介護施設の電話対応マニュアル!
受け方・かけ方のマナーとポイント

介護施設では、入居相談やご家族からの連絡、関係機関との連絡など、日々多くの電話対応が発生します。適切な電話対応は、施設の信頼性を高める重要な要素です。

 

本記事では、電話の受け方・かけ方の基本手順とマナーを、実務ですぐに活用できる形で解説します。

介護施設にかかってくる電話とは?

介護施設には日々、さまざまな相手から電話がかかってきます。電話対応をスムーズに行うには「どのような電話が多いのか」を把握しておくことが大切です。ここでは、介護施設によくかかってくる電話の種類を以下の4つに分けて解説します。

介護施設にかかってくる電話の種類をまとめた図

  • 施設利用に関する問い合わせ
  • 関係機関からの連絡
  • 利用者のご家族からの連絡
  • 採用に関する問い合わせ

施設利用に関する問い合わせ

入居を検討している方やそのご家族から、サービス内容や料金、空室状況、施設見学などについての問い合わせが入ります。これは施設の第一印象を左右する重要な電話なので、丁寧な対応を心がけ、必要に応じて見学の案内や資料送付の提案を行うことが大切です。問い合わせ内容によっては、相談員や施設長などの担当者へ取り次ぐ必要があります。

関係機関からの連絡

医療機関やケアマネジャー、リネンサプライ事業者など、連携している企業や関係機関からの業務連絡も頻繁にあります。こうした電話では、正確な情報の伝達が求められます。担当者が不在の場合は、確実に伝言を残し、折り返し連絡ができるよう相手の連絡先を控えておくことが重要です。

利用者のご家族からの連絡

入居されている利用者のご家族からは、面会の予定確認や利用者の様子を尋ねる電話などがかかってきます。ご家族は利用者の生活を気にかけているため、安心感を与える丁寧な対応が必要です。状況によっては担当の介護職員やケアマネジャーに取り次ぎます。

採用に関する問い合わせ

求人に応募を検討している方からの問い合わせも入ります。採用条件や勤務形態、施設の雰囲気などについての質問に答えます。こうした電話も施設のイメージに直結するため、明るく丁寧な対応を心がけます。基本的には、採用担当者への取り次ぎが必要です。

介護施設からかける電話とは?

介護施設から電話をかけるシーンで多いのが「利用者のご家族への連絡」です。ご家族は離れて暮らす利用者の様子を気にかけているため、適切なタイミングで丁寧に連絡を入れることが信頼関係の構築につながります。ここでは、介護施設からご家族にかける電話の代表的な内容としては、以下の4点が挙げられます。

介護施設からご家族にかける電話の種類をまとめた図

  • 事故報告
  • 近況報告
  • 面会・面談の日程調整
  • スタッフ変更の挨拶

事故報告

利用者が転倒や誤嚥などの事故に遭った場合の事故報告です。この場合は、以下のような内容を速やかに、正確に、ご家族へ連絡する必要があります。

  • 事故の状況
  • 利用者の状態
  • 事故の原因
  • 施設の対応 など

このような緊急性の高い連絡では落ち着いたトーンで話し、事実を簡潔に伝えることが重要です。ご家族の不安に配慮しながら、今後の対応についても説明します。

近況報告

定期的に利用者の様子をご家族に伝える電話です。以下のような内容を報告します。

  • 食事や睡眠の状況
  • 日中の活動の様子
  • 体調の変化 など

ポジティブな内容も含めて伝えることで、ご家族に安心感を提供できます。施設によっては定期的な報告の頻度やタイミングを決めているところもあるでしょう。

面会・面談の日程調整

ご家族の面会予定やケアプランの説明会など、日程調整のための電話です。相手の都合を確認しながら、複数の候補日を提示するとスムーズです。決定した日時は復唱して確認することで、認識の違いを防げます。

スタッフ変更の挨拶

担当の介護職員やケアマネジャーが変更になった際、新しい担当者から挨拶の電話を入れることがあります。これからの関係構築のための重要な機会です。簡潔に自己紹介をし、今後もしっかりとサポートしていく旨を伝えます。

