導入事例

電話対応件数を適正化!
スタッフのサービス品質と業務フローの改善に大きく貢献

株式会社五島軒

明治12年創業という長い歴史を誇り、格式ある空間でイギリス風カレーや華やかなコース料理を堪能できる函館の老舗洋食店、五島軒様。同社では本店の代表電話に日々多くの電話があり、現場で接客を担うフロントスタッフの業務調整が必要だったといいます。その課題を解決すべく導入したのが「DXでんわ」でした。

今回は、執行役員/本店営業部長/本店長の渋谷様に、電話業務に関して同社が抱えていた課題や「DXでんわ」を導入した経緯、そして導入後の成果について伺いました。

「DXでんわ」導入前の課題

  • 本店への電話が月600件ほどあり、約3名のフロントスタッフが接客と並行して対応していた
  • 他業務との兼ね合いで即時の電話対応が難しいこともあり、理想の業務工程に至っていなかった
  • 別拠点の販売部宛ての問い合わせもあり、都度口頭で電話番号をお伝えし、お客様に負担が生じていた

「DXでんわ」導入後の成果

  • スタッフが対応すべき電話件数が緩和された
  • 電話対応のために確保していた時間を有効活用することで、その他の業務の視野が広がった
  • 電話に出られないことが大幅に減り、予約対応業務の効率化につながった

DXでんわ導入前の課題:
月600件の電話対応により、接客業務と兼ね合いが難しい状況に

五島軒本店には、レストラン・カフェ・売店が併設されています。そのため、代表電話番号にはご予約のお電話をはじめ、さまざまなご用件のお問い合わせがあります。電話対応についてはフロントスタッフが3名程度で行っていますが、以前は月あたり600件ほど人力で対応していました

受電についてはフロントスタッフがその他の業務と兼務しながら行っています。「宿泊施設のないシティホテル」のようなかたちをイメージしていただければと思いますが、フロントスタッフがレストランご利用者様の誘導や売店での販売などと電話対応を兼務している状態です。そのような体制ですから、特に繁忙期などは電話対応が重なり、接客での円滑なご案内が難しい場合もありました

お問い合わせの大半は、レストランの席を予約されたいお客様からのお電話です。本店のレストラン雪河亭ではコース料理のご予約のみを承っている関係で、以前は席のみ予約のご要望に沿えない旨を都度スタッフからご説明する必要がありました。1件あたりの通話時間はさほど長くはありませんが、ありがたいことに1日に沢山のお電話をいただく状況だったため、その他の業務とのバランスを取るのが難しい状況でした。

また、当社にはカレーギフトや洋菓子など、全国展開している商品を扱う販売部(工場)もあるのですが、そちらへの電話を本店へいただくこともありました。そのようなお電話に対しても、以前は1件ずつスタッフが口頭で販売部の電話番号をお伝えし、おかけ直しいただく対応を取っていました
そうした状況が続いていましたから、かねてから「より効率的に電話業務を行う方法はないか」「従業員の負担を軽減できる方法はないか」と模索していました。

DXでんわ導入の決め手:
「フラットな視点での提案」と「電話業務に精通した会社という安心感」が理由に

IVR(自動音声応答システム)の導入については、実は2年ほど前から頭にありました。当社は一部業務にAIを活用していたり、受付発券システムを導入していたりと新しい技術の活用に抵抗がない社風ですから、自社にマッチしたソリューションがあれば前向きに検討したいと考えていたのです。その中でもIVRというツールに興味を持ったきっかけは、親しくしているホテルさんから「IVRを導入して電話がすごく減った」とお聞きしたことでしたね

当社でも本格的にサービス導入に向けて動き始めたわけですが、ネットで探してみると製品が非常に多く、果たしてどの会社のサービスが適しているのか素人目にはわからなかったのです。そんなとき、例年参加している展示会「国際ホテル・レストラン・ショー」で出合ったのがメディアリンクの「DXでんわ」と、他社さんのサービスでした。

最初にお話を伺ったのは他社さんでしたが、「やはりIVRは便利なツールだな」と確信しました。ただ、「DXでんわ」との細かな違いはまだ不明瞭だったので、2社を並行して検討させていただきました。実は、当初は特に料金面で他社さんに傾いていましたが、何度かやり取りを重ねる中で印象が変わっていきました。

最終的に「DXでんわ」に決めた背景として大きかったのは、フラットな視点でIVRの導入に向き合ってくれたことです。商談の場ではあるものの、他社さんの強みを認めたうえで代替案を提示していただいたり、こちらがわからないことを丁寧に説明してくださったりと、メディアリンクにはより親身になって取り組んでいただきました

また、IVRにとどまらず、コールセンターシステムの提供実績が豊富な点も、メディアリンクを選んだ理由のひとつです。複雑な電話業務に精通しているため、何かトラブルが起こっても大丈夫だろうという安心感が持てました

