コールセンターシステムとは?
仕組み・機能・メリット・導入事例などをまとめて紹介!
UPDATE :
コールセンター業務を効率化する「コールセンターシステム」。多様なコミュニケーション手段への対応や顧客満足度の向上が求められる昨今、コールセンターの構築においてコールセンターシステムの導入は欠かせません。
本記事ではコールセンターシステムの仕組みや機能、メリット、導入事例、選び方などを網羅的に解説します。
目次
1.コールセンターシステムとは?
コールセンターシステムとは、電話で顧客から問い合わせなどを受ける際に、さまざまなシステム・機能と連携し、顧客の情報や問い合わせ履歴などを表示する仕組みのことです。
コールセンターは顧客と企業が接点を持つ最初のポイントであり、顧客満足度の維持・向上が大きなミッションとなります。そのため、電話に関する幅広い業務を効率化するコールセンターシステムの導入は必須であると言えます。
コールセンターとコンタクトセンターの関係
コールセンターシステムは、「コンタクトセンターシステム」と呼ばれることもあります。コンタクトセンターとは、電話対応に特化した従来のコールセンターとは異なり、メールやチャット、SNSといった多様なコミュニケーション手段を駆使してカスタマーサービスを担う部署・部門のことを指します。
コンタクトセンターが誕生した背景には、電話だけではなく複数のコミュニケーション手段の中から自分に合った方法を選択したいという顧客のニーズがあります。一方で、最近は企業によってはコールセンターと呼ばれていてもコンタクトセンターのように多様なコミュニケーション手段を活用している場合もあり、コールセンターシステムとコンタクトセンターシステムは同義で使われることも多いです。
以下の記事では、コンタクトセンターが求められるようになった背景や、コンタクトセンターの構築に必要なシステム・機能について紹介しています。あわせてご覧ください。
2.コールセンターシステムの仕組み・機能
ここからは、コールセンターシステムを構成する仕組み・機能として、代表的な10個を解説します。
・PBX(Private Branch eXchange)
・ACD(Automatic Call Distribution)
・IVR(自動音声応答システム)
・CTI(Computer Telephony Integration)
・CRM(顧客関係管理システム)
・チャットボット
・FAQシステム
・レポート機能
・通話録音装置
・SMS送信サービス
それぞれ見ていきましょう。
PBX(Private Branch eXchange)
PBXとは、コールセンターに敷かれている複数の電話回線を集約し、内線同士もしくは外線と内線の接続の制御を行う電話交換機のことです。発着信に関する利便性を飛躍的に向上させるため、PBXはコールセンターの運営には欠かせないシステムです。
以下の記事では、PBXの中でも近年注目されているクラウド型のPBXについて解説しています。
ACD(Automatic Call Distribution)
ACDとは、顧客からの入電を、あらかじめ設定した条件に従って自動的に管理・運用できるシステムのことです。「着信呼自動分配装置」とも呼ばれます。ACDではコールの数や待機時間、スキル別など、さまざまな条件設定ができるため、顧客の問い合わせ内容に応じた部門や担当者に誘導することが可能となります。
IVR(自動音声応答システム)
IVRとは、自動音声応答システムのことです。顧客から入電があった際に、あらかじめ設定した音声を流して自動対応を可能にします。IVRを導入することで、簡単な問い合わせであればオペレーターを介さずに対応することができます。
コールセンターでのIVRの活用法は、以下の記事で紹介しています。
CTI(Computer Telephony Integration)
CTIとは、コンピュータと電話を連携させる技術および、それを提供しているシステムのことです。CTI連携により、着信があった電話番号に紐づいた顧客情報の表示や、コンピュータ画面上からの電話発信ができるようになり、効率的な電話対応が可能になります。
CTIについては以下の記事で詳しく紹介しています。
CRM(顧客関係管理システム)
CRMとは、顧客情報や営業履歴の管理・蓄積を行うためのシステムのことです。システム上に情報を蓄積することで、過去にやり取りのあった顧客から再度入電があった際、顧客の特性を素早く把握し、一人ひとりに適切な対応をすることが可能になります。
また、すでにCRMに入力されている情報であれば再度入力する手間が省けるため、情報入力にかかる時間を短縮することができます。
チャットボット
