電話取次ぎで嫌な顔をされる理由とは?
3つの改善方法も解説

電話を取り次いだとき、相手から明らかに嫌そうな表情をされた経験はありませんか? 電話対応は業務の一環として当然のことですが、取次ぎ先の担当者から不機嫌な態度を取られると、何か悪いことをしたのではないかと不安になるものです。
この記事では、電話の取次ぎで嫌な顔をされる理由と、そうした状況が続くことで生じるデメリット、そして嫌な顔をされずに取り次ぐ方法を解説します。
目次
1. 電話の取次ぎで嫌な顔をする理由
前提として、電話の取次ぎに対して嫌な顔をするのは社会人としてマナー違反であり、ほとんどのケースにおいて電話を取り次ぐ人に責任はありません。
しかし、中には一定数、感情を表に出してしまう担当者がいるのも事実です。ここでは、そうした人がなぜ嫌な顔をするのか、主な理由として以下の4点を紹介します。

- 必要な情報が不足しているから
- 不要な対応をしたくないから
- 実は取り次がないルールがあったから
- 電話対応が苦手だから
必要な情報が不足しているから
取次ぎ時に電話相手の基本情報や用件が十分に伝わっていないと、担当者は「本当に自分宛ての電話なのか」を判断できず、イライラしてしまうことがあります。
▼情報不足で担当者が困惑するケースの例
- 同じ苗字の人が複数いる場合:同じ取引先に同じ苗字の人が複数いて、どの人物からの電話なのか判別できないケース
- 電話相手の見当がつかない場合:取引先ではないものの、過去に商談をした相手など、担当者が覚えていないケース
- 用件が不明確な場合:同じ取引先と複数のプロジェクトを進めているものの、用件があいまいで、どの案件か判断できないケース
- 部署名や役職だけで取り次いだ場合:「営業部の方」「責任者の方」など、特定の個人名がなく、必要以上に身構えてしまうケース
担当者が「これは自分が対応すべき電話だ」と納得するためには、電話相手の会社名や氏名、用件といった基本情報が欠かせません。こうした情報が不足していると、嫌な顔をされやすくなります。
もちろん、こうした情報共有は電話を取り次ぐ人にとっては大きな手間です。以下の記事では取次ぎが「面倒」「無駄」と感じる理由とその解消方法を解説していますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
不要な対応をしたくないから
顧客や取引先からの電話は業務進行上必要な対応ですが、営業電話など対応する必要のないものも少なくありません。担当者にとって、不要な対応を強いられる状況は時間の無駄であり、ストレスの原因です。
特に業務が立て込んでいるときに営業電話を取り次がれると、担当者は「なぜこれを取り次ぐのか」と不満を感じてしまいます。そうした無駄な状況に対して、嫌な顔をしてしまう担当者もいます。
実は取り次がないルールがあったから
悪質なクレーマーや過去にトラブルがあった相手に対しては、社内で取り次がないようルール化している場合があります。しかし、担当者が在籍している部署内では周知されていても、他部署には情報が浸透していないケースも少なくありません。
そうした場合、電話相手が別の窓口に電話をかけてきたとき、他部署の従業員はルールを知らないため、善意で取り次いでしまうことがあります。結果として、担当者から「取り次がないでほしかったのに」と嫌な顔をされることになります。
電話対応が苦手だから
残念ながら、どのような立場や職種の人であっても、電話対応に苦手意識を持つ人はいます。突然の電話対応はその場での判断や即座の対応が求められるため、プレッシャーを感じる人も少なくありません。
そうした担当者に取り次ぐ場合、電話対応そのものへの抵抗感から、嫌な顔をされてしまうこともあります。
なお、以下の記事では電話対応を苦手とする人の心理についても解説しています。興味のある方は、あわせてご覧ください。
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電話対応が苦手な理由とは?
