問い合わせ削減方法10選!
件数と工数に分けて解説
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コンタクトセンターやカスタマーサポート部門では、問い合わせの増加による業務負荷が課題となっています。人件費の増加や対応品質の低下を防ぐには、効果的な削減策が必要です。
本記事では、問い合わせの「件数」と「工数」という2つの観点から、計10個の具体的な削減方法をご紹介します。
目次
1. 問い合わせ件数・工数の増加がもたらす悪影響
問い合わせ件数や対応工数が増加すると、企業にはさまざまな悪影響が生じます。ここでは、問い合わせ増加によって引き起こされる主な4つの影響を確認していきましょう。

- 影響1:人件費の増加
- 影響2:業務効率の低下
- 影響3:顧客満足度の低下
- 影響4:従業員のストレス増加
影響1:人件費の増加
問い合わせ件数が増えると、対応するために必要な人員も増やさざるを得ません。オペレーターやサポート担当者を追加で採用すれば、その分の人件費が発生します。
また、既存の担当者が残業や休日出勤で対応する場合も、時間外手当などのコストが膨らみます。特に、繁忙期や新製品リリース後など一時的に問い合わせが集中する時期には、人件費が大きく跳ね上がるケースも少なくありません。
限られた予算の中で人件費が増え続けると、他の事業活動への投資が制限される可能性もあります。
影響2:業務効率の低下
問い合わせ対応に追われると、本来注力すべき業務に時間を割けなくなります。カスタマーサポート部門であれば、顧客対応の質を高めるための施策検討や業務改善に取り組む余裕がなくなり、目の前の対応をこなすだけで精一杯になってしまいます。
また、問い合わせが多いと対応の優先順位をつけるのも難しくなり、緊急性の高い案件への対応が遅れるリスクも生まれます。
結果として、組織全体の生産性が低下し、企業の成長スピードにも悪影響を及ぼします。
影響3:顧客満足度の低下
問い合わせが増えて対応が追いつかなくなると、顧客を待たせる時間が長くなります。電話がつながらない、メールの返信が遅い、といった状況が続けば、顧客は不満を抱きます。特に、急ぎの問題を解決したいと考えている顧客にとって、長時間待たされることは大きなストレスです。
また、対応に追われる中で説明が不十分になったり、ミスが発生したりすれば、顧客の信頼を失う結果につながりかねません。
顧客満足度の低下は、リピート率の減少や悪い口コミの拡散など、長期的なビジネスへの影響をもたらします。
影響4:従業員のストレス増加
問い合わせ対応の業務量が増えると、当然ながら担当者の負担は重くなります。次々と寄せられる問い合わせに追われ、休憩時間も十分に取れないような状況が続けば、心身ともに疲弊していきます。
また、顧客からのクレームや厳しい言葉を受ける機会が増えれば精神的なストレスも高まります。こうした状況が長期化すると、担当者のモチベーション低下や離職につながる恐れがあります。
人材の流出は、さらなる人手不足を招き、残った担当者への負担が一層増すという悪循環に陥ります。
2. 問い合わせ削減の2つの観点:「件数」と「工数」
問い合わせ対応の負担を軽減する方法は、大きく2つに分けられます。それは、「件数を減らす方法」と「工数を減らす方法」です。

- 件数の削減:顧客が自己解決できる仕組みを整えることで、そもそも人が対応すべき問い合わせの数を減らす方法です。FAQやチャットボットなどを活用し、顧客が自分で疑問を解決できる環境をつくることが中心になります。
- 工数の削減:問い合わせ件数自体は変わらなくても、1件あたりの対応にかかる時間や手間を減らす方法です。対応マニュアルの整備や代行サービスの活用、IVRによる自動振り分けなどが該当します。
この2つの観点を組み合わせることで、問い合わせ対応業務の負担を効果的に軽減できます。
以降では、まず件数削減の方法を7つ、次に工数削減の方法を3つ紹介していきます。