チャットボットとは、「チャット」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、チャットのようなテキストベースで顧客からの問い合わせに対する返答をロボットが自動的に行ってくれる仕組みです。そのため、オペレーターの業務負担軽減につながり、24時間365日対応も実現可能になります。
また、チャットボットが解決できない疑問や質問に対しては適切な連絡先を提示できるため、顧客がたらい回しになるリスクを低減でき、顧客満足度の低下を防ぐこともできます。
FAQシステム
FAQシステムとは、FAQ(よくある質問)とそれに対する回答で構成されたナレッジデータベース、およびその仕組みの構築を支援するシステムのことです。顧客から寄せられるFAQに対する回答をあらかじめ整理して提示しておくことで、顧客自身による自己解決を促すことができ、問い合わせ業務の省力化につながります。
また、FAQシステムは顧客向けだけでなく、社内の人員がナレッジやデータを検索するシーンでも役立ちます。例えば、オペレーター向けの「回答例」や「対応例」を作成して応対品質向上を図る、といった活用も可能です。
レポート機能
レポート機能とは、コールセンター業務におけるさまざまなデータを集計・分析することを目的とした機能のことです。レポート機能の種類としては、オペレーターの稼働状況を常時監視できる「リアルタイムレポート」と、期間を指定してデータを集計できる「ヒストリカルレポート」に大きく分類できます。
コールセンター全体の運営状況だけでなく、オペレーター別の情報を取得することも可能なため、コールセンターにおけるKPIの達成状況を可視化するほか、オペレーターの育成や業績評価に用いるなど、さまざまなシーンで活用できます。
通話録音装置
通話録音装置とは、オペレーターが電話でやり取りした内容を音声データで記録できる機能のことです。オペレーターが会話を聞き漏らした場合はあとから聞き直せるほか、顧客と「言った/言わない」の問答が起こった際の事実確認や、トラブルの原因特定にも役立ちます。加えて、架電してきた相手に対して通話を録音する旨を自動音声でアナウンスすることで、悪意あるクレーマーを防止することもできます。
SMS送信サービス
SMS送信サービスとは、顧客のスマートフォンや携帯電話などにショートメールを送信する機能のことです。例えば、カード決済に必要な認証URLの送付や、オペレーターの応対品質に対するVOC(顧客の声)を収集するシーンで活用できます。
また、IVRを併用することで、あふれ呼や時間外の問い合わせが発生したときでも自動的にマニュアルや注文窓口URLをSMSで案内することができます。
3.コールセンターシステム導入のメリット
コールセンターシステムの活用は、コールセンター運営に大きなメリットをもたらします。上述した仕組み・機能を活用することで、「業務効率化」「顧客満足度の向上」「オペレーターの戦力化」「コール数の削減」といったメリットが得られます。
業務効率化
コールセンターシステムを導入することで、従来は人が行っていた煩雑な業務をシステムが担うようになるため、オペレーターやSVの負担を軽減でき、業務効率化を実現することができます。
例えば、CRMと連携することでオペレーターは過去の対応履歴を参照しながらコミュニケーションを取れるため、ヒアリングの手間や情報入力の手間が省けます。このほか、ACDを活用すれば顧客からの入電をオペレーターのスキルや稼働状況によって自動で振り分けることが可能になるため、生産性も向上します。
顧客満足度の向上
顧客満足度の向上も、コールセンターシステムを活用することのメリットです。今までのコールセンターではオペレーターのスキルに応じて応対品質にバラつきが生まれる可能性がありましたが、システムによる自動化により応対品質の均一化を図ることができます。
さらに、レポート機能や通話録音装置を用いることで、オペレーターの対話内容や稼働状況をシステム上でリアルタイムに把握でき、対応の漏れやトラブル発生の低減も期待できます。顧客対応の効率化により応答率も改善されるため、顧客の待ち時間を削減することもできます。
コールセンターの応答率を向上する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
また、深刻な人手不足に陥っているコールセンター業界では、少ない人員で顧客満足度を維持・向上しつつ、業務負担を減らせるような自動化・効率化のために、コールセンターDXが求められています。
コールセンターDXとは、デジタル技術を駆使して顧客対応を自動化したり、業務工程の削減・効率化を実現したりすることです。
コールセンターDX実現の流れやシステム選定のポイントなどについては、以下リンクの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
