TEL:03-3455-7700

受付時間:平日9:00~19:00

TEL:03-3455-7700

受付時間:平日9:00~19:00

コールセンターの生産性向上のために管理すべき指標と改善方法

コールセンターには日々多くの問い合わせがありますが、中には対応しきれず放棄呼・あふれ呼となってしまうコールもあります。コールセンターは応対品質を維持しながらも、放棄呼・あふれ呼が最小限に抑えられるよう生産性の向上を目指さなければなりません。

 

本記事では、コールセンターの生産性管理のために重要な「AHT」「ATT」「ACW」「CPC」「CPH」という5つの指標とその改善方法、改善時のポイントについて解説します。

目次

応答率・対話品質を改善するための取組み~顧客満足度の高いコールセンターを実現させるために ~

1.コールセンターの生産性に関する課題

多くのスーパーバイザー(以下、SV)には、営業時間内の対応コール数やオペレーター一人あたりの対応件数の最大化などをはじめ、生産性の向上が求められています

しかし、以下のような原因から生産性が低下し、放棄呼・あふれ呼が増加してしまっているコールセンターは少なくありません。

・各オペレーターの電話対応件数が少ない
・通話後の記入作業(ACW)や架電のための準備といった事務作業の時間が長い
・顧客対応に必要な情報の共有が不十分
・問い合わせ内容やチャネルを問わずスタッフを配置するなど人員配置が不適切

SVは上記のような生産性を低下させ得る原因への対策を講じる必要がありますが、留意したいのは「生産性だけを追い求めるべきではない」という点です。生産性向上に躍起になるあまり、各コールにおいておざなりな対応をして顧客満足度が低下してしまったり、非生産時間である情報共有や研修を十分に行わなかったがためにクレームが頻発してしまったりすることも考えられます。

コールセンターでは、応対品質を維持しながら、いかに生産性を向上させるかという視点を持つことが肝心です。

SVに求められる役割やSVのミッションについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

2.コールセンターの生産性管理のための指標とその改善方法

コールセンターの生産性を測る指標(KPI)は、1対応あたりの時間を表す「AHT」と、1対応あたりにかかる費用を表す「CPC」に分けられ、それぞれ細分化することで、次の5つの指標となります。

これらの指標を改善することでコールセンターの生産性が向上しますが、数値だけを追うのではなく、内容や背景を把握したうえで活用することが重要です。

以下では、各指標についての解説と改善方法について述べていきます。

AHT(Average Handling Time)

AHT(Average Handling Time)とは、オペレーターが顧客からの問い合わせを処理する時間の平均です。後述する平均通話時間(ATT:Average Talk Time)と平均後処理時間(ACW :After Call Work)の和で算出できます。

また、AHTは各オペレーターだけではなく、コールセンター全体を含めたサービスレベルも表す指標です。

AHTの改善方法

AHTの改善のためにはコールセンター全体の業務効率化が必要です。通話の記録を残す場合、文字を入力する業務はオペレーター個人のスキルに左右されますが、入力画面へのアクセスや顧客検索のしやすさは管理側で改善することができます。

また、AHTはATTとACWの和で算出されるため、ATTとACWそれぞれを改善することでAHTの改善も実現します。

ATT(Average Talk Time)

ATT(Average Talk Time)とは、オペレーターが顧客と通話している時間の平均です。コールを受けてから切断するまでにどの程度の時間を要したかを表した数値で、前述のAHTの算出にも用いられます。一般的に、ATTは短い(数値が小さい)ほうがコールセンターの生産性は高いと言えます。

ATTの改善方法

ATTを追求するあまり、オペレーターの話す速度を上げたり、顧客の要望にしっかり回答することなくコールを切断したりすると顧客満足度が下がり、応対品質の維持が難しくなります。そのため、応対品質を維持した上で通話時間を減少させる必要があります。

ATTを改善するポイントは、無理に通話時間を短縮させようとしないことです。まずはATTが長いオペレーターを把握し、コール内容を分析します。そのうえで、会話の無駄が発生していないか、顧客にわかりづらい説明をしていないかといった課題を特定し、顧客満足度の向上が最優先であるという認識を共有しつつ、オペレーターに改善の指導を行いましょう。

