問い合わせ電話・メール対応のコツ!
マナーや効率化の方法とは

電話やメールによる問い合わせ対応は、顧客満足度を左右する重要な業務です。しかし、対応マナーを守りながら効率化を図るのは簡単ではありません。
本記事では、問い合わせ対応の基本マナーから、電話・メール対応のポイント、さらに効率化の具体的な方法まで解説します。
目次
1. よくある問い合わせの手段
企業が顧客から問い合わせを受け付ける方法は多様化しており、電話対応だけでなく、メールやチャットなど複数のチャネルを通じた対応を行うケースが増えています。
たとえコールセンターという名称の部署であっても、電話以外の窓口を用意している企業も少なくありません。いわゆるオムニチャネル対応を行う「コンタクトセンター」としての役割を担う場合が増えているのです。
そうした中、オペレーターや担当者には複数の問い合わせ手段の特性を理解したうえで適切に対応するスキルが求められます。ここでは、以下4つの代表的な問い合わせ手段の特徴を確認しておきましょう。
- 電話
- メール
- チャット
- SNS
電話
電話は問い合わせ手段として最も一般的な方法です。顧客が直接オペレーターや担当者と会話できるため、複雑な内容や緊急性の高い用件に適しています。
リアルタイムでのやり取りが可能なため、その場で疑問を解消しやすい反面、対応には一定の時間とリソースが必要です。
営業時間外や混雑時には対応できない場合もあり、顧客を待たせてしまうケースも少なくありません。対応品質が顧客満足度に直結しやすいチャネルと言えるでしょう。
メール
メールも電話と並んでよく利用される問い合わせ手段です。顧客は時間を気にせず問い合わせ内容を送信でき、企業側も記録として残しやすいため、複雑な内容や資料を添付したいケースに向いています。
ただし、リアルタイムでのやり取りができないため、返信までに時間がかかる点には注意が必要です。顧客は返信を待つ間に不安を感じることもあるため、迅速な対応が求められます。
チャット
Webサイトやアプリに設置されたチャット機能を通じた問い合わせも増えています。電話よりも気軽に利用でき、メールよりも素早いやり取りが可能です。
近年では、AIチャットボットによる自動応答を導入する企業も多く、簡単な質問であればオペレーターを介さずに解決できる場合もあります。
ただし、複雑な問い合わせには向かないこともあり、有人対応への切り替えが必要になるケースもあります。
SNS
SNSを通じた問い合わせに対応する企業も出てきていますが、他の手段と比べるとまだ「よくある」とまでは言えない状況です。
X(旧Twitter)やFacebook、Instagramを活用している企業は少なくありませんが、主な目的は認知度向上で、公式な問い合わせ窓口として整備されているケースは限定的です。
SNSは顧客との距離が近い反面、対応の公開性やスピード感が求められるため、運用には慎重な体制づくりが必要になります。
2. 問い合わせ対応の基本的なマナー
問い合わせ対応では、チャネルを問わずに押さえておくべき基本的なマナーがあります。ここでは、顧客満足度を左右する重要な要素として、以下の4点を解説します。

- 素早く対応する
- 丁寧に対応する
- わかりやすく説明する
- 問い合わせ内容を記録する
素早く対応する
顧客は問い合わせをした時点で、何らかの疑問や課題を抱えています。そのため、対応スピードは顧客満足度に直結します。
すぐに解決策を提示できない場合でも、まずは受付完了の連絡を入れるなど、一次返信を行うことが重要です。これによって、顧客は「対応してもらえている」という安心感を得られます。
丁寧に対応する
丁寧な対応は、企業の印象を大きく左右します。適切な敬語を使い、相手を尊重する姿勢を示すことが基本です。
ただし、丁寧さを意識するあまり堅苦しくなりすぎると、かえって距離を感じさせてしまうこともあります。クッション言葉(「恐れ入りますが」「お手数ですが」など)を適切に使いながら、親しみやすさと礼儀正しさのバランスを取ることが大切です。
わかりやすく説明する
顧客は必ずしも専門知識を持っているわけではありません。そのため、専門用語を避け、誰にでも理解できる平易な言葉で説明することが重要です。
長々と説明するのではなく、要点を整理して簡潔に伝えることを心がけましょう。特に複雑な内容を説明する際は、順序立てて話す、具体例を挙げるといった工夫が効果的です。また、顧客が理解できているか確認しながら進めることも忘れないようにしましょう。
問い合わせ内容を記録する
すべての問い合わせ内容を正確に記録することは、対応品質の向上と業務効率化の両面で重要です。
記録があることで、同じ顧客から再度問い合わせがあった際にスムーズな対応が可能になります。問い合わせ内容の記録は「マナー」には見えないかもしれませんが、上述した「素早く対応する」にも通ずる大切なポイントです。
また、チーム内で情報を共有することで、担当者が不在でも他のメンバーが対応できる体制を作れます。CRMなどのシステムを活用し、組織全体で情報を管理する仕組みを整えましょう。
3. 電話による問い合わせ対応のポイント
電話は顧客と直接会話するチャネルであり、対応の質が企業イメージに直結します。ここでは、電話対応において特に意識すべき4つのポイントを解説します。