オペレーターの戦力化
コールセンターシステムはオペレーターの業務効率化を図るだけでなく、戦力化を図るシーンでも役立ちます。
例えば、FAQシステムを活用してオペレーター向け「回答例」を作成して応対品質の向上を図ったり、通話録音装置を活用して、個々のオペレーターに合わせたフィードバックを行うことで育成効率を高めたりすることが可能です。これによって応対品質の平準化や、経験の浅いオペレーターの早期戦略化が期待できます。
コール数の削減
電話対応業務を効率化するだけでなく、電話の着信件数そのものの削減が期待できることもコールセンターシステムを導入するメリットです。
例えば、Webサイトに顧客向けFAQを設置したり、チャットボットの活用で問い合わせ対応を自動化したりすることで顧客の自己解決を促進し、コール数の削減を図ることができます。
4.コールセンターシステムの導入形態
コールセンターシステムには「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類の導入形態があります。それぞれ、以下のような違いがあります。
オンプレミス型とクラウド型の違いについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
オンプレミス型コールセンターシステム
オンプレミス型コールセンターシステムは、自社で保有するサーバーにサービスを導入してシステムを稼働する形態のことです。サーバーやソフトウェアを自社に用意し、運用も社内で完結できるのが特徴です。
クラウド型コールセンターシステム
クラウド型のコールセンターは、クラウド(インターネット)上のサーバーから業務を実行する仕組みのことです。クラウド型コールセンターには、主にコスト面で以下3つの特徴があります。
・準備しなくてはならない工程が少なくスピーディーに導入できるものが多いため、初期費用を早く回収できる。
・新たにサーバーや機器などのハードウェアを購入する必要がないため、初期費用が少なくて済む。
・利用人(席)数や時間などによって費用が発生するサービスが主流であるため、入電数が落ち着く時期には低コストで利用できる。
クラウド型のコールセンターのメリットに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
5.目的別で見る!必要なコールセンターシステム要件
「どのようなコールセンターを構築したいか」によって、必要なコールセンターシステムの要件は異なります。ここでは「在宅ワーク型コールセンターを構築したい」場合と、「中小規模企業向けコールセンターを構築したい」場合を例に、必要な要件について解説します。
在宅ワーク型コールセンターを構築したい
新型コロナウイルスの感染拡大や働き方改革などを経て、多くの企業が在宅ワークを推進しており、「在宅ワーク型のコールセンター」も増えてきています。
在宅ワーク型コールセンターを立ち上げるには、まず「どこからでも接続できる環境」を構築する必要があり、そのためにはクラウド型のコールセンターシステムの導入が必須です。
在宅ワーク型コールセンターについては、以下リンクの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
中小規模企業向けコールセンターを構築したい
中小規模企業のコールセンターでは、限られた人的リソースをいかに効率的に活用できるかが重要です。そのためにはDXを推進し、スタッフ1人あたりの業務負担の軽減や業務の効率化を図る必要があります。
DX推進のためには、安価かつ拡張性の高いクラウド型のコールセンターシステムを採用し、適切なオプション機能を選択しましょう。
中小規模向けのコールセンターでDXを推進するコツなどについては、以下リンクの記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
6.コールセンターシステムの導入検等時に留意すべき点
コールセンターシステムの導入を検討するフェーズでは、導入後の状況も見越して、以下のようなことを念頭に置きましょう。
ランニングコストが発生する
コールセンターシステムを選定する際は、導入にまつわる初期費用だけでなく、導入後のランニングコストも考慮して費用対効果を見極めましょう。
導入後のランニングコストとしては、例えばオンプレミス型であればメンテナンス費、クラウド型であれば月額費用が挙げられます。
システムを定着させる必要がある
導入したコールセンターシステムのメリットを最大限享受するためには、社内にシステムを定着させなければなりません。そのためにはオペレーターをはじめとした従業員に対する研修の実施や、操作マニュアルなどの整備が必要です。
