電話転送アプリは本当に無料?
注意点やおすすめの転送方法を解説
UPDATE :

スマートフォンにかかってきた電話を別の番号に転送したい。そんなとき、無料の電話転送アプリを探している方も多いのではないでしょうか?
本記事では、無料で使える電話転送アプリの紹介から、利用時の注意点、さらにアプリ以外の転送方法まで解説します。自分に合った電話転送の方法を見つけましょう。
目次
1. 電話転送サービスとは?
電話転送サービスとは、特定の電話番号にかかってきた着信を、あらかじめ指定した別の電話番号に自動的に転送するサービスです。以下のような用途で活用できます。
▼電話転送サービスの用途
- スマートフォンにかかってきた電話を別のスマートフォンや固定電話に転送する
- オフィスや店舗の固定電話にかかってきた電話を外出先の担当者が持つ携帯電話に転送する
- 電話転送を行う具体的な方法としては、以下のようにいくつかの選択肢があります。
▼電話転送を行う方法
- 電話転送アプリを利用する(※)
- 通信キャリアが提供する電話転送サービスを利用する
- クラウドPBXやIVR(自動音声応答システム)の転送機能を利用する
このうち、今回のテーマである「電話転送アプリ」は、スマートフォンにアプリをインストールし、アプリ上で転送先を設定することで電話転送を行う方法です。
※多くの電話転送アプリは、キャリアの転送サービスを利用するための設定補助ツールと言えます。詳しくは2章で解説します。
電話転送を活用すれば場所を問わず顧客からの連絡に対応できるため、個人事業主や小規模事業者にとっては、限られた人員でもビジネスチャンスを逃さずに対応できる有効な手段と言えるでしょう。
2. 無料の電話転送アプリ
スマートフォンで利用できる「電話転送アプリ」を探している方も多いかと思いますが、実際には注意すべき点があります。
アプリストアで配信されている多くの電話転送アプリは、アプリ自体が転送機能を提供しているわけではなく、キャリア(ドコモ、au、ソフトバンクなど)が提供する転送サービスの設定を簡単に行うための補助ツールです。
つまり、これらのアプリを使った場合でも、実際の転送処理はキャリアのシステムで行われるため、転送通話料などはキャリアの料金体系に準じます。
また、アプリのダウンロード自体は無料でも、継続利用には課金が必要になるものや、機能に制限があるものも存在します。
ここではAndroid用とiPhone用にそれぞれ代表的なアプリをご紹介しますが、利用を検討される際は各アプリの詳細な仕様や料金体系を必ず確認するようにしてください。
Android用アプリ
Android端末で利用できる代表的な電話転送アプリをご紹介します。
Easy Call Forwarding

複雑なメニュー操作なしで転送設定ができるアプリです。ホーム画面のウィジェットから素早く転送のON/OFFを切り替えられます。デュアルSIM対応で、SIMカードごとに異なる設定が可能です。30日間無料で試用でき、その後は年間利用料が必要です。
出典:Easy Call Forwarding – Google Play
Call Forwarding

ワンタップで転送設定を有効化できるシンプルなアプリです。転送先番号を入力してボタンを押すだけで設定が完了し、転送がアクティブになると通知で知らせてくれます。
出典:Call Forwarding – Google Play
Google Voice

Googleが提供する電話サービスで、特定の連絡先からの通話を指定番号に転送できます。ただし米国・カナダ向けサービスのため、日本での利用にはVPN経由でのアクセスが必要です。アカウント凍結のリスクもあり、日本国内での実用的な利用は難しいと言えます。
出典:Google Voice – Google Play
iPhone用アプリ
iPhone端末で利用できる代表的な電話転送アプリをご紹介します。
転送サービス(Mohan Noone)

GSM対応iPhone向けの転送設定補助アプリです。すべて転送、話し中、不在、圏外といった条件ごとに転送設定ができます。アプリが生成したコードを電話アプリにコピーして発信することで転送を実行します。ダウンロードは無料ですが、広告除去には課金が必要です。
出典:転送サービス – App Store
AGEphone

