ITによる中小企業の生産性向上について
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会社の部署をまたいだシステムの連携や、リアルタイムの情報共有を可能にするIT技術。資料作成の手間を省くなど効率化・コストカットだけでなく、生産性の向上にも役立ちます。中小企業の生産性向上のために積極的に導入すべきIT技術・環境を紹介します。
目次
IT端末の導入で生産性向上
ITによる生産性向上ですぐにでも実現できるのが、タブレット端末などの導入です。簡単に導入でき、かつすぐに生産性を向上できるのがポイントです。パソコンなどと比べて本体が軽いので、持ち運びにも向いています。
タブレットの導入
営業担当者のパソコンをタブレットに変えるだけでも、生産性は向上します。例えば、あらかじめ商品の説明をデータベース化しておき、社内の人間しかアクセスできない状態にしておきます。営業担当者は客先でタブレットを開き、そのデータベースにアクセスして、顧客が求める情報をその場で検索しながら説明することができます。写真を拡大・縮小しながら顧客に説明することもできるので、説明も捗ります。
また、会社の外で資料や図面を用いる機会が多い、建築業や不動産業でもタブレットは役立ちます。紙の資料を持ち出す必要がないため移動や作業の妨げにならないため、安全性や効率が改善されます。タブレットで社内ネットワークにアクセスすることで、確認や連絡の必要が生じても、オフィスに戻る手間がありません。時間あたりの処理件数を増やせることになります。
ウェアラブル端末の導入
製造や物流の現場では、ウェアラブル端末(身に付けて持ち運べる情報端末)の導入が進んでいます。ベテラン技術者がウェアラブルカメラで作業風景を撮影し、その動画をデータベース化。作業マニュアルとして加工・編集します。新人の技術者は、ヘッドマウントディスプレイ(頭部に装着するディスプレイ装置)で作業マニュアルを表示しながら作業することができます。
SNSなどの導入で生産性向上
今や多くの人が、LINEやfacebook、InstagramなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用している時代です。ビジネスの現場でもSNSなどのツールを使えば、コミュニケーションを促進することができます。
社内SNSを導入する
社内SNSは企業内のメンバーに特化したSNSで、仕事上のメッセージをやりとりしたり、画像などを共有したりできます。メールはちょっとした改善提案には向いていませんが、社内SNSであればメッセージを送るだけで簡単に改善を提案することが可能です。プロジェクトごとのグループを作ってしまえば、そのグループ内で報告やファイル共有を行うことができるので、プロジェクトをスムーズに進行できます。
広報用にSNSを導入する
SNSは無料でアカウントを開設できるものも多く、商品やサービスの情報発信の場をつくることが容易です。大規模な広告を打ち出す必要がない場合や、Webサイトでのプロモーション、会社に親しみを持ってもらうための日々の情報発信などに適しています。写真あるいはテキストを多用するなど、自社製品に適したSNSを活用することで、広告費を抑えてほかの投資に充当することができます。
ERPの導入で生産性向上
ERPとは「企業資源計画(Enterprise Resource Planning)」のこと。経営資源(ヒト、モノ、カネ)を企業全体で統一管理するための基幹系情報システムのことも指します。生産部門、販売部門や在庫管理で利用するシステムが別々になっている場合、データの共有や一元管理ができないといった課題が生じます。これらを統一して管理できるように会社全体で利用可能なシステムを導入することで、経営資源の有効活用を図れます。
ERPシステムには部分的な業務範囲に適したものや、業務全般を把握するのに適したものがあります。企業規模や連携すべき業務を踏まえて導入を検討しましょう。
顧客管理ツールの導入で生産性向上
IT活用による効率的できめ細やかな顧客管理を行うことで、需要の適切な把握や、サービス改善に結びつく情報収集が可能になります。
CRMの導入
CRMとは「顧客関係管理(Customer Relationship Management)」のことで、顧客に関する様々な情報を記録し、分析して活用することで業務改善を目指す取り組みないしシステムを指します。顧客情報を蓄積し社内データベースで共有することで、無駄なく顧客満足度向上を促進できます。
名刺管理ツールの導入
名刺管理ツールの利用により、これまで社員が個々人で保有・管理していた名刺をデジタル化でき、保管スペースの節約や、社員間での情報共有が可能になります。社員のみがアクセスできるデータベース上で管理することで、既に他の社員が名刺交換をしている顧客などを事前に把握することができます。
クラウド化で生産性向上をサポート
社内で利用する各種システムをクラウド化すると、初期費用が不要となるほか、比較的短期間で必要なサービスを導入できるため効率化が期待できます。万が一パソコンが壊れた際にも別のパソコンで再度アクセスできるので、リスク管理としても有効です。
IP-PBXの導入で生産性向上
社内の電話システムにIP-PBXを採用することで、CRMや各種データベースとの連携や、パソコンの画面上の操作が可能になることで架電業務の処理件数を向上させることができます。
CTI機能の活用
IP-PBXはIPネットワークを利用する電話システムであり、従来のPBXのシステムではできなかったパソコンの機能との連携(CTI)が可能です。例えば「MediaOffice」「MediaCalls」のクリックコール機能では、電話番号を手で入力することなく、顧客情報のクリックだけで発信します。操作時間を大幅に短縮すると同時に発信ミスを減らし、コール業務の生産性が向上します。
スマートフォンの内線化
IP-PBXは専用のアプリをインストールすることでスマートフォンを内線端末として利用することができます。外出中の社員にも内線通話の転送が可能になるなど、コール業務の二度手間となるシーンを減らします。
まとめ
ITを導入することで、生産性向上を実現した企業は数多くあります。ツールを導入するだけで生産性が上がる事例も多く、検討してみる価値はあります。ぜひ複数サービスを比較し、生産性を上げるツールを導入してみてはいかがでしょうか?