経費削減、まずはここを見直してみよう

コスト削減

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企業が利益を上げるためには売上増も重要ですが、コストをどれだけ抑えられるかがカギになります。この記事では、コストを「オフィス」「エネルギー」「オペレーション」の3つに分け、効果的に経費削減を行うためのポイントを紹介します。

オフィスにおけるコスト

すぐに実践でき、効果が見えやすいのがオフィスコストの削減です。印刷費や消耗品費など、一つひとつの額は小さいものの、見直すことで大きな効果を発揮する経費削減の方法を説明します。

印刷環境を見直す

経費削減のためにまず見直すべきなのは、印刷環境です。印刷1回ごとのコストは小さいものの、毎日行われる作業のため、総額は決して少なくありません。まずは印刷環境から、経費を見直していきましょう。

印刷方法を管理してトナー・紙代を削減する

コピーや印刷をする際は、モノクロ印刷を徹底しましょう。カラー印刷をモノクロ印刷にした場合、1枚あたり10円程度の経費削減となります。

また、設定をよく確認していないと、色彩が不要な書類をカラー印刷してしまうことあるかもしれません。そうした場合は、プリンタドライバーの初期設定をモノクロ印刷にし、カラー印刷が必要なときだけ変更を行うように設定しておきましょう。モノクロ印刷と合わせて、両面印刷もプリンタ初期値として設定しておくと、トナーや用紙を節約することができます。

裏紙の使用は、ほとんど経費削減にならない

経費削減のために、いわゆる裏紙を活用する手段もありますが、実は節約効果はあまり期待できません。コピー用紙1枚のコストより、コピー機の使用料金のほうが高いため、紙の使用量が減ってもコピー機の使用回数が減らなければ、印刷費全体のコスト削減にはつながらないからです。印刷費の削減については印刷紙ではなく印刷の回数を減らすことを重視しましょう。

消耗品管理を見直す

紙資源以外の消耗品も、経費削減の対象です。消耗品の管理を見直していきましょう。付箋(ふせん)やボールペン、消しゴムなどの消耗品を従業員が自由に持ち出せる環境では、従業員のコスト意識が薄くなり、消耗品の浪費が増える可能性があります。管理者を決め、消耗品の使用は管理者からの許可を得ることを原則としましょう。備品の管理を徹底することで、利用する従業員の意識も変わり、消耗品の購入コストが抑えられるようになります。

業者との契約内容を見直す

仕入や運送費など、自社が支出を行う項目については、常に相見積もりを行いましょう。長期間に及んで特定の1社と取引を行っている場合、市場価格と比べて割高な契約となってしまっている場合もあります。
取引先との信頼関係は大切にしつつ、自社の利益を最大化するための努力は怠らないことが大切です。これまで取引を行っていた業者へ相見積もりを行う際には「新たに会社の規則が変わり、相見積もりを行うことが義務付けられた」等、現場の担当者が依頼を切り出しやすくなるような理由を用意すると良いでしょう。

雑費を見直す

会計帳簿の中で、「雑費」に分類されている項目には注意が必要です。雑費摘要欄に「○○会費」や「雑誌購読費」といった項目がある場合は、本当にその経費が業務に必要かどうかを確認するなど、定期的に見直しましょう。会費や雑誌購読料などは、1件ごとの金額が少額のため、気にせず毎月払ってしまっているようなケースがあります。こまめにチェックすることで、無駄な支出を減らしていきましょう。

エネルギーコスト

電気代やガス代、上下水道代などのエネルギーコストは、印刷費等に比べて見逃されがちですが、金額はかなり大きなものです。エネルギーコストを抜本的に見直すことで、大幅な経費削減が可能になります。

LED照明を導入する

財団法人省エネルギーセンターの調べによれば、オフィスの総電力コストのうち、40%が照明によって消費されていることが分かっています。LED照明は、発光効率が高いため、蛍光灯と比べた場合は50%~70%、白熱電球や水銀灯と比べた場合は80%~90%近く消費電力をカットする効果が期待できます。

電力契約を見直す

2016年4月からの電力自由化により、電気の小売業務に通信、商社といった異業種の企業が新規参入できるようになりました。これにより、今まで電力会社が独占していた電力供給でも価格競争が起き、電気代値下げや、新たなサービスが提供され始めています。新たな電力会社との契約を含め、現在の電力契約を見直してみると、大きくコスト削減できる可能性があります。

オペレーションコスト

生産工程でかかる物流費や、従業員の人件費をオペレーションコストと呼びます。なかでも、企業経営をしていく中で常に大きな額を占めるのが人件費です。ここでは、人件費を中心にオペレーションコストを見直す方法についてご紹介します。

業務内容を見直す

企業組織が拡大したり、長年同じ業務を扱っていたりすると、必要性がないのに慣例化してしまう業務が出てきます。また、同じ業務を違う部署が二重に行ってしまうことも考えられます。こうした無駄な業務をなくすことは残業の抑制につながり、結果的に人件費の抑制へとつながります。

作業内容を可視化し、無駄な業務を減らす

それぞれの担当者が行っている業務を可視化することは、無駄な業務を削減するために非常に重要です。社内SNSやアプリケーションなどを利用して密に情報共有を行うことで、似た業務を複数の部署が行ってしまう問題や、優先度の低い業務に従業員が長い時間をかけてしまう問題を解決することができます。

社内コミュニケーションを見直す

業務を効率化するうえでコミュニケーションの見直しは力を発揮します。中でも日々行われている会議は、現在実施されている回数が多ければ多いほど、見直すことでコストカットができる可能性が高まります。まずは、業務内容の見直しの際と同様、会議ひとつひとつの意味と目的を見直していきましょう。

テレワークを導入する

社内コミュニケーションの見直しには、テレワークという選択肢もあります。テレワークとは、情報通信技術(ICT)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。テレワーク導入には多くのメリットがありますが、コスト削減については「オフィスでの費用を削減できる」「従業員の交通費が削減できる」などが挙げられます。

早朝出勤や残業を「事前申請制」にする

時間外労働を「事前申請制」にすることは、残業代抑制に効果があります。特に何の制約もなく残業ができる状態では、長時間労働が常態化しやすくなり、残業代は簡単に膨らんでしまいます。「午後8時以降の残業は必ず申請を行う」など、目安を設けて事前申請制を導入すると良いでしょう。

まとめ

経費削減は、できることから着実に実施することが大切です。ただし、業務上必要な経費までカットしてしまうと、従業員の士気は低下してしまいます。従業員と組織それぞれの観点を持ちながら、無理のないコスト削減を心がけましょう。

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