【ステップ別】電話対応のポイント|電話の受け方編

電話を受ける際は、一連の流れに沿って対応することで、スムーズで丁寧な応対ができます。ここでは、電話を受けるときの基本的な流れを6つのステップに分けて、それぞれのポイントとともに解説します。

電話対応の流れとポイント(電話の受け方編)をまとめた図

  • ステップ1:素早く電話に出る
  • ステップ2:名乗る
  • ステップ3:用件を伺う
  • ステップ4:必要に応じて取り次ぐ
  • ステップ5:担当者が不在の場合は、伝言を承るか折り返しを提案する
  • ステップ6:相手が電話を切るのを待つ

ステップ1:素早く電話に出る

電話が鳴ったら、できるだけ早く受話器を取ります。目安は3コール以内です。電話を待たせる時間が長くなると、相手に不快感を与えてしまいます。

また、電話に出る前に、メモを取れるよう紙とペンを手元に用意しておくとスムーズに対応できます。業務中でも電話対応ができるよう、デスク周りを整えたり、メモ帳とペンを携帯したりしておくことが大切です。

ステップ2:名乗る

電話に出たら、まず施設名と自分の名前を名乗ります。例えば「お電話ありがとうございます。◯◯の△△でございます」といった形です。明るくはっきりとした声で名乗ることで、相手に良い印象を与えられます。

所属部署がある場合は、施設名と部署名の両方を伝えると、相手に安心感を与えられます。

ステップ3:用件を伺う

相手の名前と用件を確認します。このとき、メモを取りながら聞くことがポイントです。「5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)」を意識すると、必要な情報を漏れなく聞き取れます。

聞き取りにくい部分があれば、「恐れ入りますが、もう一度お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」のように丁寧に確認しましょう

ステップ4:必要に応じて取り次ぐ

担当者への取り次ぎが必要な場合は、電話を保留にしてから担当者を呼びます。保留にしないと、会話や周囲の雑音を相手に聞かれてしまうためです。

ただし、明らかに不要な営業電話の場合は、すぐに取り次がず「必要な場合はこちらから折り返します」と伝えて電話を切るのも一つの方法です。こうした対応は施設のルールによって異なりますが、担当者に無駄な時間を使わせないための工夫として有効です。

​​

ステップ5:担当者が不在の場合は、伝言を承るか折り返しを提案する

担当者が不在の場合は、「伝言を承る」か「折り返し連絡する」旨を提案します。このとき、相手の名前と連絡先は必ず確認し、正確にメモを残します。復唱して確認することで、聞き間違いを防げます。

事前に伝言用のメモのテンプレートを用意しておくと、必要な情報を漏れなく記録できて便利です。

ステップ6:相手が電話を切るのを待つ

通話が終わったら、こちらから電話を切らず、相手が電話を切るのを待ちます。一般的に、電話をかけた側が先に切るのがビジネスマナーとされているためです。マナーを欠いた対応は相手に失礼な印象を与えかねないため、注意が必要です。

【ステップ別】電話対応のポイント|電話のかけ方編

電話をかける際も受ける場合と同様に、一連の流れに沿って対応することが大切です。特に利用者のご家族への連絡では、丁寧かつ正確に情報を伝える必要があります。ここでは、電話をかけるときの基本的な流れを4つのステップに分けて、それぞれのポイントとともに解説します。

電話対応の流れとポイント(電話のかけ方編)をまとめた図

  • ステップ1:事前準備をする
  • ステップ2:電話をかける
  • ステップ3:必要に応じてメモを取る
  • ステップ4:相手が電話を切るのを待つ

ステップ1:事前準備をする

こちらから電話をかける場合は、以下の3点を事前に確認・準備しておきます。

  • 電話をかける相手とその電話番号が間違っていないか
  • 報告する内容を整理する(手元にメモしておく)
  • メモを取る準備をする

特に事故報告や日程調整など、正確な情報伝達が必要な場合は、あらかじめ伝える内容を箇条書きにしておくとスムーズです。また、相手から質問や確認事項があった場合に備えて、メモを取れる準備も整えておきましょう。