IP電話の発信・応答ができるソフトフォンアプリで、転送機能も搭載されています。ひかり電話などと連携すれば、普段使っているIP電話番号や内線番号をそのまま利用できます。基本機能は無料ですが、一部機能にはアプリ内課金が必要です。
出典:AGEphone – App Store
iPhone標準の自動電話転送機能
iPhoneには標準で電話転送機能が搭載されています。「設定」→「電話」→「自動電話転送」から転送先番号を設定するだけでキャリアの転送サービスを利用できます。アプリのダウンロードが不要なため、まずはこの方法を試してみるのも良いでしょう。
※本記事で紹介したアプリは、お使いのデバイスや契約キャリアでの動作を保証するものではありません。利用する場合は、ご自身で安全性・機能性・料金体系をご確認のうえ、自己責任でご利用ください。
なお、以下の記事でもスマートフォンから別の電話番号に転送する方法をご紹介しています。機種別の設定手順も解説していますので、詳しく知りたい方はあわせてご覧ください。
3. 無料の電話転送アプリを利用するときの注意点
無料の電話転送アプリは手軽に導入できる一方で、注意すべき点があります。具体的には、以下の4点です。
- 転送通話料は利用者負担になる
- 転送先は基本的に1番号のみ
- スケジュール設定ができない場合が多い
- 無料期間終了後に料金が発生することがある
前述の通り、多くのアプリはキャリアの転送サービスを利用するため、注意点もキャリアのサービスに準じます。実際に利用を始めてから「想定と違った」とならないよう、事前に確認しておきましょう。
転送通話料は利用者負担になる
電話転送を利用する場合、発信者から転送元(あなたのスマホ)までの通話料は発信者負担となりますが、転送元から転送先までの通話料は転送元の契約者、つまりあなたが負担することになります。
転送が頻繁に発生する場合や通話時間が長くなる場合は、通話料が予想以上に高額になる可能性があります。
転送先は基本的に1番号のみ
一般的に、キャリアの転送サービスを利用する電話転送アプリで転送先として指定できる電話番号は基本的に1件に限られます。複数の転送先を登録できる場合でも、同時に転送できるのは1番号のみで、登録した転送先を切り替えて使用する形になります。
そのため、転送先の担当者が不在の場合、別の担当者へ転送することができません。
スケジュール設定ができない場合が多い
一般的な電話転送アプリやキャリアの基本的な転送サービスでは、時間帯による転送のON/OFFを自動で切り替えるスケジュール設定ができません。営業時間内は転送しない、営業時間外のみ転送するといった運用を行いたい場合、毎回手動で転送設定を切り替える必要があります。
一部のキャリアではスケジュール機能をオプションとして提供していますが、別途料金がかかる場合があります。
無料期間終了後に料金が発生することがある
アプリのダウンロード自体は無料でも、一定期間経過後に利用料が発生するものや、転送機能を利用する際にオプション料金がかかるものがあります。「30日間無料」などと表示されており、その期間が終了すると自動的に課金が始まる仕組みのアプリも存在します。
利用前に料金体系をしっかり確認し、無料で使い続けられるのか、どのタイミングで課金が始まるのかを把握しておくことが重要です。
4. アプリ以外に電話転送を行う方法
電話転送アプリ以外にも、スマートフォンにかかってきた電話を転送する方法はいくつか存在します。それぞれ仕組みや特徴が異なるため、自分の利用目的や予算に合った方法を選ぶことが重要です。ここでは代表的方法として、以下の3つをご紹介します。
- キャリアの電話転送サービスを使う
- クラウドPBXを使う
- IVR(自動音声応答システム)を使う
キャリアの電話転送サービスを使う
各通信キャリアが提供する電話転送サービスを直接利用する方法です。前述の通り多くの電話転送アプリはこれらキャリアの転送サービスを利用するための設定補助ツールなので、厳密には「アプリ以外の方法」ではありませんが、代表的なサービスとしては以下が挙げられます。
▼代表的な電話転送サービス
- ドコモ「転送でんわサービス」
- au「着信転送サービス」
- ソフトバンク「転送電話サービス」
設定方法としては、電話機から専用のダイヤル番号に発信してガイダンスに従って操作することで、転送を行います。先述した電話転送アプリは、この設定を補助するものです。
月額基本料金は無料のサービスが多いですが、転送元から転送先までの転送通話料は別途発生します。
