SVは絶対に押さえておきたい、
オペレーター教育のポイント5選
UPDATE :
オペレーター教育は、コールセンターの応対品質や生産性の向上をミッションに持つSVにとって大切な業務です。しかし、「自分が持つノウハウ・スキルをどう教えたらいいかわからない」「教えたいノウハウを上手く伝えられず困っている」という方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、オペレーター教育において欠かせない観点や必須の教育項目など、効果的な教育を行うためにSVが押さえておきたいポイントをご紹介します。
目次
1.コールセンターにおけるオペレーター教育の重要性
コールセンターでオペレーターを教育することは、なぜ重要なのでしょうか。主な理由は、オペレーターの教育が「スキル向上」「企業のイメージアップ」「人材定着率の向上」に寄与するためです。
スキルの向上
オペレーター一人ひとりのスキルを向上させることは、オペレーターを教育する最大の目的と言えます。当然のことですが、オペレーターのスキルが向上すればコールセンター全体の応対品質向上や生産性アップにつながるため、教育は欠かせない取り組みなのです。
コールセンターの生産性を向上させる方法については以下の記事で紹介しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
企業のイメージアップ
企業のイメージアップを図るうえでも、オペレーターの教育は重要です。コールセンターは企業の窓口となる役割を担っており、顧客と直接対話するオペレーターの印象が企業のイメージを左右することも少なくありません。
オペレーターの対応が素晴らしければ、顧客はその企業に良い印象を抱きやすく、結果的に商品・サービスの購入やリピートにつながるケースもあります。逆にオペレーターの対応が悪ければ、顧客の購買意欲が削がれてしまう可能性もあります。
人材定着率の向上
働き手が不足している昨今、慢性的な人材不足に悩まされているコールセンターは少なくありません。オペレーターの定着率を高めるためにも、教育・研修体制を整えることはSVにとって重要な責務です。
その他のSVに求められる役割やミッションは以下の記事で解説しています。SVの方はぜひご覧ください。
2.コールセンターでSVが育てるべき、理想のオペレーター像とは?
オペレーター教育を考える際、まず大切なのは「どんなオペレーターを育てたいか?」というビジョンを明確化することです。当たり前のようで実は難しく、オペレーター教育が上手くいかないSVは共通して「断片的なノウハウを、場当たり的に指導してしまっている」傾向があります。
どんなスキルを持ち、どんな業務姿勢を身に付けたオペレーターを育てたいのか、SVが理想像を明確化して共有できていれば、オペレーターは自分がどのように成長すればよいのか具体的なイメージを持ちやすくなり、モチベーション向上にもつながります。
オペレーターの理想像は、コールセンターによって違いはあるかと思いますが、例えば次のようなビジョンを設定するとよいでしょう。ここで設定した理想像を基軸に、SVはマネジメント方法を検討していきましょう。
▼オペレーターの理想像(一例)
・臨機応変に、いち早く顧客対応できる「応対スキル」がある
・顧客の要望を先回りして理解し、「CS向上」を図れる
・自ら課題が何か考え、改善する「PDCA能力」がある
・架電結果・履歴の登録など、細かい業務に対しても「丁寧さ」がある
・クレーム・トラブル対応など、イレギュラーに対応できる「問題解決能力」がある
・ミスなくスピーディーに作業を行える「事務処理能力」がある
3.コールセンターのオペレーター教育は3つの観点で行う
SVが「オペレーターに何を教えるか」を整理するためのヒントとして、まずはオペレーター教育に欠かせない観点を押さえておきましょう。主な観点は「応対品質/CS向上」「業務効率化」「メンタルケア」の3つです。
応対品質/CS向上
オペレーターには電話での会話スキルや、顧客の要望を先回りして理解する技量、イレギュラーな状況にも冷静に対処できる姿勢などが求められます。応対品質やCS(顧客満足度)に関わるこれらの能力を高めることは、オペレーター教育における最も基本的な観点です。
応対品質を維持する方法は以下で解説していますので、あわせてご覧ください。
業務効率化
業務効率を高めるためには、業務の「ムダ」を削り、架電/受電効率を最大化させる必要があります。言うまでもなく業務効率化はコールセンターの生産性を高める大事な観点ですが、派遣社員やアルバイトなど、時給制での契約が多いオペレーターの中には「業務効率の改善は自分たちには関係がない話だ」と感じてしまう方が一定数いるのも事実です。そのためSVは、業務効率化によってコールセンターの生産性を高める取り組みとして、オペレーターの意識改革も行う必要があります。
メンタルケア