従業員の苦手意識を克服する方法従業員が電話対応を苦手とする理由を紹介しつつ、苦手意識を克服する方法、電話対応ですぐに使える基本的なフレーズをご紹介します。
2. 「嫌な顔をされる状態」が続くことのデメリット
電話の取次ぎで嫌な顔をされる状態が続くと、電話を取り次ぐ従業員だけでなく、企業全体にも影響が及びます。本来なら、こうしたリスクを企業側が認識し、適切な対策を講じる必要があります。
ここでは、嫌な顔をされる状態が続くことで生じる可能性があるデメリットとして、以下の3点を解説します。

- 電話を取り次ぐ従業員のストレスになる
- 恐怖心から電話に出る速度が遅くなる
- 顧客対応品質が低下する
電話を取り次ぐ従業員のストレスになる
「電話対応は簡単な仕事」「電話対応は若手の仕事」という認識は、今でも多くの企業に根強く残っています。そのため、新人や事務員、派遣スタッフといった立場の従業員が電話番を任されることも珍しくありません。
しかし、こうした従業員の多くは、本来の業務と並行して電話対応を行っています。電話が頻繁にかかってくれば本業に集中できず、業務効率が落ちてしまいます。そんな状況で、取次ぎのたびに嫌な顔をされるとなれば、精神的な負担は相当なものです。
ストレスが積み重なればメンタルの不調を引き起こしたり、最悪の場合は離職にもつながりかねません。
恐怖心から電話に出る速度が遅くなる
嫌な顔をされる経験が続くと、電話を取り次ぐこと自体に恐怖心を抱くようになります。電話が鳴っても「また嫌な顔をされるのではないか」と考えてしまい、受話器を取るまでに時間がかかるようになってしまうのです。
場合によっては、直接取り次ぐことを避けるために、本来はその場で対応すべき電話を自己判断で折り返し対応にしてしまうケースも考えられます。
そうなると、今度は「なぜすぐに取り次がないのか」「勝手に折り返しにするな」と、別の理由で担当者から不満を持たれてしまいます。結果として、従業員はさらに追い詰められてしまうのです。
顧客対応品質が低下する
電話応答が遅くなったり、適切なタイミングで取り次がれなくなったりすれば、影響を受けるのは電話をかけてきた顧客や取引先です。
特に、緊急性の高い用件や急ぎの対応が必要な場合、迅速な取次ぎができなければ相手に大きな迷惑をかけてしまいます。こうした対応の遅れは、企業に対する信頼を損ねる原因となり、クレームに発展することも少なくありません。
最悪の場合、顧客満足度の低下から取引停止に至るリスクもあります。社内のコミュニケーション不全が、結果的に企業の評判や売上にまで影響を及ぼす可能性があるのです。
3. 嫌な顔をされずに電話を取り次ぐ方法
ここまで、電話取次ぎで嫌な顔をされる理由とそのデメリットを見てきました。では、実際に嫌な顔をされずに取り次ぐためには、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、電話を取り次ぐ従業員が実践できる方法と、企業として取り組むべき対策として、以下の3つを紹介します。

- 方法1:電話相手の情報や用件をメモに残す
- 方法2:営業電話かどうかを確認する
- 方法3:従業員による取次ぎをやめる
方法1:電話相手の情報や用件をメモに残す
電話を取り次ぐ際は、相手の基本情報や用件を必ずメモして担当者に伝えましょう。重要なのは、取次ぎ先の担当者が「これは対応が必要な電話だ」「自分宛ての電話だ」と判断できる情報を残すことです。
具体的には、以下の情報を聞き取り、メモに残すことをおすすめします。
- 受電した日時
- 電話相手の会社名・部署名・氏名(フルネーム)
- 電話の用件(どの案件や取引に関する連絡か)
- 緊急度(急ぎかどうか)
- 折り返しの可否
- 電話相手の連絡先
- その他の可能な連絡方法(メールなど)
- 受電対応者の氏名
これらの情報が揃っていれば、担当者は電話に出る前に状況を把握でき、スムーズに対応できます。結果として、嫌な顔をされるリスクも減らせます。