現に、「DXでんわ」の運用開始初日に電話が鳴らないハプニングがありましたが、迅速に対応していただけました。NTTのボイスワープをうまく設定できていないことが原因で、本来はメディアリンクの範囲外の作業でしたが、電話で相談したところすぐに対応いただけて助かりました。こうした柔軟なサポートも「DXでんわ」の導入に満足しているポイントです

DXでんわの導入成果:
電話対応件数が約80%緩和され、スタッフのサービス品質と業務フローの改善に貢献

「DXでんわ」を導入したことで、電話対応件数を月あたり約80%緩和することができました。これまでスタッフが口頭で行っていた「席のみ予約されたいお客様へのご説明」「販売部(工場)の電話番号の伝達」「ご紹介の営業電話への対応」などはほぼすべて自動化され、現在スタッフが直接対応すべき電話はレストランやカフェの予約対応に限定されています。

販売部宛てのお電話に関しては、当初は転送機能で直接つなぐ想定でいました。しかし、その場合は転送通話料が発生してしまうため、電話番号を自動音声で伝達する方法に変更したという経緯があります。こうしたコストを抑える工夫もメディアリンクから提案いただけたので、「しっかり考えてくれているな」と感じましたね。

電話の取りこぼしが大幅に減少した点も大きな成果です。また、電話に出られなかったとしても「DXでんわ」のレポート画面に着信履歴が残るため、折り返しお電話をすることで取りこぼしをカバーできるようになりました。以前は不在着信の履歴が残らない仕組みだったため、このレポート画面は重宝しています

取りこぼしが発生した場合も、通知設定機能を使用することでいち早く気付けるようになりました。当社では一部の取引先とのやり取りにChatworkを使用している関係でスタッフが慣れていたこともあり、「DXでんわ」の導入を機に社内でも利用を開始し、そこに通知を飛ばす設定にしています。

着信通知が届いたあと、例えば折り返し対応が済んだお電話に対しては「いいね」を押すなど、しばらくはChatworkのリアクション機能を活用して対応状況がわかるようにしていましたが、「DXでんわ」のレポート管理機能で「対応済み/未対応」をワンクリックで切り替えられるので、現在はそちらで管理するようにしています。こうした運用方法は、実際に「DXでんわ」を活用しながら、自社にフィットするかたちへと日々改善しています。

なお、IVR導入後のお客様の反応についてですが、特にレストランをご利用いただくお客様の中には、歴史ある老舗であるがゆえに、我々がデジタル化に取り組むことに戸惑いを感じられる方もいらっしゃいます。ただ、私たちとしては時代に合ったスタンダードな感覚で業務改革を進めていければと考えています。

「DXでんわ」を導入してみて間違いなく言えるのは、よりお客様へのおもてなしや電話以外の業務により多くの時間を注げるようになったということです。シンプルに、これまで手が回らなかった仕事に取り組めるようになっただけでなく、電話対応のための頻繁な業務中断もなくなりましたから、以前よりスタッフのサービス品質の向上にもつながったと感じています。

DXでんわ活用の展望:
インバウンド需要を見据えた「外国語の音声対応」も視野に

現在は日本語音声の自動音声ガイダンスを案内していますが、今後増加するであろうインバウンド需要に対応できるよう、多言語に対応している「DXでんわ」の音声作成機能を活用したいと考えています。例えば、外国人観光客の方からご予約のお電話をいただく際、英語や中国語などの音声でご案内することで、快くお問い合わせいただくような活用法を検討しています。

また、現在は五島軒本店のみで「DXでんわ」を活用していますが、五稜郭タワー店での導入も視野に入れています。もちろんコストに見合った効果が見込めればという前提ではありますが、本店のように生産性向上や業務効率化が図れるのであれば、前向きに検討したいと思います。

株式会社五島軒の概要

  • 会社名 :株式会社五島軒(https://gotoken1879.jp/
  • 所在地 :北海道函館市末広町4-5
  • 代表者 :代表取締役 若山 豪
  • 創業  :1879年4月
  • 事業内容:
    • 飲食店経営
    • 菓子及び冷菓の製造販売
    • 惣菜(カレー缶詰、レトルトカレー)の製造販売
    • 土産品販売
    • 通販事業

DXでんわのご紹介

企業の電話業務をDXすることで、対応の効率化・省力化を推進するサービス「DXでんわ」は、メディアリンクが提供するIVR(自動音声応答システム)です。

企業にかかってきた電話の一次受付と転送を自動化することで、電話業務の大幅な効率化に貢献。また、電話相手が吹き込んだ内容を自動でテキスト化し、関係者に通知する機能も標準搭載。さらに、より柔軟な自動応答を可能にするSMS送信機能も備えています。

音声案内フローは自由に分岐を設定できるため、状況に応じた最適な設定が可能。英語をはじめ、中国語や韓国語、フランス語など、約40言語に対応しており、不動産・ホテル・クリニック・ITなど、幅広い業界で活用されています。