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ビジュアルIVRとは?
自動音声応答システムとの違いやメリット・デメリットを解説

IVR

UPDATE :

ビジュアルIVRは、従来の自動音声応答システムに視覚的な要素を加えたシステムで、顧客はPCやスマートフォンの画面上で直感的に操作できるサービスです。

本記事では、ビジュアルIVRと従来のIVRとの具体的な違いから、導入によるメリット・デメリット、さらに導入時の注意点まで詳しく解説します。

1. ビジュアルIVRとは?

ビジュアルIVRとは、従来のIVR(自動音声応答システム)に視覚的な要素を取り入れたソリューションです。従来のIVRでは音声ガイダンスで案内していたメニューをスマートフォンやPCの画面上で視覚化することで、顧客が直感的に選択できるようにします。主にコールセンターやコンタクトセンターの業務を効率化する目的で導入されます。

顧客は画面上のメニューを問い合わせ内容に沿って操作することで、FAQ、チャットボット、オペレーターへの接続など、最適なサポートチャネルへと誘導されます。電話から流れる音声ガイダンスを聞く必要がないため、顧客は自分のペースで目的に合った問い合わせ手段を選択できます。

ビジュアルIVRへの誘導方法は、大きく以下の3つです。

  • Webサイトから発信者が直接アクセスする方法
  • 専用アプリから発信者が直接アクセスする方法
  • 電話対応の初期段階で発信者にSMSでリンクを送る方法

ビジュアルIVRの仕組みを表したイメージ図

従来の音声ガイダンスを用いたIVRについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

IVR(電話自動音声応答システム)とは?メリット・デメリットと導入ポイント

2. ビジュアルIVRとIVR(自動音声応答システム)の違い

ビジュアルIVRと従来のIVRには、顧客への案内方法や操作性において大きな違いがあります。以下の比較表で主な違いを確認しましょう。

項目

従来のIVR

ビジュアルIVR

案内方法

音声ガイダンス

画面上の視覚的メニュー

操作方法

プッシュボタン操作

またはAIとの対話

タップ/クリック操作

選択肢確認

音声を聞く

画面上でメニューを確認する

誘導先

主に電話オペレーター

FAQ、チャット、電話など多様なチャネル

最も分かりやすい違いは案内方法で、IVRは「音声による案内」、ビジュアルIVRは「画面を通した視覚的な案内」という点です。従来のIVRでは顧客が音声ガイダンスを聞きながらプッシュボタンを操作しますが、ビジュアルIVRではスマートフォンやPCの画面に表示されたメニューを直接操作します。

ユーザビリティの面でも両者には特徴的な違いがあります。従来のIVRは音声ガイダンスを最後まで聞く必要があり、聞きそびれてしまうと再び最初から聞き直さなければならないという特性があります。一方、ビジュアルIVRでは顧客が視覚的にメニューを選択できることで、自身のペースで最適なメニューを選択できます

また、顧客の選択に応じてFAQやチャットボット、ボイスボットなど、適切な窓口に顧客を誘導できるのもビジュアルIVRの特徴です。

3. ビジュアルIVRを導入するメリット

ここでは、ビジュアルIVRを導入することで得られる3つのメリットについて解説します。

顧客満足度を向上させる

コールセンターやコンタクトセンターは問題解決までのスピードが短いほどCX(顧客体験価値)が向上することで知られていますが、ビジュアルIVRを導入することで顧客がメニューを迅速に確認できるようになります。

また、電話が苦手な若者や耳が不自由な方、電車内など通話できない環境から問い合わせたい方に対してビジュアルIVRによる視覚的なメニューを提示することで、問い合わせのストレスを軽減できます。

ビジュアルIVRはこのような「顧客の待ち時間を短縮」や「自己解決の促進」につながることから、顧客満足度の向上が期待できるサービスと言えます。

オペレーターの業務負荷を軽減する

ビジュアルIVRを導入することで顧客は欲しい情報をスムーズに取得でき、自己解決率が高まります。その結果、オペレーターの対応件数が減少し、電話対応業務の負担が軽減されます。

その結果、オペレーターはより重要な業務に時間を使える(1件ずつ丁寧に対応できる)ようになるほか、顧客情報(氏名・住所・電話番号など)を聞き間違えたり、入力ミスをしたりするリスクも減らせます。

放棄呼を削減する

ビジュアルIVRは顧客の自己解決を促すサービスなので、コールセンターやコンタクトセンターに導入することで受電件数の減少が見込めます。その結果、オペレーターが対応しきれず話し中になってしまう「あふれ呼」や、電話はつながっているのに待ち状態が続く「待ち呼」が減少します。これは「放棄呼」の削減につながり、結果的に機会損失の防止に貢献します

また、ビジュアルIVRは24時間365日の対応を可能にするため、営業時間外や祝日など、時間外の問い合わせにも対応できるようになります。例えば、人間のオペレーターが電話に出られないタイミングではチャットボットや公式サイトに誘導することで、放棄呼を削減できます。

4. ビジュアルIVRを導入するデメリット

ビジュアルIVRにはデメリットも存在します。導入を検討されている方はあらかじめこれらの課題を理解しておきましょう。

導入・運用コストが発生する

従来のIVRと比較し、ビジュアルIVRの導入・運用にはより多くの費用が必要になります。サービスや導入規模によって大きく差が出るため参考値となりますが、初期費用は50,000円以上、月額費用は20,000円以上を目安としておくとよいでしょう(中には初期費用に数十万円かかるケースもあります)。