方法2:営業電話かどうかを確認する
不要な対応を避けるためには、電話を取り次ぐ前に「営業目的の電話かどうか」を確認することが有効です。
営業電話であることがわかった場合は、「担当者に確認して折り返します」と伝えて、いったん電話を切るのも一つの方法です。その後、担当者に状況を伝え、対応が必要かどうかを判断してもらいましょう。
もし社内に明確なルールがなければ、「営業電話は用件を伺って必要に応じて折り返す」といった運用ルールを策定することも検討の価値があります。ルールを明確にすることで、電話を取り次ぐ従業員の判断基準ができ、不要な取次ぎを減らせます。
なお、しつこい営業電話の断り方については以下の記事で解説しています。詳しく知りたい方は、あわせてご覧ください。
方法3:従業員による取次ぎをやめる
ここまで紹介した方法1と方法2は、電話を取り次ぐ従業員が実践できる対策です。一方、方法3は企業として取り組むべき根本的な解決策になります。
それは、IVR(自動音声応答システム)を導入し、電話の取次ぎを自動化することです。IVRを導入すれば、電話がかかってきた際に自動音声が応答し、用件に応じて適切な担当者や部署に振り分けてくれます。
これにより、人が電話に出て取り次ぐという作業そのものが不要になります。従業員は本来の業務に集中でき、嫌な顔をされるストレスからも解放されます。また、顧客や取引先にとっても、待たされることなくスムーズに担当者につながるため、顧客対応品質の向上にもつながります。
人が電話対応を行うことには、多くの無駄が生じています。電話が鳴るたびに作業を中断し、取次ぎやメモの作成に時間を取られ、さらには嫌な顔をされてストレスを抱える。IVRは、こうした非効率な電話対応を根本的に解決できるツールです。
IVRの仕組みや機能については、以下の記事で詳しく解説しています。導入メリットだけでなくデメリットも含めて知りたい方は、ぜひこちらもご覧ください。
4. IVRで電話の取次ぎを自動化し、嫌な顔をされない環境へ!
ここまで紹介してきた通り、電話取次ぎで嫌な顔をされる問題は、従業員のストレスや顧客対応品質の低下といった深刻な影響を企業にもたらします。この問題を根本的に解決するには、IVRの導入が効果的です。
メディアリンクが提供する「DXでんわ」は、電話取次ぎを自動化し、嫌な顔をされない職場環境を実現するクラウド型IVRサービスです。主な特徴として、以下のような対応を自動化できます。
- 用件のヒアリング:電話がかかってくると自動音声ガイダンスが流れ、電話相手で用件を自動でヒアリングします。
- 担当者への取次ぎ:自動で伺った用件に応じて、適切な担当者・担当部署へ電話を取次ぎます。
- 用件の文字起こし:伺った用件は録音されるだけでなく、テキスト情報として文字起こしされます。
- 担当者への通知:電話がかかってきたあとは、メールやチャットを通じて、担当者や担当部署に電話相手の情報や用件の要約文が通知されます。
- 営業電話のシャットアウト:不要な営業電話には「営業目的のお電話はお断りしています」のような案内を流して対応を完結させられます。
こうした対応が自動化されるため、従業員の「電話に出る」「用件を伺う」「メモを取る」「担当者に取り次ぐ」「不在の場合はメモを共有する」という電話の一次対応を完全に無人化することが可能です。
電話を取り次ぐ従業員と、取次ぎ先となる従業員、双方が働きやすい環境を実現したい方は、ぜひ「DXでんわ」の詳細をご確認ください。
よくある質問
電話の取次ぎをしたくないときはどうしたらいいですか?
IVR(自動音声応答システム)の導入がおすすめです。自動音声が電話対応を行い、用件に応じて適切な担当者に振り分けてくれるため、人が取り次ぐ必要がなくなります。従業員のストレス軽減と業務効率化を同時に実現できます。
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