3. 自己解決を促して問い合わせの「件数」を削減する方法
問い合わせ件数を削減するには、顧客が自分で疑問を解決できる環境を整えることが重要です。
ここでは、人が対応すべき問い合わせ件数そのものを減らす方法として、以下の7点を紹介します。
- 方法1:説明書・マニュアルを充実させる
- 方法2:Webサイトの掲載情報やUXを改善する
- 方法3:ハンズオンセミナーを実施する
- 方法4:FAQを作成・公開する
- 方法5:チャットボットを導入する
- 方法6:メールボットを導入する
- 方法7:ボイスボットを導入する
方法1:説明書・マニュアルを充実させる
製品・サービスを利用中の既存顧客からの問い合わせ件数を削減するには、操作方法や仕様を詳しく記載した説明書・マニュアルを用意することが重要です。
問い合わせの多い項目を重点的に解説し、図解や動画を活用すると理解しやすくなります。特に、初めて使う機能やトラブル発生時の対処法を丁寧に説明しておくとよいでしょう。
また、マニュアルの内容を定期的に見直し、新機能や仕様変更に合わせて更新することも大切です。
方法2:Webサイトの掲載情報やUI/UXを改善する
見込み顧客と既存顧客、双方からの問い合わせ件数を削減する方法として、それぞれの顧客にとって必要な情報をWebサイト上で過不足なく提供することもひとつの方法です。
製品・サービスの内容や料金プラン、利用条件などを明確でわかりやすく提示することで、購入前後の問い合わせを減らせます。
また、サイト内の導線を整理して、顧客が目的の情報にスムーズにたどり着けるよう、UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザーエクスペリエンス)を工夫しましょう。よくある質問をもとに不足している情報を補い、表現をわかりやすく改善していくことが大切です。
方法3:ハンズオンセミナーを実施する
導入初期の顧客向けに、実際に操作しながら学べるハンズオンセミナーを開催する方法もあります。新機能をリリースした際には、既存顧客向けに使い方をレクチャーするセミナーを実施するのも効果的です。
画面を見ながら説明を受けることで、顧客はマニュアルだけでは伝わりにくい操作のコツやポイントを理解できます。
さらに、セミナー後に録画を共有すれば参加できなかった顧客も後から視聴して学べるため、問い合わせの予防にもつながります。
方法4:FAQを作成・公開する
よくある質問と回答をまとめたFAQページをWeb上に公開し、顧客が自分で疑問を解決できるようにする方法です。カテゴリ分けや検索機能を設けると、必要な情報を見つけやすくなります。
問い合わせ内容を定期的に分析し、新たに寄せられた質問をFAQに追加していくことで、より実用的なページに成長します。
また、FAQは従業員向けに作成することも可能です。これは問い合わせ対応業務の「工数」を削減する方法ですが、対応品質の均一化に役立ち、新人でもスムーズに回答できるようになります。
方法5:チャットボットを導入する
Webサイト上にチャットボットを設置することで、24時間365日いつでも顧客の質問に自動回答できるようにする方法です。
簡単な質問にはAIが即座に対応するため、電話やメールでの問い合わせを抑制する効果があります。
また先述したFAQのように、従業員向けのチャットボットを作成することで、問い合わせ対応業務を効率化することもできます。
方法6:メールボットを導入する
問い合わせフォームから届いたメールに対し、AIが自動で返信するメールボットを導入する方法です。よくある質問には定型文で即座に対応できるため、顧客を待たせる時間を減らせます。
また、メールの下書き作成をアシストする機能を活用すれば、担当者が手作業で返信文を作成する時間を短縮できます。
こうした使い方をすることで迅速な初期対応が可能になり、顧客の満足度向上にもつながります。
方法7:ボイスボットを導入する
AIが電話での問い合わせに自動で回答するボイスボットを導入する方法です。これによって24時間365日の電話対応が実現し、営業時間外や休日でも顧客の疑問に答えられるため、機会損失を防げます。