顧客からの理不尽な要求やクレーム、架電ノルマによるプレッシャーなど、精神的な負担が原因で離職するオペレーターは多いです。せっかく育てたオペレーターがどんどん辞めてしまうと、SVとしても教育工数・コストがかかるため望ましくありません。
オペレーターの働きやすさ(従業員満足度=ES)の向上や、モチベーションマネジメント、メンタルケアなどの実践も、SVの大切な役割です。オペレーターの離職率低下、定着率向上を図るうえで、オペレーターのメンタルケアは重要な観点と言えるでしょう。
コールセンターの人材定着率を上げるためのワークライフバランスについて詳しく知りたい方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。
4.コールセンターにおけるオペレーター教育の必須項目5つ
前章では、オペレーター教育には「応対品質/CS向上」「業務効率化」「メンタルケア」の3つの観点が必要であることをご紹介しました。これらの観点をそれぞれ深く掘り下げると、「オペレーターに何を教えるか」が明確になってきます。
ここでは、特に注力して教えるべき代表的なポイントとして、下記5つの教育項目について解説します。
1.回答速度の向上
顧客からの質問に回答する速度はCS向上に直結する要素ですが、回答速度はオペレーターの経験数がものを言うのも事実です。イレギュラーな質問への対応であれば、なおさら差がつくでしょう。
しかし、たとえ経験の浅い新人であっても、SVの工夫次第で回答速度を上げることができます。例えば、初期の研修だけでなく、実戦デビュー後も参照できる「よくある質問」と「答え」のFAQを用意して業務進行の遅滞を防ぐ、といった手が考えられます。
もちろん、各オペレーターの回答速度が上がればコールセンター全体の応答率も向上します。応答率の改善方法は以下の記事で紹介していますので、ご興味のある方はあわせてご覧ください。
2.クレーム対応スキルの習得
クレーム対応では、常に落ち着いた対処が必要です。不用意な発言で顧客の怒りをよりヒートアップさせてしまったり、誤って理不尽な要求を飲んでしまったりしないようにする必要があります。こちらの「立場」をどのように取るのか、どんな対応で場を鎮めるのかなど、SVはクレーム対応に備えた姿勢・スキルを教育する必要があります。
クレーム対応の基本的なポイントや手順、注意点について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
3.トーク/ヒアリングスキルの向上
顧客との会話では、なるべくソフトな印象を与えることが重要です。感覚や経験で上達するオペレーターもいますが、言葉尻や語調の工夫、丁寧な言葉遣いなど、ある程度のトークスキルはマニュアルによってカバーできます。
また、相手から情報を聞き出すテクニックも同様に、マニュアル化が可能です。方法として、SV自身や会話が上手なオペレーターの特長、気をつけていることなどを言語化し、オペレーター教育に役立てることをおすすめします。
以下の記事ではスキル不足を解消する方法をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
4.モチベーションマネジメント
前述のように、「時給制」で契約を結んでいるオペレーターの中には、業務にモチベーションを感じづらい人もいます。一方で、モチベーションがなければ「稼働効率」や「成果獲得数」を追い求めてもらうのは難しいことです。
たとえ成果報酬型の雇用契約を結んでいても、継続的に勤めてもらうためには、やはりモチベーションを維持してもらう取り組みが欠かせません。「働きやすい環境」「褒める文化」「細やかな気遣い・サポート」など、SVがオペレーターのモチベーションを高めるために実践できることは多いはずです。
5.ストレスケア・マネジメント
離職率を下げ、継続的に勤務してもらうためには、オペレーターのストレスケアも欠かせません。例えば、難しい案件に対応してもらった後や、失敗しているオペレーターがいたら、SVがしっかりアフターフォローを入れることが大切です。
また、オペレーター個々の技量を把握し、適切に担当を振り分けたり、オペレーターでは対応しきれないトラブルが発生した場合はすかさずサポートしたりと、ストレスをなるべく発生させない予防策を張ることも大切です。
SVが生産性の高いオペレーターを育てるための「目標設定の方法」や「面談術」について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
5.コールセンターにおけるオペレーターの教育方法
ここでは「オペレーターをどう教育するか?」をご紹介します。教育方法は目的に応じて、「初期研修(新人研修)」「フォローアップ研修」「スキルアップ研修」の3つに分かれます。
初期研修(新人研修)