- 3コール以内に出る
- 明るいトーンで話す
- 傾聴・復唱する
- メモを取る
3コール以内に出る
電話は3コール以内に出ることが基本とされています。これは、顧客を長く待たせないための目安です。
3コールを超えると、顧客は「つながらないのでは」と不安を感じ始めます。万が一3コールを超えてしまった場合は、「お待たせいたしました」と一言添えることで、顧客への配慮を示すことができます。
また、すでに取引のある顧客からの電話に出られなかった場合は、メールでお詫びの連絡を入れるのも、良好な関係を維持するポイントです。
明るいトーンで話す
電話では表情が見えないため、声のトーンが印象を大きく左右します。明るく落ち着いたトーンで話すことで、顧客に安心感を与えられます。
ただし、クレーム対応など、状況によっては明るすぎるトーンが不適切な場合もあります。顧客の感情や状況を読み取りながら、適切なトーンを選ぶことが大切です。
傾聴・復唱する
顧客の話をしっかりと聞く姿勢は、信頼関係を築くうえで欠かせません。相づちを打ちながら傾聴し、話を聞いてもらえているという安心感を与えましょう。
また、問い合わせ内容を正確に理解するために、重要なポイントは復唱して確認することが大切です。「〇〇についてのお問い合わせでよろしいでしょうか」といった形で確認することで、認識のズレを防げます。
メモを取る
電話対応中は、必ず問い合わせ内容をメモに取りましょう。記憶だけに頼ると、重要な情報を忘れてしまったり、正確性を欠いたりする可能性があります。
日時、顧客名、問い合わせ内容、対応した内容など、必要な情報を漏れなく記録することが大切です。メモを取ることで、後で対応履歴を確認する際もスムーズになり、チーム内での情報共有にも役立ちます。
4. メールによる問い合わせ対応のポイント
メールは電話と並んで多く利用される問い合わせ手段です。文章として記録が残るため、慎重かつ丁寧な対応が求められます。ここでは、メール対応において押さえておくべき4つのポイントを解説します。

- 24時間以内に返信する
- 結論から伝える
- 簡潔に伝える
- 個人のメールアドレスを使わない
24時間以内に返信する
メールは24時間以内に返信することが基本です。顧客は返信を待っている間に不安を感じやすいため、迅速な対応が信頼につながります。
すぐに解決策を提示できない場合でも、「お問い合わせを受け付けました。詳細を確認のうえ、改めてご連絡いたします」といった一次返信を送ることで、顧客に安心感を与えられます。
結論から伝える
メールでは、結論を先に伝えることが重要です。顧客は問い合わせへの回答をいち早く知りたいと考えているため、結論を後回しにすると、読み進めるストレスを与えてしまいます。
「〇〇についてご回答いたします」「〇〇は可能です」など、まず結論を明示したうえで、必要に応じて理由や詳細を補足する構成を心がけましょう。
簡潔に伝える
メールは簡潔にまとめることが大切です。長文のメールは読むのに時間がかかり、要点がわかりにくくなります。以下のような工夫で、読みやすいメールを作成しましょう。
- 一文を短くする
- 箇条書きを活用する
- 段落を分ける
ただし、簡潔さを意識するあまり、必要な情報を省略しないよう注意が必要です。
個人のメールアドレスを使わない
問い合わせ対応には、個人のメールアドレスではなく、部署やチームで共有できるメールアドレスを使用しましょう。
個人アドレスを使うと、担当者が不在の際に対応できず、顧客を待たせてしまう可能性があります。共有アドレスを使うことで、チーム全体で対応状況を把握でき、対応漏れや重複対応を防げます。情報共有を円滑にし、対応品質を安定させるためにも重要なポイントです。
5. 【チャネル別】問い合わせ対応の質を高め、効率化するには?
問い合わせ対応の質を維持しながら効率化を図るには、仕組みづくりが欠かせません。ここでは、電話とメールそれぞれのチャネルにおける効率化の方法を解説します。
電話対応
電話対応を効率化する方法としては、以下3つが挙げられます。