以下の記事では、ATTが長くなってしまう原因と短縮方法を詳しくご紹介しています。顧客満足度を向上させつつ通話時間の短縮を同時に実現したい方は、ぜひご覧ください。

ACW(After Call Work)

ACW(After Call Work)とは、顧客との通話が終わった後に行う応対記録入力、VOC(Voice of Customer)記録、顧客からの依頼内容に応じた手続き処理にかかる平均処理時間です。前述のAHTの算出にも用いられます。ACWを短縮する(数値を小さくする)ことで業務の効率化につながり、生産性が向上します。

ACWの改善方法

ACWの改善のためには、コールセンター全体で業務フローの改善を図ることが効果的です。オペレーター一人ひとりの入力業務や引き継ぎに関わる業務を無理に短縮しようとすると、入力ミスや入力の情報不足が生じ、クレームにつながる恐れがあります。

ACWの短縮化を図る際は応対品質の低下を招かないよう、オペレーター個人単位ではなく、コールセンター全体で業務をなるべく簡略化できるような仕組みを構築していきます。入力内容のテンプレート化や他部署との連携の円滑化など、ヒューマンエラーを発生させないようにしながら効率化を進めましょう。

CPC(Cost Per Call)

CPC(Cost Per Call)とは、1コールにかかる費用です。人件費や通信費などを含めた費用を1コールに換算するとどれくらいかかっているか、を表したものです。一般的には1オペレーターの1時間あたりのコストを、そのオペレーターの1時間あたりの平均受信数や平均着信数で割ることで算出されます。

CPCの改善方法

CPCの改善のためには、「オペレーターを非正規で雇用する」「センターを地方に移設する」といったさまざまな方法が挙げられます。

ただし、どのような手段を取るにせよ、コスト削減のために応対品質を下げないように注意する必要があります。

CPH(Call Per Hour)

CPH(Call Per Hour)とは、オペレーター1人が1時間あたりに受信したコール数です。オペレーターの能力を表す最もわかりやすいデータとして広く用いられています。一般的にコールセンターのオペレーターは「一つでも多くの電話に応対する」ことが求められるため、受信数を一目で判断できるこの指標は、オペレーターの評価基準としても有効です。

CPHの改善方法

CPHを改善するにはオペレーターの時間当たりの受信数を増加させる必要があり、そのためにはコールセンター全体の業務の効率化が求められます。オペレーター一人ひとりがどのような課題を抱えているのかを洗い出し、その課題に優先順位を付け、適切な施策を講じましょう。

電話応対に必要以上の時間がかかっている場合は、ATTの改善を行うことが効果的です。あるいは電話応対後の入力業務が煩雑であることが課題であれば、ACWの改善を行う必要があります。このように各指標は連動しているため、まずは課題を特定することが重要です。

以下でも、生産性向上につながる5つの指標の改善方法をご紹介しています。あわせてご覧ください。

3.コールセンターの生産性を改善するポイント

前章で紹介した指標「AHT」「ATT」「ACW」「CPC」「CPH」を管理・改善するためには、並行して以下のような取り組みを行うことがポイントです。

目標管理の実施

生産性の改善を図る際は、各指標をやみくもに追うのではなく、達成すべきゴールを明らかにし、追うべき指標とその目標値を定め、PDCAを回しながら達成を目指すことが重要です。

目標を定める際は、KGI(重要目標達成指標)とKPI(重要業績評価指標)の概念を用い、以下のステップで取り組むとよいでしょう。

・STEP1:KGIを定める
・STEP2:KGIの達成に必要な要素を洗い出す
・STEP3:洗い出した要素からKPIを特定し、数値目標を立てる
・STEP4:KPIの達成に必要なアクションを設定する

KGI・KPIを活用した目標設定の方法については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

休憩制度の整備

オペレーターが長時間稼働し続けると、集中力が低下し応対品質が下がる恐れがあります。そのため、定期的な休憩時間を設けるなど、適切な休憩制度を整備することが重要です。

