになります。これまで電話対応に割かれていた時間とエネルギーを本来の業務に使えるようになるため、生産性の向上も期待できます。
24時間365日の電話受付が可能になる
IVRは人の手を介さない自動対応システムのため、営業時間外や休日でも24時間365日、継続的に電話を受け付けることが可能になります。新規顧客からの問い合わせや既存顧客からの急ぎの相談を取りこぼすリスクが減ることで、機会損失の防止につながります。
また、問い合わせを行う顧客に「いつでも電話を受け付けてもらえる」という安心感を与えられるため、顧客満足度の向上にもつながります。
なお、本記事の下部でもご紹介しますが、メディアリンクの「DXでんわ」を導入すれば、上記すべてのメリットを享受することができます。
4. 中小企業がIVRを導入する際の注意点は?
中小企業がIVRを導入する際は、特に以下の3つの点に着目しましょう。
- 自社の規模・用途に見合ったサービスか
- ベンダーのサポート体制は充実しているか
- 顧客の視点を大切にしているか
どのようなことに注意すべきなのか、具体的に見ていきましょう。
自社の規模・用途に見合ったサービスか
中小企業がIVRを導入する際は「低コストで簡単に導入できるかどうか」を確認することが重要です。IVRは基本的に電話対応にかかる人的コストを削減するツールですから、高額だったり、手間がかかったりするサービスでは本末転倒になってしまいます。
中小企業には、専用装置が不要で初期費用を抑えられるクラウド型IVRが適しています。月額1万円前後で利用できるサービスも多く、導入ハードルが低いという特徴があります。
ただし、コストだけで選ぶのではなく、自社の用途に合ったサービスを見極めることも重要です。「せっかく導入したのに想定していた使い方ができなかった」といったことが起こらないよう、事前に必要な機能を洗い出し、コストとのバランスが取れたサービスを選びましょう。
ベンダーのサポート体制は充実しているか
中小企業では専門のIT担当者がいない場合も多いため、ベンダー側のサポート力がIVR導入の成否を左右します。システムの操作について不安がある場合は、導入から運用まで一貫してサポートしてくれるベンダーを選ぶとよいでしょう。例えば、IVRの初期設定や音声ガイダンスの作成などをサポートしてくれるサービスを選ぶと安心です。
また、自社からの運用相談や機能追加の要望など、導入後のニーズに継続的にフォローしてくれる体制があるかも重要なチェックポイントです。IVRサービスの機能性や操作性を比較することも大切ですが、「どの程度サポートが充実しているか」も必ず確認しましょう。
顧客の視点を大切にしているか
IVRは顧客との最初の接点となります。そのため、音声ガイダンスがわかりづらかったり、メニュー構造が複雑だったりすると、顧客の不満につながるリスクがあります。特に顧客との密接な関係を重視している中小企業では、過度な自動化によって顧客満足度が低下しないよう注意が必要です。
音声ガイダンスの冒頭挨拶や説明が長いと、顧客がイライラして途中で電話を切ってしまう可能性があります。簡潔でわかりやすい案内にし、顧客の操作回数を最小限に抑える設計を心がけましょう。
また、「どうしても人と話したい」という顧客もいるため、電話対応のすべてをIVRに任せるのではなく、人間につながるフローも構築し、選択肢として提示することも検討しましょう。
5. 中小企業での導入実績が多いIVR「DXでんわ」とは?
メディアリンク株式会社が提供する「DXでんわ」は、中小企業の電話対応業務を効率化する自動音声応答システムとして注目されています。幅広い業界で活用されており、不動産・ホテル・クリニック・ITなどさまざまな分野での導入実績があります。
中小企業における「DXでんわ」の導入事例
「DXでんわ」は大手企業での導入実績だけでなく、人手不足に悩む中小企業での活用も進んでいます。例えば宿泊業界では「電話対応業務の負担軽減」や「機会損失の防止」などを目的に導入されており、業務効率化に大きく貢献しています。
導入後の具体的な効果については、多くの企業が50%以上の電話対応件数削減に成功しており、中には約90%の電話削減に成功した事例もあります。
また、これまで人が対応していた電話業務を自動化することで、「従業員がコア業務に集中できるようになった」「在宅勤務ができるようになった」などの定性的な効果も報告されています。
中小企業の電話対応で役立つ「DXでんわ」の機能
「DXでんわ」は中小企業の電話対応の課題を解決する豊富な機能を搭載しています。24時間365日対応可能な音声ガイダンス機能により、営業時間外の重要な電話を取りこぼすことがありません。また、柔軟な分岐設定により、さまざまな内容の問い合わせを適切に振り分けできます。
「DXでんわ」の機能の中でも、特に「通知設定」は多くの導入企業から好評いただいています。これはメールやビジネスチャットなどに着信を知らせる機能で、架電者の情報とテキスト化された用件(全文とAIによる要約文)をあわせて通知するものです。分岐ごとに連絡先を設定できるため、通知を必要とする人にだけ情報を届けることができます。
「DXでんわ」が中小企業で選ばれる理由
DXでんわが中小企業で選ばれる大きな理由は、明朗な料金体系充実したサポート体制にあります。
プランは月額1万円の「エントリー」と月額5万円の「スタンダード」の2種で、いずれも基本料金だけでほとんどの機能を利用できます。無料トライアルで実際の効果を体験してから導入を決定できる点も、選ばれる理由のひとつです。
また、導入時の初期設定や導入後の相談対応などは専門チームが行うほか、機能改善のご要望も随時受け付けているため、システムに詳しいスタッフがいない場合でも安心して導入・運用できます。
よくある質問
IVRの相場はいくらですか?
IVRの料金は導入形態により大きく異なります。中小企業におすすめのクラウド型IVRは月額数千円から数万円程度で利用でき、初期費用も抑えられます。一方、オンプレミス型は専用機器の購入が必要で、初期費用が数百万円から数千万円かかる場合があります。中小企業には導入コストが低く、すぐに利用開始できるクラウド型が適しています。オプション機能を追加することで費用が増加するケースもありますが、例えば月額1万円から利用できる「DXでんわ」のように、基本料金にほとんどすべての機能が含まれているサービスもあります。
IVRの欠点は何ですか?
IVRの主な欠点は、顧客にとって操作が煩わしく感じられる場合があることです。音声ガイダンスが長すぎたり、選択肢が多すぎたりすると、顧客がイライラして電話を切ってしまうリスクがあります。欠点を避けるには、シンプルで分かりやすい設計にし、必要に応じてオペレーターや担当者などの「人間につながる選択肢」を用意することが重要です。
IVRとボイスボットの違いは何ですか?
IVRは顧客がプッシュボタンで選択肢を選んで操作するシステムですが、ボイスボットはAIが顧客の音声を認識して自動で対応するシステムです。IVRは「○○の場合は1を押してください」という案内に従ってボタン操作を行いますが、ボイスボットは顧客が話した内容をAIが理解し、まるで人と会話するような自然なやりとりができます。ボイスボットの方がより高度で自然な対応が可能ですが、IVRの方が導入コストが安く、設定も簡単なため中小企業には導入しやすいという特徴があります。
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