ステップ2:電話をかける

電話をかけたら、「導入」「本題」「締め」の3つのパートを意識して話を進めます。

導入

施設名と自分の名前を名乗り、相手の都合を確認します。

【例文】
「お世話になっております。◯◯の△△と申します。□□様のお電話番号でお間違いないでしょうか。今、お時間よろしいでしょうか」

相手が忙しくて電話に応じられない場合は、改めてかけ直す時間を確認しましょう。

本題

用件を簡潔に伝えます。結論から話し、必要に応じて詳細を補足すると、相手に伝わりやすくなります。

【近況報告の例文】
「本日は、□□様の近況についてご報告のためお電話いたしました。□□様は最近、お食事を完食されることが増え、お元気にお過ごしです。昨日のレクリエーションでも笑顔で参加されていました」

【事故報告の例文】
「本日は、□□様の事故についてご報告のためお電話いたしました。本日午前10時頃、□□様が居室から食堂へ移動される際に転倒され、右膝を打撲されました。原因としては、歩行時にバランスを崩されたことが考えられます。すぐにスタッフが対応し、看護師が確認したところ、外傷はなく、腫れや痛みも軽度です。念のため冷却処置を行い、現在は居室でお休みいただいております。今後、様子を注意深く観察してまいります」

締め

要点を確認し、相手からの質問がないかを尋ねます。これによって認識のずれを防げます。

【例文】
「以上がご報告となりますが、何かご不明な点やご心配なことはございますか」

ステップ3:必要に応じてメモを取る

こちらが伝えた本題に対し、電話中に相手から重要な情報や質問を受け取った場合は、メモを取ることが大切です。特に日程や連絡先、相手からの要望などは、正確に記録しておく必要があります。

また、聞き取った内容を復唱して確認することで、聞き間違いを防げます。

ステップ4:電話を切る

電話相手が利用者のご家族の場合は、こちらが電話をかけた側であっても、相手が電話を切るのを待つのが適切です。前章で「電話をかけた側が先に切るのがマナー」とお伝えしましたが、介護施設において「お客様」に当たる利用者のご家族に電話をかけた場合は、相手が切るのを待つのがマナーです。

ただし、相手がなかなか切ってくれない場合は、「それでは失礼いたします」「お先に切らせていただきます」など、切る旨を伝えてから切るようにしましょう。

また、こちらから切る場合は、受話器を静かに置くことも大切です。急いでガチャンと切ると相手に不快感を与えてしまうため、注意しましょう。

介護施設の電話対応で意識すべきマナー

ここまで、電話を受けるとき・かけるときの流れに沿ってポイントを紹介してきました。ここからは、それ以外に押さえておくべき電話対応のマナーを6つ解説します。これらのマナーを意識することで、より丁寧で信頼される電話対応ができるようになります。

電話対応のマナーをまとめた図

  • 「もしもし」は避ける
  • 敬語表現を正しく使う
  • 適切な声のトーンを意識する
  • 聞き取りやすいスピードで話す
  • 専門用語や不快な表現を避ける
  • あいまいな表現を避ける

「もしもし」は避ける

電話に出るときや相手の声が聞こえにくいときに「もしもし」と言うのは、ビジネスシーンでは避けるべき表現です。「もしもし」はカジュアルな印象を与えるため、介護施設のような専門的な場面では不適切とされています。電話に出る際は「お電話ありがとうございます」、聞こえにくい場合は「恐れ入りますが、お電話が遠いようです」と伝えましょう。

敬語表現を正しく使う

電話対応では、尊敬語・謙譲語・丁寧語を正しく使い分けることが重要です。例えば、相手の行動には尊敬語(「おっしゃる」「いらっしゃる」など)、自分の行動には謙譲語(「申し上げる」「伺う」など)を使います。間違った敬語は相手に違和感を与えるため、日頃から正しい敬語表現を身につけておくことが大切です。