例えば、オペレーターの勤務時間が8時間であれば、1時間の昼休憩に加えて、数時間に1回の小休憩を挟むことで、オペレーターの集中力の維持が期待できます。

教育の実施

コールセンターにおける生産性と各オペレーターのスキルは、決して切り離して考えることはできません。オペレーター間のスキル差により応対品質やスピードがバラつかないよう、業務マニュアルやFAQを整備することはもちろん有効ですが、それにとどまらず、オペレーター一人ひとりの状態に合わせ、「不足しているスキルを補ってもらう」「より難易度の高い業務を担ってもらう」といった目的で教育を実施することも、生産性向上には欠かせない取り組みです。

オペレーター教育に関するポイントについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。

人員配置の最適化

生産性に関する課題をご紹介したパートで触れたように、「問い合わせ内容やチャネルを問わずにスタッフを配置している」など、人員配置が適切でない場合は、生産性の低下を招く恐れがあります。

オペレーターのスキルに応じた配置や、時間帯・曜日・季節ごとの問い合わせ件数の変動に応じた配置を行うことで、無駄や不足がなく、かつ効率的な対応ができる体制を整えることが重要です。

コールセンターシステムの導入

上述したように、休憩制度を整備してオペレーターの集中力の低下を防いだり、教育を実施してオペレーターのスキルアップを図ったりすることは、コールセンターの生産性向上を図るうえでは欠かせない取り組みです。

ただし、人の作業速度には限界があるため、業務効率化に役立つコールセンターシステムを導入し、人が介在する必要のない業務を省力化することも重要です。コールセンターシステムを導入すれば、例えば「CRMと連携して顧客情報の入力作業を削減する」といったことが可能となります。

また、コールセンターのSVは日々の業務に追われ、生産性向上のためのデータ分析や改善活動に注力できていないのが現状です。こうした課題を払拭するためにも、「レポート機能」を備えたコールセンターシステムの導入は不可欠です。レポート機能を活用することで「リアルタイムでセンターの状況をグラフ表示させる」「設定された数値を下回った場合にアラートを出す」など、効率的な生産性管理を実現できます。

このほか、指標をもとにした改善活動にもレポート機能は役立ちます。例えば、Excelで管理する場合、項目別にデータを集計する必要があるため膨大な時間がかかりますが、コールセンターシステムのレポート機能を活用すれば自動で統計データを取得できるため、手間をかけずにデータ集計を行うことができます。

さらに、レポート機能は「オペレーター単位での対応状況の確認」や「コールセンター全体での対応情報の可視化」などにも役立ちます。

4.生産性の管理・改善ができる「MediaCalls」のレポート機能

MediaCallsは、コールセンターの生産性・応対品質の向上に貢献するオールインワン型コールセンターシステムです。MediaCallsのレポート機能によって、コールセンター業務の指標の算出に必要なデータ収集が自動で行われ、数値の可視化も可能になります。

利用可能な機能は多岐にわたり、スキル別の待ち呼数や通話数、各エージェントのリアルタイム状況を可視化する機能や、外線番号ごとの統計データをグラフ表示(折れ線/円/棒/積上棒)、CSV出力できる機能も備えています。

MediaCallsを導入すれば、コールセンター運営に必要なすべての指標を一括で管理することが可能です。

以下のページでは、レポート機能を含む、コールセンターの運営効率改善をサポートするオプションについて紹介していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

まだコールセンターシステムを導入されていない方は、ぜひ以下の記事もご覧ください。システムを導入する前だとあまり馴染みのない、コールセンターで活用されている「CTI」や「PBX」について詳しく解説しています。

MediaCallsは100%自社開発により、圧倒的低価格で導入が可能です。また、コールセンターの多様なニーズに応えるため、3つの利用形態が用意されています。それぞれ異なる料金体系となっているため、コールセンターの体制や予算に合わせて選択することができます。詳しい料金体系については、以下をご覧ください。

音声テック事業部 営業部 コミュニケーションデザインチーム マネージャー
阿久根 工
経歴

1989年に株式会社CSK(現SCSK)入社。
エンジニア、営業支援、営業企画、コンサルティングやセンター認定監査など様々な業務に従事。
2011年に独立後、2015年当社入社。
音声テック事業のCTI/IVR等の営業を経て、現在は「CC Survey」やIVR関連サービスなどコールセンター向けサービスを管掌。

保有資格

HDI国際認定オーディタ(2003-2011)