AIでは対応できない複雑な内容については、担当者にエスカレーション(転送)する仕組みを設けることで、適切なサポートを提供できます。
初期対応を自動化することで、担当者はより高度な問い合わせに集中できるようになります。
4. 問い合わせ対応業務の効率化で「工数」を削減する方法
問い合わせ件数を減らすのではなく、1件あたりの対応にかかる時間や手間を削減することで、担当者の負担を軽減できます。
ここでは、問い合わせ対応業務を効率化して工数を削減する方法として、以下の3点を紹介します。
- 方法1:従業員向け対応マニュアルを整備する
- 方法2:代行サービスに外注する
- 方法3:IVR(自動音声応答システム)を導入する
方法1:従業員向け対応マニュアルを整備する
問い合わせ対応の手順や回答例をまとめたマニュアルを整備する方法です。対応方法を標準化することで、新人でも一定品質の対応ができるようになります。
マニュアルには、よくある問い合わせ内容とその回答、エスカレーションが必要な判断基準、対応時の注意点などを記載しましょう。
定期的に内容を見直し、新しい問い合わせパターンや製品・サービスの変更点を反映することで、実用性の高いマニュアルを維持できます。
方法2:代行サービスに外注する
「コンタクトセンター代行」や「カスタマーサポート代行」といった外部サービスを活用する方法です。電話やメールの一次対応を委託することで、社内担当者の業務負担を軽減できます。
ただし、高度な問い合わせ対応は難しいため、基本的な内容や初期対応を任せる形になります。また、営業時間内の対応が基本で、時間外対応はオプション料金が発生するサービスも多いため、契約内容をよく確認しましょう。
方法3:IVR(自動音声応答システム)を導入する
電話の一次対応や簡単な回答を自動化するIVR(自動音声応答システム)を導入する方法です。
顧客が音声ガイダンスに従って番号を選択する(または音声入力する)ことで、適切な担当者や部署に自動で電話が振り分けられます。これにより、用件の聞き取りや取次ぎにかかる工数を削減できます。
また、ボイスボットと同じく24時間365日の対応が可能になります。人に接続できない場合もシステムが用件を自動で伺い、預かった用件を録音・文字起こししてくれるので、営業時間外や休日にかかってきた重要な電話の取りこぼしを防ぎつつ、翌営業日の迅速な折り返し対応が可能になります。
5. 問い合わせを削減するための3ステップ
問い合わせ削減を効果的に進めるには、計画的なアプローチが必要です。やみくもに施策を実施するのではなく、現状を把握して適切な方法を選ぶことが重要です。
ここでは、問い合わせ削減に取り組む際の基本的な流れを3つのステップで紹介します。

- ステップ1:課題・目的・効果を整理する
- ステップ2:課題の要因を特定する
- ステップ3:削減方法を選択・実行する
ステップ1:課題・目的・効果を整理する
まず、現在抱えている問い合わせに関する課題を洗い出します。以下のような課題を明確にしましょう。
▼課題の例
- 件数が多すぎる
- 1件あたりの対応時間が長い
- 特定の時間帯に集中する
次に、削減によって達成したい目的を設定します。何を目指すのかをはっきりさせることで、適切な施策を選びやすくなります。
▼目的の例
- コスト削減
- 顧客満足度向上
- 担当者の負担軽減
さらに、期待される効果を具体的に数値化しておくと、後の効果測定がスムーズになります。
ステップ2:課題の要因を特定する
問い合わせ内容を分類して、どのような傾向があるかを分析します。「操作方法がわからない」「料金プランについて知りたい」など、問い合わせの種類ごとに件数を集計しましょう。
また、どのような場面で問い合わせが発生しているかを把握することも重要です。製品購入直後、新機能リリース後、特定のページを見た後など、タイミングを確認します。