また、転送先として指定できる番号は基本的に1件で、時間帯による自動切り替えなどのスケジュール機能も基本サービスには含まれていません。
クラウドPBXを使う
クラウドPBXとは、従来オフィスに設置していたPBX(電話交換機)の機能をクラウド上に構築し、インターネットを介して電話機能を利用するサービスです。
固定電話機だけでなく、スマートフォンやPC、タブレットを会社の電話システムに組み込めるため、会社の代表電話番号での発着信や内線通話、電話転送が可能になります。
クラウドPBXを導入することで複数端末への一斉転送が可能になるほか、拠点間の内線通話が無料になるなど、キャリアの転送サービスでは実現できない柔軟な運用が可能です。
また、クラウド上に電話システムを構築するため、電話回線の工事や機器設置の費用が発生しません。そのため従来のPBXと比較して初期費用を抑えることが可能ですが、月額利用料が発生するため、継続的なコストを考慮する必要があります。
IVR(自動音声応答システム)を使う
IVRとは、電話がかかってきた際に自動音声で応答し、発信者のプッシュボタン操作または音声入力に応じて適切な転送先に振り分けるシステムです。
例えば「営業に関するお問い合わせは1を、サポートに関するお問い合わせは2を押してください」といった音声ガイダンスを流し、発信者の選択に応じて担当者や部署に転送できます。
最近では初期費用が0円、月額数千円程度で利用できるサービスも多く登場しており、小規模事業者での導入も進んでいます。
キャリアが提供する転送サービスと同じく転送通話料は発生しますが、以下のようなことが可能なため、無駄なコストを発生させずに済みます。
▼IVRにできること
- 指定した時間帯に応じて転送有無が自動的に切り替わるから、設定の手間がなく、切り替え忘れに伴う転送通話料の発生や機会損失を回避できる
- 営業電話や迷惑電話を自動でシャットアウトできるから、不要な電話対応に伴う無駄な業務や、転送通話料の発生を抑えられる
- 自動応答時に顧客の用件を自動でヒアリングし、要約して関係者にメールやチャットで知らせてくれるから、電話の一次対応が自動化され、折り返し対応や情報共有がスムーズになる
IVRは柔軟な転送設定が可能なだけでなく、コストを最小化しつつ、企業の電話対応全体を効率化できる点が特徴です。
IVRの仕組みや機能について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。
5. 効率的に電話転送するならIVRがおすすめ
ここまでさまざまな電話転送の方法をご紹介してきましたが、個人事業主や小規模事業者が効率的に電話対応を行うなら、IVR(自動音声応答システム)の導入がおすすめです。前述の通り、IVRは電話転送アプリやキャリアの転送サービスでは実現できない、以下のような柔軟な運用が可能です。
- 用件に応じた転送先の自動振り分け
- 時間帯や曜日に応じた転送有無の自動切り替え
- 複数転送先の設定(転送先が電話に出られない場合の順次転送)
- 電話の一次対応の自動化
- 営業電話の自動シャットアウト
なお、メディアリンクが提供する「DXでんわ」なら初期費用0円で導入することが可能です。柔軟な転送を実現できる機能はもちろん、電話業務全体の効率化に役立つ機能も豊富に備えていますので、電話対応をもっと効率的に、もっと便利にしたいとお考えの方は、ぜひ以下より製品の詳細をご確認ください。
よくある質問
電話転送は無料でできますか?
電話転送アプリのダウンロードやキャリアの転送サービスの月額基本料金は無料の場合が多いですが、転送元から転送先までの転送通話料は利用者負担となります。また、アプリによっては一定期間経過後に課金が発生するものもあるため、料金体系を事前に確認することが重要です。
スマホからスマホへ電話転送するには?
スマホからスマホへ転送する方法はいくつかあります。まず、ドコモ、au、ソフトバンクなど各キャリアが提供する転送サービスを利用することで実現できます。このほか、クラウドPBXやIVR(自動音声応答システム)の転送機能を活用する方法もあります。
電話アプリで転送設定はできますか?
はい、できます。ただし、多くの電話転送アプリはキャリアの転送サービスを利用するための設定補助ツールです。そのため、アプリを使わず電話機から専用ダイヤルに発信するなどして設定することも可能です。
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