一方、従来のIVRは初期費用0円で導入できるサービスも登場しています。例えば、メディアリンクの「DXでんわ」なら初期費用が発生せず、月額1万円〜で利用できます。

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ユーザーが操作する手間が増える

ビジュアルIVRは視覚的な操作が可能になる一方で、顧客にとって新たな操作手順が発生することになるため、情報の検索が負担になる場合もあります。従来の電話だけで完結していた問い合わせが、PCやスマートフォンの画面操作を伴うプロセスに変わることで、一部の顧客にとっては手間の増加と感じられる可能性があります

また、メニュー画面のデザインやテキスト設計が分かりにくいと、顧客の不満やオペレーターの負担増につながる恐れがあります。顧客がビジュアルIVRのメニューで迷ってしまい、結果的にオペレーターへの問い合わせが増加するケースも考えられます。

一部のユーザーが使いづらく感じる

ビジュアルIVRはスマートフォンやPCの画面操作を前提としたシステムのため、デジタル機器の操作に慣れていない顧客層(例:高齢者)にとっては使いづらい場合があります。特に、スマートフォンの小さな画面でのタップ操作や、インターネットブラウザを使った画面遷移に不慣れな顧客は、システムを十分に活用できない可能性があります。

また、視覚に障害のある顧客やスマートフォンを所有していない顧客にとっては、ビジュアルIVRの利用自体が困難になります。このような顧客への配慮として、従来の音声IVRやオペレーター対応を併用する必要があり、企業側はより複雑なサポート体制を整備する必要があります。

5. ビジュアルIVR導入時に注意すべきポイント

ビジュアルIVRの導入を成功させるためには、事前の準備と適切な設計が重要です。効果的な導入のためには、以下の4つのポイントを順序立てて検討する必要があります。

対象となる問い合わせを特定する

ビジュアルIVR導入の第一歩は、現在の問い合わせ内容の中からビジュアル化に適したものを特定することです。電話以外のチャネルへ誘導したい問い合わせ、24時間自動受付で対応可能な問い合わせ、自動化によって効率化できる問い合わせなどを洗い出します。

例えば、営業時間の確認、資料請求、よくある質問への回答、基本的な手続き案内などは、ビジュアルIVRに適した問い合わせといえるでしょう。まずは問い合わせの種類、頻度、解決にかかる時間などを分析し、優先度の高いものから対象として選定することが重要です。

問い合わせとチャネルを紐づける

特定した問い合わせに対して、最適な解決チャネルを割り当てます。FAQページで解決できる問い合わせ、チャットボットでの自動対応が可能な問い合わせ、メールフォームでの受付が適している問い合わせなど、それぞれの特性に応じて振り分けを行います。

重要なのは、顧客の利便性を最優先に考えることです。緊急性の高い問い合わせは電話オペレーターへの直接接続、定型的な手続きはWebフォームへの誘導というように、問い合わせの性質とチャネルの特性をマッチングさせることで、顧客満足度の向上と業務効率化の両立が可能になります。

メニュー構成パターンを選択する

ビジュアルIVRのメニュー表示には大きく2つのパターンがあります。1つ目は「チャネル表示型」で、電話、チャット、FAQ、メールなどの連絡手段を選択肢として提示する方法です。2つ目は「問い合わせ内容表示型」で、契約申し込み、解約手続き、故障対応などの具体的な用件を選択肢として表示する方法です。

どちらを選ぶかは、顧客の特性や問い合わせの内容によって決まります。例えば、サービス内容が複雑で顧客が最適なチャネルを判断しにくい場合は問い合わせ内容表示型が、顧客のITリテラシーが高い場合はチャネル表示型が適しています。

画面設計を最適化する

ビジュアルIVRの効果を最大化するには、直感的で使いやすい画面設計が不可欠です。メニューの数は一画面に3~6個程度に抑え、テキストは簡潔で分かりやすい表現を心がけます。ボタンのサイズはスマートフォンでのタップ操作を考慮し、十分な大きさを確保することが重要です。

また、企業のブランドイメージに合わせた色使いやフォントを選択し、一貫性のあるデザインを心がけます。さらに、高齢者や視覚に配慮が必要な顧客にも対応できるよう、文字サイズやコントラストにも注意を払う必要があります。導入後も定期的にユーザビリティテストを実施し、改善を継続することが成功の鍵となります。

6. コストを抑えて電話対応を効率化するなら「DXでんわ」

ビジュアルIVRは多くのメリットがある一方で、導入には相応のコストが必要です。また、FAQやチャットボットなど、誘導先となるコンテンツが充実していない場合は導入効果が限定的なものとなります。

「電話対応の効率化は図りたいが、コストは抑えたい」「まずは基本的な自動応答から始めたい」という方には、従来のIVRシステムも有効な選択肢です。メディアリンクが提供するIVR「DXでんわ」は、高機能ながら初期費用0円、月額料金1万円から利用できるサービスです。

無料トライアルも実施しているので、実際の使用感や効果を確認したあとに導入可否を判断することが可能です。以下のページで「DXでんわ」の詳細をご紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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