適切な声のトーンを意識する

電話では表情が見えないため、声のトーンが相手に与える印象を大きく左右します。基本的には明るくはっきり話すことが望ましいですが、状況に応じて使い分けることも大切です。例えば、事故報告やクレーム対応では、落ち着いたトーンが適しています。明るすぎる声では軽薄な印象を与えてしまい、相手の不安や不満を増幅させかねません。

聞き取りやすいスピードで話す

早口で話すと、相手が内容を理解しにくくなります。特に高齢のご家族と話す場合は、ゆっくりと丁寧に話すことを心がけましょう。また、重要な情報を伝える際は、適度に間を取りながら話すと、相手が理解しやすくなります。相手の反応を確認しながらスピードを調整することも大切です。

専門用語や不快な表現を避ける

介護の現場では専門用語が日常的に使われますが、電話対応では相手が理解できる言葉を選ぶ必要があります。例えば「ADL」や「バイタル」といった用語は、「日常生活動作」「血圧や体温などの健康状態」のように言い換えましょう。また、「ボケ」「徘徊」など、不快感を与える可能性のある表現も避け、「認知症の症状」「歩き回る」などの適切な言葉に置き換えます。

あいまいな表現を避ける

「〜だと思います」「たぶん〜です」「〜かもしれません」といったあいまいな表現は、相手に不安を与えます。特に事故報告や利用者の状態説明では、確実な情報を伝える必要があります。わからないことがあれば、「確認してから折り返しご連絡いたします」と伝え、正確な情報を提供するようにしましょう。

不要な電話に出ず、必要な電話にだけ出たいなら、「DXでんわ」がおすすめ

介護施設には日々、さまざまな電話がかかってきます。その中には、入居相談やご家族からの連絡といった重要な電話もあれば、営業電話のように対応の優先度が低い電話も含まれています。こうした不要な電話への対応は、スタッフの業務時間を圧迫する要因の一つです。

そこでおすすめしたいのが、かかってきた電話を自動で振り分ける自動音声応答システム「DXでんわ」です。

「DXでんわ」を導入することで、介護施設にかかってきた電話にシステムが自動で応答し、用件に応じて適切な部署や担当者へ取り次ぐことができるようになります。また、営業電話などの不要な電話に対しては、人につながず自動応答のみで対応を完結させることも可能です。

▼DXでんわの導入メリット

  • スタッフが不要な営業電話に対応する時間を削減できる
  • 入居相談やご家族からの連絡など、重要な電話に集中できる
  • 電話対応の負担が減り、本来の業務に専念できる
  • 24時間365日、自動音声で一次対応ができる

介護施設では人手不足が課題となっており、スタッフ一人ひとりの業務効率化が求められています。電話対応の負担を軽減し、本来の介護業務に時間を使えるようにすることは、施設運営の質を高めることにもつながります。

電話対応の効率化でお悩みの介護施設様は、ぜひ以下のページよりDXでんわの詳細をご確認ください。

よくある質問

介護施設でのNGワードは?

電話対応においては「ボケ」「徘徊」など、不快感を与える可能性のある表現がNGワードに該当します。こうした表現は「認知症の症状」「歩き回る」などの適切な言葉に置き換えることが重要です。また、専門用語(ADL、バイタルなど)も、相手が理解できる言葉(日常生活動作、血圧や体温など)に言い換える必要があります。

電話対応でNGな言葉は?

「もしもし」はビジネスシーンではNGです。また、「〜だと思います」「たぶん〜です」「〜かもしれません」といったあいまいな表現も避けましょう。特に事故報告や利用者の状態説明では、相手に不安を与えてしまいます。わからないことがあれば、「確認してから折り返しご連絡いたします」と伝え、正確な情報を提供することが重要です。

電話対応が上手い人の特徴は?

「明るくはっきりしたトーンで話せる」「相手の話に耳を傾けられる」「敬語を正しく使える」などが特徴です。また、メモを取りながら対応し、復唱して確認するなど、正確な情報伝達を心がけています。状況に応じて声のトーンを使い分けたり、相手の立場に立って対応できることも、電話対応が上手い人に共通する特徴です。

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