新たにコールセンターシステムを導入する場合や、既存のコールセンターシステムからリプレイスする場合は、システム定着のための取り組みも念頭に入れて、導入の計画を立てましょう。
電話対応を完全自動化できるわけではない
コールセンターシステムは業務の自動化に役立つツールです。例えばIVRやチャットボットのように、電話対応の時間やコール数の削減につながる機能が含まれています。しかし、コールセンターシステムはすべての電話対応業務を自動化することを目的としたツールではありません。
仮に、「コールセンター業務にかける自社リソースを完全に削減したい」という要望がある場合は、コールセンターシステムの導入ではなく、コールセンター代行サービスなどの利用を検討したほうがよいでしょう。
7.コールセンターの立ち上げ・構築の進め方
コールセンターを新たに立ち上げるために、コールセンターシステムの導入を検討されている方も多いでしょう。コールセンターを立ち上げ、構築するには以下4つの手順を踏む必要があります。
・ステップ1:コールセンターの目的・業務の明確化
・ステップ2:現状調査とKPIの設定
・ステップ3:必要な設備・システムの選定
・ステップ4:必要な人材・就業形態・制度の整備
以下の記事では、上記の手順について詳しく解説しています。コールセンターの立ち上げに必要な費用や構築時の注意点についても紹介していますので、ぜひご覧ください。
8.後悔しない!コールセンターシステムの選び方
企業によってコールセンターの位置付けは異なるため、自社のニーズに合ったコールセンターシステムを選ぶことが重要です。前提として、自社のコールセンターが「インバウンド型」と「アウトバウンド型」のどちらなのかを確認し、その後、以下の6つの観点から最適なシステムを検討しましょう。
①機能:自社が求めている機能を備えているか
②導入形態:クラウド型かオンプレミス型か
③コスト:初期費用や規模によってどのくらい導入コストがかかるか
④拡張性:座席数やアカウント数などの拡張性が十分にあるか
⑤操作性(UI):誰でも直感的に操作できるわかりやすいシステムか
⑥導入後のサポート品質:システム提供会社のサポート体制が充実しているか
これら選定ポイントの詳細については、以下リンクの記事で解説しています。
また、以下の資料でもコールセンターシステムの選定方法について解説しておりますので、あわせてご覧ください。
9.コールセンターシステム選定時に比較すべきポイント
コールセンターシステムにはさまざまなものがあり、選定に悩まれる方も多いです。
選定に悩んだ際は、自社の目的に沿った費用対効果を算出し、そこから概要・費用・機能などを比較することから進めましょう。
例えば、テレワークを実現したいのであればオフィス賃料や交通費など、また応答率を高めたいのであればスタッフの採用・教育コストや人件費などが費用対効果算出の指標となります。
以下リンクの記事では2023年最新版の比較をしていますので、こちらもあわせてご覧ください。
10.コールセンターシステム導入事例
コールセンターシステムを導入したことで、実際にさまざまな業種で多くの企業がコスト削減や業務効率化を実現しています。
【事例1】
▼課題
それまではPBX、CTI、IVR、通話録音が別々の専用装置だったため、担当者にかかる管理・運用の負荷が大きかった。また、既存のコールセンターシステムが老朽化していた。
▼導入後
必要な機能をオールインワンで利用できるシステムに切り替えたことで、管理や運用の負荷が大幅に軽減された。
上記の導入事例について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
【事例2】
▼課題
窓口ごとのコール動向をリアルタイムに把握できていなかった。また、通話開始時に顧客情報を都度ヒアリングしていたため、顧客とオペレーターに負荷がかかっており、既存のシステムに限界を感じていた。
▼導入後
新たなシステムへのリプレイスに伴いPBXとCRMを連携。入電時に顧客情報を自動で取得できるようになり、顧客満足度と応対品質の向上につながった。
上記の導入事例について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
11.オールインワン型コールセンターシステム「MediaCalls」とは
メディアリンクでは、IP-PBX/CTI/ACD/レポート/通話録音を標準装備し、コールセンターの業務効率化を実現するオールインワン型コールセンターシステム「MediaCalls」を提供しています。
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