- 電話対応マニュアルを整備する
- 電話代行サービスを利用する
- IVR(自動音声応答システム)を導入する
電話対応マニュアルを整備する
電話対応マニュアルは、対応品質を標準化するための基本ツールです。以下のような内容をまとめておくことで、経験の浅い担当者でも一定水準の対応が可能になります。
- よくある問い合わせへの回答例
- トークスクリプト
- 対応フロー
また、マニュアルは現場の声を反映しながら定期的にアップデートすることも大切です。形骸化させないためにも、実務で使いやすい内容を心がけましょう。
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【電話対応マニュアル】
マナー・ポイント・例文を状況別に解説電話対応に求められる心構えやマナー、対応のポイントなど、スムーズかつ丁寧な電話対応を行うためのコツを網羅的にご解説します。
電話代行サービスを利用する
電話代行サービスは、外部の専門業者に電話対応を委託するサービスです。営業時間外の対応や、繁忙期の一時的な対応増加に対応できます。電話に出られる自社の人員が限られている場合や、コア業務に集中したい場合に有効な選択肢です。
ただし、基本的なサービス内容は「用件を伺う」ところまでで、自社の従業員から顧客に折り返す必要があります。
高度で柔軟な対応を求める場合はコストが増える場合もあるため、サービス品質や費用面を十分に比較検討したうえで導入を検討しましょう。
IVR(自動音声応答システム)を導入する
IVRは、自動音声ガイダンスによって顧客の用件を聞き取り、担当部署への振り分けや情報提供を行うシステムです。
具体的には、「営業時間のご案内は1を、商品に関するお問い合わせは2を押してください」といった音声を案内し、顧客がボタン操作を行うことで、用件に応じた担当者への振り分けや、簡単な問い合わせへの自動回答を行います。
24時間365日、電話の一次対応が自動化されるため、担当者やオペレーターの業務負担が大きく軽減されるのがメリットです。
近年では、AI技術を搭載した高度なIVRも登場しており、より自然な対話形式での対応も可能となっています。
メール対応
メール対応の効率化には、以下の3つの方法が有効です。

- メール返信テンプレートを用意する
- メール管理システムを導入する
- メールボットを導入する
メール返信テンプレートを用意する
よくある問い合わせに対する返信テンプレートを用意しておくことで、対応時間を短縮できます。定型的な挨拶文や、頻出する質問への回答例を事前に作成しておきましょう。
ただし、テンプレートをそのまま送信するのではなく、顧客の状況に合わせて適切にカスタマイズすることも重要です。機械的な対応にならないよう注意しましょう。
メール管理システムを導入する
メール管理システムは、問い合わせメールの受信から対応完了までを一元管理できるツールです。対応状況の可視化、担当者の割り振り、対応履歴の記録などが可能になります。
チーム全体で対応状況を共有できるため、対応漏れや重複対応を防ぎ、効率的な運用が実現できます。CRMと連携することで、顧客情報と合わせた管理も可能です。
メールボットを導入する
メールボットは、AIを活用して自動的にメールに返信するシステムです。簡単な問い合わせであれば人手を介さずに即座に回答できるため、メールによる問い合わせ対応を効率化できます。
また、24時間365日の対応が可能で営業時間外や休日の問い合わせにも対応できるため、顧客満足度の向上にもつながります。
なお、メールボットの中には自動返信だけでなく、「AItoMail(アイトメール)」のようにメール返信文の作成をアシストするサービスもあります。
6. 電話による問い合わせ対応を効率化するなら「DXでんわ」
本記事では、電話による問い合わせ対応を効率化する方法として「電話対応マニュアルの整備」「電話代行サービスの利用」「IVRの導入」という3つの方法を紹介しました。
しかし、マニュアルを整備してもオペレーターの人数には限界があります。また、電話代行サービスは時間外や休日対応にオプション料金や割増料金がかかるケースも多く、コスト面での課題があります。
そこでおすすめなのが、IVR(自動音声応答システム)「DXでんわ」です。
▼DXでんわの特長
- AIが問い合わせ内容を自動で聞き取り振り分けるから、「用件伺い」と「取次ぎ」の手間がなくなる
- 用件を自動で要約・テキスト化するから、「メモを取る」作業の負担がなくなる
- 24時間365日の自動応答が可能だから、営業時間外の問い合わせにも「素早く対応」できる
- 着信はチャットやメールで自動通知されるから、「情報共有」がスムーズになる
DXでんわは初期費用0円で利用可能なIVRです。14日間の無料トライアルも用意されており、実際の業務で試してから導入を検討できます。
問い合わせ対応の質を維持しながら効率化を実現したい方は、ぜひDXでんわの導入をご検討ください。
よくある質問
問い合わせの電話の話し方は?
明るく落ち着いたトーンで、適切な敬語を使って話すことが基本です。電話では表情が見えないため、声のトーンが印象を左右します。また、相づちを打ちながら傾聴し、重要なポイントは復唱して確認することで、顧客に安心感を与えられます。メモを取りながら対応することも忘れないようにしましょう。
問い合わせ電話のもしもしは失礼ですか?
ビジネスシーンでは「もしもし」を使わないのが基本です。「もしもし」は「申します、申します」の略語とされ、目上の相手に略語を使うのは失礼と考えられています。電話を受ける際は「お電話ありがとうございます」、取り次ぎ後は「お待たせいたしました」など、状況に応じた丁寧な表現を使いましょう。
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