採用して間もない人員や、オペレーター未経験の人員に対して行う、実践デビュー前の研修です。初期研修(新人研修)は基本的なスキルを網羅的に学習してもらうための研修であり、一般的に「ソフトスキル」と「ハードスキル」に分けて教育する場合が多いです。
ソフトスキルとハードスキルには、それぞれ以下のような内容が含まれます。
▼ソフトスキル(一例)
・顧客に良い印象を与える話し方
・顧客が話したいことを特定し、要望を引き出すヒアリング力
・顧客の課題を解決する方法
▼ハードスキル(一例)
・会社や商材に対する理解
・コールセンターシステムをはじめとした機器・ツールの使い方
・トラブルシューティングの方法
上記のような内容は初期研修だけでなく、実戦デビュー後も参照できるようマニュアル化したり、FAQを用意したりすることで、オペレーターのスキルアップや業務効率化を促せます。
フォローアップ研修
フォローアップ研修は、すでにコールセンターで実務対応を行っているオペレーター一人ひとりに対して行う、スキル不足を補うための研修です。各オペレーターが不得手・苦手としている業務を把握し、適切にフォローすることでオペレーターのスキルの平準化を図り、コールセンター全体の応対品質向上を目指すのが目的です。
例えば、一定基準のスキルの有無を確認するスキルチェックテストを行い、その結果に応じて追加研修を行うといった手法が考えられます。このほか、SVやリーダーなどが各オペレーターの電話対応をモニタリングし、改善点や良かった点をフィードバックするのも効果的です。
スキルアップ研修
スキルアップ研修は、すでに現場で活躍しているオペレーターが幅広い業務に従事できるよう、新しいスキルを習得してもらうために行う研修です。例えば、単なるオペレーターとしてではなく「リーダーやSVといった責任ある立場で活躍してほしい」といったケースでは必須の研修と言えるでしょう。
スキルアップ研修で教育する内容は、「今後オペレーターにどのような立場・役割を担ってほしいのか」にもよりますが、マネジメントやミドルマネジメント層としての活躍を期待するなら、例えば以下のようなスキルを習得してもらう必要があるでしょう。
・SVやリーダーを担うためのマネジメントスキル
・オペレーターを育成するためのモニタリングスキルやフィードバックスキル
もちろん、ポジションや立場を変えずに「対応できる商材数を増やしてほしい」「一般消費者だけでなく法人対応も行ってほしい」といった場合にも、スキルアップ研修は有効です。
6.コールセンターのオペレーター教育に関して留意すべき点
オペレーターを教育する際は、「教える側の負担」にも留意しましょう。ここでは、教育する立場にあるSVの負担軽減のために取り組むべき事柄として、以下の2点をご紹介します。
教育マニュアルを整備する
初期研修(新人研修)の解説でも触れましたが、いつでも参照できるマニュアルやFAQの整備は、すでにデビューしたオペレーターの業務を効率化するうえで有用です。疑問が生じるたびにSVやリーダーに質問が来るような状況では、本来集中すべきマネジメント業務や目標達成のための取り組みがおざなりになりかねません。教える側に必要以上の負担がかからないよう、オペレーターの自己解決を促すマニュアルを整備しましょう。
また、マニュアルが整備されていれば、オペレーターを新規採用した際に一から研修を設計せずに済む、というメリットもあります。
教育の仕組みをつくる
ただでさえ忙しいSVが教育にかける手間を削るためには、教育を効率化する仕組みを導入することも重要です。どのタイミングで、誰が、どのように、何を教育するのか、といったことをあらかじめ定め、教育を仕組み化することで、効果的で円滑な教育を行うことができます。教育面で役立つ機能を備えたコールセンターシステムを導入すれば、さらなる効率化が期待できるでしょう。
7.コールセンターシステムを活用してオペレーターを効率的に教育しよう
今回ご紹介したように、SVにはさまざまな指導・教育を行うことが求められます。コールセンター全体の管轄やデータ分析・改善など、他の業務だけでも多忙を極めるSVにとって、個々のオペレーターに細やかな教育を施すのは難しいと感じる方も多いことでしょう。
そこで役立つのが、コールセンターシステムを活用した効率的な教育・マネジメントの仕組みづくりです。メディアリンクが提供するコールセンターシステム「MediaCalls」は、オペレーター教育に役立つ機能を豊富に備えています。
例えば、SVが自席からオペレーターのヘッドセットに指示を飛ばせる「ウィスパリング」」機能、オペレーター・顧客の通話をどこからでも傍聴できる「モニタリング」機能、課題を抱えているオペレーターを見える化し、重点的な教育を可能にする「リアルタイムレポート」機能など、オペレーターの教育・指導を効率化できるIT機能を網羅的に搭載しています。
MediaCallsにご興味をお持ちの方は、ぜひ詳細な機能紹介ページをご覧ください。
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