さらに、問い合わせ対応プロセスにおける非効率な部分も洗い出しましょう。例えば、「電話の取次ぎに時間がかかる」「担当者への振り分けが適切にできていない」「同じ質問に何度も回答している」など、業務上のボトルネックを特定します。
こうした分析を通じて、以下のような要因を特定しましょう。
▼要因の例
- 顧客へ提供する情報の不足
- UI/UXの問題
- 電話対応の非効率な体制
- 定型的な問い合わせへの個別対応
ステップ3:削減方法を選択・実行する
特定した要因に対して、適切な削減方法を選びます。例えば、以下のようなイメージです。
▼課題の要因と対策の組み合わせ
- 顧客へ提供する情報の不足:FAQやマニュアルを充実させる
- UI/UXの問題:Webサイトを改善する
- 電話対応の非効率な体制:IVR(自動音声応答システム)を導入する
- 定型的な問い合わせへの個別対応:チャットボットやメールボットを導入する
実際は複数の原因と対策が絡み合っている場合も多いですが、すべてを一度に実施するのは難しいため、優先順位をつけて段階的に取り組みましょう。
施策を実施した後は、問い合わせ件数の推移や対応時間の変化を測定し、効果を確認します。効果が不十分であれば改善を繰り返し、PDCAサイクルを回していくことが大切です。
6. 問い合わせ削減におすすめのシステム
問い合わせ削減を効率的に進めるには、目的に応じたシステムの導入が効果的です。ここでは、件数削減と工数削減それぞれにおすすめのシステムをご紹介します。
問い合わせの「件数削減」ならAIto
「AIto(アイト)」は、カスタマーサポート業務を自動化するAIエージェントです。チャットボット、ボイスボット、メールボット、FAQ検索システムの4つの機能を統合し、共通のナレッジデータベースを活用することで、あらゆるサポートチャネルで顧客対応を自動化します。
具体的には以下のような対応が可能で、マルチチャネルで顧客の自己解決を促せます。
▼AItoの4機能とできること
登録したナレッジは全チャネルで活用できるため、管理の手間を抑えながら効率的に問い合わせ件数を削減できます。
電話問い合わせの「工数削減」ならDXでんわ
DXでんわは、電話対応を自動化・効率化するIVR(自動音声応答システム)です。ボタン操作やAIによる用件の聞き取りで自動振り分けを行うため、用件の聞き取りや取次ぎにかかる工数を削減できます。
▼DXでんわの特長
- 用件は自動で録音・AI要約されるから、音声を聞かなくても要点を把握できる。
- 着信があるとメールやチャットへ自動通知されるから、迅速なフォローが可能になる。
- 24時間365日の自動応答が実現するから、営業時間外の工数が削減され、取りこぼしも防げる。
- SMS送信機能でURLなどのテキスト情報を送付できるから、音声だけで伝わらない問い合わせへの回答も自動化できる。
DXでんわは初期費用0円で、たった3ステップで導入可能なIVRサービスです。
実際に問い合わせ対応を削減する目的で多くの企業に導入いただいており、中には「人が対応すべき電話対応件数を90%削減した事例」もあります。
ご興味のある方は、ぜひ以下よりDXでんわの詳細をご確認ください。
よくある質問
問い合わせ業務を効率化するにはどうしたらいいですか?
問い合わせ業務を効率化するには、「件数を減らす方法」と「工数を減らす方法」の2つがあります。件数削減ではFAQやチャットボットで顧客の自己解決を促し、工数削減では従業員向けマニュアルやIVRで対応時間を短縮することが可能です。現状を分析し、適切な方法を段階的に実施しましょう。
問い合わせ対応の課題は?
問い合わせ対応の主な課題は、人件費の増加、業務効率の低下、顧客満足度の低下、従業員のストレス増加の4つです。件数が増えると人員やコストが膨らみ、対応に追われて本来業務に時間を割けなくなります。顧客を待たせる時間も長くなり、担当者の負担増加は離職にもつながります。
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