ここまで進化した!最新電話事情
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電話の機能は、人々の生活や働き方の変化に合わせて、改良が重ねられてきました。電話の導入や入れ替えを検討するときは、これらの最新事情をよく理解しておくことが大切です。ここでは、家庭向けの電話とオフィス向けの電話について、それぞれの最新事情を紹介します。
目次
家庭向け電話の最新事情
固定電話を利用する家庭は減り続けています。2009年には固定電話の保有世帯率は91.2%でしたが、2016年には72.2%まで低下しました。厳しい市場環境の中、メーカーは利用者をサポートするさまざまな機能を開発しています。すでに実用化している機能には以下のものがあります。
安心して電話を利用するための機能
利用者を迷惑電話やトラブルから守るための機能です。振り込め詐欺などの特殊詐欺の被害が増加したことから、利用者が安心して電話を使えるよう、さまざまな対策が施されています。
不審な電話番号からの着信拒否
迷惑電話の可能性が高い番号から着信があったとき、自動的に着信を拒否する機能です。警察や自治体からの情報提供や、利用者からの報告をもとに、迷惑電話の番号を集約するデータベースを作成。このデータベースに記録された番号から着信があったとき、自動で着信を拒否します。いたずら電話やセールスの電話に困っている家庭で活用できる機能です。
発信者の通話前確認
呼び出し音が鳴ったとき、相手に名乗るよう促すメッセージを流す機能です。相手が確認できないときは、通話を拒否するメッセージを流すことができます。迷惑電話か判断できない着信があったときに役立つ機能です。
通話録音の告知
呼び出し音が鳴る前に、会話を録音する旨のメッセージを流す機能です。事前に登録した番号以外から着信があったときだけ、メッセージを流すことができるサービスもあります。迷惑電話の発信者は通話を録音されたくないことが多いため、発信を中断させ、迷惑電話の着信を防ぐことができます。
ボイスチェンジ
相手に聞かせる声を加工する機能です。防犯対策として相手に声を聞かれたくない場合や、女性の声を男性の声に加工したい場合などに利用できます。
人感センサー
電話機に搭載されたセンサーで、人が近づいたことを感知する機能です。不審者の侵入を感知してアラート音を鳴らしたり、外出先から家族の状況を確認したりすることができます。また、利用者が外出から戻ったとき、着信やファックスの受信を伝えるメッセージを流すこともできます。
他の機器と連携する機能
固定電話以外の機器と連携することで、利用者の生活を便利にする機能です。IoTの技術開発が進むことで、今後も電話機とさまざまな製品のネットワーク連携が進むと考えられています。
スマートフォンの子機化
スマホにアプリをダウンロードすることで、スマホが子機として利用できるようになる機能です。固定電話にかかってきた呼び出しに、スマホで応答できるようになります。家族が多く子機が足りない家庭などで役立つ機能です。
ドアセンサーとの連携
自宅のドアや窓にセンサーを取り付けておくことで、開閉を検知し、電話機を鳴らすことができる機能です。家族の出入りが確認できたり、不審者の侵入をアラート音でけん制できたりするメリットがあります。
インターホンとの連携
電話機でインターホンの応答ができるようになる機能です。電話機とインターホンをケーブル接続する方法と、ワイヤレス接続する方法があります。子機を使えば、家のどこにいても来客に対応できるようになります。
呼び出しボタンとの連携
お風呂などに呼び出しボタンを設置しておくことで、ボタンが押されたときに電話機を鳴らしたり、設定した番号に電話をかけたりできる機能です。高齢者や子どもが危険を感じたとき、ボタンを設置しておけば、すぐに家族を呼ぶことができます。
オフィス向け電話の最新事情
電子メールやSNSが普及した現在も、社内外のコミュニケーションの手段として、電話は重要な役割を担っています。会社でよく行うコミュニケーションの方法として、「電話」がメール、対面に次いで多く利用されているという調査結果もあります。
オフィスで電話を利用するときは、複数通話や保留・転送などの機能が使えるよう、電話機とPBXを組み合わせたシステムを構築しなければなりません。近年、オフィスに導入するメリットが大きくなっているのが、IP-PBXです。ここではIP電話サービスの品質改善と、IP-PBXの導入で実現する機能について解説します。
IPネットワークを利用する電話の性能向上
IP電話サービスとは、インターネットで利用されるパケット通信のプロトコルを利用した通話のことです。かつてのIP電話サービスは、アナログ電話と比べ、音声品質が劣る部分がありました。しかし現在では、IP電話サービスの性能は大きく向上しています。
通話品質品質の改善
かつてのIP電話サービスでは、音声データをデジタル化するために生じる遅延や、データの到着にばらつきが出る「ゆらぎ」が起きることがありました。最新のIP電話サービスは音質が大きく改善しており、総務省が音質を「固定電話並み」の最高クラスと評価する製品が増えています。
0ABJ番号が使えるサービスが増加
0ABJ番号とは、「03」「06」などで始まる、一般の電話番号の形式です。かつてのIP電話サービスは、「050」で始まるIP電話専用の番号が使われており、0ABJ番号が使われることはまれでした。しかしIP電話サービスの普及や品質向上により、0ABJ番号が使える製品も登場するようになりました。050型の電話はオフィスでの導入が避けられることもありましたが、現在ではこの懸念は解消されています。
IP-PBXの導入によるメリット
IP-PBXとは、インターネット回線上で電話機への着信などを制御する装置やソフトウェアの総称です。IP-PBXには、従来の電話線を利用するPBXとは異なり、ビジネスに役立つメリットが多くあります。
管理画面での設定変更が可能
IP-PBXを導入していれば、人事異動や座席の変更などによる電話の設定変更が容易になります。アナログ電話の場合、回線を切り替えるには専門業者の工事が必要でした。IP-PBXを導入していれば、Webの管理画面で設定をすぐに変更したり、LANケーブルの差し替えだけで電話機を移動したりできます。
ソフトフォンとの連携
ソフトフォンとは、パソコンやスマートフォンにソフトウェアをインストールする通話方法のことです。ソフトウェアは安価なものが多く、無料で利用できるものもあります。IP-PBXを導入していれば、スマートフォンにソフトウェアをダウンロードするだけで、外出先から会社の電話番号を使って発信できるようになります。
CTIサービスの充実
CTIとは Computer Telephony Integrationの略で、パソコンと電話を統合させるサービスを指します。IP-PBXを導入していれば、CTIの技術を利用し、パソコンの画面上で顧客情報をクリックするだけで発信したり、着信時に発信者の情報を表示したりすることが可能になります。
まとめ
さまざまなコミュニケーションツールが生まれた現在も、電話は多くの人に利用され、新しい機能の開発が進められています。電話の入れ替えや購入を行うときは、これらの最新事情をよく理解し、満足のできるサービスを選びましょう。